業績

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

 ①経営成績

 当連結会計年度(2021年1月1日から2021年12月31日まで)の世界経済・日本経済は、新型コロナウイルスが世界的に猛威を振るいましたが、先進国を中心にワクチンの接種が進み、経済も徐々に回復しております。しかし、一部の国でロックダウンが実施されたほか、半導体や電子部品をはじめとする材料の供給が国際的にひっ迫し、物流も滞ったことで、前期に引き続き厳しい状況となりました。

 このような状況の中、当社グループではカメラ用部品や事務機用ユニットなど需要が回復した製品の増産対応を進めたほか、スキャナー関係では欧州を中心に積極的な拡販活動を展開しました。また、歯科用ミリングマシン「MD-500」の販売を拡大したほか、事務機用ユニットや実装基板など他社製品の受託生産を推し進めるなど、小回りの利く規模、技術を生かしたスモールビジネスの拡大に取り組みました。また、フルサイズミラーレスの新製品が牽引するカメラ関連ユニットの販売、ドキュメントスキャナーのEコマースチャネルでの拡販を進めたほか、製品の包装へのプラスチック使用量を削減するなど、サスティナビリティへの取り組みも推進しました。その結果、当期の連結売上高は826億14百万円(前期比10.7%増)、連結経常利益は70億79百万円(前期比21.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は53億92百万円(前期比22.2%増)となりました。

当社グループでは目標とする経営指標として売上高経常利益率15%を将来の目標としております。当連結会計年度の売上高経常利益率は、前連結会計年度の7.8%から0.8ポイント増加し、8.6%となりました。今後も目標達成に向け、当社グループの特長である小回りの利く規模、技術を生かしたスモールビジネス事業の確立を目指し、収益力の向上に努めてまいります。

 なお、宇宙関連分野におきましては、2020年10月に打ち上げた当社製の超小型人工衛星「CE-SAT-ⅡB(シーイー・サット・ツービー)」と、打上げから4年半が経過した「CE-SAT-I(シーイー・サット・ワン)」の実証実験を順調に進めており、地上の高精細画像を日々撮影しております。また、衛星本体や撮影画像、内製コンポーネントの受注を順次開始しております。

 

 セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。

(コンポーネント)

コンポ―ネントセグメントにおきましては、デジタルカメラ関係は、スマートフォンのカメラ機能の充実により厳しい状況が続いていますが、当期はミラーレスカメラの売上が好調に推移したことにより、当社が製造しているシャッターユニット・絞りユニット等のカメラ部品の生産数が大幅に回復し、売上が増加しました。レーザープリンター・複合機向けのレーザースキャナーユニットは、テレワーク等の生活スタイルの変化により個人向けを中心に受注が回復しましたが、新型コロナウイルス感染症の拡大や材料供給のひっ迫により、売上は減少しました。なお、ベトナム子会社において生産を行っているプリンター部品は、ベトナム国内での新型コロナウイルス感染症の再流行により生産が当初の予定を下回り、売上が減少しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は459億9百万円(前期比10.3%増)、営業利益は71億33百万円(前期比4.0%増)となりました。

 

(電子情報機器)

電子情報機器セグメントにおきましては、スキャナー製品関係では、中国において国内生産品の優遇傾向が強まり販売が落ち込んだものの、欧州やインドなどで販売が大きく回復し、全体の売上は増加しました。ハンディターミナル関係では、「BP-F400」をはじめとするモバイルプリンターの販売が前年を上回りましたが、ハンディターミナル本体やモバイル決済端末の販売が前年を下回り、売上は減少しました。レーザープリンター関係では、レーザープリンター本体やオプション等の生産を推し進め、売上は増加しました。

これらの結果、当セグメントの売上高は261億99百万円(前期比12.5%増)、営業利益は31億86百万円(前期比30.4%増)となりました。

(その他)

その他セグメントにおきましては、情報関連事業は、各企業のシステムへの投資が縮小や延期となっておりましたが、情報セキュリティ対策ソフト「SML」においてテレワーク向け分析パッケージの開発、提案を進めたほか、学校向け教務管理システム「SCHOOL AID(スクールエイド)」、顧客情報管理システム(CRM)等の受注活動を積極的に展開し、売上は堅調に推移しました。環境機器事業は、小型電動射出成形機、歯科用ミリングマシン「MD-500」の販売が前年を上回ったほか、工場向け生産装置の販売により売上は増加しました。医療関連機器では、滅菌器や薬剤分包機の販売が前年を上回り、売上は増加しました。
 これらの結果、当セグメントの売上高は105億4百万円(前期比8.2%増)、18億74百万円の営業損失となりました。

 

 生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

a.生産実績

 当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

生産高

前年同期比(%)

コンポーネント

49,162

118.5

電子情報機器

26,523

113.8

その他

1,843

136.0

合計

77,529

117.2

 

(注) 1. セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 金額は販売価格によっております。

3. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

b.受注実績

 当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

受注高

前年同期比(%)

受注残高

前年同期比(%)

コンポーネント

47,269

115.4

8,438

117.8

電子情報機器

27,093

117.2

4,962

116.5

その他

11,019

113.2

3,108

134.2

合計

85,383

115.6

16,509

120.2

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.金額は販売価格によっております。

3.上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

c.販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

(単位:百万円)

セグメントの名称

販売高

前年同期比(%)

コンポーネント

45,909

110.3

電子情報機器

26,199

112.5

その他

10,504

108.2

合計

82,614

110.7

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2.主な相手先の販売実績及び総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

 

(単位:百万円)

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

販売高

割合
(%)

販売高

割合
(%)

キヤノン㈱

37,361

50.1

41,958

50.8

 

3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 ②財政状態

当連結会計年度末の総資産は1,262億68百万円となり、前連結会計年度末に比べ90億56百万円増加しました。流動資産は816億99百万円となり、57億64百万円増加しました。固定資産は445億69百万円となり32億92百万円増加しました。うち有形固定資産は390億61百万円となり37億80百万円増加しました。

当連結会計年度末の負債は233億70百万円となり、前連結会計年度末に比べ37億88百万円増加しました。流動負債は187億84百万円となり、45億85百万円増加しました。固定負債は45億85百万円となり、7億97百万円減少しました。

当連結会計年度末の純資産は1,028億98百万円となり、前連結会計年度末に比べ52億68百万円増加しました。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末の81.5%から79.4%となりました。

 

 ③キャッシュ・フロー

当連結会計年度においては、税金等調整前当期純利益、減価償却費及びたな卸資産の増加等により営業活動によるキャッシュ・フローは27億44百万円の収入(前期比25億59百万円収入減)となりました。また、投資活動によるキャッシュ・フローは新製品投資、生産能力増強のための設備投資、貸付金の回収による収入、定期預金の預入による支出等により49億84百万円の支出(前期比13億64百万円支出増)となり、フリーキャッシュ・フローは22億40百万円のマイナスとなりました。財務活動によるキャッシュ・フローは長期借入及び非支配株主からの払込みによる収入、配当金の支払等により4億71百万円の収入(前期比6億24百万円収入減)となり、これらの結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は222億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億27百万円減少しました。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

  ①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要」に記載のとおりであります。

 

 

  ②資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要のうち主なものは、材料費、人件費、新製品開発に必要な研究開発費及び設備投資資金です。これらの資金需要につきましては、自己資金を充当しております。

 

  ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、連結会計年度末における資産、負債の金額及び連結会計年度における収益、費用の金額に影響を与える重要な会計方針及び各種引当金等の見積り方法(計上基準)につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

連結財務諸表等の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載しております。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響に関する会計上の見積りにつきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表 (1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

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