当社グループ(当社及び連結子会社)は、“新たな光で未来を照らす”をスローガンとし、光テクノロジーを通して豊かな社会と環境を創造するために、「環境負荷低減」「防災対応」「特殊環境対応」「照明制御」「新型コロナウイルス感染対策」などの社会的課題解決に対する新技術や新材料の基礎研究を進めるとともに、「光」の機能と特性を活かした各種商品の研究開発を行っております。光の持つ潜在力を究め、照明事業ではLED照明とそれらの制御を柱とし、光・環境事業では殺菌・滅菌及び環境試験、紫外線硬化ならびに半導体関連事業に注力して、省エネルギー・省力化推進と安全・安心の環境づくりに貢献するため積極的な研究開発に取り組んでおります。
研究開発体制は、新技術開発部門と商品開発及び設計開発部門があり、新技術開発部門では要素技術及び応用技術の技術開発を軸に、大学や研究機関等との連携や協力企業との技術連携による研究開発に取り組み、成果を商品開発へ技術展開してまいりました。そして照明事業と光・環境事業部門各々の商品開発及び設計開発部門では、各々の事業部門における新商品開発や新しいシステム開発等に注力してまいりました。
各研究開発部門が相互に連携・連動しながら新技術を搭載した照明や光・環境機器、ソリューション創出に向けた研究開発体制で効率良く進めてまいりました。
当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は、照明事業
なお、各セグメントにおける研究開発活動は以下のとおりです。
<照明>
当期は、当社の主力市場である「道路・トンネル」、「工場」、「スポーツ」、「看板」向け製品のフルリニューアルやラインアップ拡充に加え、「防爆」、「制御」といった市場に向けた商品についてもラインアップを強化しました。道路市場では低位置型や防浸型照明を発売、トンネル市場では自動車専用道向け商品を追加拡充し発売、工場市場では高天井照明に更なる特殊環境向け製品をラインアップし販売を開始いたしました。スポーツ市場向け投光器としてはアヴァンシリーズを発売、看板向けについてもラインアップを拡充し販売を開始しております。
防爆市場においては多様なニーズに対応するため、ラインアップの見直し、拡充を行うと共に一部の製品はフルリニューアルを実施し販売を開始しております。制御市場に関しては、点灯/消灯制御に監視/管理/調光制御などの機能を拡張し、ライトアップ/カラー制御を演出(動きのある)制御が可能となる機能へと進化させ、有線/有人制御に無線/無人/センサー制御機能を追加するなど、さまざまな要求へ積極的に取り組み、順次対応した製品の販売を開始しております。昨今、制御に関しては特定の市場ではなく、さまざまな市場へも広がりを見せており、制御可能な照明器具商品のラインアップ拡充にも積極的に取り組んでまいります。
<光・環境>
光・環境事業では、殺菌・滅菌、環境試験、紫外線硬化などに注力し、省エネルギー推進と安全・安心の環境づくりに貢献するため、継続的に研究開発に取り組んでおります。
新型コロナウイルスの感染症が収束せず、ウィズコロナと言われる中、引き続き感染対策用の機器開発に取り組みました。エアーリアシリーズでは、部屋のコーナーに設置可能な「エアーリア デルタ」を新たにラインアップしました。また、鉄道車両内のウイルス感染対策を目的に鉄道車両向けの空気循環式紫外線清浄機を開発し、1年に渡る車両搭載試験を実施中です。
当社製品に搭載する紫外線ランプの新型コロナウイルスの不活化効果については、昨年に続いて大学等の研究機関と共同で新型コロナウイルス変異株(デルタ株)の評価試験を実施し、従来の新型コロナウイルス株と同等の有効性があることが確認されました。また、各種シミュレーションを駆使してウイルス不活化効果を予測し、適切な光源や灯数の選択を行うことにより、効果的な機器開発に繋げております。
空気中の微生物類の不活化試験を行うべく空気殺菌実験室も用意しました。当該施設を利用することで除菌性能を実測確認しながらの装置開発が可能となり、装置開発のスピードアップに貢献します。シミュレーションによる予測とともに実測値も蓄積し、より効果的なウイルスの不活化技術の確立を目指してまいります。
この他、除菌用途の新製品としては、人体に対してUV暴露のリスクを排除するための安全機構や運用を具備し、無人環境で使用する外照式UV照射装置を2機種開発しました。引き続き、用途・対象を更に広げるべく、安全・安心な環境づくりを進めてまいります。
環境試験分野では、北米の輸送機体用コーティングの規格ASTM D7869に対応したキセノンランプ方式の耐候性試験機を新たにラインアップしました。タッチパネルを大型化し、セグメント方式によるプログラムの設定や遠隔操作を可能にするなど、新たな規格試験方法に合致するため、温湿度制御性の見直しとともに操作性の改善をはかりました。
紫外線硬化分野では、高密度チップ実装の光源モジュールを組み込んだUV-LED照射装置の品種拡大を進め、特に枚葉印刷においてラインアップしました。この高密度チップ実装技術を更に進化させ、枚葉印刷以外の市場やニーズに向けたUV-LED照射装置の研究開発にも取り組んでおります。一方、紫外線ランプにおいても更なる効率化や長寿命化、水銀レス化に取り組んでおり、照射装置も72kWまでラインアップしている中、お客様の生産設備としての改良設計を進めました。印刷以外の紫外線硬化は、連続スペクトルやUV-C発光強度が必須であるため、引き続き紫外線ランプは多くのニーズがあり、紫外線ランプとともに照射装置も進化を図ってまいります。
従来からランプ単体での開発・上市であった赤外線ランプ機器に於いては、新たに半導体製造用途での加熱用照射装置開発にも取り組みました。
今後も各市場トレンドやニーズに合致し、紫外線から赤外線までの電磁波エネルギー、及び電子線を利用したユニークな産業機器の研究・開発活動を行ってまいります。
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