業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」といいます。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

 当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種の進展による活動制限の緩和を背景に、企業の設備投資や生産活動の回復が進み、緩やかに回復しました。

 世界経済につきましては、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種が進む中、中国、米国等をはじめ多くの国で経済活動の活発化が進みました。しかしながら、世界的な半導体の供給不足や原材料の高騰、東南アジアの新型コロナウイルス感染再拡大の影響による部品調達の停滞により、自動車産業等では生産調整が続きました。また欧米を中心に新型コロナウイルスの感染再拡大が懸念材料となり、先行き不透明な状況が続きました。

 当社グループの属しておりますエレクトロニクス業界につきましては、5GやAI、IoT分野に関連する旺盛な設備投資需要に支えられ、電子部品や機器の需要も拡大が続きました。

 このような状況下、当社グループは、「第10次中期経営計画(2021年~2023年)」の基本方針に基づき、オリジナル製品の拡販、海外事業の拡大、新たな収益基盤となる新規ビジネスの創出に取組みました。

この結果、当社グループの当連結会計年度の売上高は72,341百万円(前年同期比26.0%増)、営業利益は4,196百万円(前年同期比74.6%増)、経常利益は4,325百万円(前年同期比77.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,953百万円(前年同期比83.3%増)となりました。

 

セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

 

国内販売事業

 当セグメントにつきましては、製造装置では、5G等の通信デバイス向けに「電子部品製造装置」、再生ウェーハ向けに「半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置」の販売が増加しましたが、車載用パワーデバイス向けの設備投資が一段落したことにより販売が減少しました。電子機器及び部品では、「電子部品&アセンブリ商品」のコネクタやハーネス、半導体製造設備向けに「画像関連機器・部品」のカメラ・レンズの販売が増加しました。加えてデータセンター向けのUPSシステムの販売についても増加しました。これらの要因により、売上、利益共に前年同期の実績を上回りました。

 この結果、当セグメントの売上高は52,472百万円(前年同期比25.4%増)となり、セグメント利益(営業利益)は2,221百万円(前年同期比79.5%増)となりました。

 

国内製造事業

 当セグメントにつきましては、製造装置を手掛ける装置事業部門では、通信用デバイス向け製造装置の販売が増加しましたが、ハードディスク関連の製造装置の販売は減少しました。電子機器及び部品を手掛ける部品事業部門では、特殊コネクタの販売が減少しました。これらの要因により、外部顧客への売上高は前年同期の実績を下回りましたが、セグメント間の内部売上高を含めた総売上高、利益共に前年同期の実績を上回りました。

 この結果、セグメント間の内部売上高を含めた当セグメントの総売上高は9,425百万円(前年同期比4.6%増)となりました。外部顧客への売上高は3,188百万円(前年同期比17.1%減)となり、セグメント利益(営業利益)は886百万円(前年同期比1.8%増)となりました。

 

海外事業

 当セグメントにつきましては、電子機器及び部品では、中国市場で「電子部品&アセンブリ商品」、「画像関連機器・部品」の販売が増加しました。製造装置では、中国市場で「半導体・フラットパネルディスプレイ製造装置」、「電子部品製造装置」の販売が増加しました。

 この結果、当セグメントの売上高は16,680百万円(前年同期比42.1%増)となり、セグメント利益(営業利益)は1,150百万円(前年同期比221.3%増)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は51,408百万円となり、前連結会計年度末に比べ11,839百万円の増加となりました。これは主に現金及び預金が1,922百万円、受取手形及び売掛金が2,692百万円、電子記録債権が3,357百万円、商品及び製品が2,324百万円増加したことによるものであります。固定資産は7,045百万円となり、前連結会計年度末に比べ367百万円の増加となりました。これは主に投資その他の資産が259百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は58,454百万円となり、前連結会計年度末に比べ12,206百万円の増加となりました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は32,592百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,371百万円の増加となりました。これは主に支払手形及び買掛金が2,002百万円、電子記録債務が4,452百万円、前受金が1,901百万円増加したことによるものであります。固定負債は3,406百万円となり、前連結会計年度末に比べ178百万円の増加となりました。

この結果、負債合計は35,998百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,550百万円の増加となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は22,455百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,656百万円の増加となりました。これは主に剰余金の配当により721百万円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益により2,953百万円増加したことによるものであります。

この結果、自己資本比率は38.4%となり、前連結会計年度末との比較で4.4ポイントの低下となりました。この低下は上記の資産及び負債の増加の影響によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」といいます。)の残高は、前連結会計年度末と比較して1,922百万円増加し、14,183百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、資金は2,796百万円の増加(前年同期は3,065百万円の増加)となりました。主な増加要因は、税金等調整前当期純利益4,362百万円と仕入債務の増加額6,372百万円であり、主な減少要因は、売上債権の増加額5,935百万円と棚卸資産の増加額2,738百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、資金は371百万円の減少(前年同期は156百万円の減少)となりました。主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出293百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、資金は672百万円の減少(前年同期は762百万円の減少)となりました。主な減少要因は、配当金の支払額720百万円であります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

 

前年同期比(%)

国内製造事業(千円)

10,634,540

106.1

海外事業(千円)

275,456

117.0

合計(千円)

10,909,996

106.3

 (注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.「国内販売事業」のセグメントの生産実績につきましては、生産活動を行っていないため記載しておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

国内販売事業

70,473,169

168.4

32,848,138

221.2

国内製造事業

3,815,007

134.5

1,491,127

172.4

海外事業

24,226,099

181.2

20,527,898

158.9

合計

98,514,276

169.7

54,867,163

191.6

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

 

当連結会計年度

(自 2021年1月1日

至 2021年12月31日)

 

前年同期比(%)

国内販売事業(千円)

52,472,838

125.4

国内製造事業(千円)

3,188,771

82.9

海外事業(千円)

16,680,148

142.1

合計(千円)

72,341,759

126.0

 (注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3.販売実績が総販売実績の10%以上である相手先はありません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績の分析

(売上高)

当連結会計年度の売上高は72,341百万円となり、前連結会計年度と比較して14,923百万円の増加となりました。

各セグメントの売上高の内訳は、「国内販売事業」は52,472百万円(前年同期比25.4%増)、「国内製造事業」は3,188百万円(前年同期比17.1%減)、「海外事業」は16,680百万円(前年同期比42.1%増)となりました。各セグメントの詳細につきましては、「第2 事業の状況」の「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

当連結会計年度の売上原価は58,060百万円となり、前連結会計年度と比較して12,118百万円の増加となりました。

なお、売上高売上原価率は0.3ポイント上昇し80.3%となりました。

当連結会計年度の販売費及び一般管理費は10,084百万円となり、前連結会計年度と比較して1,012百万円の増加となりました。

なお、売上高販売費及び一般管理費率は1.9ポイント低下し13.9%となりました。

(営業利益)

当連結会計年度の営業利益は4,196百万円となり、前連結会計年度と比較して1,793百万円の増加となりました。これにより、売上高営業利益率は1.6ポイント上昇し5.8%となりました。

(営業外収益)

当連結会計年度の営業外収益は154百万円となり、前連結会計年度と比較して32百万円の増加となりました。これは主に為替差損益が前連結会計年度の為替差損から為替差益に転じたことによるものであります。

(営業外費用)

当連結会計年度の営業外費用は25百万円となり、前連結会計年度と比較して63百万円の減少となりました。これは主に為替差損益が前連結会計年度の為替差損から為替差益に転じたことによるものであります。

(経常利益)

当連結会計年度の経常利益は4,325百万円となり、前連結会計年度と比較して1,889百万円の増加となりました。これにより、売上高経常利益率は1.8ポイント上昇し6.0%となりました。

(特別利益)

当連結会計年度の特別利益は37百万円となり、前連結会計年度と比較して24百万円の増加となりました。これは主に投資有価証券売却益の計上によるものであります。

(特別損失)

当連結会計年度の特別損失は0百万円となり、前連結会計年度とほぼ同水準となりました。

(税金等調整前当期純利益)

当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は4,362百万円となり、前連結会計年度と比較して1,912百万円の増加となりました。これにより、売上高税金等調整前当期純利益率は1.7ポイント上昇し6.0%となりました。

(法人税等)

当連結会計年度の法人税等は1,409百万円(前年同期は838百万円)となりました。これにより、税金等調整前当期純利益4,362百万円に対する税効果会計適用後の法人税等の負担率は32.3%となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は2,953百万円となり、前連結会計年度と比較して1,342百万円の増加となりました。これにより、売上高親会社株主に帰属する当期純利益率は1.3ポイント上昇し4.1%となりました。

b.財政状態の分析

当連結会計年度における財政状態の分析は、「第2 事業の状況」の「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載しております。

 

c.キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの分析は、「第2 事業の状況」の「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

d.資本の財源及び資金の流動性

当社グループにおける資金需要の主なものは、商品及び原材料の購入費用のほか、製造費用、販売費及び一般管理費等の営業費用による運転資金及び設備投資資金であります。

当社グループの資金の源泉は主として内部資金又は金融機関からの借入による資金調達であります。また、効率的で安定した運転資金の調達を行うため、主要取引金融機関と総額2,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております(借入未実行残高2,000百万円)。

なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は467百万円となっており、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は14,183百万円となっております。

 

②重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、決算日における資産・負債及び収益・費用の報告金額に影響を与える見積りを行う必要があります。これらの見積りは、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りとは異なる場合があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況」の「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス感染拡大に伴う会計上の見積りの影響につきましては、「第5 経理の状況」の

「1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

 

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