業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」とい

う。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 a.財政状態

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末比(以下前期末比という)1,137,405千円増(2.3%増)の

51,057,894千円となりました。流動資産は同916,760千円増(2.4%増)の38,541,423千円、固定資産は同220,644

千円増(1.8%増)の12,516,470千円となりました。

 流動資産増加の主な要因は、現金及び預金が626,969千円増加したこと等によるものです。

 固定資産のうち有形固定資産は、同782,013千円増(7.8%増)の10,834,667千円となりました。無形固定資産は、

同119,560千円減(48.6%減)の126,630千円となりました。投資その他の資産は、同441,807千円減(22.1%減)の

1,555,173千円となりました。

 当連結会計年度末の負債合計は、前期末比998,279千円減(15.9%減)の5,285,577千円となりました。流動負債は

同260,267千円増(6.3%増)の4,414,819千円、固定負債は同1,258,547千円減(59.1%減)の870,757千円となりま

した。

 流動負債増加の主な要因は、支払手形及び買掛金が299,180千円増加したこと等によるものです。

 当連結会計年度末の純資産は、前期末比2,135,685千円増(4.9%増)の45,772,317千円となりました。この主な要

因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と配当金の支払いにより、差引き利益剰余金が2,152,753千円増加し

たことによるものです。

 この結果、自己資本比率は89.6%となりました。

 

 b.経営成績

 当連結会計年度におけるわが国経済は、ワクチン接種が進展し新型コロナウイルス感染症へ懸念が薄らいだことなどから、一旦は持ち直しの兆候がみられました。しかし、年度末にかけては、オミクロン株の出現で新型コロナウイルス感染者数が再拡大したことによる蔓延防止等重点措置の発出、ロシアのウクライナ侵攻等による商品価格の高騰や円安の進行による物価上昇懸念などの影響により、景気の先行きが懸念される状況となっております。

 当社グループの属する医療関連業界におきましては、ワクチン接種が進展し新型コロナウイルス感染症へ懸念が薄らいだことなどから、一旦は手術件数や検査件数に回復の動きがみられました。しかし、年末頃より流行りだしたオミクロン株は感染力が極めて強く感染者数が大幅に拡大したため、多くの医療機関で感染防止対策の更なる強化、対応する医療人材の確保に優先的に取り組まれました。こうしたこともあり、手術件数や検査件数が再び影響を受ける状況となっております。

 このような中で当社グループは、昨年12月に中期経営計画“NEXT300”を策定し、これまでの着実な成長に加え、次なるステップとして売上高300億円を目標とし、より良い製品を医療現場に提供することを通じ、更なるビジネスの拡大に取り組んでまいりますことを公表いたしました。

 販売面におきましては、静脈留置針類においてパッシブ型針刺し防止機構付き留置針「スーパーキャス7」を、また人工透析類において針刺し防止機構付き止血弁内蔵透析用留置針「ハッピーキャスPro Flex」を上市するなど、販促活動に努めてまいりました。

 その結果、当連結会計年度の業績は、売上高20,130,697千円(前年同期比4.2%増)、営業利益4,422,776千円(同

17.0%増)、経常利益4,548,922千円(同17.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,993,017千円(同12.6%

増)となりました。

 当社の商品区分である品目別の売上高は以下のとおりであります。

 人工透析類におきましては、7,264,736千円(前年同期比2.6%増)となりました。静脈留置針類におきましては、

5,243,740千円(同2.9%増)となりました。インターベンション類におきましては、7,610,531千円(同6.8%増)と

なりました。

(注) 当社グループは、医療機器の製造・販売事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省

   略しております。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、以下に記載のキャッシュ・フ

ローにより、前連結会計年度末に比べ626,969千円増加し、当連結会計年度末には18,118,088千円となりました。

 (営業活動によるキャッシュ・フロー)

  営業活動の結果得られた資金は3,153,557千円(前年同期比13.1%減)となりました。内訳の主なものは、税金

 等調整前当期純利益4,472,804千円と、法人税等の支払額1,091,729千円等であります。

 (投資活動によるキャッシュ・フロー)

  投資活動の結果使用した資金は1,719,622千円(前年同期比4.5%増)となりました。内訳の主なものは、有形

 固定資産の取得による支出1,779,329千円であります。

 (財務活動によるキャッシュ・フロー)

  財務活動の結果使用した資金は901,234千円(前年同期比30.4%減)となりました。内訳は、自己株式の取得

 による支出と配当金の支払額であります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 a.生産実績

 当連結会計年度の生産実績については、単一セグメントのため品目区分別に記載しております。

品目別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

人工透析類

(千円)

7,144,437

9.5

静脈留置針類

(千円)

5,174,369

△0.2

インターベンション類

(千円)

5,156,412

2.8

合計

(千円)

17,475,219

4.5

 (注)金額は平均販売価格によっております。

 

 b.受注実績

 当社グループは見込み生産を行っているため、該当事項はありません。

 c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績については、単一セグメントのため品目区分別に記載しております。

品目別

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

人工透析類

(千円)

7,264,736

2.6

静脈留置針類

(千円)

5,243,740

2.9

インターベンション類

(千円)

7,610,531

6.8

その他

(千円)

11,689

2.4

合計

(千円)

20,130,697

4.2

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

 ①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの当連結会計年度の経営成績等は次のとおりであります。

 ・経営成績の分析

 当連結会計年度の業績は、売上高20,130,697千円(前年同期比4.2%増)、営業利益4,422,776千円(同17.0%

増)、経常利益4,548,922千円(同17.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益2,993,017千円(同12.6%増)とな

りました。

 人工透析類におきましては、2020年12月末現在の国内人工透析患者数は、34万7千人と微増傾向が続いております

が、透析施設の効率的な運営が必要とされる状況下にあり、販売単価は引き続き低下傾向にあります。しかしなが

ら、医療現場における安全性への関心の高まりから安全機構付留置針の採用が増加してきており、こうした付加価値

の高い製品の拡販に取り組みました。また、海外市場におきましては、新規顧客獲得により売上高増加を目指してま

いりました。

 静脈留置針におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、外来患者数の減少や入院患者受入れ病床数

が逼迫する状況が続き、市場規模が一時的に縮小いたしました。一方で、人工透析類と同様に、安全機構付製品への

関心が高まる中、2つの安全機能である「止血弁」と「針刺し事故防止機構」を内蔵した当社の主力製品である「ス

ーパーキャス5」の拡販に取り組み、国内におけるマーケットシェアの維持・拡大に努めてまいりました。海外にお

きましても、新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けましたが、販売を開始した国々の市場での定着化を図る

とともに、その他の国におきましては、新規顧客の獲得に努めてまいりました。

 インターベンション類におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により、血管造影・治療の症例が全般に

減少したものの、2018年より輸入販売を開始しました冠動脈用石灰化病変治療デバイス「Diamondback360 Coronary

Orbital Atherectomy System 」を始めとして、治療用製品の販売が好調に推移しました。

 製造工場においては、原価低減や生産効率の向上に注力してまいりました。以上の結果、営業利益は4,422,776千

円(同17.0%増)、経常利益は4,548,922千円(同17.5%増)となり、経常利益率は22.6%と前年同期比2.6ポイント

増加となりました。

 

 ・財政状態の分析

 当社グループは、適切な流動性の維持、事業活動のための自己資金の充実及び健全なバランスシートの維持を財務

方針としております。

 なお、財政状態の状況につきましては、「第2 事業の状況  3経営者による財政状態、経営成績及びキャッシ

ュ・フローの状況の分析  (1) 経営成績等の状況の概要  ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであり

ます。

 

・経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況  2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 ②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

・キャッシュ・フローの状況の分析

 「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成

績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

・資本の財源及び資金の流動性

 資金需要

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を

目的とした資金需要は、主に設備投資であります。

 財務政策

 当社グループは、運転資金及び設備投資資金については、原則自己資金により調達することとしております。

 当社グループは、財務の健全性を保ち、営業活動によるキャッシュ・フローを基本に将来に必要な運転資金及び設

備投資資金を調達していく考えであります。

 新型コロナウイルス感染症の影響に関しましては、上記の考えに基づいた運営により、資金繰りに支障をきたすよ

うな事象は生じておりません。今後とも、こうした外部環境の急変時にも問題が生じない様、これまで通りの考え方

に基づき運営を行ってまいります。

 

 ③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについて

は、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとお

りであります。

 

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