文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「化学に立脚し、新たな価値を創造、提案する」、「企業経営を通じて、地域に貢献し、環境共生型社会形成に寄与する」の企業理念のもと、プラスチックを中心とする異形押出成形技術をコア技術として、常に新しい技術と製品の開発に専念し、企業価値の向上に努めてまいりました。
今後さらに、フクビの絶対主義、即ち「絶対品質、絶対スピード、絶対コスト」に裏付けられた製品とサービスの提供を通して、お客様の企業価値の増大に貢献し、開発型メーカーとしての事業基盤を一層強化してまいります。
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、第6次中期経営計画「FUKUVI NEXT」(2020年度~2022年度)において、「新たな技術開発と市場創造に絶え間なく挑戦し、快適な社会の実現に貢献する」「一人一人の成長と企業の成長が一体となることで、喜びを実感できるフクビグループを目指す」という中長期ビジョンのもと、私たちは100 年企業となるべく、これまでの部材メーカーから「暮らしを変えるCreators」へ、一歩先をいく「安心」と「驚き」の価値を提供する創造者集団となることを「10 年後のありたい姿」と定め、3つの挑戦を掲げました。
① 新たな分野に積極的に挑戦する
② 徹底的に差別化を図り、高収益化に挑戦する
③ 社会的価値の創造により、持続的な企業価値向上に挑戦する
フクビグループはこれらの挑戦により、2030年に向けた社会課題の解決に貢献し、継続的な事業の拡大と高収益を実現します。また、これらを実現すべく3つの基本方針を策定しています。
① 成長分野への積極展開
新規事業、グローバル事業、既存事業における新規分野を成長分野と定め、積極的な新技術領域への挑戦、新分野売上高比率の向上、グローバルビジネスの加速化を行う。
② 収益構造の改革推進による利益の創造
構造変革のスピードアップ、バリューチェーンによる高収益化の実現、合理化、効率化の推進を行う。
③ 社会的価値の創造により、持続的な企業価値向上に挑戦する
更なる人材基盤の強靭化、確固たるグループ経営の確立、ESG経営の実践を行う。
当社グループは、上記諸施策を推進することで100年企業へ向けた強固な基盤づくりを行い、更には、地域の皆様や社会に貢献する経営を継続することで、常にステークホルダーに信頼され、選ばれ続ける企業を目指します。
(3) 会社の対処すべき課題
新型コロナウイルス感染拡大を機に人々の生活様式は一変し、当社を取り巻く環境も大きく変化しました。そのような変化の中で、自然環境や社会へ配慮した企業活動がますます重要になっており、フクビグループの事業を通じて持続可能な社会へ最大限貢献することにより、長期的な発展を目指します。
しかしながら、長期的な成長と企業価値の一層の増大を実現していくには、以下のような解決すべき課題があると認識しております。
①ESGを経営の中核に据えた事業運営への転換
企業の社会的責任がますます重くなる中で、今後もサステナブルな企業であり続けるため、当社は、これまで以上にESGを意識した取り組みを進めてまいります。企業理念「企業経営を通じて、地域に貢献し、環境共生型社会形成に寄与する」に立脚した事業活動を具現化することによって、企業としての存在価値を高めていくことを目指します。それら取り組みを具体的に推進、強化するために、全社横断でSDGsの推進組織を設置しており、SDGsへの取り組みを通じてグループ全体の意識を高め様々な施策を展開していきます。
②中長期の成長モデル構築に向けた取り組み
10年後を見据えた開発・事業テーマを選定し、組織的・計画的に経営資源を配分しイノベーションにつなげていきます。テーマの洗い出し、選定から、現状の課題を浮かび上がらせ、出口である事業化までのあるべき運営・組織体制を早期に構築し、将来の経営資源になり得るビジネスモデル、製品、サービスの創出を目指します。
③成長するための事業戦略立案と推進
中期経営計画を実現すべく、各事業部門が強化・成長のシナリオを描けるよう、事業ポートフォリオの再構築を通じ必要な施策を強力に推進していきます。成長性の高い既存事業や海外展開、製品開発等に経営資源を重点配分するとともに、M&Aによる事業領域拡大をグループ全体の成長につなげてまいります。また、収益性改善や、キャッシュ・フローの確保、資産効率等の重要指標を念頭に置いた戦略を展開してまいります。
④持続的な成長を支える体制整備
持続的成長を支える体制の整備として、事業本部体制への移行を完了しました。その他、DX推進、リスクマネジメント等の強化を推進してまいります。事業部制導入により責任の明確化を図るとともに、市場の変化への対応力を高め、BCMの観点からサプライチェーンの最適化を図ってまいります。前述のテーマを推進する上での共通テーマとしてDXがありますが、今後予定されているERP導入は重要なターニングポイントとなるものであり、順次、環境整備をしてまいります。リスクマネジメントの強化としては、自然災害、パンデミック、地政学リスク等に対するBCP対応やコンプライアンスリスク、事業リスク他様々なリスクに関して機能するよう、体制の整備・深化を図ります。
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