課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営環境、経営方針、対処すべき課題、経営戦略

 

長期化する新型コロナウイルス感染症は世界規模で経済や生活に大きな影響を与え続けています。自動車産業においては、半導体不足解消の道筋は不透明で生産の回復が遅れていることに加え、資源高や物流混乱などの影響が現れています。直近では中国のゼロコロナ政策やロシア・ウクライナ情勢も重なり世界情勢は混迷を深め、当社を取り巻く事業環境は大きく変化しています。

一方、このような環境下にあっても気候変動対策の機運は地球規模で急速に高まっており、カーボンニュートラルに向けて自動車もEV等の電動化への取り組みが加速しています。

こうした中、当社グループは、昨年スタートした中期経営計画『Yorozu Sustainability Plan 2023 (YSP2023) 』(計画年度:2021~2023年度)に沿って、大きな環境変化にも対応し生き残るための変革を推し進めています。今年度も、引き続き脱炭素社会に向けた諸施策を経営の最重要課題と捉え、社会やあらゆるステークホルダーの皆様に対し、各分野において更に実効性ある取り組みを通して持続可能な社会の実現に貢献してまいります。

『YSP2023 重点3本柱』 

1) 人・社会・地球と一緒に歩むべく「ESG」を中核とした経営

2) 生産台数に左右されにくい企業体質への変革による「安定した収益」

3) サスペンション部品の競争力向上を図るための「新技術・新工法」

 

YSP2023の主な進捗と今後の取り組み

(1) ESG経営

■ 環境理念に加え、2040年に向けての具体的な取り組みとして、気候変動対策のためのカーボンニュートラルへのチャレンジと、限りある資源の徹底的な有効活用による持続的な循環の2本柱からなる「ヨロズグローバル環境ビジョン 2040」を策定いたしました。

■ ESGを経営戦略へ積極的に取込み、豊かで持続的な社会の形成に貢献することを目的とし、2021年4月に「ESG推進室」を立ち上げ、2022年4月には環境理念と環境ビジョンを早期に実現するための施策のひとつとして「カーボンニュートラル推進室」を設立しました。これにより全社カーボンニュートラル活動の企画・戦略の立案・管理等を更に強化します。

■ 東海地区に新工場を建設することを決定しました(2022年11月着工・2024年1月竣工予定)。新工場においては使用する電力は全て自社内に設置する太陽光発電を含むグリーン電力により賄い、生産工程におけるCO2排出量"ゼロ"を目指すとともに、軽量化製品の拡充を目指します。

■ ヨロズ大分を皮切りにグリーン電力への切り替えを他の国内拠点、さらには海外拠点へ拡大を図ります。国内拠点のグリーン電力への切り替えについては、2022年度に60%まで引き上げ、2024年度末までに100%の切り替えを計画しております。また、製造現場の技術革新による更なる省エネルギーの推進、使用する燃料の転換等の検討を進めてまいります。

■ 女性活躍推進法に基づき、厚生労働大臣より「プラチナえるぼし」の認定を神奈川県の企業では初めて、また製造業でも全国で初めて受けました。更に、経済産業省と厚生労働省が推進し日本健康会議が認定する「健康経営優良法人2022 (大規模法人部門)」に2年連続で選ばれました。今後も『働き“方”改革 』から 『働き“がい”改革』へ向けた施策を実施してまいります。

■ 「プライム市場」への移行を通して、今後も高いガバナンス水準を維持し、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に努めてまいります。

■ 競争に勝ち続ける企業体質への変革に向けて、抜本的な業務改革とともに、その為の体制を整えてDX(デジタルトランスフォーメーション)を積極的に推進しております。具体的には、アナログからデジタルへの移行「A2D (Analog to Digital)」、業務の効率化「V-DX(Vertical)」、そしてものづくり業務プロセスのデジタル連携「H-DX(Horizontal)」によって全ての業務のリードタイムの大幅な短縮を目指してまいります。

(2)安定した収益

■ 変化に強い「安定した収益」基盤の確立に向け「適正な生産能力レベル」と「強い現場の再構築」の一環として競争力のある「ものづくり」を目指し、ヨロズ愛知の生産を東海地区に建設する新工場へ集約、移転します。これにより東海地区における生産拠点の強化を図ります。さらに、グローバルでの生産能力の適正化に取り組んでいます。

■ お客様からの受注数量に合わせた徹底した効率的な生産体制を継続してまいります。

■ 量産開始時の収益を確保するために、プロジェクトの企画・開発段階からのプロジェクト収益管理をさらに強化してまいります。

(3)新技術・新工法

■ 製品軽量化や材料置換等による製品開発でのCO2削減の取り組みを継続するとともに、社会やお客様に貢献するため自社生産以外のLCA 領域においてもCO2排出量の削減に積極的に取り組みます。

LCA(ライフサイクルアセスメント)

製品・サービスのライフサイクル全体、又はその特定段階における環境負荷を定量的に評価する手法

 

 

■ 軽量化(高付加価値)製品の開発においては、自社製造工程のCO2排出量削減に加え、お客様のCO2削減活動に貢献する製品開発を積極的に推進してまいります。

 

■ トヨタ自動車株式会社が5月から国内に投入した新型BEV bZ4Xに当社のサスペンション部品が採用されました。また株式会社SUBARUが5月から発売を予定している新型BEV SOLTERRAにも同サスペンション部品が装着されました。

BEV Battery Electric Vehicle(電池式電気自動車)

 

 

株主還元

 配当による株主還元を基本に、目標配当性向を35%以上としつつ、持続的な配当を目指します。

 

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