業績

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という)の概況並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用しております。この結果、当連結会計年度における売上高は、前連結会計年度と比較して大きく減少しており、以下の経営成績に関する説明の売上高については、増減額及び前連結会計年度比(%)を記載せずに説明しております。

 

(1)経営成績

当連結会計年度における世界経済は、アメリカや中国を中心に、新型コロナウイルス感染症拡大の影響から総じて回復基調を維持しながら、底堅く推移しました。わが国経済においても、輸出の増加が続くなど景気は緩やかに回復しました。しかしながら、原材料価格の高騰や金融資本市場の変動、ウクライナ情勢の影響などによって先行きは不透明さが増している状況です。

このような環境の下、当社では、バイオマス燃料事業にて、調達された製品が合法かつ持続可能な方法で生産されたことを保証する「GGL(Green Gold Label)認証」を2021年12月に取得し、22年4月からは本格的な供給が始まっております。中国においては、半導体・FPD用イオン注入装置製造会社を買収、神商精密器材(揚州)有限公司として子会社化し、神商精密器材(蘇州)有限公司との事業連携強化を推し進めております。

また、当社は、10月29日開催の当社取締役会において、株式会社東京証券取引所の新市場区分における「プライム市場」を選択することを決議いたしました。加えてサステナビリティについての取り組みを強化するため、取締役会の諮問機関として「サステナビリティ委員会」を設置することを決定しました。これらにより、神鋼商事グループの持続的な成長と、中長期的な企業価値の向上を図り、ステークホルダーからの高い支持を得て、企業理念に謳う「豊かな社会づくり」に貢献してまいります。

当連結会計年度の業績につきましては、売上高は494,351百万円前連結会計年度は784,160百万円)となりました。営業利益は10,054百万円前連結会計年度比125.7%増)、経常利益は9,726百万円前連結会計年度比139.2%増)となり、親会社株主に帰属する当期純利益は7,136百万円前連結会計年度比224.7%増)となりました。

事業セグメント別の主な営業状況は、以下のとおりであります。

 

①鉄鋼

国内外の自動車業界における半導体不足等による生産へのマイナス影響がありながらも、建築、造船業界も含め、総じて需要は回復傾向が見られ、特殊鋼・鋼板製品ともに取扱数量が増加し、価格も上昇したことにより、増益となりました。

これらにより、鉄鋼セグメントの 売上高は201,619百万円 前連結会計年度は264,226百万円 )となり、 セグメント利益は4,132百万円 前連結会計年度比565.1%増 )となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高は139,052百万円減少しております。

 

   ②鉄鋼原料

国内の粗鋼生産量が堅調に推移したことにより、主に神戸製鋼所向けの取扱数量が増加し、また主原料価格が上昇したことにより、増益となりました。

これらにより、鉄鋼原料セグメントの売上高は45,265百万円前連結会計年度は233,521百万円)となり、セグメント利益は718百万円前連結会計年度比127.0%増)となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高は427,419百万円減少しております。

 

    ③非鉄金属

銅製品は自動車・半導体向けが、アルミ製品は自動車・空調向けが、堅調に推移し、非鉄原料においても銅屑・再生塊アルミの取扱いが増加したことにより、増益となりました。

これらにより、非鉄金属セグメントの売上高は168,546百万円前連結会計年度は185,556百万円)となり、セグメント利益も3,033百万円前連結会計年度比63.6%増)となりました。収益認識会計基準等の適用により、売上高は126,916百万円減少しております。

 

 

   ④機械・情報

建機部品、電池関連材料に加え、半導体検査装置の取扱いが好調に推移し、また国内子会社の工事取扱いの増加等により、増益となりました。

これらにより、機械・情報本部の 売上高は55,430百万円 前連結会計年度は64,836百万円 )となり、 セグメント利益は1,582百万円 前連結会計年度比29.2%増 )となりました。 収益認識会計基準等の適用により、売上高は19,078百万円減少しております。

 

   ⑤溶材

建築鉄骨・建設機械向けの取扱いが堅調に推移し、また造船・自動車向け溶接材料の輸出も堅調に推移したことにより、増益となりました。

これらにより、溶材セグメントの 売上高は23,327百万円 前連結会計年度は35,843百万円 )となり、 セグメント利益は324百万円 前連結会計年度比126.2%増 )となりました。 収益認識会計基準等の適用により、売上高は14,121百万円減少しております。

 

生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。

販売の状況につきましては、各セグメントの業績に関連付けて示しております。なお、主要な相手先別販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(百万円)

割合(%)

金額(百万円)

割合(%)

㈱神戸製鋼所

248,324

31.7

27,454

5.6

 

 

(2)財政状態

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は316,604百万円となり、前連結会計年度末比76,480百万円増加いたしました。これは、受取手形及び売掛金と商品及び製品の増加が主な要因であります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は47,425百万円となり、前連結会計年度末比1,316百万円増加いたしました。これは、建物及び構築物と時価変動による投資有価証券の増加が主な要因であります。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は279,321百万円となり、前連結会計年度末比77,035百万円増加いたしました。これは、支払手形及び買掛金と短期借入金の増加が主な要因であります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は20,955百万円となり、前連結会計年度末比5,806百万円減少いたしました。これは、長期借入金の減少が主な要因であります。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は63,753百万円となり、前連結会計年度末比6,567百万円増加いたしました。これは、親会社株主に帰属する当期純利益の計上と為替相場の円安に伴う為替換算調整勘定の増加によるものです。

 

(3)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ7,034百万円減少し、15,397百万円となりました。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、△9,279百万円前連結会計年度は14,894百万円の収入)となりました。これは主に、売上債権の増加額52,690百万円、棚卸資産の増加額13,292百万円によるものです。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、△806百万円前連結会計年度は2,048百万円の支出となりました。これは主に、米国のGrand Blanc Processing,L.L.C.の生産設備の投資と中国のアルミコイルセンターである蘇州神商金属有限公司の設備投資等の有形固定資産の取得による支出1,058百万円によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、4,068百万円前連結会計年度は6,825百万円の支出)となりました。これは主に、短期借入金の純増額5,291百万円によるものです。

 

(4)資本の財源及び資金の流動性

当社グループは、運転資金及び設備資金につきましては、内部留保、売上債権流動化及び借入により資金調達することとしております。このうち、借入金に関しましては、運転資金は主に短期借入金で、設備などの固定資産は主に固定金利の長期借入金で調達しております。

 

(5)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表を作成するに当たり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積りを行っております。その他重要な会計方針につきましては、「第5経理の状況[注記事項](連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりです。

 

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