業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を経過的な取扱いに従って適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 

(1) 経営成績等の状況の概要

①財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症対策により一部回復の動きが見られるものの、半導体製品等の供給制約や原材料価格の高騰、円安の進展、インフレ懸念など不安定な状況にあります。

このような環境の中、当連結会計年度の業績につきましては、次のとおりであります。

 

(イ)財政状態

総資産は、前連結会計年度末に比べて112億76百万円増加し、744億92百万円となりました。

負債は、前連結会計年度末に比べて91億90百万円増加し、420億35百万円となりました。

純資産は、前連結会計年度末に比べて20億85百万円増加し、324億57百万円となりました。

 

(ロ)経営成績

売上高は新型コロナウイルス感染拡大の影響はあったものの、主に半導体・電子部品市場の拡大により、1,258億50百万円(前年度比18.9%増)となりました。利益面につきましては、営業利益は売上高の増加に伴う荷造運搬費や販売促進費、人件費などの販売費及び一般管理費の増加はあったものの、売上高の増加や粗利率改善に伴う売上総利益の増加および円安効果により、26億2百万円(前年度比189.3%増)、経常利益は為替差損の増加はあったものの、商流移管による受取補償金の計上等により26億1百万円(前年度比128.3%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は減損損失15億85百万円等の特別損失の計上はあったものの、固定資産売却益10億90百万円、グループ通算制度適用による法人税等調整額の減少等により、19億8百万円(前年度比266.6%増)となりました。

  

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、79億96百万円(前連結会計年度末は94億3百万円)となり、14億7百万円減少しました。

 
(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果使用した資金は14億13百万円(前連結会計年度は45億55百万円の獲得)となりました。

これは主に税引前当期純利益の計上による資金の増加はあったものの、売上債権の増加、棚卸資産の増加により資金が減少したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は5億2百万円(前連結会計年度は1億58百万円の使用)となりました。

これは主に投資有価証券の取得による資金の減少はあったものの、有形固定資産の売却による収入により資金が増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は8億55百万円(前年度比70.1%減)となりました。

これは主に配当金の支払により資金が減少したことによるものであります。

 

 

③生産、受注及び販売の状況

(生産実績)

当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

生産高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

3,946

146.5

 システムソリューション事業

2,017

130.0

合計

5,963

140.5

 

(注) 金額は販売価格によっており、セグメント間の内部振替前の数値によっております。

 

(仕入実績)

当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

仕入高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

95,081

124.9

 システムソリューション事業

18,556

113.9

合計

113,638

123.0

 

 

(受注状況)

当連結会計年度の受注状況をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前期比(%)

受注残高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

135,736

130.3

65,080

199.5

 システムソリューション事業

26,693

126.4

8,670

190.4

合計

162,429

129.7

73,751

198.4

 

 

(販売実績)

当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前期比(%)

 デバイスソリューション事業

103,273

120.6

 システムソリューション事業

22,577

111.6

合計

125,850

118.9

 

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

(イ)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、744億92百万円(前連結会計年度末は632億16百万円)となり、112億76百万円増加いたしました。これは主に固定資産の減少(16億93百万円)はあったものの、受取手形及び売掛金の増加(31億15百万円)、商品及び製品の増加(85億47百万円)によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、420億35百万円(前連結会計年度末は328億44百万円)となり、91億90百万円増加いたしました。これは主に支払手形及び買掛金の増加(48億52百万円)、預り金の増加(38億74百万円)によるものであります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、324億57百万円(前連結会計年度末は303億72百万円)となり、20億85百万円増加いたしました。これは主に利益剰余金の増加(12億82百万円)、円安による為替換算調整勘定の増加(11億52百万円)によるものであります。なお、自己資本比率は、前連結会計年度の47.8%から43.3%となりました。

 

(ロ)経営成績

(売上高)

新型コロナウイルス感染拡大の影響はあったものの、主に半導体・電子部品市場の拡大により、1,258億50百万円(前年度比18.9%増)となりました。

(販売費及び一般管理費)

当連結会計年度は、主に荷造運搬費の増加(1億23百万円)や、給与手当の増加(3億35百万円)により、前連結会計年度と比べ8億80百万円増加90億85百万円となりました。

(営業利益)

当連結会計年度は、主に販売費及び一般管理費の増加(8億80百万円)による減少はあったものの、売上高の増加に伴う売上総利益の増加(25億83百万円)により、前連結会計年度と比べ17億2百万円増加26億2百万円となりました。

(経常利益)

当連結会計年度は、主に円安に伴う為替差損の増加(3億63百万円)による減少はあったものの、営業利益の増加(17億2百万円)により、前連結会計年度と比べ14億62百万円増加26億1百万円となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度は、主に減損損失の増加(15億83百万円)による減少はあったものの、経常利益の増加(14億62百万円)、固定資産売却益の増加(10億89百万円)、翌連結会計年度にグループ通算制度を適用する影響などで法人税等調整額が減少(3億4百万円)したことにより、前連結会計年度と比べ13億87百万円増加19億8百万円となりました。

 

これらの結果として、売上高営業利益率は前連結会計年度に比べ1.2ポイント増加し2.1%となりました。

デバイスソリューション事業では、新たなコア商材の創出と育成、通信、エナジー等成長市場への注力、事業領域拡大に向けた海外ビジネスの強化を図っております。システムソリューション事業では、注力市場としてファクトリー、モビリティ、メディカル、社会インフラへの集中、ならびにセンサ、無線、絶縁監視技術の活用による自社製品を核としたソリューションの提供等により収益性の向上を図っております。

 

 

②経営成績に重要な影響を与える要因

経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

当社は、「コンプライアンス・リスク委員会」を半期に一度開催し、当社グループにとって重要なリスクについて、その影響度を踏まえ、対応策等の検討ならびに情報共有を図っております。また、企業活動に重大な影響を及ぼす恐れがある緊急事態が発生した場合には、「リスク管理規則」に則って対応しております。なお、自然災害等により生じる損害の拡大防止および損失の最小化を目的として当社が定めているBCP(事業継続計画)について、その実効性を高めるため、継続的に内容の見直しを実施しております。

 

③キャッシュ・フロー状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(キャッシュ・フローの状況)

キャッシュ・フローの状況につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(資金需要)

当社グループは、資金需要が生じる事象は主に商品の購入のほか、販売費及び一般管理費の営業費用によるものであります。販売費及び一般管理費の主なものは、人件費であります。

なお、重要な資本的支出の予定はありません。

 

(財務政策)

当社グループは、金融機関等からの借入れおよび売上債権流動化により資金調達を行うことを基本としております。

なお、当連結会計年度末における借入金、社債およびリース債務を含む有利子負債の残高は154億82百万円となっております。

また、資金調達の機動性と安定性を図るため、取引先金融機関3行とコミットメントライン契約を締結しております。契約極度額は90億円であり、当連結会計年度末現在において、本契約に基づく借入金残高は12億円であります。

 

④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは2023年度を最終年度とする「中期経営計画2023」を策定し、対処すべき課題に取り組んだ結果、初年度である2021年度の連結業績は、売上高1,258億円(前年度比18.9%増)、営業利益26億円(前年度比189.3%増)、経常利益26億円(前年度比128.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益19億円(前年度比266.6%増)の大幅改善を実現することができました。
 2022年度より、エレクトロニクスの力で社会課題を解決する「顧客価値創造会社」への変革を目指し、「産業インフラ事業」「エンタープライズ事業」「モビリティ事業」「グローバル事業」「全社及び消去」のセグメントにて開示してまいります。
 加えて「攻めの経営」を促し、企業の持続的な成長のためのインセンティブプランとしての「役員株式報酬制度」導入を株主総会に上程しております。
 2022年度の連結業績見通しにつきましては、売上高1,350億円(前年度比7.3%増)、営業利益23億円(前年度比11.6%減)、経常利益25億円(前年度比3.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益20億円(前年度比4.8%増)を見込んでおります。2021年度にあった円安効果を2022年度は見込まないことから営業利益は減益になりますが、親会社株主に帰属する当期純利益は増益を見込んでおります。
 「中期経営計画2023」の最終年度である2023年度中期経営計画値につきましても、2021年度連結業績実績を勘案し、売上高1,400億円、営業利益26億円に上方修正いたします。

 

 

⑤セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

(デバイスソリューション事業)

事務機器用半導体の販売減はあったものの、リモートワーク需要の拡大によるノートPC用電子部品の販売増、調達マネジメントサービスの拡大により、売上高は1,032億73百万円(前年度比20.6%増)、セグメント利益は27億60百万円(前年度比153.1%増)となりました。

(システムソリューション事業)

半導体製造装置用制御機器等の販売増など産業インフラ向け事業の拡大により、売上高は225億77百万円(前年度比11.6%増)、セグメント損失は中長期的な事業拡大に向けた先行投資継続により1億57百万円(前年度は1億96百万円の損失)となりました。

 

⑥重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要とします。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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