(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、個人消費及び企業による設備投資が大きく落ち込みました。段階的な経済活動の再開とともに景気回復の兆しも見られましたが、回復は鈍く厳しい状況となりました。先行きについては、感染の再拡大が生じており不透明な状況が続いております。
海外の経済においても、感染拡大により急激な減速に転じました。その後中国では経済が緩やかに回復し、米国においてもやや持ち直しの兆しが見えますが、新型コロナウイルス感染症の収束時期の見通しは立っておらず、極めて厳しい状況が続くと見込まれます。
このような状況の中で、当社グループは、「MARUKA UNIQUE SОLUTIОNS '20 新たな挑戦 無限のフィールドへ」を今年度のテーマに、各種施策に取り組んでまいりました。
その結果、当連結会計年度の経営成績は売上高は新型コロナウイルス感染症の影響による設備投資需要の減少もあり53,216百万円(前年同期比23.1%減)となりました。利益面につきましては、諸経費の削減等に努めましたが、売上高の減少に伴う売上総利益の減少並びに経営環境の悪化による貸倒引当金繰入額の増加等の影響もあり営業利益は1,459百万円(同46.0%減)、経常利益1,591百万円(同41.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は固定資産売却益の剥落により891百万円(同66.9%減)となりました。
また、当連結会計年度末の財政状態は総資産42,630百万円(前年度末8,897百万円の減少)、負債19,470百万円(同8,809百万円の減少)、純資産23,159百万円(同88百万円の減少)となりました。
なお、当連結会計年度より不動産賃貸に係る表示方法の変更を行っており、経営成績については当該表示方法の変更を反映した組替え後の数値で比較を行っております。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
[産業機械部門]
産業機械部門では、全般的な景気停滞による企業収益の悪化を受けて製造業を中心とした生産調整が続き設備投資の減少の影響、営業活動の制限により売上が減少いたしました。
国内ではロボット・搬送機械、工作機械、環境設備及び産業機械の販売が減少いたしました。厳しい状況の中、前連結会計年度に子会社化した株式会社ミヤザワが食品機械の売上に寄与いたしました。
米州では、自動車・二輪業界向けに工作機械の販売が減少いたしました。
中国は回復基調にあるものの、アジア地域では自動車部品輸出事業からの撤退及び各国でのロックダウンによる影響により売上が減少いたしました。
この結果、当部門の経営成績は売上高 44,387百万円 (前年同期比 24.9%減 )、 営業利益は2,296百万円 (同 30.3%減 )となりました。
[建設機械部門]
建設機械部門では、災害復旧・防災関連工事やインフラ関連工事等を中心に公共投資は堅調に推移いたしました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症により工事の一時中止や工期延長、発注の延期が生じております。また、インバウンド需要激減による民間建設投資の減少や先行き不透明な状況もあり、顧客の設備投資に対する姿勢は慎重な状況が継続しております。
この結果、当部門の経営成績は売上高 8,765百万円 (前年同期比 12.8%減 )となり、 営業利益は 253百万円 (同 39.4%減 )となりました。
[その他]
当セグメントは、保険部門の経営成績を示しております。
当部門の経営成績は売上高64百万円(前年同期比2.8%減)、営業利益は36百万円(同1.0%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、8,564百万円で、前連結会計年度末と比較して208百万円の減少となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動による資金は1,385百万円の増加(前年同期は1,543百万円の減少)となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益の計上(1,580百万円)、減価償却費(439百万円)、売上債権の増減額(8,560百万円)、たな卸資産の増減額(728百万円)、仕入債務の増減額(△7,481百万円)、法人税等の支払額又は還付額(△1,465百万円)等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動による資金は1,194百万円の減少(前年同期は1,231百万円の増加)となりました。これは、主に定期預金の預入による支出(△1,187百万円)、定期預金の払戻による収入(574百万円)、有形固定資産の取得による支出(△415百万円)、投資有価証券の取得による支出(△218百万円)、投資有価証券の償還による収入(205百万円)等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動による資金は394百万円の減少(前年同期は327百万円の減少)となりました。これは、主に配当金の支払額(△444百万円)、長期借入れによる収入(307百万円)、自己株式の取得による支出(△266百万円)等によるものであります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) |
前年同期比(%) |
産業機械(千円) |
5,073,687 |
102.1 |
(注)1.上記は、製造会社であるソノルカエンジニアリング㈱、㈱管製作所、㈱ミヤザワ及びインダストリアル・ツールの金額であります。
2.上記の金額は、販売価格によっており、消費税等は含まれておりません。
b.商品仕入実績
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) |
前年同期比(%) |
産業機械(千円) |
36,750,579 |
70.6 |
建設機械(千円) |
7,998,344 |
88.3 |
報告セグメント計(千円) |
44,748,924 |
73.3 |
その他(千円) |
- |
- |
合計(千円) |
44,748,924 |
73.3 |
(注)1.上記の金額は、実際仕入価格によっており、消費税等は含まれておりません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
産業機械 |
3,663,061 |
86.7 |
1,424,766 |
53.1 |
(注)1.上記は、製造会社であるソノルカエンジニアリング㈱、㈱管製作所、㈱ミヤザワ及びインダストリアル・ツールの金額であります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3.当連結会計年度において、受注高及び受注残高に著しい変動がありました。これは、新型コロナウイルス感染症拡大により、全般的な景気停滞による企業収益の悪化を受けて製造業を中心とした生産調整が続き、設備投資需要が減少したためであります。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) |
前年同期比(%) |
産業機械(千円) |
44,387,152 |
75.1 |
建設機械(千円) |
8,765,570 |
87.2 |
報告セグメント計(千円) |
53,152,723 |
76.9 |
その他(千円) |
64,123 |
97.2 |
合計(千円) |
53,216,846 |
76.9 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、過去の実績やその時点の状況に応じ合理的と考えられる情報に基づき、見積り及び判断を行っております。実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当社グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
また、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(資産の部)
当連結会計年度末における総資産は42,630百万円となり、前連結会計年度末と比較して8,897百万円減少いたしました。これは主に売上減少等に伴う売掛金の減少(前期末比6,883百万円減)、電子記録債権の減少(同1,576百万円減)、受取手形の減少(同790百万円減)によるものであります。
(負債の部)
当連結会計年度末における負債は19,470百万円となり、前連結会計年度末と比較して8,809百万円減少いたしました。これは主に売上減少等に伴う買掛金の減少(同4,795百万円減)、電子記録債務の減少(同2,957百万円減)、前受金の減少(同472百万円減)によるものであります。
(純資産の部)
当連結会計年度末における純資産は23,159百万円となり、前連結会計年度末と比較して88百万円減少いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上(891百万円)、剰余金の配当(444百万円)、自己株式の純減少額(前期末比178百万円減)によるものであります。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度と比べ15,980百万円(前期比23.1%減)減少し、53,216百万円となりました。海外向け売上高比率は、自動車部品輸出事業からの撤退の影響及び各国でのロックダウンの影響等もあり、43.4%から36.6%に低下いたしました。早急に海外向け売上高比率を40%超まで伸長させ、将来の海外向け売上高比率55%の目標達成を目指してまいります。
セグメントごとの商品別売上高は下記の通りです。
(産業機械部門)
商品名 |
前連結会計年度 (自 2018年12月1日 至 2019年11月30日) |
当連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) |
増減率(%) |
工作機械(千円) |
20,501,259 |
16,604,535 |
△19.0 |
鍛圧機械(千円) |
5,907,383 |
5,374,783 |
△9.0 |
射出成形機(千円) |
5,676,684 |
6,373,873 |
12.3 |
ロボット・搬送機械(千円) |
3,098,321 |
1,681,552 |
△45.7 |
環境設備(千円) |
4,109,555 |
2,686,419 |
△34.6 |
産業機械(千円) |
5,542,742 |
4,081,067 |
△26.4 |
食品機械(千円) |
547,155 |
1,651,216 |
201.8 |
その他(千円) |
13,693,339 |
5,933,703 |
△56.7 |
合計(千円) |
59,076,440 |
44,387,152 |
△24.9 |
射出成形機は堅調に推移し、食品機械も大幅に伸長したものの、工作機械、ロボット・搬送機械、環境設備及び産業機械等の減少額が大きく、産業機械部門全体で前期比 24.9%の減少 となりました。食品機械の売上については、ミヤザワ製品の拡販を推進し、翌連結会計年度は20億円の売上を目指してまいります。
(建設機械部門)
商品名 |
前連結会計年度 (自 2018年12月1日 至 2019年11月30日) |
当連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) |
増減率(%) |
建設用クレーン(千円) |
3,137,338 |
3,079,525 |
△1.8 |
基礎機械(千円) |
2,825,116 |
1,903,403 |
△32.6 |
建機レンタル(千円) |
1,756,200 |
1,575,284 |
△10.3 |
中古機械(千円) |
1,780,755 |
1,551,141 |
△12.9 |
油圧ショベル(千円) |
40,374 |
111,975 |
177.3 |
その他(千円) |
515,639 |
544,240 |
5.5 |
合計(千円) |
10,055,425 |
8,765,570 |
△12.8 |
主力の建設用クレーンは前期並みでしたが基礎機械の売上が大幅に減少し、中古機械及びレンタル事業も減収となり、建設機械部門全体で前期比 12.8%の減少 となりました。
(営業利益)
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度と比べ1,241百万円(前期比46.0%減)減少し、1,459百万円となりました。これは、売上総利益が1,399百万円減少し、販売費及び一般管理費が145百万円減少したことによるものであります。
(営業外損益)
営業外収益は、雇用調整助成金等による助成金収入が38百万円発生し増加しましたが、固定資産売却益が45百万円減少、雑収入が13百万円減少したこと等により、前連結会計年度と比べ9百万円減少し、256百万円となりました。
営業外費用は、固定資産売却損が53百万円減少、為替差損が58百万円減少したこと等により、前連結会計年度と比べ101百万円減少し、124百万円となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の経常利益は、前連結会計年度と比べ1,149百万円(前期比41.9%減)減少し、1,591百万円となりました。
(特別損益)
特別利益は、前連結会計年度と比べ1,257百万円減少し、11百万円となりました。これは、固定資産売却益が1,260百万円減少したことによるものであります。
特別損失は、前連結会計年度と比べ21百万円増加し、23百万円となりました。これは、減損損失が15百万円増加したことによるものであります。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額は、前連結会計年度と比べ623百万円減少し、682百万円となりました。非支配株主に帰属する当期純利益は、5百万円(前期比24.4%減)となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度と比べ 1,803百万円減少 (前期比 66.9%減 )し、 891百万円 となりました。
なお、当連結会計年度より不動産賃貸に係る表示方法の変更を行っており、経営成績については当該表示方法の変更を反映した組替え後の数値で比較を行っております。
③経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照下さい。
④資本の財源及び資金の流動性についての分析
(キャッシュ・フローの状況)
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」をご参照下さい。
(流動性と資金の源泉)
当社グループは、事業活動に適切な流動性の維持と十分な資金を確保すると共に、運転資金の効率的な管理により、事業活動における資本効率の最適化を目指しております。また、営業活動によるキャッシュ・フロー並びに現金及び現金同等物を資金の主な源泉と考え、さらに金融・資本市場からの資金調達を必要に応じて行い、十分な流動性の確保と財務体質の向上を図っております。
当社グループにおける運転資金需要のうち主なものは、製品の仕入のほか、製品製造のための材料及び部品購入、販売費及び一般管理費の営業費用及び各種税金の納付等であります。
また、投資を目的とした資金需要は主なものは、設備投資及びM&A投資等であります。
当社グループの運転資金は、営業活動によって獲得した自己資金の充当を基本とし、資金需要等を考慮した上で外部資金調達手段として金融機関からの借入により調達することとしております。
株主還元につきましては、連結配当性向25%~35%を目指し配当額を決定しております。配当政策に関する詳細につきましては、「第4 提出会社の状況 3 配当政策」をご参照下さい。
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