事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 経済状況、事業環境について

 当社グループの事業は、主として国内景気の動向に大きく左右されますが、2020年来新型コロナウィルスの感染拡大による国内外の経済への打撃により業績の後退を余儀なくされています。具体的には、建設工事用機械や電気制御設備、空調・給排水工事は高層ビル・マンションや工事設備の建設需要に、機械部品製造、化粧品用機械製造、タンク製造、自動車部品製造、鋳造機製造は国内製造業の需要動向に影響を受けます。遊園機械の販売事業や遊園地運営事業は、国内及び海外のレジャー施設建設需要と、国内及び海外の消費者のレジャー需要(天候要因を含む)に影響を受けます。

また、化粧品用機械を中心に海外への輸出に注力しており、現地での需要動向や法規制等の変更による影響を受ける可能性があります。

(2) 外国為替相場の変動について

レジャー事業を中心に輸出入があり、外国為替相場の変動により当該事業の業績が影響を受ける可能性があります。

(3) 金利の変動について

 今後、金利が上昇した場合、当社グループの有利子負債の支払利息が増加し金融収支が悪化する可能性があります。この対策として、長期借入金の一部についてデリバティブ取引(金利スワップ取引)をヘッジ手段として利用しています。

(4) 投資有価証券について

 当社グループの保有する投資有価証券については、既述の事業再編の動きに合わせ、保有有価証券の見直し及び売却処分を行い保有株式の一部を減少させていますが、大半が上場株式であるため、今後、株式相場が大幅に変動した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 なお、今後の同社株式の保有方針については、「第4 提出会社の状況 4コーポレート・ガバナンスの状況等 (5)株式の保有状況 」をご参照ください。

(5) 原材料、資材、エネルギー価格について

 鉄、銅をはじめとする非鉄金属、石油石炭等の原材料の値上がりに連れて当社グループの調達資材や電力等エネルギー価格が上昇し、長期の受注生産を中心とする当社グループの事業特性からコストアップ要因として働き業績に影響を与える可能性があります。

(6) 製品の保証について

 当社グループでは、品質管理基準に従って製品の製造並びに据付工事及びメンテナンス等を行っていますが、当社グループ負担の保証工事や製造物賠償責任等に伴うコストの発生から、保険等でカバーすることができず、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

(7) 不採算工事の発生に関するリスク

 当社グループが施工する工事において、当該工事の施工段階で当初の想定外の追加工事原価等により不採算工事が発生した場合、工事損失引当金を計上することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を与える可能性があります。

(8) 減損会計の適用によるリスク

 当社グループでは、製造設備をはじめとした事業の用に供する各種資産を保有しています。それらの時価が著しく下落した場合、又は事業資産の収益性が悪化し回復の可能性が見込めない場合には、減損会計の適用によりそれらの固定資産の減損損失を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 また、買収に伴ってのれんを計上しており、当該事業の収益性が悪化し回復の可能性が見込めない場合には、減損会計の適用によりのれんの減損損失を計上することにより、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9) 法的規制、会計基準について

 当社グループは、国内外での各種法令、許認可や規制の順守のもとに事業を遂行し、会計基準に則り会計処理を行っていますが、法令の改廃や法的規制が設けられたり、また、税効果会計や減損会計を適用しているため、将来の予想数値の変更があった場合、並びに会計基準が変更される場合等には当社グループの貸借対照表、損益計算書に影響を及ぼす可能性があります。

(10) 環境保全について

 社会の要請である環境保全については、グループ全体で真摯に取り組んでいますが、不測の事態等によりコストが発生し業績に影響を及ぼす可能性があります。

(11) 災害及び事故について

当社グループは火災、地震、台風等の各種災害に対し、損害の発生及び拡大を最小限に止めるべくシステム機器の外部センター等への分散配置等の処置を講じていますが、それらの災害により当社グループの活動が影響を受ける可能性があります。また、工場及び工事現場、遊園地等における安全管理には万全を期していますが、万一事故が起きた場合には損害額、賠償額が保険等で十分カバーされず当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 茲許、世界的な蔓延により世界の経済に大きな打撃を与えている新型コロナウイルス禍については、国内経済に主たる基盤を置く産業機械事業の分野や消費者向けサービス事業の分野で、経済活動の急激な低下による影響を大きく受ける可能性があります 。

(12) 訴訟等について

 当社グループの事業に関連して、当社グループが当事者となることのある訴訟その他法的手続きに係る決定等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社組織の総務部に法務担当者を配置し顧問弁護士と相談しながら訴訟の発生リスクを極小化しています。

(13) 情報セキュリティについて

 当社グループが保有する情報資産の保護については、管理体制の整備や教育、情報セキュリティシステムの構築等によって、グループ全体で取り組んでいます。しかし、コンピュータウイルスへの感染や不正アクセス、その他不測の事態によって、これらの情報資産が消失、もしくは漏洩した場合、当社グループの業績や信用・評判等に影響を及ぼす可能性があります。セキュリティ確保の観点から、システム企画部を中心にITシステムを含む情報管理の体制を整備・更新し、従業員への教育等を行い、情報漏えい防止に努めています。

 (14) 人財の確保・育成について

 当社グループは、造船事業が不況の時期に定期採用を絞ったことにより年齢構成に偏りがあります。また、成長戦略を推進するにあたり即戦力の人財確保が課題です。ここ10年は、好不況にかかわらず一定数の新卒採用を行っており、即戦力の中途採用にも注力しています。また、2019年4月より60歳定年を65歳に延長する「65歳定年制度」を導入し、ベテラン人財の活用とベテランから中堅・若手への技能伝承に努めています。しかし、労働市場の動向によっては、当社グループが計画する人財の確保ができず、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 (15) 新型コロナウイルス感染症について

世界的な新型コロナウイルス感染症の影響により、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じています。この対策として、当社グループの従業員や家族への感染防止を図るために、「サノヤス・スタンダード」として次のような対策に取り組んでいます。
・安全衛生の徹底(マスク着用、検温等)
・在宅勤務、時差出勤の推進
・Web会議等を活用し、国内外の出張については、不要不急なものは避ける
 今後も動向を注視しながら適宜対策を講じていきますが、さらなる感染拡大等、想定を超えるような事態が発生する場合には、国内外の経済状況の変動に応じ、当社グループの財政状態や業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。特に緊急事態宣言の発出による遊園地への休業要請や海外渡航制限などにより遊園地来客のさらなる減少等の可能性があります。

 

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