課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、次のような経営理念の下、その実現に向けた経営を目指しています。

[経営理念]

当社グループは、髪に関する悩みを抱える全てのお客様に対して、総合毛髪企業としてそのお客様に最も適した最高の品質と最良のサービスを提供することによって、その悩みの解決に努めるとともに、「お客様に満足頂ける毛髪文化を創造する」ことを経営理念としております。

[経営戦略]

当社グループは、この経営理念の実現に向けて、製品開発力の強化、生産体制の整備、カウンセリング・接客・技術等の営業面でのサービス体制の充実を図るとともに、コンプライアンス体制のさらなる強化、企業情報の積極的開示を行っていくことで、株主や投資家を始めとしたステークホルダーから信頼され、支持される経営を目指します。

[サステナビリティを巡る取組みについての基本方針]

私たちアートネイチャーグループは、「ふやしたいのは、笑顔です。」をモットーに、「アートネイチャーの行動規範」に基づき、「持続可能な社会の実現」と「持続的な企業価値の向上」を目指してまいります。なお、その取組みにあたっては、地球環境への配慮や人権の尊重などサステナビリティを巡る課題に対して、環境、社会、ガバナンスの全ての面で検討を重ね、ステークホルダーの皆さまと共に、積極的に推進してまいります。

[サステナビリティを巡る課題への取組み]
  サステナビリティを巡る課題への取組みは次の通りです。

課題

具体的な取組み

気候変動などの地球環境問題への配慮

当社グループでは、環境保全・社会貢献活動への積極的な取組みを規定し適切に運用しており、①TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)への賛同、②TCFDに基づく開示(4要素11項目に基づく対応の開示)に係る検討事項を、リスクマネジメント委員会を経て、取締役会で報告する体制としている。

人権の尊重

当社グループでは、人格や個性を尊重する職場環境の整備、異なる文化的伝統や風習の尊重を規定し適切に運用しており、人毛トレサビリティや製造等における人権問題の確認と共に、日本国政府が推奨している「ビジネスと人権に関する指導原則」等に従った人権の尊重に係る検討事項を、コンプライアンス委員会を経て、取締役会で報告する体制としている。

従業員の健康・労働環境への配慮や公正・適切な処遇

法令のみならず、就業規則を初めとする人事関連諸規程で規定し適切に運用しており、当社グループが掲げる「健康経営推進」の中で、取締役会で報告する体制としている。

取引先との公正・適正な取引

当社グループでは、健全な業務運営、法令順守、フェアで透明なビジネス、適正価格、倫理重視、反社遮断を規定し適切に運用しており、コンプライアンス委員会を経て、取締役会で報告する体制としている。

自然災害等への危機管理

当社グループでは、リスク関連諸規程で規定し、全社的な訓練も実施しており、「自然災害」のみならず、様々な「事業等のリスク」について、リスクマネジメント委員会を経て、取締役会で報告する体制としている。

 

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、売上の拡大と効率的な経営を推進して、総合毛髪事業の拡大と収益力や資本効率の向上を目指しております。

そのため、売上高、売上高経常利益率、ROE(自己資本利益率)の3つを目標とする経営指標としております。

売上高につきましては、営業基盤を継続的に拡大させることで着実に引き上げてまいります。売上高経常利益率につきましても、収益構造を見直し、効率的かつ効果的な収益体制を実現することで着実に引上げてまいります。さらには、ROEにつきましても、自社の資本コストを的確に把握した上で、株主の皆さまからお預かりした資本を効率的に活用して企業価値を向上させ高めてまいります。

なお、目標とする経営指標の設定事由や2023年3月期の見通しは次の通りです。

 

[経営指標の設定事由]

目標とする経営指標

設定した事由

売上高

最も分かり易い指標であり、かつ当社グループは限界利益率が高く売上高の増加が利益の増加に直結するため設定

売上高経常利益率

経費節減の結果や財務活動を含めた収益力が確認できるため設定

ROE(自己資本利益率)

コーポレートガバナンス・コードや議決権行使助言会社の動向を踏まえ設定

 

 

[2023年3月期の見通し]

次期の業績見通しとして、連結売上高41,991百万円(当連結会計年度比3.8%増)、営業利益2,105百万円(同30.3%減)、経常利益2,155百万円(同29.1%減)、親会社株主に帰属する当期純利益1,137百万円(同5.6%減)を見込んでおります。

 

[目標とする経営指標に係る過年度推移グラフ]

 


 

(3) 経営環境及び中長期的な会社の経営戦略

今後の経済見通しにつきましては、いまだ新型コロナウイルスの感染拡大が続いており、収束の時期や感染拡大による影響が見通せないため、先行きは非常に不透明感の強い状況にあります。

 

当社の属する毛髪業界及びその隣接業界を含めた新規参入企業や同業他社との競合激化などにより、当社を取り巻く事業環境は引き続き厳しいものと考えております。こうした環境下、当社グループでは、全体戦略を「毛髪業の領域の事業を拡充し、毛髪業以外の新領域の事業に進出する」とし、前述のような「目標とする経営指標」をベースに2021年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画「アートネイチャーChallengeプラン」を策定しました。この3年間で、既存領域を拡充すると共に新事業の領域を更に拡大して、「次代を切り拓くアートネイチャー」の礎を築いてまいります。具体的には、「業績伸長」、「新領域の開拓」、「採用の強化」、「人財の育成」、「市場との対話」、「業務の刷新」の6つの「重点チャレンジ施策」を着実に実践してまいります。

[国内毛髪業市場の動向]

 

(単位:億円)


注1.事業者売上高ベース 注2.2021年度以降予測値(2021年11月現在)

(出所)(株)矢野経済研究所「2021年版ヘアケアマーケティング総鑑」

 

2008年秋のリーマンショック以降の消費の低迷に加え、隣接市場との競争激化によって低迷しておりましたが、各社の女性用かつら強化策や男性顧客へのリピート販売が実を結び2012年度以降拡大に転じてまいりました。しかし、2016年度以降は新規参入企業や中小事業者の低価格品が市場に多く出回った影響から市場は一転して減少傾向となり、2020年度はコロナウィルス感染症の影響により前年度比86.2%、市場規模は1,113億円と減少しました。

 

[国内毛髪業市場におけるシェア]


          <男性市場>                   <女性市場>

注1.事業者売上高ベース

(出所) (株) 矢野経済研究所「2021年版ヘアケアマーケティング総鑑」

国内毛髪業市場において、男性市場でトップシェア、女性市場で第2位となっております。

 

 

 

[アートネイチャーChallengeプランの概要]

2020年度を初年度とする中期経営計画では、「事業ラインナップを拡充させ、社内体制を整備させることで業績を拡大させる」という目標に「挑む」ことから「アートネイチャーChallengeプラン」としています。将来への見通しが不確実な昨今において当社グループの強みを活かし、中期経営計画でさまざまな課題に挑戦していくことで、既存領域の拡充、事業領域を拡大し、次代を切り拓いていく礎を築いていきます。

 


 

アートネイチャーChallengeプランで目標とする経営指標は次の通りです。なお、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大が国内外経済及び当社業績に与える影響に関しまして、未確定な要素が多いことから、目標とする経営指標は現時点では未定として、合理的な予測が可能となった時点で、速やかに公表することといたします。

 

経営指標

2022年3月期

(実績)

2023年3月期

(目標)

施策概要

売上高

40,437百万円

41,991百万円

・男性向け事業では、お客様満足に注力し、真のアートネイチャーファン(コアファン)の拡大を目指します。

・女性向け事業では、ホスピタリティ、技術力、毛髪コンサルタント力の強化でお客様数の拡大を目指します。

・女性向け既製品事業では、現場力と本社企画力の強化で、安定した収益体制の実現を目指します。

・通販事業では、直販売上の増強と、第一類医薬品事業、医療機関サポート事業の拡充を目指します。

売上高経常利益率

7.5%

5.1%

・上述により業績を伸長させると共に、「業務の刷新」等によって、生産性や効率性を更に高めてまいります。

ROE

4.9%

4.7%

 

 

 なお、当社では事業ポートフォリオに関する基本方針等を策定し、経営資源の配分、事業毎の方針を次のように決定しております。
 

 

 

[事業ポートフォリオに関する基本方針]
  事業ポートフォリオに関する基本方針は「経営資源を効率的に活用して、事業を成長させる」としております。各事業は「効率性」と「成長性」の観点から、「注力」「育成」「基盤」「改善」の4象限に分類し、分類された領域の基本的な配分方針を踏まえ、経営資源を配分しております。なお、基本的な経営資源の配分方針は次の通りとなっております。
[事業ポートフォリオの位置付けと基本的な経営資源の配分方針]
  事業ポートフォリオの位置付けと基本的な経営資源の配分方針は次表の通りです。

 

位置付け

配分方針

基盤領域

安定的な事業価値向上に貢献

収益源として事業を長期に維持するために配分する

注力領域

更なる収益拡大を見込む

収益の拡大を加速するために配分する

育成領域

3年以内の注力領域転換を期待

効率の向上を加速するために配分する

改善領域

早期に抜本的な収益構造の改善が必要な領域

左述に従い配分する

 

 

[事業ポートフォリオに関する見直し]

  事業ポートフォリオに係る方針等(基本方針の変更、経営資源の配分、戦略の実行、見直し等)は、取締役会において、中期経営計画の策定、年度の事業計画及び予算案の策定の中で審議しております。また、事業ポートフォリオに係る開示等は、取締役会において、決算短信等の開示資料と共に審議しております。

[事業ポートフォリオの区分]
  事業ポートフォリオの区分は次表の通りです。縦軸の成長性は「事業別売上高成長率」、横軸の効率性は「事業別投下資本利益率(ROIC)」とし、縦軸の区分は「毛髪業3か年平均市場成長率」、横軸の区分は「想定加重平均資本コスト(WACC)直近3か年平均」としております。

 


[事業毎の方針]
  なお、当事業年度の事業毎の方針は次表の通りです。

事業

事業ポートフォリオに係る方針

男性向け事業

売上、経費効率共にほぼ横ばいとする。(→現状ポジション維持)

女性向け事業

売上の上昇対比、経費効率は微増とする。(→ROICプラス維持)

女性向け既製品事業

売上を伸長すると共に経費効率も引き上げる。(→ROIC向上)

 

 

[事業ポートフォリオ(2022年3月期実績と2023年3月期計画)]
 青:男性向け事業、オレンジ:女性向け事業、紫:女性向け既製品事業


 

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題とその対応策

当社グループの属する国内毛髪関連市場は、高齢化社会の進展、定年延長、女性労働の活性化、アンチエイジング志向の高まりなどにより需要の拡大が見込める一方で、毛髪業界のみならず、隣接業界との競合関係も厳しさを増していくものと推察されます。こうした環境下において、安定的な成長と企業価値の向上を目指すべく以下の課題に重点的に取り組んでまいります。

 

[業績伸長]

業績伸長においては、国内外の市場でお客様の数を増やすことが最も重要なことです。当社はお客様のニーズに応えた最高の品質の製品と最良のサービスを開発し、定期的に市場投入すると同時に、お客様に対してより効果的な反響が得られるような広告宣伝を工夫し、需要の掘り起こしを図ってまいります。

オーダーメードかつら事業(メンズ及びレディース部門)では、お客様満足の向上に注力し「アートネイチャーの真のファン」の数を増やすと共に、お客様の定着化に向けた施策を実践することで、安定的な成長を目指します。

女性向け既製品ウィッグ事業では、女性向け営業体制の一本化によるレディース部門との連携の強化、お客様一人ひとりに合った提案の徹底や、本社機能の強化と人財育成を実践することで、業績の拡大を目指します。

通信販売事業では、新商品の投入により商品ラインアップを増やし、商品を拡充すると共に、当社商品を取り扱うECサイトを増やす等、販路を拡大することで、業績拡大を目指します。

また、海外市場においては、中国、シンガポール、タイ、マレーシアにおける当社ブランドの浸透と、地域に根差した販売施策によって潜在需要の掘り起こしを行い、業績の拡大に取り組みます。

 

 

<オーダーメードかつら事業の流れ>

オーダーメードかつら事業では、髪にまつわるさまざまな課題を抱えている方や、ウィッグでおしゃれを楽しみたい方などへ向けて、テレビや新聞、インターネットなどのさまざまな広告媒体を利用して広告宣伝を行い、その結果、当社商品・サービスに関心を持って当社にコンタクトいただいた方を新規のお客様として取り込んでいく「反響営業」と言われる営業活動を行っています。「反響営業」によって当社商品やサービスをご利用いただいたお客様に対して、全国サロンでの充実したアフターサービスや、お客様のニーズに合わせたさまざまな提案を行うことで、お客様と当社の間に信頼関係を築き、リピート受注につなげていきます。

 


 

 

 

[新領域の開拓]

次代のアートネイチャーの礎を築くために、既存事業以外の新領域の事業に挑むことが重要です。これまで取り組んできた、比較的安い価格帯のウィッグ事業、医薬品販売事業、医療関連サポート事業を着実に軌道に乗せると共に、国内外のM&Aや新規事業の立ち上げ等により、新領域の事業に取り組み、当社グループの更なる成長を図ってまいります。

 

[採用の強化]

業績伸長や新領域の開拓を支えるために、採用を強化して高水準の人財を安定的に確保し続けることが重要です。当社では、採用の募集ルート形態を多様化すると共に、採用間口の拡大も検討しており、安定的な採用体制の構築を進めてまいります。また、社員一人ひとりが活き活きと働いて、最大限のパフォーマンスを発揮できるように様々な施策を講じています。例えば、次世代育成支援対策推進法に基づく子育てサポート企業として「くるみん」の認定を取得するなど、ダイバーシティマネジメントを推進しているのもその一つです。「働き方改革」の中では、長時間労働の撲滅や仕事と家庭の両立を支援する仕組み等のワークライフ・バランスを重視するとともに、健康経営を積極的に推進しております。今後も様々な施策を実践していくことで、従業員との一体感を醸成し、より働き甲斐のある職場を作っていくことで、従業員の更なる定着化も進めてまいります。

 

[人財の育成]

採用の強化と同様に、業績の伸長や新規事業の成功のためには、多岐に亘るお客様ニーズへの対応力と本社における企画力や経営管理力を引き上げることが重要です。当社では、正社員の約8割に当たる1832名(2022年3月31日現在)が理容師または美容師の資格保有者です。これら営業部門の従業員については、「技術力」「接客力」「商品提案力」といった基礎能力を引き上げ、お客様ニーズを満たし、お客様から信頼され共感される人財の育成を目指してまいります。また、営業部門以外の従業員についても、様々な企画立案やグループ会社の経営管理を担える人財を育成するとともに、各分野のエキスパートになるために、教育研修制度の確立と自己研鑽を支援する仕組みを構築してまいります。

 

 [人材育成方針]
  当社グループは、人員を主に理美容師の中途採用で確保しております。今後の業績伸長や新領域の開拓を支えるためには、採用を強化して高水準の人財を安定的に確保し続けることが重要です。そこで採用の募集ルート形態を多様化すると共に、採用間口の拡大も検討しており、安定的な採用体制の構築を進めております。また、成長性の高い女性市場での事業展開を支える人材として、女性社員の育成に積極的に取組み、今後も積極的に重要ポストにも登用して行きたいと考えております。例えば、当社の管理職(課長級を含む)に占める女性割合を19.4%以上とする事を目標としております。更に、女性向け市場への対応の一環として、女性の社外取締役を選任し、女性の意見を積極的に経営に反映させ、女性の執行役員を登用し、主に女性向けの商品開発や市場開拓に存分に力を発揮してもらっております。

 

 [社内環境整備方針]
  当社グループは、社員がライフ・ワークバランスを整えながら働ける環境を整備する事を目標として、社員一人ひとりが活き活きと働いて、最大限のパフォーマンスを発揮できるように様々な施策を講じています。例えば、当社は女性活躍推進法に基づく優良企業として「えるぼし」の認定を取得するなど、ダイバーシティマネジメントを推進しているのもその一つです。また、「働き方改革」の中で、長時間労働の撲滅や仕事と家庭の両立を支援する仕組み等のワークライフ・バランスを重視するとともに、健康経営を積極的に推進しております。今後も様々な施策を実践していくことで、従業員との一体感を醸成し、より働き甲斐のある職場を作っていくことで、従業員の更なる定着化も進めてまいります。
 
 [人的資本への投資]
  当社グループは、中期経営計画「アートネイチャーChallengeプラン」の重点チャレンジ施策「人財育成」の方針に従い、人的資本への投資として、次のような取組みに経営資源を配分しております。

 

<現場人財の育成に向けた取組み>

職種別研修

スタイリスト技術研修/新任店長研修/各技能スキル勉強会・セミナー ほか

階層別研修

新卒・中途新人研修/本社CDPセミナー/アセスメント研修 ほか

その他

社内語学研修 ほか

 

 

<本社人財の育成に向けた取組み>

ベーシック研修

対人・対課題の基礎力向上

アドバンス研修

企画や経営管理の基礎力向上

チャレンジ研修

経営管理力の強化

 

 

 

 [中核人材の登用等における多様性の確保]
 当社グループは、自主的かつ測定可能な目標として、女性管理職(課長級を含む)の割合を現状水準(19.4%)以上に引き上げる方針です。(2022年3月31日現在)
 

 

全体

 

女性

外国人

中途採用者

社員

 

2,655人

1,603人(60.4%)

2,428人(91.5%)

管理職

356人

69人(19.4%)

299人(84.0%)

取締役

28人

6人(21.4%)

25人(89.3%)

 

※1:管理職、取締役は本社及び国内子会社で重複カウントしています。
※2:外国籍の社員はいるものの、人事管理上のフラグ建てはしていません。
※3:当社グループに新卒で入社した者以外は「中途採用者」として取り扱っています。

 

但し、次のような事由から、外国人や中途採用者については目標を定めない事としております
・当社グループに外国籍の社員も在籍しているものの、コーポレートガバナンス・ガイドライン第9条ダイバーシティの推進等により、人事管理上のフラグ建てはしていない事から、外国人の目標は定めない事としております。なお、外国籍の方は理美容師資格が取得出来ないため、外国籍の社員は本社所属のみと認識しております。
・当社グループは、主に「中途採用者」で人財を確保しており、在籍社員に占める割合が既に高水準にある事から、中途採用者の目標は定めない事としております。
 

 

 

[市場との対話]

当社グループの中長期的な企業価値をより向上させるためには、市場と対話し続けることが重要です。当社グループでは、既にSDGsに係る様々な取組みを実践していますが、新たに「プラスチックの削減」と「新しいサービス体制の構築」に挑むとともに、IR活動等を通じて、市場との対話を強化してまいります。

 

 

<当社のSDGsの取組み>

① SDGsとは

SDGsとは2015年9月に国連サミットで採択された、2016年から2030年までの国際目標です。格差の問題、持続可能な消費や生産、気候変動対策を含む全ての国に適用される普遍的な17の目標と169のターゲットから構成されています。

② 当社の考え方

当社グループでは「ふやしたいのは、笑顔です。」をモットーに、1967年の会社設立以来、総合毛髪事業を通じて、毛髪文化の創造に取り組んでいます。このような事業活動において、例えば、当社が取り扱う「ウィッグを中心とした総合毛髪商品」は、お客様の社会における活躍を支援し、QOL向上に資するものであり、SDGsが目指す「誰一人取り残さない」世界の実現と親和性が高いものと考えます。

そこで当社グループでは、「持続可能な未来の実現に向け、全ての人々の笑顔をふやしていく」を取組み方針として掲げ、SDGsの目標達成に向けて事業活動に挑み続けます。


 

③ 現在の取組み

(a) 社会との関わり

健康経営の推進

当社では健康経営を掲げ、長時間労働抑制のためのNO残業デーの設定、喫煙ゼロ宣言、婦人科検診受診の推進など従業員が健康でいきいきと働くための健康管理をサポートしています。

ピンクリボン運動

2008年より乳がんの早期診断・早期治療の大切さを伝えるピンクリボン運動を推進しています。当社では認定NPO法人乳房健康研究会が主催する認定資格制度であるピンクリボンアドバイザー認定者が多数在籍しております。

女性活躍の推進

当社の従業員の半数以上は女性であり、事業活動の上で女性の活躍はなくてはなりません。育児を理由とする時短勤務を、小学校卒業まで認める制度を導入している他に、1時間単位での有給取得制度、男性の育児休暇取得の推進など、ワークライフバランスを重視した働き方の推進に取り組んでいます。

平等な社会実現

当社では、がん罹患者の社会活躍を推進すべく、医療用ウィッグを全国のサロンやジュリア・オージェ店舗などで販売しています。

 

 

(b) 環境との関わり

紙資源の削減

当社では、店舗における帳票の電子化をすすめ、ぺーパーレス化に取り組んでいます。また、印刷物を内製化することで、廃棄の削減につなげています。

省エネルギーへの

取組み

各店舗、本社施設における照明のLED化をすすめ、省エネルギーへの取り組みを実施しています。また、空調に設定温度を設けるなど、ウォームビズ、クールビズに取り組み、エネルギー使用量の削減に努めています。

 

 

 

 

④ 今後へ向けた取組み 重要課題の設定

当社では、これまでの取組みに加え、事業環境における将来予測等を加味し、社会と当社グループの双方にとって重要性の高い項目を取り組むべき重要課題として新たに選定しました。

 

重要課題

対応方針

内容

新しいサービス体制の構築

「すべての人々に」「質の高い」インフラとアクセスを提供することであらゆる地域のすべての人々に当社の商品・サービスを提供する

当社では、主力のオーダーメードウィッグ事業等において、主にお客様に店舗へご来店いただくことで商品・サービスの提供を行っております。今後の高齢化の進展、労働人口の減少に鑑み、店舗の在り方や商品・サービスの提供方法を検討してまいります。

プラスチックの削減

当社商品に使用しているプラスチック材料の削減に取り組む

海洋プラスチック汚染の防止、海洋資源の保全についての対策は急務であると認識しています。当社においても、販売商品や業務用備品の容器などを中心に、環境に対応した素材への切り替えなどを積極的に推進してまいります。

 

 

 

 

[業務の刷新]

当社グループをより収益が生み出せる体制へ転換するためには、業務を刷新し続けることが重要です。当社グループの収益構造を見直し、あらゆる無駄を徹底的にそぎ落とすことで、固定費を圧縮し、損益分岐点を引き下げ、効率的かつ効果的な収益体制を実現してまいります。また、ペーパーレス化やシステム化等による業務の刷新を進め、生産性を更に向上させてまいります。

具体的には、本部各部及び店舗において、全ての業務(日次・週次・月次・年次で発生している、定例的な業務)をゼロベースで抜本的に棚卸しし、業務の刷新(時間の削減)を行う事で、生産性を更に向上させ、その空いた時間を利用して、新たな施策に取り組んでまいります。

 

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