当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。そのため、当連結会計年度における経営成績に関する説明は、前期比(%)を記載せずに説明しております。
総資産は、前連結会計年度末から101百万円減少して245,372百万円となりました。流動資産は、現金及び預金の減少、売上債権及び棚卸資産の増加を主な要因として2,695百万円増加し、固定資産は、投資有価証券の減少、のれんの増加を主な要因として2,797百万円減少いたしました。
負債は、仕入債務及び繰延税金負債の減少を主な要因として、前連結会計年度末から4,447百万円減少して101,250百万円となりました。
純資産は、その他有価証券評価差額金の減少及び自己株式の増加による減少、利益剰余金の増加を主な要因として、前連結会計年度末から4,345百万円増加して144,121百万円となりました。
この結果、自己資本比率は前連結会計年度末に比べ1.6ポイント増加して58.1%となり、1株当たりの純資産は、前連結会計年度末の1,381.61円から1,459.34円となりました。
売上高は、前連結会計年度に比べ16,720百万円増加して261,175百万円となりました。また、売上原価は売上高の増加に伴い、前連結会計年度に比べ13,247百万円増加して177,588百万円となり、売上高に対する売上原価の比率は68.0%となりました。
販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1,676百万円増加して67,614百万円となりました。また、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は25.9%となりました。
この結果、営業利益は、15,972百万円(前期は14,175百万円)となりました。
営業外損益は、前連結会計年度の1,201百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は1,519百万円の収益(純額)となりました。
この結果、経常利益は、17,491百万円(前期は15,377百万円)となりました。
特別損益は、前連結会計年度の2,629百万円の収益(純額)に対し、当連結会計年度は4,179百万円の収益(純額)となりました。
この結果、税金等調整前当期純利益は、21,670百万円(前期は18,007百万円)となりました。
法人税等は、6,594百万円(前期は6,057百万円)となりました。また、税効果会計適用後の法人税等の負担率は30.4%となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、14,992百万円(前期は11,971百万円)となりました。1株当たり当期純利益は、151.26円(前期は112.51円)となりました。また、自己資本利益率は10.7%となりました。
なお、当連結会計年度における各セグメントごとの状況は、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」をご参照ください。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益21,670百万円及び、減価償却費5,737百万円等による増加と、売上債権及び契約資産の増加額4,794百万円、棚卸資産の増加額3,266百万円及び仕入債務の減少額5,853百万円ならびに、法人税等の支払額6,178百万円及び投資有価証券売却損益3,907百万円等による減少の結果、5,328百万円の資金増加(前期は26,921百万円の増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資有価証券の売却及び償還による収入6,020百万円等による増加と、有形固定資産の取得5,237百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得2,457百万円及び無形固定資産の取得820百万円等による減少の結果、2,264百万円の支出(前期は833百万円の支出)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、自己株式の取得3,527百万円及び配当金の支払額3,992百万円等による減少の結果、8,601百万円の支出(前期は13,073百万円の支出)となりました。
これらの結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は5,232百万円減少し、39,186百万円となりました。
また、借入金・社債の当連結会計年度末残高は、前連結会計年度末に比べ127百万円減少し、21,594百万円となりました。
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 金額は、製造原価によっております。
なお、前連結会計年度は販売価格によっておりましたため、前年同期比の記載は省略しております。
当社グループは、主に販売計画に基づいて生産計画を立てて生産しております。一部受注生産を行っておりますが、受注高及び受注残高の金額に重要性はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の概要 ① 財政状態の状況」をご参照ください。
当連結会計年度の国内経済は、新型コロナウイルスの世界的な感染症の影響が続く中、経済活動は回復傾向が見られたものの地政学的リスクも顕在化し、諸資材・部品の調達難や価格高騰など、とりわけ供給面において厳しい状況で推移いたしました。
このような状況のもと、当社グループは、自らウイズコロナの働き方に挑戦するとともに、アフターコロナに向けたワークプレイス戦略レポートを公開するなど、社内の知見を活かした情報発信にも取り組み、特徴ある製品づくりやトータルソリューション提案による新しい市場創出に注力し、資材価格の高騰を吸収すべくコストダウンや価格改定を実施するなど対策に努めてまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高261,175百万円(前期は244,454百万円)、営業利益15,972百万円(前期は14,175百万円)、経常利益17,491百万円(前期は15,377百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益14,992百万円(前期は11,971百万円)となり、売上高、営業利益、経常利益、当期純利益ともに過去最高となりました。
また、自己資本当期純利益率(ROE)は、10.7%(前期は8.8%)、総資産経常利益率(ROA)は、7.1%(前期は6.4%)、売上高営業利益率は、6.1%(前期は5.8%)となりました。
セグメントごとの経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
(注) セグメント利益又は損失(△)の合計は、連結損益計算書の営業利益と一致しております。
オフィス環境事業
オフィス環境事業につきましては、働き方改革など新しいオフィスづくりへの動きは、業種・規模を問わず全国の幅広い企業層に拡がっており、加えて、コロナ禍での働き方の急激な変化を受け、なお一層活発化しています。また、オフィスへの投資は、企業にとって生産性を向上させるうえで優先度の高いものとなっており、センターオフィスの改装需要が増加しております。このような状況のもと、新しい働き方とその環境を実践・検証する「ラボオフィス」での実証結果や、自社での働き方改革の実践により得られた知見を活かし、オフィス面積適正化(ライトサイジング)などの顧客ニーズを捉えた提案営業と、働き方の変化を捉えた新製品の拡充を展開いたしました。これにより、前連結会計年度に比べ、売上高、利益ともに大幅に増加し、過去最高となりました。
この結果、当セグメントの売上高は、140,599百万円(前期は130,783百万円)、セグメント利益は、13,782百万円(前期は10,059百万円のセグメント利益)となりました。
商環境事業
商環境事業につきましては、当社の主要顧客であるスーパー、ドラッグストア等の小売業を中心に、改装需要は好調に推移いたしました。このような状況のもと、店舗什器、カート機器、セキュリティ製品など総合力を活かしたトータルソリューション提案を強化するとともに、セルフレジなど感染防止対策や、決済手段の多様化に対応したカウンター什器などの新しい需要の取り込みに努めたことにより、売上高は、過去最高となりました。しかしながら、中井工場の火災や冷凍機をはじめとした調達難への対応によるコスト増加により、利益は減少いたしました。
この結果、当セグメントの売上高は、102,674百万円(前期は94,329百万円)、セグメント利益は、2,740百万円(前期は2,968百万円のセグメント利益)となりました。
物流システム事業
物流システム事業につきましては、巣ごもり需要の拡大と人手不足を背景とした省人・省力化への要望は強く、大型物流施設を中心に自動倉庫の需要は高水準で推移しております。このような状況のもと、優位性のある製品の強みを最大限に活かした積極的な提案活動を展開してまいりましたが、コロナ禍における前期初からの商談の停滞や、顧客の投資先送り、部品の調達難などにより、前連結会計年度に比べ、売上高、利益ともに減少いたしました。なお足元での受注高は堅調に増加しております。
この結果、当セグメントの売上高は、12,360百万円(前期は14,764百万円)、セグメント損失は、590百万円(前期は1,266百万円のセグメント利益)となりました。
キャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社は、2022年3月16日開催の取締役会において、つくば事業所(茨城県つくば市)内に新工場棟を建設することを決議いたしました。設備投資計画の詳細につきましては、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。
当社は、安定的な資金の流動性を確保するため、及び運転資金の効率的な調達を行うため主要取引金融機関と14,000百万円の特定融資枠契約を締結しております。なお、当連結会計年度末の借入実行残高はありません。
当社グループは、新たな需要の創造、効率的な経営、グローバル化の推進により、継続的な成長とESGへの積極的な取り組みを通じた企業価値の向上を目指して、2023年3月期を最終年度とする中期経営計画を策定しております。当連結会計年度における売上高は261,175百万円(前期は244,454百万円)、営業利益は15,972百万円(前期は14,175百万円)、経常利益は17,491百万円(前期は15,377百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は14,992百万円(前期は11,971百万円)、自己資本当期純利益率(ROE)は、10.7%(前期は8.8%)、総資産経常利益率(ROA)は、7.1%(前期は6.4%)、売上高営業利益率は、6.1%(前期は5.8%)となりました。
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