業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

業績等の概要

(1) 業績

当連結会計年度における世界経済は、各国において景気の持ち直しが見られたものの、新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受け、未だ本格的な回復には時間を要する状況にあります。

 我が国経済においては、経済活動が正常化しつつありましたが、新型コロナウイルス感染症再拡大に加え、サプライチェーンの停滞及び半導体不足や原材料価格の高騰などの影響から、先行き不透明な状況が続いております。

当社グループの主たる供給先の状況として、自動車業界においては、世界的な新型コロナウイルス感染症再拡大や、半導体不足による自動車各社の減産調整があったものの、脱炭素社会に向けた電動車関連の需要は好調に推移しました。また、半導体業界においては、民生及び車載向け等、各種半導体の需要がいずれも好調に推移しました。

このような事業環境のもと、当社グループは、省資源・省エネルギーに貢献する製品・部品の受注拡大を図るとともに、全グループを挙げて生産性向上、原価低減等に取り組みました。

その結果、当連結会計年度の売上高は1,394億2千9百万円(前期比43.2%増)となりました。利益面では、電機部品事業と電子部品事業が増収となったことなどにより、営業利益は149億5千9百万円(前期比294.7%増)、経常利益は156億7千2百万円(前期比301.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は117億7千8百万円(前期比354.3%増)となりました。

 

セグメントの業績は、次のとおりであります。

(金型)

  金型事業については、好調な車載用モーターコア金型の需要に対応しました。その結果、売上高は97億6千万円(前期比14.2%増)となりました。営業利益は増収の結果、10億2千4百万円(前期比6.9%増)となりました。

 

  (電子部品)

  電子部品事業については、各種半導体の好調な需要に対応しました。その結果、売上高は591億4千4百万円(前期比48.2%増)となりました。営業利益は増収に加え原価低減等に取り組んだ結果、78億1千6百万円(前期比415.8%増)となりました。

 

  (電機部品)

  電機部品事業については、自動車各社の減産調整があったものの、拡大する電動車向け駆動・発電用モーターコアの需要に対応しました。その結果、売上高は754億8千2百万円(前期比42.5%増)となりました。営業利益は増収に加え原価低減等に取り組んだ結果、90億5千5百万円(前期比100.0%増)となりました。

 

  (工作機械)

  工作機械事業については、徐々に平面研削盤市場の回復が見られるなか、当事業における売上高は9億6千万円(前期比10.2%増)、営業損失は2億5千9百万円(前期は営業損失2億4千3百万円)となりました。

 

 なお、上記セグメント売上高は、セグメント間の内部売上高又は振替高59億1千9百万円を含めて表示しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、311億4千万円となり、前連結会計年度末に比べ137億6千7百万円増加しました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、増加した資金は181億2千9百万円(前期比91億7千1百万円増)となりました。

これは、事業拡大に伴う売上債権69億1千7百万円の増加などありましたが、主に税金等調整前当期純利益154億2千8百万円及び非資金項目の減価償却費86億3百万円により増加したものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は177億4千3百万円(前期比52億3千7百万円増)となりました。

これは、主に電機部品事業における、新規製品及び生産能力増強のための設備投資など、有形固定資産の取得177億6千万円によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、増加した資金は124億6千9百万円(前期比107億6千4百万円増)となりました。

これは、借入金の返済24億9千1百万円及び配当の支払9億8千6百万円により減少したものの、主に前述の設備投資を使途とする長期借入の実施160億円により増加したものであります。

 

 なお、これらの増減の他、資金に係る為替換算差額9億1千2百万円により資金が増加しております。

 

生産、受注及び販売の実績

当連結会計年度の生産、受注及び販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(1)生産実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

前期比(%)

金型

(百万円)

3,834

△1.2

電子部品

(百万円)

59,365

48.1

電機部品

(百万円)

76,306

42.7

工作機械

(百万円)

891

24.6

合計

(百万円)

140,397

43.0

 

(2)受注実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

金型

4,186

27.2

1,376

24.3

電子部品

64,919

54.7

11,929

93.8

電機部品

77,436

43.4

7,046

38.5

工作機械

1,051

62.6

271

144.4

合計

147,592

47.7

20,624

65.5

 

(3)販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

至 2022年1月31日)

前期比(%)

金型

(百万円)

3,916

3.8

電子部品

(百万円)

59,144

48.2

電機部品

(百万円)

75,476

42.5

工作機械

(百万円)

890

24.4

合計

(百万円)

139,429

43.2

 

(注)1.生産実績の金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年2月1日

    至 2021年1月31日)

当連結会計年度

(自 2021年2月1日

    至 2022年1月31日)

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

トヨタ自動車㈱

26,376

27.1

36,943

26.5

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しているとおりであります。

 

(2)当連結会計年度の経営成績等の分析

① 概要

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が1,394億2千9百万円(前期比43.2%増)、営業利益は149億5千9百万円(前期比294.7%増)、経常利益は156億7千2百万円(前期比301.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は117億7千8百万円(前期比354.3%増)となりました。

② 売上高

省資源・省エネルギーに貢献する製品・部品の受注拡大及びグローバルな新規顧客の開拓に取り組んだ結果、前連結会計年度に比べ43.2%の増収となりました。

③ 売上原価、販売費及び一般管理費

売上原価については、全グループを挙げて生産性向上と原価低減に取り組んだ結果、当連結会計年度の原価率は81.0%と前連結会計年度に比べ5.2ポイント改善いたしました。

販売費及び一般管理費については、売上高の増加に伴い運搬費が増加したことなどにより、114億9千8百万円と前連結会計年度に比べ18億7千7百万円増加しております。

④ 営業損益

以上の結果、営業利益は149億5千9百万円となりました。

⑤ 営業外損益及び経常損益

営業外収益は主に為替差益8億3百万円の計上により11億6千7百万円(前期比156.6%増)、営業外費用は4億5千4百万円(前期比34.9%増)、経常利益は156億7千2百万円となりました。

⑥ 特別損益

特別利益として補助金収入1億8千6百万円を計上しております。また、特別損失として収益性の悪化した資産グループの固定資産及び遊休資産について減損損失3億8千5百万円を計上しております。

⑦ 親会社株主に帰属する当期純損益

税金等調整前当期純利益は154億2千8百万円(前期比340.4%増)となりました。これより税金費用36億2千1百万円及び非支配株主に帰属する当期純利益2千7百万円を控除した親会社株主に帰属する当期純利益は117億7千8百万円となりました。

 

 なお、セグメント別の分析については、前述の「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要(1)業績」に記載のとおりであります。

 

 また、財政状態の分析については、後述の「(4)資本の財源及び資金の流動性の分析 ② 財政状態の分析」に記載のとおりであります。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因については、前述の「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

(4)資本の財源及び資金の流動性の分析

① 財政政策

当社グループは、売上債権及びたな卸資産の圧縮等、資産のスリム化を図ることによって内部資金を生み出し、財務基盤の一層の健全化を進めて参ります。

売上債権については、回収の管理・促進は営業部門に加え専門部署が担当しております。

たな卸資産については、生産工程の見直しによる仕掛在庫等の圧縮を図っております。

以上の取り組みを行ったうえで必要となる資金調達に関しましては、その時点の財政状況、資金需要の期間及び目的を勘案し、最適な調達を行うことを基本としております。

② 財政状態の分析

(資産)

 総資産は1,340億3千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ377億8千万円増加しております。

 これは主に、成長分野への先行投資を積極的に進めたことにより有形固定資産が113億7千8百万円増加したことや、受取手形及び売掛金が79億4千9百万円、長期借入の実施等により現金及び預金が78億6千1百万円、また有価証券が57億円増加したことによるものであります。

(負債)

 負債合計は726億5千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ241億7千9百万円増加しております。

 これは主に、借入金が135億8百万円、買掛金が57億9千万円増加したことによるものであります。

(純資産)

 純資産合計は、613億8千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ136億円増加しております。

 これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益117億7千8百万円の計上などにより利益剰余金が増加したことによるものであります。

③ キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況につきましては「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(5)経営上の目標の達成状況

 当社グループは、収益性重視の観点から、売上高営業利益率を経営指標に掲げ、その向上に取り組んでおります。また、財務体質の健全性維持を図るため自己資本比率を経営指標としております。

 なお、当社グループが取り組むべき経営課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」をご参照下さい。

 

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