文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、社是に掲げた“創造、迅速、確実”をモットーとして、品質の高い製品を医療現場に提供し、
日々進歩する医療に対して提案できる企業であることを基本方針としております。この基本方針のもと、当社グルー
プは、健全なる企業の発展と企業価値の向上に努め、株主の皆様をはじめ医療関係者の方々の信頼を高めてまいりま
す。
(2)経営戦略等
当社グループは、上記の経営方針に基づき、製品の開発から生産、販売に至るまでの業務を一貫して手掛け、品質
の高い製品を効率的にお客様にお届けする体制を構築しております。それと共に、販売会社である当社と開発および
製造を行う連結子会社である東郷メディキット㈱を別会社とするという企業構造をとることにより、それぞれの会社
の役割を明確化し、成長性と収益性の双方をバランスよく追求すべく取り組んでおります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、連結売上高、連結売上原価率、連結売上総利益(率)、連結営業利益(率)を重視しておりま
す。特に、販売会社である当社は、成長性の観点から売上高、連結子会社(製造会社)である東郷メディキット㈱
は、収益性の観点から売上原価、売上原価率を重視しております。
(4)経営環境
当連結会計年度におけるわが国経済は、ワクチン接種が進展し新型コロナウイルス感染症へ懸念が薄らいだことなどから、一旦は持ち直しの兆候がみられました。しかし、年度末にかけては、オミクロン株の出現で新型コロナウイルス感染者数が再拡大したことによる蔓延防止等重点措置の発出、ロシアのウクライナ侵攻等による商品価格の高騰や円安の進行による物価上昇懸念などの影響により、景気の先行きが懸念される状況となっております。
当社グループの属する医療関連業界におきましては、ワクチン接種が進展し新型コロナウイルス感染症へ懸念が薄らいだことなどから、一旦は手術件数や検査件数に回復の動きがみられました。しかし、年末頃より流行りだしたオミクロン株は感染力が極めて強く感染者数が大幅に拡大したため、多くの医療機関で感染防止対策の更なる強化、対応する医療人材の確保に優先的に取り組まれました。こうしたこともあり、手術件数や検査件数が再び影響を受ける状況となっております。
このような中で当社グループは、昨年12月に中期経営計画“NEXT300”を策定し、これまでの着実な成長に加え、次なるステップとして売上高300億円を目標とし、より良い製品を医療現場に提供することを通じ、更なるビジネスの拡大に取り組んでまいりますことを公表いたしました。
販売面におきましては、静脈留置針類においてパッシブ型針刺し防止機構付き留置針「スーパーキャス7」を、また人工透析類において針刺し防止機構付き止血弁内蔵透析用留置針「ハッピーキャスPro Flex」を上市するなど、販促活動に努めてまいりました。
当社グループは、血管・血液に関する分野の医療機器の製造・販売事業者として、人工透析類、静脈留置針類、イ
ンターベンション類という3つの品目で、医療現場のニーズにあった製品を開発し、安全かつ高品質の製品として提
供し、医療関係者の方々の信頼を築いてまいりました。当社グループにおきましては、生産の効率性を更に高め、品
質を落とすことなく原価の低減を実現するべく取り組むと共に、付加価値の高い製品の提供や全国16か所の営業所
を通じた丁寧なサービス活動に取り組むことにより、お客様の満足度の向上に努めてまいります。
また、海外でも高齢化の進展により医療ニーズが高まってきていることから、上記の国内での取り組みに加え、当
社グループの安全かつ高品質の製品を海外市場においても更に普及させるべく、取り組みの強化を行ってまいりま
す。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、「成長性」「収益性」「安全性」をキーワードとして、①グループ連携の強化、②安全性と新商
品提供、③グローバル展開、④生産体質の強化を課題と考え、業務を行っております。
①グループ連携の強化
当社グループは、グループ会社間の連携が製品の開発から生産、販売、物流までの一連の流れを強化することに繋が
るものと確信しております。販売会社は、顧客ニーズを探求し販売に繋げること、製造会社は、ニーズを踏まえた開発
と製造、お互いの役割を明確化したうえで一体となって取り組むことで、市場ニーズを捉えた製品のスムーズな市場投
入を実現してまいります。
②安全性と新商品提供
当社グループは、品質保証・安全管理体制を構築し、安全性を重視した商品の開発・販売を行っております。また、
患者様はもちろんのこと、使用される医療従事者様に対しても安全な製品の提供は、医療機器製造販売業者の責務であ
り、既存製品についても引き続き改善・改良等に取り組んでまいります。
③グローバル展開
海外展開の拡大を重要な戦略分野と位置付け、グローバルレベルでの開発力、商品力、販売力の強化に取り組むとと
もに、海外薬事への対応も着実に進めてまいります。
④生産体質の強化
当社グループの持つ技術及び生産能力を最大限に発揮するための品質管理とコスト管理を行い、競争力強化に努め、効率的且つ柔軟な生産管理体制の強化を推進してまいります。
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