業績

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(業績等の概要)

(1) 業績

 当連結会計年度における世界経済は、引き続き新型コロナウイルスの影響を受けながらもワクチン接種に伴う感染者数減少を受けて経済を回す動きが取られ、全体的には回復基調で推移しました。しかしながら、経済回復に伴う急激な需要拡大と、様々な要因に起因する供給制約に伴う需給逼迫によるサプライチェーンの混乱により、物価は高騰しました。さらに今年に入ってからは、ロシアによるウクライナ侵攻や中国のゼロコロナ政策堅持による上海のロックダウン等がサプライチェーンの混乱と物価高騰に拍車をかけ、元々先行き不透明だった近年の状況に輪をかけて先行きが全く見通せない状態となっております。

 一方国内におきましては、新型コロナウイルスの影響を受けながらもオリンピックを開催し、感染増減の波に翻弄されながらも経済を回して全体的には回復基調で推移しましたが、他地域同様にサプライチェーンの混乱と資源物価の高騰に見舞われました。加えて、直近では20年以上振りの円安により、さらに輸入品物価が上昇する厳しい環境となっております。

 当社グループの主要事業領域であります自動車産業界は、年度初めの第1四半期においては前年の半導体不足からの挽回生産を行い堅調に推移しましたが、第2四半期後半からは東南アジアでの感染拡大に伴い再びサプライチェーンが混乱し、第3四半期には再び大幅な減産となりました。第4四半期にはサプライチェーンの混乱も幾分改善されましたが、引き続き先の見通しが立たない不安定な生産状況となりました。

 このような状況の中、当社グループの連結売上高は、前年度に対して回復はしたものの下半期の落ち込みが響き、20,533百万円(前連結会計年度比8.3%増)となりました。営業利益につきましては、原材料を含む物価の値上りと下半期の生産減に伴う経費増がありましたが、前年度ほどの稼働調整が無くなり、1,259百万円(前連結会計年度比26.3%増)となりました。経常利益につきましては、前年度計上のありました雇用調整助成金が無くなりましたが、為替が大きく円安に振れたことによる為替差益404百万円が発生し、1,963百万円(前連結会計年度比23.5%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前年度計上のありました過年度分利益課税が無くなり、1,347百万円(前連結会計年度比38.3%増)となりました。

 

 

 当連結会計年度におけるセグメント別の業績は、次のとおりであります。

① 金属関連部品事業

当連結会計年度の当事業の売上高は、17,938百万円(前年同期比7.4%増)となりました。上半期は好調に推移しましたが、第3四半期以降はサプライチェーンの混乱により客先の稼働が低迷し、挽回のアナウンスをしては挽回できずに減産となる状態の繰り返しに陥り、売上は低迷しました。

② 樹脂関連部品事業

当連結会計年度の当事業の売上高は、1,688百万円(前年同期比16.9%増)となりました。金属関連部品事業同様上半期は好調に推移しましたが、第3四半期以降は失速しました。

③ その他

当連結会計年度の当事業の売上高は、905百万円(前年同期比10.5%増)となりました。海外は経済回復傾向により、カナダと欧州、豪州で増加しました。国内についても緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の影響で経済活動に制限はありましたが、回復基調で推移したため増加しました。

 

(2)財政状態

当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ605百万円増加し、27,359百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ911百万円減少し、8,045百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ1,517百万円増加し、19,313百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、税金等調整前当期純利益、減価償却費、仕入債務の増加額、定期預金の払戻による収入、有価証券の償還による収入や長期借入金による収入があったものの、為替差損益、売上債権の増額、棚卸資産の増額、法人税等の支払額、有形固定資産の取得による支出、有価証券の取得による支出や短期借入金の純減額などがあり、当連結会計年度末には6,238百万円(前連結会計年度末比11.4%減)となりました。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、得られた資金は1,737百万円(前年同期比37.5%減)となりました。これは税金等調整前当期純利益2,002百万円、減価償却費1,334百万円、仕入債務の増加336百万円などの資金の流入があったものの、法人税等の支払額556百万円、棚卸資産の増加369百万円、為替差益333百万円、売上債権の増加313百万円などの資金の流出があったことによります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は1,336百万円(前年同期比23.4%減)となりました。これは有形固定資産の取得による支出1,806百万円、有価証券の取得による支出327百万円などの資金の流出があったものの、有価証券の償還による収入335百万円などの資金の流入があったことによります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は1,545百万円(前年同期は1,289百万円の取得)となりました。これは、長期借入れによる収入471百万円などの資金の流入があったものの、短期借入金の純減額1,490百万円などの資金の流出があったことによります。

 

 

(生産、受注及び販売の状況)

(1) 生産実績

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

金属関連部品事業(千円)

17,501,413

107.0

樹脂関連部品事業(千円)

1,702,338

116.4

  報告セグメント計(千円)

19,203,751

107.8

その他(千円)

676,309

108.8

合計(千円)

19,880,061

107.8

 

(注) 1.金額は販売価格によっております。

 

 

(2) 受注状況

当社グループは受注より出荷までの期間が極めて短いため、得意先の生産計画に基づく週単位、旬単位、月単位での内示情報と、過去の流動傾向を基にした見込生産を行っているため、該当事項はありません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度
(自 2021年4月1日
 至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

金属関連部品事業(千円)

17,938,721

107.4

樹脂関連部品事業(千円)

1,688,953

116.9

  報告セグメント計(千円)

19,627,675

108.2

その他(千円)

905,967

110.5

合計(千円)

20,533,642

108.3

 

(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

相手先

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

 至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

 至 2022年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

トヨタ自動車株式会社

2,698,751

14.2

2,672,835

13.0

株式会社アイシン

2,156,291

10.5

 

2.従来の当社とアイシン精機㈱及びアイシン・エイ・ダブリュ㈱との取引は、2社の2021年4月1日付経営統合に伴い、㈱アイシンに承継されております。

3.前連結会計年度におけるアイシン精機㈱及びアイシン・エイ・ダブリュ㈱の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。そのため、実際の業績や財務状況は記載予想とは異なる可能性があります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたり、会計上見積りが必要な費用につきましては、合理的な基準に基づき見積りをしております。

 

(2) 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

① 財政状態の分析

流動資産は、受取手形及び売掛金の増加232百万円、電子記録債権の増加166百万円、有価証券の増加105百万円、商品及び製品の増加260百万円、原材料及び貯蔵品の増加154百万円がありましたが、現金及び預金の減少1,231百万円により、前連結会計年度末と比較して236百万円の減少となりました。

固定資産は、投資その他の資産のその他の減少69百万円がありましたが、有形固定資産の増加837百万円、投資有価証券の増加52百万円、繰延税金資産の増加49百万円により、前連結会計年度末と比較して842百万円の増加となりました。

以上の結果、資産合計は前連結会計年度末と比較して605百万円増加し、27,359百万円となりました。

負債につきましては、支払手形及び買掛金の増加287百万円、電子記録債務の増加107百万円、長期借入金の増加313百万円がありましたが、短期借入金の減少1,490百万円、未払金の減少211百万円により前連結会計年度末と比較して911百万円減少して、8,045百万円となりました。

純資産につきましては、19,313百万円と前連結会計年度末と比較して1,517百万円の増加となりました。これは配当金の支払265百万円がありましたが、為替換算調整勘定407百万円の増加、親会社株主に帰属する当期純利益の計上1,347百万円によるものであります。

② 経営成績の分析

当社グループの当連結会計年度における売上高は20,533百万円(前連結会計年度比+1,568百万円・8.3%増)、営業利益は1,259百万円(前連結会計年度比+261百万円・26.3%増)、経常利益は1,963百万円(前連結会計年度比+373百万円・23.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,347百万円(前連結会計年度比+373百万円・38.3%増)となりました。

売上に関しましては、当社グループの主要取引先であります自動車業界の当連結会計年度における国内生産台数は7,545千台(前連結会計年度比△424千台・5.3%減)と減少したものの、1~12月の海外生産が16,462千台(前連結会計年度比+1,085千台・7.1%増)と増加、これらを合算した全世界生産台数が24,007千台(前連結会計年度比+661千台・2.8%増)と増加したことによる押し上げ効果等により8.3%増加しました。利益に関しましては、売上が増加したことやコロナ対策で出張等の出費が抑えられたこと、前期のような大規模な一時帰休の実施がなかったこと等により、営業利益は26.3%増加しました。営業外では前期までの雇用調整助成金等の補助金が無くなりましたが、円安に振れて大きな為替差益が発生したこともあり、経常利益は23.5%増加しました。税引前利益の増加に加え、前期計上の有った過年度分利益課税が無くなったこともあり、親会社株主に帰属する当期純利益は38.3%増加しました。

現金及び現金同等物の期末残高の推移

 

2019年3月

2020年3月

2021年3月

2022年3月

現金及び現金同等物の期末残高(千円)

5,000,312

4,741,639

7,038,908

6,238,719

 

キャッシュポジションについては、上記の表の様に推移しておりますが、過年度より上下に大きく振れることもなく増加傾向で安定しており、経営安全度は高いと考えております。

新型コロナウイルスの対応から経済活動の急激な低迷によりキャッシュポジションも悪化することが予測されますが、手元流動性の確保を最優先とした施策を推進してまいります。

 

③ キャッシュ・フローの状況の分析

キャッシュ・フローの状況につきましては、第2[事業の状況]3[経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析](業績等の概要)(3) キャッシュ・フローに記載のとおりであります。また、キャッシュ・フロー関連指標の推移は以下のとおりであります。

キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

64.2

101.1

94.3

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

124.5

160.8

148.9

 

(注) 1.キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

2.インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。

※ 営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

(3) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループでは、売上高の大半を車輌関連部品が占めています。したがいまして当社グループの売上は、自動車生産台数と生産される車種およびその生産地域の影響を強く受けます。

当社グループは鉄鋼材料を使用した製品を多く供給しており、鉄鋼市況や鉄スクラップ市況の影響を強く受けます。

近年では海外子会社の売上や利益が連結に占める割合が増加傾向にあり、為替変動による影響を受けます。

(4) 経営戦略の現状と見通し

当社グループは様々なお客様とお取引をさせていただいており、このことは個社事情による業績の変動を和らげて安定させる要素になり、強みであると考えております。この戦略については、今後も基本路線として堅持していくものでありますが、お客様の多さが安定性をもたらす一方で、それ故に経営効率を落としている面もあります。このことについては、取引規模や将来性、全体像等を勘案しながら見直しをかけていく必要があると考えております。

当社グループの金属関連部品事業の競争力の源は、製品の具現化力と量産化力の高さにあると考えております。逆に言えば、簡単に形にできてすぐに良品が量産できるような製品では、当社グループの強みが十分に発揮できません。現状でも当社グループが競争力を有している製品は高難度部品、高付加価値部品でありますが、この戦略を踏襲しつつさらに深掘りし、現在手掛けていないような形状、加工、分野の製品にも挑戦していきたいと考えており、そのための研究開発についても引き続き注力していく所存であります。また、当社グループの金属関連部品事業の海外生産工場は、米国、ベトナム、インドネシアの3拠点でしたが、2019年10月に中国湖北省に設立しました睦諾汽車部件(湖北)有限公司が稼働を開始しており、同事業海外4つ目の生産拠点となりました。これにより中国にも足場ができましたので、中国でのビジネスをこれからの成長のエンジンにしていきたいと考えます。当社グループといたしましては、海外拠点を最大限有効活用しつつグローバルでの生産・供給体制をさらに充実させてまいる所存であります。

当社グループの樹脂関連部品事業につきましては、樹脂のみでなく樹脂+金属の複合的な部品の供給にも力を入れ、高付加価値部品戦略を展開していきたいと考えております。医療分野や高難度品、さらに樹脂+金属という複合部品も対応できるようになれば、さらに付加価値の高い製品を開発、提案することが可能になると考えますので、シナジー効果をしっかり出せるように連携を密にしてまいります。

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