当社グループにおいて、研究開発活動は主に当社が行っております。
なお、当社グループの研究開発活動は、以下のとおりであります。
当社グループの研究開発は、既存事業分野で急務となっている研究課題はもとより、中期経営計画に基づく新規事業分野への進出、更には長期的成長の基盤となる基礎研究にも努めております。当社のコアビジネスである住宅・建材分野では、マーケティングを通じてSDGs宣言に則した商品群別ターゲットを設定し、顧客ニーズをつかみ共感を生む価値ある商品開発を目標に、保有技術・資源をベースとしつつ、さらに新技術を活用した研究開発活動を推進しております。
当連結会計年度の研究開発費用として
当連結会計年度における主要課題及び研究成果は、次のとおりであります。
(1) 建築資材事業での取り組み
主力の製品群に絞り販売シェア率向上を目的に組織された「シェアアップチーム」と連携し、マーケティングを重視した新製品の開発に継続して取り組むとともに、食品工場など、新分野である非住宅建築の新製品探索・開発に注力しました。また、これら製品開発にあたりSDGsを念頭にしたコンセプトメイクを推進しました。
① 当社のコア技術である押出成形にて素材に抗菌・抗ウィルス剤を練り込み、機能性を付加した浴室向け開口枠 「UB枠」抗菌・抗ウイルス仕様を上市しました。また、カウンターや框、窓台等に採用されているアクリル人工大理石「ケンジュール」について、SIAA認証抗菌仕様を新規ラインナップしました。
② 業界最高水準の断熱性を誇るフェノールフォーム断熱材「フェノバボード」に石こうボードや木質板材を一体化したリフォームパネル工法「フェノバ―ボードR」をラインナップしました。既存住宅、建築の断熱性を大幅に向上させ、CO2削減に貢献する製品です。
③ 食品工場など非住宅施設向けに販売してきたGRC押出成形による不燃R巾木の新規格、「ソリッドラインDX200」「ソリッドラインDX300」を上市しました。衛生面、防虫面の向上に加え、耐熱性、台車などに対する耐衝撃性を付加した製品です。
④コロナ禍での屋外空間の使い方の変化や超高齢化社会によるまちなかでの休息空間の必要性などの背景を踏まえ、当社の保有技術である人工木材「プラスッド」を使用した屋外家具「ファンダライン」の販売を開始しました。ベンチ、テーブル、プランター、ポスタースタンドの4種類を揃え、まちなかになじむデザインと家具の組み合わせにより、様々な空間を提供することができます。
(2)産業資材事業での取り組み
当事業の取り組みとして、「唯一無二の高付加価値製品による差別化」「ソリューション営業とグローバル市場展開」を目指し、光学コーティング技術により「視認性」・「安全性」の向上など、社会の発展に貢献する製品開発を行っております。
また、2種類以上の樹脂を同時に用いる共押出成形技術により、成長を続ける産業界に求められる高性能・高付加価値のある樹脂製品の開発にも取り組んでおります。
① 車載表示器用カバー等で実績のある反射防止パネル「ハーツラスAR」において、機能性(反射防止性能UP、防眩性、近赤外域対応、防汚性)を付与した製品群をラインナップし営業活動を推進しております。更に、タッチパネル向けとしてガラス素材を用いた「ハーツラスARG」の開発にも注力し、近い将来の商品化を目指しております。
② 業界最高品質の樹脂製イルミネーション部材開発を目標として、「光ガイディングバー」の発光性向上に取り組んでおります。金型構造の見直しと光学特性に優れた原材料の選定および添加剤の調整により発光性能を改善しました。とりわけ、自動車業界から要望のあった屈曲使用時の均一発光性が向上しました。今後は自動車業界のみならず、幅広い用途への展開を考えております。
(3)その他
近年、カーボンニュートラルに対する意識が高まり、省エネルギーへの取り組みやリサイクル可能な材料開発が重要視される中で、熱可塑性炭素繊維複合材(CFRTP)の生産性向上と製造コスト低減を目的に、熱可塑性薄層プリプレグシートを用いたフィルム製膜からプレス成形までの一貫製造プロセスの量産化技術確立のため、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成金を受けた開発に取り組んでおります。モビリティなどの軽量高強度が求められる部品への展開を目指します。
今後も顧客ニーズをつかみ共感を生む価値ある商品開発を念頭に、快適・安心・安全を提供できるような開発推進にチャレンジしてまいります。
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