当社グループの経営成績、財政状態等に影響を与える可能性のあるリスク、および投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項を以下のとおり記載いたします。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)株式会社小津商店との関係
株式会社小津商店は、1653年創業の「紙商小津屋」を嚆矢としております。同社の紙事業分野が分離し発展してきたのが当社グループです。長い歴史の過程において、株式会社小津商店と当社グループは、別々の事業を営んでまいりました。更に当社グループの上場を経て、株式会社小津商店の当社持株比率は、低下してまいりましたが、現在、当社の議決権の30.0%を保有する主要株主となっております。
当社グループは独立性、自主性に基づき企業運営を行っておりますが、株式会社小津商店の当社に対する基本方針等に変更が生じた場合には、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(株式会社小津商店との取引)
現在、株式会社小津商店との間で不動産の賃借取引があります。当該取引に関して取引条件の経済合理性を保つため、市場原理に基づく取引条件としております。今後は同社との取引は順次減少すると見込まれます。同社と新規に取引が発生する場合についても市場原理に基づく条件を基本としてまいります。しかし同社の当社グループに対する取引方針や条件等に大きな変更が生じた場合には、代替不動産の確保に費用を要するため、当社グループの事業および業績に影響を及ぼす可能性があります。
(株式会社小津商店との棲み分け)
当社グループは不織布、除菌製剤等を扱う事業会社、株式会社小津商店は不動産事業と和紙文化事業・和紙販売事業に特化した会社との棲み分けになっております。この棲み分けは、今後も継続する方針であります。
(2)販売先が属する業界の需要動向、市況による影響および業績の季節変動
当社グループの不織布事業における主力製品は、エレクトロニクス・半導体業界、医療業界およびコスメティック業界向けであり、これらの業界の需要動向、市況などは業績に大きな影響を与えます。また、日本プラントシーダー株式会社において第2四半期である6月~8月の夏場に販売がピークになることから、不織布事業の営業利益は第2四半期に集中して計上される傾向があります。
(3)製品品質
当社グループの不織布製品の多くは、素材を旭化成株式会社より仕入れ、当社グループの加工関係会社3社およびマレーシアの協力工場で製品化しております。
各加工場では充分な品質管理を行っておりますが、製品やサービスに関する不良欠陥が発生しないという保証はなく、大規模な製品クレームが発生した場合、製品回収や製造物責任賠償などに関する費用が発生し、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)災害による影響
当社グループが保有する物流センターのほか、素材の主要仕入先である旭化成株式会社、または当社グループの加工関係会社3社もしくはマレーシアの協力工場が、大規模な地震などの災害により損害を被った場合、物流センターの稼働率が一時的に低下したり、加工場における製品の生産能力が減退することにより、売上高、利益が減少いたします。
また、設備の修復のための費用の増加により、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
アグリ分野を担当する日本プラントシーダー株式会社においては、天候不順・自然災害が発生した場合には、売上高・利益が減少いたします。
(5)海外市場の動向
不織布事業におけるエレクトロニクス用ワイパーは、国内の加工関係会社3社以外にマレーシアの協力工場においても生産を行い、中国、台湾、その他の東南アジア地区などを中心に販売を行っております。
従いまして、当社が販売を行っている各国において政治、経済、社会情勢の変化などの予期せぬ事象が発生し、販売活動に支障が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)為替相場の変動による影響
当社グループは、大きな市場であるアジア地区における仕入および販売体制の確立と強化を図っており、今後も海外取引の比重は高まる傾向にあります。輸出または輸入取引の一部は外貨建で行っているため、為替相場の変動による影響を受けます。
(7)新型コロナウイルスの影響
当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により需要の減少が予想される販売先と、需要の増加が予想される販売先が併存しております。このような事業特性から新型コロナウイルス感染症が、当社グループの業績に与える影響は軽微であると判断しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症が、当社の想定を超える規模で拡大、長期化した場合、人の移動制限や事業活動の制限による経済活動の停滞は、当社グループの製品・商品需要の減少を招く可能性があります。また、原材料等サプライヤーも同様の理由で制限を受けることにより、製品・商品等の調達面に不都合が生じる可能性があります。
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