事業等のリスク

 

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。これらのリスクを制御し可能な限り回避するよう努める次第であります。なお、下記記載のリスク項目は、当社グループ事業に関するすべてのリスクを網羅したものではありません。また、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1) 新型コロナウイルス感染症の影響

① 業績への影響

訪問営業、納品及び工事の自粛などにより一部の案件について商談の停滞や投資先送りが見られます。収束の状況、流行の程度によっては、当社グループの業績や財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。オフィス環境事業、商環境事業及び物流システム事業の各セグメントにおいて、適切な対応が出来ない場合は、目標とする売上高及び利益と乖離が生じる可能性があります。

② 事業環境の変化

社会のあり方、人々の意識や行動は大きく変わってきております。外出や出勤の自粛が求められ、在宅ワークが急激に拡がりました。とりわけオフィス環境事業においては、オフィスのあり方が見直され、需要が縮小する可能性があります。

当社グループは、オフィスの変化は従前からの動きであり、その変化が一層加速されるものとして捉えております。これまでの一律的なオフィスから多様化に向かうオフィス空間・家具のニーズに応える提案力・商品力の強化に努めております。

③ 職場における感染

当社グループ拠点やサプライチェーン上での集団感染発生による、操業の一時中断、製品・サービス提供への支障により、当社グループの業績や財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

(2) 財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の変動に係るもの

① サプライチェーンの分断

当社グループは、地震・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、新型の感染症の流行、米中貿易摩擦をはじめとする各国の政策動向等により、サプライチェーンが分断された場合、事業活動の停止や機会損失、復旧のための費用負担により、当社グループの業績に悪影響をおよぼす可能性があります。

② 競合条件、価格動向

当社グループの属する業界は、競合性の高い業界でありますが、当社グループは技術力の高い商品により差別化に努めております。しかし、競合他社が当社グループ製品のデザイン及び技術を追従し、安価で販売するないしは、より高い独自デザイン及び技術をもって当社グループのシェアを奪う可能性があります。また、市場からの価格引き下げ圧力が強いため、当社グループが常に十分な採算性を確保できる保証はありません。

③ 経済状況

当社グループの国内販売比率は90%を超えております。国内景気の悪化に伴う設備投資の抑制により、需要が縮小し、当社グループの業績や財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

④ 有価証券投資の影響

当社グループは、取引金融機関、関係会社、重要取引先の株式を中心に長期保有目的の株式を有しております。当社グループ保有株式の個々の銘柄の価格変動が当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 品質管理・法的規制

① 製品の品質維持

当社グループは、世界的に認められている品質基準(ISO9001)に従って各製品を製造しております。しかし、す べての製品について不測の事故も生じず、将来にわたりクレームが発生しないという保証はありません。製造物責任賠償については、保険に加入しておりますが、当社グループが最終的に負担する賠償額を、保険が十分にカバーできるという保証はありません。製品の欠陥は、当社グループの評価に影響を与え、業績と財務状況に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

② 気候変動への取り組みとTCFDへの対応

オカムラグループは、「豊かな発想と確かな品質で、人が活きる環境づくりを通して、社会に貢献する。」をミッションとして、事業活動の経済的側面と同時に社会的側面・環境的側面の重要性を認識し、企業の社会的責任を果たす経営に取り組んでおります。

また、「地球環境への取り組み」をサステナビリティ重点課題の一つとして捉え、パリ協定が求める水準と整合した企業の温室効果ガス排出量削減目標の設定であるSBT(Science Based Targets)の削減レベルを考慮し、Scope1,2について「2030年に2020年比50%削減」「2050年に実質ゼロ」、Scope3については、「2030年に2020年比25%削減」の目標を設定しております。

目標に向けて活動を更に加速させるため、事業活動で使用する電力を100%再生可能エネルギーにすることを目指す国際的なイニシアティブ「RE100」に加盟しております。

また、事業活動においては、ビジネスの機会と捉えサーキュラエコノミー(循環経済)の概念に基づいた「サーキュラーデザイン」に取り組む方針を策定いたしました。従来の3Rの取り組みに加え、資源投入量・消費量を抑えつつ、ストックを有効活用しながら、サービス化等を通じて付加価値を生み出し、資源・製品価値の最大化、資源消費の最小化、廃棄物の発生抑止等を積極的に進めてまいります。

 

a.ガバナンス

重要な気候関連リスク・機会を特定し、適切にマネジメントするために、サステナビリティ委員会を設置しております。サステナビリティ委員会は、代表取締役を委員長、各事業本部の執行役員等をメンバーとし、年2回開催しております。また、サステナビリティ推進部が事務局として委員会の運営を行うとともに、承認事項については各組織を通じて事業活動へ展開し定期的にフォローを行っております。

これらの結果は取締役会に報告され、取締役会において当該報告内容に関する管理・監督を行っております。

 

b.戦略

異なるシナリオ(2℃未満、4℃)における財務影響および事業インパクトを評価するとともに、気候関連リスク・機会に対する当社戦略のレジリエンスを評価することを目的として、シナリオ分析を実施しております。

オカムラグループは、1997年からGREEN(環境配慮)のWAVE(波)を自ら起こし、その波に乗るという「GREEN WAVE(グリーン・ウェーブ)」の考えの下に、製品に関するオカムラ独自の環境基準(省資源・再生材の利用・再資源化・再使用化・長寿命化・安全性と環境保全・省エネルギー化)を策定し、環境に配慮した製品の拡充を図ってまいりました。

2021年より、製品に関するオカムラ独自の環境基準の見直しを行い、新たに製品開発における「サーキュラーデザイン」の考え方を策定、「カーボンオフセットプログラム」の導入により、地球環境への配慮を徹底し、持続可能な社会づくりに貢献することは、ビジネスの機会であると捉えております。

https://www.okamura.co.jp/company/topics/other/2021/carbon_offset_program.html

 

c.リスク管理

オカムラグループでは、リスク管理を企業価値向上の重要な取り組みと位置付け、サステナビリティ委員会を設置し、対応を行っております。サステナビリティ委員会では、リスクのモニタリング・再評価及び重要リスクの絞り込みを行った上で、グループ戦略に反映しております。

●サステナビリティ委員会で取り上げた内容

 ・TCFDに沿った気候変動リスクと機会

 ・サプライチェーンを中心としたリスクマネジメント

 

d.指標と目標

オカムラグループでは、SBT(Science Based Targets)の認定の際に求められる温室効果ガス排出削減レベルを考慮し、Scope1,2については「2030年に2020年比50%削減」「2050年に実質ゼロ」、Scope3については「2030年に2020年比25%削減」の目標を設定いたしました。

Scope1,2について「2030年に2020年比50%削減」目標に向けてScope2を中心に削減計画を作成し、再エネに関わる法改正や技術革新等の動向を注視して、更に取り組みを加速させてまいります。

 

●基準値及び2021年実績


 

●2030年に向けた取り組み


 

③ 情報セキュリティ

当社グループは、事業上、顧客情報や個人情報を含む機密情報を保有しております。また、製造販売等の各事業において、様々なICTシステムを利用しており、それらに対する情報セキュリティリスクは年々高まってきております。当社グループは、プライバシーマーク制度に従って、個人情報の適切な取扱いを実施しております。また、サイバー攻撃等によるウイルス感染や不正アクセスなどに対しては、情報セキュリティ事故を未然に防ぐための対策を実施するとともに、2020年に発足したCSIRT(Computer Security Incident Response Team)を中心として情報セキュリティ事故が発生した際の被害を最小化するための対策を実施しております。その他、従業員に対しては、e-ラーニングによる教育や標的型攻撃メール訓練を実施するとともに、イントラネットやパソコン起動時の注意喚起により、日常業務の中で情報セキュリティリスクを意識するための啓蒙活動を継続的に実施しております。しかしながら、サイバー攻撃等により重大な情報セキュリティ事故が発生した場合、社会的信用の低下や業務停止により、当社グループの業績に悪影響をおよぼす可能性があります。

 

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