課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

 

(1)経営方針

① 経営理念

当社グループは建設業界のニーズに応えた資機材及び技術・工事・加工の提供を通じて社会資本の整備に貢献します。

a.安心・安全を守り、公正で誠実な企業活動により、すべてのステークホルダーの期待に応えます。

b.優れた技術力を追求し、価値ある商品・サービスを提供して社会に貢献します。

c.人を大切にして人を育て、信用と信頼を基礎に、魅力ある企業を目指します。

 

② 経営戦略、経営計画

当社グループの持続的成長を目指す長期Visionは以下のとおりです。

a.連結会社、協力会社・提携会社との有機的連携を通じた重仮設トータルコーディネーター。

b.地域のインフラ社会資本を支える創造的な企業。

c.高い専門性を有する、魅力ある人材が最新のテクノロジーとイノベーションを活用し、進化を続ける技術の丸藤。

 

以上の長期ビジョンの実現のためのマイルストーンとして策定しました中期経営計画(2021~2023年度)では、企業価値の持続的成長の礎を再構築し、業界内で特色のある確固たるポジションを確立するための3年間と位置付け、以下基本方針に定めました。

「外部環境の変化に的確に対応し、企業価値の持続的成長に向けた競争力の強化と業務プロセス改革を推進する」

計画の最終年度(2024年3月期)の経営数値目標として連結売上高350億円、連結経常利益18億円を設定し、次に示す主な取り組みの着実な遂行により、当社の持続的成長と企業価値拡大に向け、鋭意取り組んでまいります。

 

③ 主な取り組み

中期経営計画の基本方針をふまえた、主な取り組みは以下の通りです。

a.重仮設事業の収益構造の強化

イ.稼ぐ力の強化

・商品・地域・顧客戦略、人員配置の再構築

・工事原価改善の取り組み

・資材の購買戦略・保有管理の再検証

・受注加工拡大の取り組み

ロ.効率化の推進

・効率的な業務遂行による時間管理徹底

・工場運営の生産性向上

・定型業務のアウトソーシング推進

・デリバリー業務・請求業務等のプロセス再検証

b.成長の礎となる経営基盤の強化

イ.カルチャー改革

・社員一人ひとりが能動的に発信する企業文化の醸成

ロ.人材育成・働き方改革

・人材の育成・現場力強化

・IT化推進による業務改善

ハ.システム強化

・基幹系システムの後継検討

ニ.技術

・新技術・商品・工法開発力・設計力の強化

c.業務プロセス改革の推進

イ.仕事のやり方の見直し

・業務プロセスの検証・再構築

ロ.原価管理

・採算性の可視化が出来るプロセスならびシステムの構築

ハ.生産性の向上

・業務プロセスのシステム化、自動化、アウトソーシング化推進

 

(2) 経営環境

当連結会計年度の我が国経済は、新型コロナウイルスが感染拡大を繰り返す厳しい状況の中で大きな影響を受けました。また、ウクライナ情勢などの地政学的リスクや原油をはじめとする原材料価格の高騰や金融資本市場の変動、供給面での制約等により、景気の先行きは極めて不透明な状況となっております。

当社グループが属する建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移し設備投資に持ち直しの動きが見られましたが、資機材調達の遅れや技術者不足等の影響も重なり、工事の工期延長や着工遅延が見られました。加えて、原材料及び鋼材価格の高騰が続き、受注環境は一段と厳しさを増しました。

今後の経営環境につきましても、新型コロナウイルス感染症の収束時期や、ウクライナ情勢などの地政学リスクの行方、金融市場の変動などが経済に与える影響を注視する必要があります。

建設業界におきましては、都市部の再開発事業を中心とした民間の設備投資プロジェクトや「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」を柱とするインフラ基盤整備による需要の進捗が期待され、建設需要は引き続き底堅い推移が見込まれます。一方で原材料及び鋼材価格の高騰が継続されることが懸念され、更なる受注競争の激化による採算面での厳しさが増すことが予想されます。また、建設業従事者が慢性的に不足しており人材確保と育成を図っていくことが求められます。

 

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは2021年度(2022年3月期)から2023年度(2024年3月期)にわたる中期経営計画(以下、中計)を策定いたしました。策定にあたっては、企業価値の持続的成長の礎を再構築し、業界内で特色のある確固たるポジションを確立するための3年間と位置づけ、「外部環境の変化に的確に対応し、企業価値の持続的成長に向けた競争力の強化と業務プロセス改革を推進する」ことを計画の基本方針といたしました。

 本中計では、かかる基本方針の下に、当社グループのビジョン実現に向けて「重仮設事業の収益構造の強化」、「成長の礎となる経営基盤の強化」、「業務プロセス改革の推進」の3つを軸とした基本戦略を実行することで、今後の成長に繋げてまいります。

 主要な経営数値としましては、計画の最終年度となる2023年度(2024年3月期)に、連結売上高350億円、連結経常利益18億円を設定しております。

 本中計の初年度となる当連結会計年度の連結業績は連結売上高318億76百万円、連結経常利益9億65百万円となりました。引き続き計画の目標達成、当社グループの持続的成長と企業価値拡大に向け、鋭意取り組んでまいりますので、今後とも一層のご支援を賜りますようお願い申し上げます。

 なお、本中計と合わせ、当社グループが対処すべき課題と具体的取り組みは以下のとおりとなります。

 

① 企業リスクへの適切な対応

 当社グループでは、常に「安全と品質の確保」を第一に考え、事業体制の維持・強化に取り組んでおります。労働災害の撲滅は事業継続に向けた重要課題です。安全作業の徹底と労働災害撲滅に向けた安全管理活動の改善と強化を図る一方で、資材供給・設計・施工を通じた安全と品質の確保により、社会的責任を果たし、無事故・無災害を実現してまいります。新型コロナウイルス感染症への対策では、在宅勤務・テレワーク等を推進しつつ基幹業務を維持する体制を構築してまいりました。また年々激甚化する自然災害に対しても経営に及ぼす影響を勘案しながら、事業継続体制の整備を更に進めてまいります。

 加えて、様々な企業リスクに対応するため内部統制システムの実効性を更に高め、グループ並びに協力会社全役職員でコンプライアンス意識の向上に取り組んでまいります。

 

② 重仮設事業の収益構造の強化

 当社グループでは、リース事業を柱とする収益力強化を目指すとともに、高付加価値事業への経営資源の再配分と組織・体制の全体最適化を図ってまいります。重点課題である経営資源の最適化に向けた保有資産の収益性の検証を進めた結果、金沢工場の閉鎖を決定し、近隣工場への資材集約を行いました。当該工場用地は借地であることや、今後の需要予測と採算面から総合的に勘案し、集約を行うことが経営資源の最適配分に資すると判断いたしました。また、工事子会社を含めた建設用重機の積極運用を進め、工期短縮や環境負荷にも配慮したVE提案による工事受注の強化に取り組んでまいります。加えて一部の工場では小型ロボットを導入することで加工能力の増強と生産性向上を図り、資機材の効率稼働や受注加工の収益力強化に取り組んでまいります。

 

③ 経営基盤の強化及び業務プロセス改革の推進

 当社グループでは、厳しい経営環境の中で生き残るために抜本的な業務改革を推進してまいります。新型コロナウイルス感染症の度重なる感染拡大により社会情勢や生活様式が大きく変化しております。営業活動や業務手順、教育研修、職場環境などあらゆる面で現状の見直しを進めております。ICT(情報通信技術)の活用による業務の省力化と効率化を実現し、業績の向上に資する業務改革を実現してまいります。

 

④ SDGsへの取り組み

 当社グループは建設業界のニーズに応えた資機材および技術・工事・加工の提供を通じて社会資本の整備に貢献することを企業理念としております。現在、世界は「脱炭素社会」の実現に向けて動き出しており、環境や社会に配慮する企業だけが生き残ると言われております。鋼材の反復利用に着目して生まれた重仮設リースは、もとより環境に優しい事業モデルであり、現在当社グループが注力している「RG工法」は環境への負荷を大幅に軽減した新型工法になります。今後も脱炭素を目指す社会経済の転換に備え、持続可能な社会の実現に向けた環境意識の向上を図るとともに、IT技術・DX導入により技術力・開発力を強化し、更なる社会資本の整備・充実に貢献してまいります。

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