研究開発活動

5【研究開発活動】

当社グループは「インテリアを通じて社会に貢献し、豊かな生活文化の創造に寄与する」ことを企業使命としています。研究開発活動については、ブランド理念“Joy of Design”の実現を目指し、単にインテリア商材を提供するだけではなく、人々がそのインテリア商材を使い、デザインし、その空間で楽しみ、やすらぎを得られる、豊かな生活文化の創造に寄与し得る商品開発に取り組んでいます。

品質については、生産ラインの品質管理体制を強化するために、品質管理技術室を設置し、独自の評価項目に沿って仕入先を多面的に評価し、品質改善を働きかけることで品質管理を徹底しています。商品開発の各段階においては、検証体制プロセスとして「デザインレビュー」を整備し、商品開発を担うインテリア事業本部各事業部と、品質管理技術室をはじめとする関係部局が連携して審議を重ね、品質の担保に努めています。

また、商品開発力・調達力の強化として、主力メーカーとのアライアンス強化に取り組んでおり、2021年3月には国内最大手のビニル壁紙メーカーであるクレアネイト株式会社(旧社名:株式会社ウェーブロックインテリア)を子会社化したほか、海外子会社と連携した商品開発活動や、海外有力メーカーとの取引強化に向けた取り組みを進めています。

これらの結果、当連結会計年度における研究開発費の総額は320百万円となり、セグメントごとの状況は次のとおりであります。

 

(インテリアセグメント)

インテリアセグメントにおいては、壁装材、床材、カーテン等、合わせて約12,000点の商品をサンゲツブランドで企画開発・販売し、毎年、主要見本帳約30冊のおよそ3分の1を更改に向けて開発しています。商品開発においては、最新のインテリアトレンドを捉えるために、国内外への市場調査を強化するとともに、第一線で活躍する外部のデザイン顧問からも情報収集を進め、「市場起点」での商品開発・研究活動を行っております。

当連結会計年度は、世界的な建築家である隈研吾氏との共同開発による壁紙と床材のコレクション「カゲトヒカリ」を発表し、また、イギリスを代表する老舗インテリアメーカーSanderson Design Groupとパートナーシップ契約を締結するなど、社外プロフェッショナルの目線を取り入れたデザイン(意匠)性の高い商品開発を行うとともに、脱炭素社会の実現に貢献する環境対応型商品や、デフレに対応する低価格帯商品、ニーズの高まる抗ウイルス商品の開発・拡充に取り組みました。

これらの結果、インテリアセグメントにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は296百万円となりました。また、インテリアセグメント内の事業別の研究開発活動状況は次のとおりです。

 

(壁装事業)

壁装事業では、2021年4月に建築家隈研吾氏との共同開発による「カゲトヒカリ」コレクションを発表し、同時期に発刊した壁紙見本帳「エクセレクト」においては、日本の伝統美をモチーフにした「SHITSURAHI(室礼)」シリーズなど、ワンランク上のインテリア空間を創造する商品を収録しました。また、6月に発刊した住宅向け壁紙見本帳「SP」と「ファイン1000」では、豊富なデザインバリエーションと高い機能性を備えた商品を収録しました。さらに、11月に発刊した粘着剤付化粧フィルム見本帳「リアテック」では、新たに低価格帯商品を収録し、デフレ化が進む市場ニーズに応える商品展開を促進しました。

なお、上記商品のうち、「SHITSURAHI(室礼)」は国際的に権威のあるデザイン賞「iF デザインアワード」を受賞したほか、「リアテック」に収録した「自然の輪郭」、ならびにガラスフィルム見本帳「クレアス」に収録した「フォグシリーズ」は、「2021年度グッドデザイン賞」を受賞するなど、社外からも高い評価を受けました。

さらに、2017年から継続開催し、今回で5回目となる「サンゲツ壁紙デザインアワード2021」において、ブランド理念“Joy of Design”をテーマに、新しい発想のデザインやアイデアを幅広く募集しました。国内外からコンセプトやデザインに優れた多くの作品が集まり、壁紙の新しい可能性を広げる活動となりました。

一方、クレアネイト株式会社では、撥水・抗菌・表面強化・ストレッチ性の機能をもつハードストレッチ壁紙の点数拡大と新たな機能性商品の開発などを進めております。

 

(床材事業)

床材事業では、2021年11月と2022年1月にそれぞれ発刊したカーペットタイル見本帳「NT」、「DT」において、漁網やカーペット廃材などを使用した100%リサイクル糸を一部の商品に採用しました。これにより、当社従来品比でCO2排出量を61%削減した「NT double eco」をはじめ、ニーズの高まる脱炭素社会の実現に貢献する環境対応商品を、多数ラインアップしました。また、2021年11月に発刊したビニル床タイル見本帳「フロアタイル」は、雄大な自然をモチーフとした斬新なデザインコレクションをはじめとする意匠性の高い商品と、バリエーション豊かな組み合わせを楽しめる多彩なサイズ展開で、空間提案の幅を広げる見本帳としました。さらに、置き敷きビニル床タイル見本帳「OT」は近年のオフィストレンドであるカーペットタイルとの貼り分けによる多様なデザイン貼りを紹介することで、空間コーディネートの幅を広げる商品展開としました。

 

(ファブリック事業)

ファブリック事業では、2021年5月にハイエンド向けの商品を収録したカーテン見本帳「ストリングス」を発刊し、ヨーロッパ各国の著名ブランド商品や、「ENGLISH DESIGN AGENCY(EDA)」の新コレクションなど、意匠性の高い商品を収録しました。9月に発刊したカーテン見本帳「シンプルオーダー」では、ワンプライスによる選びやすさを追求しながらも、トレンドを押さえたデザイン、機能性にこだわった商品を拡充しました。当見本帳に収録の「CSロールスクリーン」は、子どもの安全に考慮したチャイルドセーフティ機能が評価され、「第15回キッズデザイン賞」を受賞しました。また、2022年1月には、メカタイプの窓まわり商品見本帳「RBコレクション」を発刊しました。ロールスクリーンやバーチカルブラインドなどの6種類のメカ商品を1冊に収録し、掲載内容を大幅に見直すことで、選びやすく、使いやすい見本帳としました。

 

(エクステリアセグメント)

研究開発活動は行っておりません。

 

(海外セグメント)

海外セグメントにおいては、北米市場では、Koroseal Interior Products Holdings,Inc.が、顧客のニーズに基づく製品開発活動を行っております。開発プロセスにおいては、デザイン開発部署が、多様なアイデアを市場動向やトレンド、品質といった多角的な視点から検証・評価を重ね、製品開発を行っております。当連結会計年度においては、米国の著名デザイナーであるStacy Garciaとのコラボレーションによる製品開発に取り組み、2021年10月より販売を開始するなど、デザイン力の強化を推進しました。

東南アジア市場では、Goodrich Global Holdings Pte., Ltd.が、シンガポールやマレーシアに続き、タイ、ベトナムでも当社商品の在庫管理を開始し、機能性壁紙を中心に日本の高品質な商品を活かした、より戦略的な商品ラインアップを整えました。

中国・香港市場では、10月に当社子会社である山月堂(上海)装飾有限公司とGoodrich Global Limited(在香港)の子会社で当社孫会社であるGoodrich Global Chinaを統合し、Sangetsu Goodrich China へと組織再編を行い、現地のトレンドにあわせ、当社商品より抜粋した見本帳の作成を行うなど、より地域に密着した細やかな開発活動を行っております。

これらの結果、海外セグメントにおける当連結会計年度の研究開発費の総額は、24百万円となりました。

 

(スペースクリエーションセグメント)

研究開発活動は行っておりません。

 

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