有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況などに関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループが展開するレストラン運営事業において、天候不順や異常気象により来店客数の減少や店舗を休業せざるを得ない状況が発生した場合には、売上高が減少する可能性があります。天候不順に加えて、鳥インフルエンザ等の家畜伝染病の蔓延により食材価格の高騰や食材調達に支障をきたす場合や、これらの影響が長期に及ぶ場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの店舗の多くは、東京都内に集中しております。したがって、この地区において大規模災害(地震、火災、津波、水害、大気汚染、感染症、テロ、暴動、紛争等)の発生による直接的な被害や首都圏の物流網への影響が甚大な場合は、店舗の営業継続が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に多大な影響を及ぼす可能性があります。
なお、昨今の新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立たない現状では、経済や市況への影響を見積もるのは困難であり、2022年12月期においても当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、直営にて店舗の物件を賃借しております。賃貸借期間は賃貸人との合意により更新可能ですが、賃貸人側の事情により賃貸借期間を更新できない可能性があります。また、賃貸人側の事情による賃貸借期間の期間前解約により、業績が順調な店舗であっても計画外の退店を行わざるを得ない可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの経営成績、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
3.出店政策による影響について
新規出店に際しては、その立地の諸条件・集客性・コストなどを検討のうえ、厳しく選定しておりますが、出店計画の変更や延期あるいは中止を余儀なくされることもあります。また、必ずしも集客が見込みどおりにならない場合及び当社の経営判断により業績不振店舗等の業態変更、退店を実施することがあります。業態変更、退店にともなう固定資産の除却損、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生する可能性があります。これらが生じた場合には、当社グループの経営成績、財政状態及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループは、各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位と捉え、店舗ごとに減損会計を適用し、定期的に減損兆候の判定を行うことで、業態変更や退店の判断を健全に行い、経営効率の向上を目指しておりますが、外部環境の急激な変化等により著しく収益性が低下した場合や退店の意思決定をした場合、減損損失を計上する可能性があります。
収益基盤の拡大に向けて、将来の事業の柱となる新業態の開発を行うとともに、既存業態のブラッシュアップや店舗運営のノウハウの蓄積、さらには新規事業への進出に向けた調査・研究に努めております。しかしながら、経済環境や市場の変化を充分に予測できず、顧客のニーズにあった商品やサービスの提供をタイムリーにできない場合や、新規事業への進出・展開が計画通りに進まない場合は、当社グループの業績や財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの新業態開発や店舗開発、子会社の経営指導など経営全般にわたり、創業者であり代表取締役社長である長谷川耕造への依存度が高くなっております。執行役員制度の導入や取締役の職位に副社長職を配置するなど後継経営者の育成を進めてきておりますが、長谷川耕造が経営から退く事態が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループの事業活動においては、食品衛生法、食品安全基本法、健康増進法、個人情報保護法などの規制の適用を受けております。このため、第三者の衛生検査機関による細菌検査を定期的に実施するなど衛生面に万全を期すとともに、店舗内の禁煙やプライバシーポリシーを掲げ顧客情報を適切に取扱うなど規制を遵守しております。しかしながら、これらの規制を遵守できない場合や、万が一にも食中毒事故や重大な衛生問題が発生した場合は、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループでは、海外子会社の現地通貨建財務諸表を、連結財務諸表作成のために円換算を行っており、大幅な為替相場の変動があった場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、今後の当社グループにおける資金調達の方法によっては、為替相場の変動による為替差損益が発生する可能性があります。
当社グループは、コロナ禍における著しい業績悪化により、前連結会計年度(2020年12月期)において連結売上高が著しく減少した結果、営業損失11億75百万円、経常損失11億2百万円、親会社株主に帰属する当期純損失15億9百万円を計上し、財政状態が著しく悪化しました。また、前連結会計年度(2020年12月期)から当連結会計年度(2021年12月期)第3四半期連結会計期間まで、営業債務の支払及び借入金の返済等の資金繰りに懸念が生じている状況にあり、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在し、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められていました。
このような状況を解消するために、国内では金融機関からの借入・借換の実施、役員報酬や給与の減額、緊急経済対策に基づく税金及び社会保険料の納付猶予制度の利用、支払賃料の減額等の要請、その他徹底したコスト削減を行うことで、当社の財務状況の安定化を図ってまいりました。コロナ禍での借入総額は15億30百万円、そのうちの約半分が短期借入金であったため、当連結会計年度(2021年12月期)第4四半期連結会計期間において、返済期限前に一部を前倒しで長期借入金(期間5年)への借換をすすめるなど、返済期日である2022年3月末までには短期借入金の全てにおいて長期借入金への借換が実施できる見込みとなりました。営業面においては、当社は会社の存続と従業員の雇用を守るため、新型コロナウイルス感染症についての情報収集に努め、検討した結果、商業施設を除く店舗においては通常営業を貫くことを決断するとともに、思い切った不採算店の閉鎖、厳しい環境下ならではの店舗運営コストのコントロールを身に付けました。
米国においては、店内営業の全面禁止や使用率制限が設けられるなど、日本以上に厳しい環境下でありましたが、大型経済対策などから内需が伸び、急速に経営環境が改善に向かいました。また、自治体から屋外営業の一時許可を取り付け、駐車場やプロムナード(歩行者通路)を快適なダイニング空間に造り上げて店内営業禁止期間を乗り切り、当連結会計年度(2021年12月期)においてはコロナ禍前と比べても大幅な増収増益となりました。
その結果、当連結会計年度(2021年12月期)において、営業利益7億27百万円、経常利益10億66百万円、親会社株主に帰属する当期純利益10億46百万円、営業活動によるキャッシュ・フロー14億17百万円を計上しました。
これらの状況により、当面の事業活動に必要な手元資金を確保できたことから、継続企業の前提に関する重要な疑義を生じさせるような状況は解消し、継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められなくなったと判断しております。
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