課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは「私たちは、人生を楽しく、充実して生きるために、社会に健康と喜びを提供し、無限の可能性にチャレンジして自己価値向上に努めます。」を企業理念として掲げ、グループ一丸となり業務に励み、お客様の信頼を得て持続的な成長発展を成し遂げ、お客様、株主や投資家の皆様、社員をはじめとする全てのステークホルダーにとって魅力ある企業グループをつくりあげることを目指しております。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループでは、収益性の指標としてはROA(総資産経常利益率)10%及びROE(株主資本利益率)5%を目標とするとともに、その他の指標として、既存店売上高の前年比プラスを目標としております。また、新規の投資案件としてはROI(投下資本利益率)20%以上を念頭においた出店を行ってまいります。

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

総人口の減少期が始まり、成熟社会として歩みはじめた我が国において、当社の属する外食産業は今後ますます企業間競争の激化が予想されます。加えて、2019年には消費増税、2020年には新型コロナウイルス感染症拡大によって人々のライフスタイルが変化し、デリバリー、テイクアウト、店舗やECサイトでの冷凍食品・ミールキットといった物販など、外食各社とも需要が拡大している中食事業への展開に力を入れ始めており、ますます食のボーダレス化が加速していくものと思われます。

このような環境下において、当社では、外食に対する価値を感じて来店いただけるよう、これまで以上に「エンターテインメントとしての外食」にこだわり、新業態開発や既存店のブラッシュアップに経営資源を集中して盤石な収益基盤の確立を目指すとともに、首都圏人気エリアの駅近物件や商業施設を軸としながらも、地方都市へのドミナント出店にもチャレンジし、マーケットの深耕及び拡大を目指してまいります。

さらには、コロナ後を見据え、当社のノウハウを活かして展開できる宿泊設備付きの飲食複合施設や、新たに「移動・アウトドアダイニング」といった運営形態の多様化にも着目し、今後の新規事業展開に備えた調査・研究もすすめてまいります。

また、創業当時からの目標であった「世界に通用する企業」を目指し、米国をはじめとするグローバルなマーケットでビジネスの展開を行ってまいりたいと考えております。事業拡大という目的のみならず、外食ビジネスのトレンドや最先端事例等から得られる成功のエッセンスは国内事業の活性化にもつながるものと考えており、現在、米国ロサンゼルスにて子会社「グローバルダイニング,インク.オブ  カリフォルニア」を通じて2店舗のレストランを経営しております。日本以上に厳しい規制のかかったこのコロナ禍においては、大胆かつクリエイティブな発想による空間(アウトドアダイニング)・メニュー創りとエンターテインメント施策で苦境を乗り越え、店舗業績の大幅な増収を実現し、米国内での新店出店を模索できる段階に移行しました。米国での展開を軸に、『権八香港』『権八ドバイ』『権八上海』といった海外現地企業とのフランチャイズ契約による海外展開のほか、将来的には直接投資による海外出店も視野に入れてまいります。

 

(4) 会社の対処すべき課題

 当期においても、新型コロナウイルス感染症による外食需要への影響は続いており、そのような中、当社グループにおいては次の課題に優先的に取り組んでまいります。

 

① 財務体質の健全化
 コロナ禍の厳しい事業環境の中、当社は会社の存続と従業員の雇用を守るため、当該感染症についての情報収集に努め、検討した結果、通常営業を貫くことを決断しました。また、取引金融機関からの借入・借換を軸に、各種補助金・助成金の活用、不採算店舗の閉鎖、支払賃料の減額免除等の協力願い、役員報酬や従業員給与の減額、業務効率化を含めたローコスト運営の徹底など、前連結会計年度からあらゆる手立てを尽くしてまいりました結果、当連結会計年度の業績はほぼコロナ前の売上規模に、利益はさらに改善致しました。

 今後はコロナ禍で培った営業体制を維持・強化すべく、基本サービスの徹底やそれを可能とする教育・指導システムを構築することで次年度以降の収益基盤の確保に努め、コロナ禍で増加した有利子負債の計画的な圧縮を通じて財務体質の健全化を図ってまいります。

 

② 人材の採用・発掘・育成

 業績の維持・向上には、優秀な人材をいかに採用・発掘し、次世代リーダーとして育てあげるかにかかっているといっても過言ではありません。当社グループではこれらを「人材輩出」と呼び、幹部社員は次世代リーダーを育てることを重要な任務としております。そのためには、健全な競争環境、だれもがチャレンジできる立候補制昇格人事など、当社独自のシステムを整備し、これらを通じて秀でた能力のある人材を社内外から発掘・育成することに注力しております。
 また、店舗毎の独立採算制を採用し、店舗運営を通じて経営を学べるような体制や、集合研修・勉強会、海外市場の視察(子会社への出向・出張等)、各種認定試験、料理・サービスコンテストの開催といった、従業員の意識・能力向上をサポートする体制づくりにも努めております。
 さらには、人口減少や縮小傾向にある日本市場を対象とするだけでなく、フランチャイズに代表されるような海外展開も視野に入れて、グローバル人材の採用・育成にも注力してまいります。

 

③ 事業基盤の強化

 これまでフルサービスを提供するレストランを主体として展開してまいりましたが、将来の人口減少や高齢化、未婚率や夫婦共働き世帯の増加、昨今の感染症の影響等を考えますと、ファストフードのようなサービススタイルや顧客の利便性を考えたサービスの展開に加えて、「体験する・感動する」「健康になる」など来店動機を生み出す付加価値の提供が必要であると認識しております。そこで、「デリバリー」「テイクアウト」「ファスト・ファインカジュアル」「エンターテインメント」「ヘルシー」をテーマとした新業態開発や既存業態の専門店化、スーパーフード・低糖質・グルテンフリー・ビーガンなど健康志向を意識したメニュー展開による差別化に注力し、多店舗展開が可能なスタイルを模索してまいりました。当連結会計年度には、既存業態から派生した「タコファナティコ(タコス専門店)」や「カフェ ラ・ボエムパスタフレスカ(生麺使用のパスタ専門店)」を地方都市・大型商業施設に3店舗出店しており、それら店舗の収益化の確立と、レストラン経営との相乗効果が期待できる宿泊設備付き飲食複合施設への投資検討を深化させてまいります。これらの活動を通じて、業態・立地の最適なポートフォリオを構成し、環境の変化や競争の激化にも耐えうる強固な事業基盤の構築を目指してまいります。

 

 安心安全な食材の調達や昨今の感染症対策への対応を大前提とし、より高いレベルの料理・サービス・空間の提供にこだわり続けることで、お客様に感動していただき、そして社員も感動するための最高の舞台を提供してまいりたいと考えております。

 

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