研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループは競争が激化する厳しい市場環境に対応するため、現行事業の更なる拡大と、新規事業の創出を図るべく、新製品開発活動を行っております。

当連結会計年度において、一般管理費に計上している研究開発費は5,284百万円であります。

セグメントごとの研究開発活動状況は次のとおりであります。

 (1)コンポーネント

デジタルカメラ市場の縮小が続く中、セットメーカー各社はスマートフォンとの親和性、あるいは、スマートフォンには無い機能を訴求することで新たな需要を掘り起こすべく製品開発に取組んでいます。また、デジタルカメラ市場ではミラーレスカメラへのシフトが進み、小型、軽量化、高機能化の競争が激化し、当社を取り巻く市場環境も厳しさを増しております。このような環境下において、当社はセットメーカーのカスタムニーズに的確に応えたシャッターや絞りユニット、光学フィルタを開発し、シェア拡大に取組んでまいりました。

このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は134百万円となりました。

 

 (2)電子情報機器

ドキュメントスキャナーにおいては、北米向けに立ち上げたリテールチャネル向け製品(R40、R10)の他国への展開、及びヨーロッパ向けに立ち上げたDR-S130の日本国内発売のためのローカライズを実施しました。特に日本国内向けには、家庭での使用を意識したR10のカラーバリエーションモデルの立ち上げも実施しました。また、中国市場での売り上げ拡大につなげる施策として、中国ブランドが優先される市場に向けた製品展開の検討を行いました。特にソフトウェアについては、中国製のLinux OSに対応したスキャナードライバーの設計を進めています。北米に向けては、今後米国連邦政府の文書の電子的保存のガイドラインになる新たな認証規格に対応するため、高速機の新たな画像設計を行いました。今後も販売会社と協力して、各国の制度の変化に合わせたカスタマイズ対応を実施していきます。さらに、世界的な電気部品の需要増加の影響により、電気部品が逼迫している状況の中、現行製品の生産計画に影響を最小限に抑えるため、代替品への切り替えを検討しています。代替品の調達にも制約があり、十分な在庫を揃えるのが難しいため、調達部門、製造部門と協力しながら優先的に検討を行い、早急に注文が出せるようにしています。また、コロナ禍によりサービス担当者がエンドユーザーの元にスキャナーのメンテナンスに行きづらくなっている状況です。そこで、ユーザー自身で装置内のゴムローラーや搬送ガイドの清掃を行えるように、ドキュメントスキャナー専用のクリーナー(清掃用の液)を商品化しました。

ハンディターミナルにおいては、OSにWindows 10 IoT Enterpriseを新規採用した標準モデルGT-50を開発し、既存顧客のリプレイスに加え、新規市場、顧客獲得にも注力しています。物流・倉庫で利用されるスキャナー一体型端末においては、アプリケーション開発支援ツールを起点に拡販活動を行い、基本機能の向上を図るとともに、上位システムとの連携機能の開発に注力しています。

このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は898百万円となりました。

 

 

  (3)その他

歯科用ミリングマシン関連では、「MD-500」がドイツの国際的なデザイン賞「iFデザインアワード」を受賞したほか、加工できるディスクの範囲を広げた「MD-500S」を開発し、11月に販売を開始しました。

小型ロケットによる人工衛星の打上げサービスの事業化を目的とする子会社、スペースワン株式会社では、ロケット機体の設計作業を進めているほか、和歌山県串本町で日本初の民間企業が所有するロケット打上げ射場「スペースポート紀伊」を建設しました。

このような活動の結果、当セグメントにおける研究開発費の金額は2,150百万円となりました。

 

なお、各セグメントに配分できない基礎研究に係る研究開発費の金額は2,101百万円となりました。

 

また、新規事業の一環として、宇宙関連分野では、2020年10月に打ち上げた自社開発・製造の超小型人工衛星「CE-SAT-ⅡB」と、打上げから4年半が経過した「CE-SAT-Ⅰ」の実証実験を順調に進めております。また、これまで培ってきた高品質・短納期の強みを活かし、衛星本体や内製コンポーネント、撮影画像の受注を順次開始しております。農業分野では、植物工場向けの生産設備や温度・湿度等の管理システム、そして種蒔き、植え替え、収穫といった手作業を自動化した装置の開発に取り組み、これまでの植物の苗を植え替えする移植機に加え、自動で種まきを行う播種機の販売を開始しました。更に移植機については画像認識とAIを組み合わせた自動検査機能を追加したモデルの開発も行っており、これらの販売開始の準備を進めています。また、栽培規模に合わせた自動機の提案を行い、ニーズに合った商品化を進めています。

 

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