業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

①経営成績の状況

 2021年2月2日付にて、家庭紙・日用雑貨事業を営むアズフィット株式会社の株式の80%をセンコーグループホールディングス株式会社に譲渡したことにより、アズフィット株式会社の実績は、2021年5月期の第4四半期より持分法適用会社として損益に反映しており、前連結会計年度と連結の範囲が異なっております。

 また、当連結会計年度の期首から、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことにより、前連結会計年度と会計処理が異なっております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」に記載のとおりであります。

 そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、前連結会計年度と比較しての前期比(%)を記載せずに説明しております。

 

 当連結会計年度(2021年6月1日~2022年5月31日)におけるわが国経済は、政府による経済再生に向けた各種政策の効果により一時回復傾向が見られたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴う緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が断続的に発出され、経済活動に制限を強いられる状況が続きました。また、ロシア・ウクライナ情勢によるエネルギー価格・資源価格の高騰、中国上海等のロックダウン、円安ドル高の進行、国内物価の上昇及び個人消費の落ち込み懸念等、経済の先行き不透明感は一層高まることとなりました。

 このような状況のもと、当社グループでは従業員の時差出勤・在宅勤務等による新型コロナウイルス感染症予防措置を継続しつつ、「中期経営計画2024(Leap into the Innovation)」で掲げる「『紙と不織布』の技術力を基盤に、製造機能を拡充した商社として収益力の更なる向上」を実現すべく、営業活動を実践してまいりました。

 これらの結果、当連結会計年度の売上高は105億53百万円(前期は339億22百万円)、経常利益7億7百万円(前期は9億50百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益5億57百万円(前期は7億24百万円)となりました。

 当連結会計年度におけるセグメント別の状況は以下のとおりであります。

<不織布事業>

 売上高は103億40百万円(前期は143億円10百万円)、セグメント利益は5億50百万円(前期は5億79百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、従来の方法に比べて、当連結会計年度の不織布事業の売上高は38億70百万円減少しております。

 エレクトロニクス分野では、前期はマスク需要が急増していたことの反動等があったものの、通信機器関連、車載用電子部品、燃料電池向け等の需要が堅調に推移、東南アジアの工場稼働率も堅調に推移したため、前期に比べ、利益面は増加しました。

 メディカル分野では、新型コロナウイルス感染症対策の衛生材料が堅調推移したものの、前期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響により需要が急増していたため、前期に比べ、利益面は微増となりました。

 コスメティック分野では、国内販売が復調、東アジア市場向けの販売は減少したものの、利益面は、前期を上回りました。

 除染関連分野につきましては、国内電力会社等に向けての販売活動を継続して実施した結果、販売実績があり、利益面は前期を上回りました。

 小津(上海)貿易有限公司では、中国の工場稼働率が2022年2月まで安定推移し、エレクトロニクス分野の需要は順調推移するも、エレクトロニクス分野以外の需要が低調であったこと、上海等のロックダウンの影響を受けたことから、利益面は前期を下回りました。

 ウエットティシュ等の製造販売を営む株式会社ディプロでは、前期は新型コロナウイルス感染症拡大により除菌ウエット製品の販売が急増していた反動等により、利益面は前期を下回りました。

 アグリ分野を担う日本プラントシーダー株式会社では、国内外ともに販売は伸び悩むも、利益面は前期を上回りました。

<家庭紙・日用雑貨事業>

 家庭紙・日用雑貨事業を営むアズフィット株式会社を連結子会社から持分法適用会社へと変更したため、当連結会計年度における当該セグメント利益の実績計上はありません。

 前期における売上高は、194億72百万円、セグメント利益は2億25百万円でした。

<その他の事業(除菌関連事業および不動産賃貸業)>

 除菌関連事業を営むエンビロテックジャパン株式会社では、過酢酸製剤の知名度を上げる地道な活動と、販売代理店への販促活動ならびに食品殺菌用途および防疫対策用途に向けた拡販に注力したことにより、前期に比べ利益面は増加いたしました。

 不動産賃貸事業につきましては、修繕維持費等が増加したため、前期に比べ利益面は減少いたしました。

 これらの結果、売上高は2億12百万円(前期は1億39百万円)、セグメント利益は52百万円(前期は59百万円)となりました。

 

(注)日本プラントシーダー株式会社の決算期は2月末日のため、当連結会計年度には各社の2021年3月から2022年2月までの実績が、株式会社ディプロおよびエンビロテックジャパン株式会社の決算期は3月末日のため、当連結会計年度には各社の2021年4月から2022年3月の実績が反映されております。

 

②財政状態の状況

(資産)

 当連結会計年度末における流動資産は、「現金及び預金」4億57百万円の増加、「その他」に含まれる「未収入金」3億67百万円の増加、「電子記録債権」3億32百万円の増加、「受取手形及び売掛金」7億83百万円の減少等により、前期比2億79百万円増加の121億83百万円となりました。固定資産は、「投資有価証券」2億66百万円の増加、「建物及び構築物(純額)」1億59百万円の減少、「機械装置及び運搬具(純額)」1億27百万円の減少等により、前期比45百万円減少の103億64百万円となりました。

 この結果、資産合計は前期比2億34百万円増加の225億48百万円となりました。

(負債)

 当連結会計年度末における流動負債は、「支払手形及び買掛金」8億91百万円の減少、「1年内返済予定の長期借入金」8億50百万円の減少等により、前期比14億89百万円減少の35億65百万円となりました。固定負債は、「長期借入金」8億円の増加、「社債」3億円の増加等により、前期比11億67百万円増加の24億33百万円となりました。

 この結果、負債合計は前期比3億22百万円減少の59億99百万円となりました。

(純資産)

 当連結会計年度末における純資産合計は、前期比5億56百万円増加の165億49百万円となりました。これは「利益剰余金」3億64百万円の増加、「その他有価証券評価差額金」1億61百万円の増加等によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ4億57百万円増加し、70億73百万円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と、それらの増減の要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果得られた資金は8億93百万円(前期比4億24百万円減)となりました。収入の主な内訳は、「税金等調整前当期純利益」7億5百万円、「減価償却費」4億46百万円、支出の主なものは、「仕入債務の増減額」2億9百万円であります。

 なお、前連結会計年度(2020年6月1日から2021年5月31日)においては、2020年5月31日が金融機関の休日のため、売上債権の回収および仕入債務の支払が翌営業日(2020年6月1日)となりました。

 2021年5月31日は、金融機関の営業日のため、売上債権の回収および仕入債務の支払を同日に行いました。

 その結果、当連結会計年度と前連結会計年度とを比較した場合、「売上債権の増減額」および「仕入債務の増減額」に大きな差異が生じております。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果使用した資金は2億11百万円(前期は31億10百万円の獲得)となりました。支出の主なものは、「有形固定資産の取得による支出」1億83百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果使用した資金は2億46百万円(前期比1億29百万円減)となりました。支出の主なものは、「配当金の支払額」1億92百万円であります。

 

④生産、受注及び販売の実績

イ.生産の実績

 該当事項はありません。

ロ.受注の実績

 該当事項はありません。

ハ.販売の実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

前年同期比(%)

不織布(千円)

10,340,538

報告セグメント計(千円)

10,340,538

その他(千円)

212,473

合計(千円)

10,553,011

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

オーケー株式会社

3,820,097

11.3

株式会社ココカラファインヘルスケア

3,817,780

11.3

2.「①経営成績の状況」に記載のとおり、前連結会計年度と連結の範囲が異なるため、また、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用したことにより会計処理が異なるため、前年同期比(%)を記載しておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度における経営成績の分析は、以下のとおりであります。なお、本項に記載の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

①経営成績の分析

(売上高)

 当連結会計年度に関しましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」の冒頭に記載のとおり、前連結会計年度と連結の範囲が異なっております。

 また、会計処理につきましても、前連結会計年度と異なっております。

 そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、前連結会計年度と比較しての前期比(%)を記載せずに説明しております。

 

 当連結会計年度の売上高は、105億53百万円(前期は339億22百万円)となりました。

 不織布事業の売上高は、103億40百万円(前期は143億10百万円)となりました。なお、収益認識会計基準等の適用により、従来の方法に比べて、当連結会計年度の不織布事業の売上高は38億70百万円減少しております。

 不織布事業につきましては、エレクトロニクス分野向けの販売及び、コスメティック分野向けの販売が前期比増加、メディカル分野向け販売が前期比微増となりました。

 除染関連分野につきましては、国内電力会社等への営業活動を継続して実施した結果、販売実績がありました。

 小津(上海)貿易有限公司につきましては、上海等のロックダウンの影響から販売は前期比減少いたしました。

 株式会社ディプロにつきましては、前期に除菌ウエット製品の販売が急増していた反動等により販売が前期比減少いたしました。

 日本プラントシーダー株式会社につきましては、国内外ともに販売が伸び悩みました。

 家庭紙・日用雑貨事業を営むアズフィット株式会社につきましては、2021年2月2日付にて株式の80%をセンコーグループホールディングス株式会社に譲渡したため、当連結会計年度における当該セグメントの売上高及び、セグメント利益の実績計上はありません。

 その他の事業において除菌関連事業を営むエンビロテックジャパン株式会社につきましては、地道な営業活動を展開した結果、売上高は前期比増加いたしました。

 不動産賃貸事業につきましては、売上高は前期比増加いたしました。

 これらの結果、その他の事業の売上高は、2億12百万円(前期は1億39百万円)となりました。

 

(営業利益)

 当連結会計年度の営業利益は、6億4百万円(前期は8億68百万円)となりました。売上高営業利益率は、5.7%となりました。なお、売上高を収益認識会計基準等の適用前の方法とした場合の売上高営業利益率は4.2%(前期は2.6%)となりました。

 不織布事業につきましては、エレクトロニクス分野、メディカル分野、コスメティック分野の販売が前期比増加したことにより、営業利益は前期比増加いたしました。

 除染関連分野では、販売実績があったため、前期比営業利益は増加いたしました。

 小津(上海)貿易有限公司では、販売が減少したため、営業利益は前期比減少いたしました。

 株式会社ディプロでは、販売が減少したこと等により、営業利益が前期比減少いたしました。

 日本プラントシーダー株式会社につきましては、販売が伸び悩んだものの、営業利益は増加いたしました。

 これらの結果、不織布事業のセグメント利益は、5億50百万円(前期は5億79百万円)となりました。

 その他の事業において除菌関連事業を営むエンビロテックジャパン株式会社につきましては、売上高が増加したこと等により、営業利益が前期比増加いたしました。

 不動産賃貸事業につきましては、修繕維持費等が増加したこと等により、営業利益は前期比減少いたしました。

 これらの結果、その他の事業のセグメント利益は、52百万円(前期は59百万円)となりました。

 

(注)報告されている事業セグメントの会計処理の方法は、「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」における記載と概ね同一であり、報告セグメントの利益は、営業利益ベースの数値であります。

 

(経常利益)

 当連結会計年度の経常利益は、7億7百万円(前期は9億50百万円)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

 当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は、5億57百万円(前期は7億24百万円)となりました。

 

②資本の財源及び資金の流動性

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品及び製品、原材料の購入費用のほか、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。運転資金及び設備投資資金は、自己資金及び金融機関からの借入等により調達しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及び社債を含む有利子負債の残高は25億70百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は70億73百万円となっております。

 

③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

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