(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社および持分法適用会社)の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の再拡大により、一部地域では度重なる緊急事態宣言の発令や、まん延防止等重点措置による外出自粛、飲食店を中心とした休業・営業時間短縮要請等が継続的に行われ、経済活動は制限を受ける状況が続いておりました。一方、ワクチン接種が進み、一時は新型コロナウイルス感染症の新規感染者数の減少傾向が継続したこと等により、段階的な経済活動の再開に伴う景気回復の兆しもみられたものの、新たな変異株の出現による感染再拡大に加え、ロシアによるウクライナ侵攻等、地政学的リスクの高まりや、エネルギーや原材料価格の更なる高騰等もあり、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような状況のもと、当社グループでは、前連結会計年度末に実行した(株)ウェーブロックインテリア(2022年1月1日にクレアネイト(株)に社名変更)株式の一部譲渡により、事業ポートフォリオを変更し、新たな経営体制の下で、「グループ ビジョン・ミッション・バリューズ」を制定いたしました。また、当連結会計年度を初年度とする中期経営計画を策定し、各種取り組みに注力してまいりました。
この結果、当社グループ全体の売上高は210億2百万円(前年同期比28.2%減)、営業利益は6億49百万円(前年同期比56.4%減)、経常利益は9億3百万円(前年同期比36.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億55百万円(前年同期比72.6%減)となりました。
なお、前連結会計年度につきましては、インテリア事業の損益計算書を連結しております。(株)ウェーブロックインテリア(2022年1月1日にクレアネイト(株)に社名変更)株式の一部譲渡による同事業の廃止に伴い、当連結会計年度の業績数値は、前連結会計年度と比較して減少しております。
当連結会計年度における各セグメントの経営成績は以下の通りであります。
なお、各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含めて記載しております。
(マテリアルソリューション事業)
マテリアルソリューション事業については、ビルディングソリューションおよびインダストリアルソリューション分野において、新型コロナウイルス感染症のワクチン接種会場向けシートおよび東京オリンピック・パラリンピックに係る工事等の特需もあり、また、回復の動きが見られる建設工事の需要を引き続き取り込み、好調に推移しました。パッケージングソリューション分野においては、原材料価格上昇分の販売価格への転嫁を進め、コロナ禍における健康志向の高まりを背景とするヨーグルト関連のシート需要が増加したことや、主要取引先との連携も強化し、取引拡大を図りました。アグリソリューション分野においても、国内農業における資材等への投資意欲に回復が見られたこともあり、農業用資材等の販売が堅調に推移しました。一方、リビングソリューション分野においては、販売先となるホームセンター業界において、昨年の巣ごもり需要からの反動減が続き、さらに、需要期となる夏場での長雨等の気候影響も受け、販売が落ち込みました。この結果、事業全体の売上高は163億64百万円(前年同期比1.4%増)となりました。また、生産効率の向上による原価低減や継続的なコスト削減に努めたものの、原材料価格の上昇等によりセグメント利益は9億50百万円(前年同期比23.6%減)となりました。
(アドバンストテクノロジー事業)
アドバンストテクノロジー事業については、デコレーション&ディスプレー分野(金属調加飾フィルム分野およびPMMA/PC二層シート分野から名称変更)において、ロックダウン解除後のインドや東南アジア市場での需要が回復し、また、国内市場においても自動車用途中心に需要が堅調に推移しました。さらに、欧米市場においても、新規案件の立ち上げが進み、大きく伸長しました。自動車用内装ディスプレー用途においても、新規案件獲得等の成果が順調に推移し、売上が伸長しました。この結果、事業全体の売上高は46億70百万円(前年同期比13.2%増)となりました。また、品質の安定化と生産効率の向上やコスト削減に努め、セグメント利益は3億45百万円(前年同期比340.3%増)となりました。
②財政状態
(資産)
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ18億36百万円減少し、242億55百万円となりました。
流動資産は23億50百万円減少し、150億22百万円となりました。これは主に商品が2億81百万円、製品が5億60百万円増加したものの、現金及び預金が29億20百万円、受取手形(前連結会計年度においては受取手形及び売掛金)が56百万円、売掛金(前連結会計年度においては受取手形及び売掛金)が6億83百万円減少したことによるものであります。
固定資産は5億14百万円増加し、92億33百万円となりました。これは主に有形固定資産が3億56百万円、(株)ウェーブロックインテリア(2022年1月1日にクレアネイト(株)に社名変更)を持分法適用関連会社にしたことによる持分法投資利益の計上等により投資有価証券が2億33百万円増加したことによるものであります。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ13億8百万円減少し、104億94百万円となりました。
流動負債は11百万円減少し、71億56百万円となりました。これは主に短期借入金が12億50百万円増加したものの、1年内返済予定の長期借入金が7億70百万円、未払法人税等が2億71百万円、未払消費税等が1億31百万円減少したことによるものであります。
固定負債は12億96百万円減少し、33億38百万円となりました。これは主に長期借入金が12億88百万円減少したことによるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は、前連結会計年度末に比べ5億28百万円減少し、137億61百万円となりました。これは主に利益剰余金が親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により3億59百万円増加したものの、自己株式の取得等により9億84百万円減少したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)は、前連結会計年度末と比較して29億20百万円減少し19億61百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は78百万円(前年同期は21億14百万円の収入)となりました。これは、税金等調整前当期純利益8億91百万円、減価償却費5億69百万円、売上債権の減少額7億71百万円の資金の増加要因があったものの、棚卸資産の増加額9億25百万円、法人税等の支払額6億90百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は8億50百万円(前年同期は12億91百万円の収入)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出7億78百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は21億84百万円(前年同期は8億84百万円の支出)となりました。これは、短期借入れによる収入26億50百万円等の資金の増加要因があったものの、短期借入金の返済による支出14億円、長期借入金の返済による支出22億89百万円、自己株式の取得による支出9億99百万円等の資金の減少要因があったことによるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
マテリアルソリューション |
9,154,989 |
113.4 |
アドバンストテクノロジー |
2,008,515 |
128.2 |
合計 |
11,163,505 |
67.4 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、実際原価によっております。
3.前連結会計年度にありました「インテリア事業」については、前連結会計年度に同セグメントを構成していた株式会社ウェーブロックインテリア(2022年1月1日にクレアネイト株式会社に社名変更)株式の一部を売却し廃止したため、当連結会計年度の生産実績はありません。
b.仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
マテリアルソリューション |
4,142,921 |
115.3 |
アドバンストテクノロジー |
1,555,469 |
96.3 |
合計 |
5,698,390 |
109.3 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は、仕入価格によっております。
3.前連結会計年度にありました「インテリア事業」については、前連結会計年度に同セグメントを構成していた株式会社ウェーブロックインテリア株式(2022年1月1日にクレアネイト株式会社に社名変更)の一部を売却し廃止したため、当連結会計年度の仕入実績はありません。
c.受注実績
当連結会計年度の受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|||
受注高 (千円) |
前年同期比 (%) |
受注残高 (千円) |
前年同期比 (%) |
|
マテリアルソリューション |
5,642,664 |
95.5 |
903,167 |
123.7 |
アドバンストテクノロジー |
3,775,661 |
111.6 |
72,300 |
97.7 |
合計 |
9,418,325 |
53.2 |
975,467 |
47.6 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.金額は標準原価によっております。
3.前連結会計年度にありました「インテリア事業」については、前連結会計年度に同セグメントを構成していた株式会社ウェーブロックインテリア株式(2022年1月1日にクレアネイト株式会社に社名変更)の一部を売却し廃止したため、当連結会計年度の受注実績はありません。
d.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
マテリアルソリューション |
16,335,533 |
101.9 |
アドバンストテクノロジー |
4,663,744 |
113.6 |
その他 |
3,600 |
- |
合計 |
21,002,877 |
71.8 |
(注)1.セグメント間取引については相殺消去しております。
2.前連結会計年度にありました「インテリア事業」については、前連結会計年度に同セグメントを構成していた株式会社ウェーブロックインテリア(2022年1月1日にクレアネイト株式会社に社名変更)株式の一部を売却し廃止したため、当連結会計年度の販売実績はありません。
3.「その他」の区分は報告セグメントに含まれない当社において計上した業務受託収入であります。
4.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。なお、当連結会計年度においては、当該割合が100分の10以上の主要な販売先はありませんので、記載を省略しております。
相手先 |
前連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
||
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
(株)サンゲツ |
7,576,464 |
25.9 |
- |
- |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループは、マテリアルソリューション事業においては、生産性の向上、資材調達の見直し、生産設備の改造、生産工程計画の見直し等を通じてコスト削減を進め、競争力を強化しつつ、市場ニーズに合った新製品を上市することで、市場でのプレゼンスの向上や収益改善に努めてまいりました。また、アドバンストテクノロジー事業においては、自動車、弱電等の注力する業界の世界的なニーズに臨機応変に対応し、販売面においては自ら積極的に市場開拓するとともに、製造面においては製品品質の安定化を図り、収益の拡大を目指してまいりました。
この結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高は210億2百万円(前年同期比28.2%減)、営業利益は6億49百万円(前年同期比56.4%減)、経常利益は9億3百万円(前年同期比36.8%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は6億55百万円(前年同期比72.6%減)となりました。なお、前連結会計年度につきましては、インテリア事業の損益計算書を連結しております。(株)ウェーブロックインテリア(2022年1月1日にクレアネイト(株)に社名変更)株式の一部譲渡による同事業の廃止に伴い、当連結会計年度の業績数値は、前連結会計年度と比較して減少しております。
売上高については、マテリアルソリューション事業において、前連結会計年度に好調であったホームセンター向けの販売等が、当連結会計年度においては、反動により需要が減少したものの、他商材の販売や、アドバンストテクノロジー事業における自動車向け販売が好調に推移しました。営業利益については、高付加価値製品を扱うアドバンストテクノロジー事業の販売が好調であったこと等により、利益にプラスの影響があったものの、マテリアルソリューション事業において、原材料価格の上昇の影響を受け、苦戦しました。
なお、セグメントごとの経営成績等の状況に関する分析・検討内容は次のとおりであります。
(マテリアルソリューション事業)
マテリアルソリューション事業については、前連結会計年度において、新型コロナウイルス感染拡大による影響により、巣ごもり需要の恩恵を受けたホームセンター向けの商材や、同ウィルス対策として伸長した飛沫感染防止用の商材等が、当連結会計年度については、一時の勢いがなくなり需要が減少したものの、建築工事やイベント等の中止、延期、また、農業資材分野で、消費の先行き不透明感により投資意欲が減衰していたことについては、一部回復の兆しが見え始めてきました。一方、生産効率向上やコスト削減等による原価低減に努めてまいりましたが、原材料価格上昇の影響は大きく、増収減益となりました。なお、新たな成長分野として地中熱ビジネスを推進しておりますが、2022年4月1に土木・官工事等22種に及ぶ多彩な許可を「特定建設業」として保有している(株)エイゼンコーポレーションの株式を取得し、今後は地中熱関連設備工事の元請となることが可能となり、更なる成長が期待できます。
(アドバンストテクノロジー事業)
アドバンストテクノロジー事業については、新型コロナウイルス感染拡大の影響が継続し、かつ半導体不足で自動車業界では減産に向かう中、デコレーション&ディスプレー分野において、採用車種が売れ筋であったこともあり、外部環境の厳しさ程は落ち込みを見せず、売上が堅調に推移しました。市場別では、数年売上を伸ばしてきた中国市場において、半導体不足の影響を受け、厳しい事業環境となる一方で、北米市場においては、新興EVメーカーであるリビアン社に環境配慮型の材料として採用され、売上を大きく伸ばしました。国内市場は、成形加工ビジネスの受注が好調で、外部環境の大きな影響を受けず、堅調に売上を積み上げてまいりました。また、車載用途にターゲットを絞り拡販を行った高透明二層シートも順調に伸びました。生産工程における歩留り率の改善もあり、利益面においても前年度から大きく改善しています。アドバンストテクノロジー事業全体では、前年度と比較し、増収増益となりました。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料および商品の購入費用、製品製造のための費用、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資によるものであります。
当社グループは、運転資金および設備投資資金につきましては、自己資金または金融機関からの借入および社債の発行によって調達することとしております。
このうち、金融機関からの借入および社債の発行による資金調達に関しましては、基本的に固定金利によって調達しております。長期借入金および社債の発行以外の資金調達については、金融機関の借入枠の実行によるものがあります。
当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べ29億20百万円減少し、19億61百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが78百万円の収入(前年同期は21億14百万円の収入)、投資活動によるキャッシュ・フローが8億50百万円の支出(前年同期は12億91百万円の収入)、財務活動によるキャッシュ・フローが21億84百万円の支出(前年同期は8億84百万円の支出)であります。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
|
2020年3月期 |
2021年3月期 |
2022年3月期 |
自己資本比率(%) |
41.3 |
54.6 |
56.6 |
時価ベースの自己資本比率(%) |
16.5 |
27.8 |
23.6 |
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.8 |
2.4 |
84.8 |
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
37.7 |
37.2 |
1.5 |
自己資本比率 :自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ :キャッシュ・フロー/利払い
※ 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。これら連結財務諸表の作成にあたって、決算日における資産・負債の報告数値および報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りおよび仮定設定を行わねばなりません。経営者は、債権、棚卸資産、投資、繰延税金資産、退職給付等に関する見積りおよび判断について、継続して評価を行っており、過去の実績や状況に応じて合理的と思われる様々な要因に基づき、見積りおよび判断を行っております。また、その結果は資産・負債の簿価および収益・費用の報告数字についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これら見積りと異なる場合があります。
特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表の作成において使用される当社グループの重要な判断と見積りに大きな影響を及ぼすと考えております。
なお、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
a.貸倒引当金
当社グループは、一般債権については貸倒実績率等による計算の結果、合理的に引当金額を算定しております。また、貸倒懸念債権等特定の債権に関しては個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を算定しております。
b.棚卸資産
当社グループの保有する棚卸資産について、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号)に基づき、処理を実施しております。回収可能価額の評価を行うに当たっては、製品、商品について正味売却価額に基づき収益性の低下を検討しております。将来における実際の需要または市況が見積りより悪化した場合は、追加の評価損の計上が必要となる可能性があります。
c.固定資産の減損
当社グループは、「固定資産の減損に係る会計基準」(「固定資産の減損に係る会計基準の設定に関する意見書」(企業会計審議会))および「固定資産の減損に係る会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第6号)を適用しております。将来、企業収益が大幅に低下する場合、経済環境の著しい悪化および市場価格の著しい下落等により、固定資産の減損処理が必要となる可能性があります。
d.投資有価証券、関係会社株式の減損
当社グループは、長期的かつ戦略的な取引関係維持を目的に特定の取引先の株式を所有しております。これら株式には上場株式と非上場株式が存在します。当社グループは投資価値の下落が一時的ではないと判断した場合、減損処理を行っております。上場株式については、時価が取得原価の50%以上下落した場合には全て減損処理を行い、30~50%程度下落した場合には、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。非上場株式および関係会社株式については、実質価額が取得原価の50%以上下落した場合に、当該金額の重要性、回復可能性等を考慮して必要と認められた額について減損処理を行っております。
e.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について将来の課税所得および税務計画につき検討し、繰延税金資産の全部または一部について、回収可能性がないものと判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産の取り崩しを行います。
f.退職給付費用
当社グループは、従業員退職給付費用および退職給付に係る債務を数理計算上で設定される前提条件に基づいて算出しております。これら前提条件には、割引率、将来の報酬水準、退職率、死亡率等が含まれます。割引率は日本の国債の市場利回りを参考に決定しております。実際の結果が前提条件と異なる場合、または前提条件が変更された場合、その影響は累積され将来にわたって規則的に認識されるため、将来期間において認識される費用および計上される債務に影響を及ぼします。当社グループの当連結会計年度末における退職給付に係る負債は18億3百万円であり、当連結会計年度の退職給付費用は1億64百万円です。当連結会計年度末に発生した数理計算上の差異は0百万円であり、翌連結会計年度に一括収益処理いたします。現在、当社グループの割引率は0.01%を適用しております。
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