業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績等の概要

 

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続し、一時期はワクチン接種率上昇により感染者数の減少と今後の経済活動の再開が見込まれたものの、新たな変異株の急拡大により感染者数が再び増加に転じるなど、依然として先行きの不透明な状況が続いております。当社が属する食品スーパーマーケット業界においては、コロナ下における消費動向の変化や原材料の高騰に伴う食品価格の相次ぐ上昇に加え、業種・業態を超えた競争環境の激化や人件費の高騰といった経営課題も依然として継続するなど、景気動向は予断を許さない状況と考えられます。

このような中、当社グループは、ブランドメッセージである“想いを形に、「おいしい」でつながる。”を具現化すべく、本年度のスローガンに「コミュニティ ファースト」を掲げ、今こそ地域社会、お客さま、従業員のことを見つめ直し、向き合い、行動するとともに、コロナ下における防疫対策に継続して努め、安全・安心の店舗運営に取り組んでまいりました。

 

 

[国内事業]

店舗運営におきましては、コロナ下における消費動向の変化を見据えた対応に継続して注力するとともに、既存店舗の活性化改装による店舗競争力の向上や、業務の効率化に向けた新たな施策の導入に積極的に取り組んでまいりました。

コロナ下での内食需要や節約志向の高まりに対し、購買頻度の高い商品の価格戦略、食べきり・使いきりを意識した小容量の品揃えの徹底、均一セールの火・水曜市やお客さま感謝デーといった得意日の強化、当社専用アプリからの割引クーポン配信、イオン「トップバリュ」の展開強化などに取り組んでまいりました。地域に根差した品揃えの実現に向け、「じもの」商品の更なる品揃え拡充や新たな商品開発に継続して取り組むとともに、地産地消の新たな取組みとして、2022年2月にやさいバス株式会社(静岡県牧之原市)との協働により新鮮な農作物をお届けする「やさいバス」の拠点を静岡県中部・西部エリアの4店舗に設置したほか、地産域消の取組みとして、当社展開エリアである7県下における「静岡県フェア」の展開や、当社ネットショップを通じた各地域の名産品の販売を行ってまいりました。また、健康志向の高まりに対し、当社の推進する「ちゃんとごはん」(注釈参照)の取組みの一環として、各地の自治体や学生との協働による栄養バランスに配慮した商品の開発や、当社管理栄養士監修によるレシピや料理動画、食に関する様々な情報の発信に取り組んでまいりました。

店舗競争力の向上として、本年度は16店舗にて既存店舗の活性化改装を実施し、生鮮デリカの強化、地域特性に応じた品揃えの刷新、冷凍食品の売場拡大、お客さま本位の接客やサービスレベルの向上などに取り組んでまいりました。なお、2022年2月に活性化改装を実施したマックスバリュ沼津南店(静岡県沼津市)では、当社2拠点目となる「ちゃんとごはんSTUDIO」を新設し、健康的な食生活情報の発信や地域の交流拠点として活用するなど、今まで以上に地域に根差した店舗運営に努めております。

また、コロナ下での購買動向の多様化に対応すべく、本年度はネットスーパーの拠点を新規3拠点開設(全23拠点)、「Uber Eats」を利用した商品配達サービスの拠点を新規2拠点開設(全4拠点)したほか、新たな販売方法の開発と販路拡大に繋げるべく、無人店舗「Maxマート」や移動販売車事業の立上げ準備を進めてまいりました。なお、無人店舗「Maxマート」は2022年3月に静岡県内企業の社屋にて、移動販売車事業は同年4月に静岡県浜松市天竜区にて稼働しており、今後の更なる展開拡大を目指してまいります。

業務効率化の取組みとして、本年度は70店舗にてキャッシュレスセルフレジを導入し、レジ関連業務の削減やレジ待ち時間の軽減、コロナ下における非接触のニーズへの対応を進めたほか、冷ケースの自動検温システムやデリカ部門へのオートリフトフライヤーの導入、部門の垣根を越えて店舗運営の最適化を図る「多能工」の更なる推進など、生産性の向上に努めてまいりました。また、2022年2月よりイオングループのスマートフォン決済サービス「AEON Pay」の導入を開始したほか、2022年度の稼働開始に向け、スマートフォンでのセルフスキャンによる当社独自のレジ精算システムの開発に取り組んでまいりました。

 

これらの取組みの結果、通期における既存店の売上高は、コロナ下で急激に需要が高まった前年同期比では98.4%となっておりますが、2019年度同期比では103.6%と堅調に推移しております。

 

(教育体制)

2021年度における教育は、新型コロナウイルス感染症の影響が解消できない状況ではありましたが、前年からの経験を活かし、オンラインやEラーニングを活用した教育・研修を推進してまいりました。主な教育では、「新入社員・若年世代への教育」「次世代育成」「現職強化教育」の3つを柱として実施いたしました。

「新入社員・若年世代への教育」では、イオングループ共通の基礎教育を段階に応じて実施するとともに、同期同士のつながりや、ビジネスマナーについての基本的項目とフォローアップ、現場業務から一歩離れて仕事を俯瞰する視点の醸成などを重点的に伝えております。

「次世代育成」では、中核的役職である店長と次席者である副店長の育成強化を図るべく、外部講師による研修で戦略立案や市場分析の基礎知識を学ぶとともに、自社のモデル店舗を選定し、店舗・売場の改善提案をするという理論と実践の両面からのアプローチで養成を図っております。

「現職強化教育」では、副店長、管理担当、売場チーフへの実務的な内容で教育プログラムを組み立て、経営統合後に改変した仕組みの説明、職場の課題抽出や意見交換などの機会として活用しております。

また、イオンDX推進の一環として3回に渡って開催されたオンラインセミナー「イオンDXラボ」に対し、全従業員を対象に幅広く周知を図り、当社から延べ403名が参加いたしました。

 

 

(環境保全・社会貢献活動)

お客さまと同じ地域社会の一員として、店舗を通じて直接お客さまと接することができる事業特性を活かしつつ、様々な環境保全・社会貢献活動に積極的に取り組んでおります。

・「地域社会との共生」

 地域社会に密着した取組みとして、当社は「しずおか富士山WAON」「やまなし富士山WAON」「出世城浜松城WAON」「富士宮やきそばWAON」「世界遺産韮山反射炉WAON」「あいち三英傑WAON」「防災・減災都市なごやWAON」「伊勢志摩WAON」「熊野古道伊勢路WAON」の9種類のご当地WAONを発行しており、お客さまのご利用金額の 0.1%を当社が寄付し、地域の活性化にお役立ていただいております。また、地域の課題解決に向け、「新型コロナウイルス医療従業者支援募金」や「熱海土砂災害緊急支援募金」といった店頭での募金活動を実施したほか、2021年11月のマックスバリュ裾野店(静岡県裾野市)開店に先立ち、同敷地内にて「イオン ふるさとの森づくり」植樹祭及び「イオン社会福祉基金  福祉車両贈呈式」を開催いたしました。

・「脱炭素社会の実現 」

お客さまのご協力のもと、2007年より買物袋持参運動を開始し、レジ袋使用量の削減につなげるとともに、有料レジ袋の売上収益金を通じて、環境保全に取り組む基金や団体への寄付を行っております。

・「資源循環の促進 」

食品トレーや紙パック、アルミ缶、ペットボトルのリサイクル資源について、店頭に回収ボックスを設置し、資源の回収と再利用に努めるなど、循環型社会の構築に向けた取組みを行っております。

・「生物多様性の保全 」

 地域の皆さまとともに行う社会貢献活動の一環として多様な募金活動に取り組むほか、地域に生産拠点を持つお取引先さまや地元生産者さまのご理解とご支援のもと、売上の一部を地域の保全活動や活性化に活用いただく「ありがとうキャンペーン」活動など、積極的に実施しております。

 

(店舗開発)

店舗展開におきましては、2021年3月にマックスバリュ浜松飯田店(浜松市南区)とマックスバリュ菰野店(三重県三重郡菰野町)、6月にマックスバリュエクスプレス鈴鹿若松店(三重県鈴鹿市)、8月にマックスバリュ松阪大石店(三重県松阪市)、9月にマックスバリュエクスプレス三島加茂川店(静岡県三島市)、11月にマックスバリュエクスプレス松阪粥見店(三重県松阪市)とマックスバリュ裾野店、12月にマックスバリュエクスプレス鈴鹿加佐登店(三重県鈴鹿市)の計8店舗を新規開設いたしました。これらのうちマックスバリュエクスプレス店舗は、既存店舗を当社が戦略的に展開する小型店業態にリニューアルして開設したものであり、小型店業態としての三重県への出店は今回が初めてとなります。またマックスバリュ裾野店は既存店舗の建て替えにより新規開設したものであり、同店を拠点とするネットスーパーも開設するなど、同エリアの旗艦店舗として営業しております。このほか店舗の新装を行うべく6店舗を閉店し(うち5店舗は新規開設済み)、これらの結果、国内事業における店舗数は静岡県102店舗、愛知県52店舗、三重県46店舗、神奈川県16店舗、岐阜県8店舗、滋賀県6店舗、山梨県1店舗の計231店舗となりました。

 

[連結子会社]

国内にて惣菜や米飯など製造・加工するデリカ食品株式会社におきましては、たれつゆの内製化、新商品の開発や重点商品のリニューアル、商品供給の拡大に取り組み、当社店舗の品揃え拡充に繋げてまいりました。

中国事業であるイオンマックスバリュ(広州)商業有限公司におきましては、火曜日・水曜日の「生鮮大市」、週末の「超級週末」の展開強化やクーポン発行等の販促企画実施といった売上と客数の改善に取り組むとともに、人材配置の適正化と業務効率化による経費コントロール、ネットスーパー事業の強化に取り組んでまいりました。

 

(注釈)「ちゃんとごはん」・・・当社では、お客さまに健康でいきいきとした生活を送っていただくため、バランスの良い食事、すなわち“ちゃんとごはんを食べる”ことを知っていただく機会として、健康的な食生活のご提案や、食事バランスを考慮したお弁当や惣菜の紹介などに取り組んでおり、このような取組みの総称を「ちゃんとごはん」と呼んでおります。

 

  これらの結果、当連結会計年度の経営成績等は以下のとおりとなりました。

a. 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し、136億32百万円減少し、1,171億81百万円となりました。

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比し、87億81百万円減少し、477億52百万円となりました。

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比し、48億50百万円減少し、694億28百万円となりました。

 

b. 経営成績

当連結会計年度の業績は、営業収益3,549億7百万円(対前期比0.3%減)、売上高3,486億49百万円(同0.2%減)、営業利益112億96百万円(同3.7%減)、経常利益112億27百万円(同4.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は、清算業務を進めている連結子会社イオンマックスバリュ(江蘇)商業有限公司に対する出資金評価損に税効果を認識したことなどにより、75億95百万円(同43.2%増)となりました。

なお、下半期間における2020年度同期との比較では、営業収益2億12百万円(対前期比0.1%増)、営業利益7億73百万円(同14.1%増)の増加、個別業績では営業収益4億41百万円(同0.3%増)、営業利益5億83百万円(同10.3%増)の増加となっており、また個別業績における通期の営業収益は、2020年度同期との比較で46百万円の増加となりました。

 

 

c. キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し117億65百万円減少し、298億77百万円となりました。

・営業活動によるキャッシュ・フロー

営業活動の結果得られた資金は、63億58百万円(前年同期は188億49百万円の収入)となりました。

・投資活動によるキャッシュ・フロー

投資活動の結果支出した資金は、54億8百万円(前年同期は59億29百万円の支出)となりました。

・財務活動によるキャッシュ・フロー

財務活動の結果支出した資金は、128億73百万円(前年同期は23億7百万円の支出)となりました。

 

当社グループは、「スーパーマーケット事業」と「その他事業(ミスタードーナツ事業)」の2つを事業セグメントとしております。「その他事業」については、報告セグメントとして区分する重要性が乏しいため、「その他事業」を「スーパーマーケット事業」に結合した結果、報告セグメントが単一となるため、セグメント情報の開示は省略しております。

 

② 売上原価及び販売の実績

当社グループは、報告セグメントが単一でありますが、国内の「売上原価及び販売の状況」については、部門別に記載しております。

(ア) 売上原価実績

部門別

前連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

前期比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

 提 出 会 社

 

 

 

 

 

農産

33,330

13.4

32,399

13.0

97.2

水産

16,795

6.7

16,581

6.6

98.7

畜産

21,112

8.5

20,639

8.3

97.8

デリカ

24,824

9.9

26,738

10.7

107.7

デイリー

60,725

24.3

60,932

24.4

100.3

グロサリー

79,468

31.8

79,439

31.8

100.0

食 品 計

236,256

94.6

236,731

94.8

100.2

ノンフーズ

12,975

5.2

12,389

5.0

95.5

その他

458

0.2

468

0.2

102.2

 提出会社計

249,691

100.0

249,589

100.0

100.0

 連結子会社計

4,231

3,513

83.0

合   計

253,922

253,103

99.7

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

   2. デリカとは、惣菜、寿司、ベーカリー等、デイリーは日配品、グロサリーは加工食品、ノンフーズは衣料及び住居関連、その他は催事等であり、他勘定振替高を含んでおります。

3. 水産・デリカには一次加工所等納入実績分が含まれております。

 

(イ) 販売実績

部門別

前連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

前期比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

金額(百万円)

構成比

(%)

 提 出 会 社

 

 

 

 

 

農産

42,212

12.3

40,917

11.9

96.9

水産

22,898

6.6

22,454

6.5

98.1

畜産

29,707

8.6

28,922

8.4

97.4

デリカ

40,161

11.7

43,104

12.5

107.3

デイリー

87,290

25.4

87,588

25.5

100.3

グロサリー

103,379

30.0

103,622

30.1

100.2

食 品 計

325,649

94.6

326,610

94.9

100.3

ノンフーズ

17,897

5.2

16,987

4.9

94.9

その他

543

0.2

565

0.2

103.9

 提出会社計

344,089

100.0

344,163

100.0

100.0

 連結子会社計

5,368

4,486

83.6

合   計

349,458

348,649

99.8

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.デリカとは、惣菜、寿司、ベーカリー等、デイリーは日配品、グロサリーは加工食品、ノンフーズは衣料及び住居関連、その他は催事等であり、売上値引き等の金額を含んでおります。

3. 水産・デリカには一次加工所等納入実績分が含まれております。

 

4.地区別の売上高実績及び構成比は、次のとおりであります。

 

前連結会計年度

(自 2020年3月1日

至 2021年2月28日)

当連結会計年度

(自 2021年3月1日

至 2022年2月28日)

期 末

店舗数

売上高(百万円)

構成比

(%)

期 末

店舗数

売上高(百万円)

構成比

(%)

静 岡 県 計

101

132,795

38.5

102

132,132

38.4

愛 知 県 計

52

91,369

26.5

52

93,525

27.2

三 重 県 計

45

71,392

20.7

46

70,887

20.3

神 奈 川 県 計

16

22,533

6.5

16

21,699

6.3

岐 阜 県 計

8

12,844

3.7

8

12,662

3.7

滋 賀 県 計

6

9,925

2.9

6

9,739

2.8

山 梨 県 計

1

1,681

0.5

1

1,909

0.5

本 部 等 ※

2,457

0.7

2,604

0.8

国 内 計

229

344,999

100.0

231

345,162

100.0

海   外 ( 中 国 )

6

4,458

6

3,487

合  計

235

349,458

237

348,649

※ 本部等の売上高は、ミスタードーナツのフランチャイズ店舗の売上高等であります。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在、または当有価証券報告書提出日現在において判断したものであります。また、当社グループは、「スーパーマーケット事業」と「その他事業(ミスタードーナツ事業)」の2つを事業セグメントとしております。「その他事業」については、報告セグメントとして区分する重要性が乏しいため、「その他事業」を「スーパーマーケット事業」に結合した結果、報告セグメントが単一となるため、セグメント情報の開示は省略しております。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 財政状態及び経営成績

(ア) 財政状態

・資産

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比し、136億32百万円減少し、1,171億81百万円となりました。これは現金及び預金の減少53億71百万円、関係会社預け金の減少63億円などによるものであります。

 

・負債

当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比し、87億81百万円減少し、477億52百万円となりました。これは買掛金の減少28億37百万円、未払法人税等の減少25億72百万円などによるものであります。

 

・純資産

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比し、48億50百万円減少し、694億28百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上額75億95百万円、自己株式の消却などによる資本剰余金の減少106億72百万円、利益剰余金の配当による減少18億15百万円などによるものであります。

 

(イ) 経営成績

 

2022年2月期

 

当社

増減額

前期比

連結

増減額

前期比

営業収益

350,390

47

100.0

354,907

△997

99.7

売上高

344,163

73

100.0

348,649

△808

99.8

売上総利益

94,573

175

100.2

95,546

11

100.0

営業利益

11,453

△481

96.0

11,296

△430

96.3

経常利益

11,362

△631

94.7

11,227

△516

95.6

当期純利益または親会社株主に帰属する当期純利益

7,323

2,232

143.8

7,595

2,292

143.2

 

・営業収益

当連結会計年度における営業収益は、前連結会計年度に比べ9億97百万円減少し、3,549億7百万円(前期比99.7%)となりました。その主な要因は、中国事業であるイオンマックスバリュ(広州)有限公司のうち1店舗が2020年8月に閉店していること、イオンマックスバリュ(江蘇)商業有限公司が2021年2月までに全ての店舗を閉店させたことなどによるものであります。一方で、新型コロナウイルス感染者が増減を繰り返す中、消費動向の変化対応に注力したことで、国内事業の営業収益はコロナ特需で大きく伸長した前事業年度に比べ47百万円増加し、3,503億90百万円となりました。

・売上総利益

当連結会計年度における売上総利益は、前連結会計年度に比べ11百万円増加し、955億46百万円(前期比100.0%)となりました。その主な要因は、原材料高騰の影響を受ける中、イオン「トップバリュ」の販売強化により利益改善を進めたことなどによるものであります。

・販売費及び一般管理費

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2億52百万円増加し、905億7百万円(前期比100.3%)となりました。その主な要因は、前年度コロナ下で中止していたチラシの再開による販管費の増加、原油高に伴う電気料の値上げによる設備費の増加などによるものであります。

・営業利益

当連結会計年度における営業利益は、前連結会計年度に比べ4億30百万円減少し、112億96百万円(前期比96.3%)となり、売上高対営業利益率は3.2%となりました。

・経常利益

当連結会計年度における経常利益は、前連結会計年度に比べ5億16百万円減少し、112億27百万円(前期比95.6%)となり、総資本経常利益率は、9.1%となりました。

・特別利益、特別損失

当連結会計年度における特別利益は、前連結会計年度に比べ2億52百万円減少し、23百万円(前期比8.6%)と

なりました。また、特別損失は前連結会計年度に比べ21億7百万円減少し、11億44百万円(前期比35.2%)とな

りました。

・親会社株主に帰属する当期純利益

当連結会計年度における税金等調整前当期純利益は、前連結会計年度に比べ13億38百万円増加し、101億7百万円(前期比115.3%)となりました。税金費用(法人税、住民税及び事業税と法人税等調整額の合計額)は、前連結会計年度に比べ8億83百万円減少し、26億22百万円(前期比74.8%)となりました。その主な要因は、当連結会計年度末現在清算手続中であるイオンマックスバリュ(江蘇)商業有限公司の過去からの出資金評価損の累計額について法人税等調整額(益)9億14百万円を計上したことなどによるものであります。以上の結果、当連結会計年度における親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計年度に比べ22億92百万円増加し、75億95百万円(前期比143.2%)となり、自己資本当期純利益率は10.6%となりました。

③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

(ア) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比し117億65百万円減少し、298億77百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、63億58百万円(前年同期は188億49百万円の収入)となりました。これは税金等調整前当期純利益101億7百万円、減価償却費48億23百万円、仕入債務の減少額28億92百万円、法人税等の支払額57億67百万円などであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果支出した資金は、54億8百万円(前年同期は59億29百万円の支出)となりました。これは有形固定資産の取得による支出53億37百万円などによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果支出した資金は、128億73百万円(前年同期は23億7百万円の支出)となりました。これは、公開買付けでの自己株式の取得による支出107億53百万円、配当金の支払額18億15百万円などによるものであります。

 

(イ) 資本政策上の指標数値の実績

 (連結)

 

 

 

 

 

 

2018年2月期

2019年2月期

2020年2月期

2021年2月期

2022年2月期

売上総利益率       (%)

24.7

24.7

26.6

27.3

27.4

売上高営業利益率     (%)

2.4

2.2

2.7

3.4

3.2

ROA(総資本経常利益率)(%)

7.4

6.7

7.2

9.4

9.1

・売上高経常利益率    (%)

2.4

2.2

2.6

3.4

3.2

・総資本回転率     (回転)

3.1

3.1

2.8

2.8

2.8

ROE(自己資本当期利益率)(%)

6.8

5.7

4.9

7.3

10.6

・売上高当期利益率     (%)

1.4

1.2

1.1

1.5

2.2

・総資本回転率     (回転)

3.1

3.1

2.8

2.8

2.8

・財務レバレッジ     (倍)

1.5

1.5

1.6

1.7

1.7

 

ROA(総資本経常利益率 =売上高経常利益率×総資本回転率)についての分析

当連結会計年度のROAは9.1%であり、前連結会計年度の9.4%に比し0.3ポイント減少しました。ROAを構成する売上高経常利益率は3.2%(前期は3.4%)であり、ROAを下げる方向に働いております。

 

ROE(自己資本当期利益率 =売上高当期利益率×総資産回転率×財務レバレッジ)についての分析

当連結会計年度のROEは10.6%であり、前連結会計年度に比し3.3ポイント増加しました。ROEを構成する売上高当期利益率は2.2%(前期は1.5%)であり、ROEを上げる方向に働いております。

 

なお、2022年2月28日に自己株式4,500,000株を消却し、資本剰余金が10,567百万円減少しております。

 

 

④ 経営成績に重要な影響を与える要因について

 

2023年2月期の連結成績予想(2022年3月1日~2023年2月28日)

 

(%表示は、対前期増減率)

 

 

営業収益

営業利益

経常利益

親会社株主に帰属

する当期純利益

1株当たり

当期純利益

 

百万円

百万円

百万円

百万円

円 銭

通期

348,000

10,800

△4.4

10,700

△4.7

5,600

△26.3

175.96

連結経営成績の予想につきましては、上記のとおりであります。

2023年2月期の連結経営成績に与える新型コロナウイルス感染症の影響としましては、今後ワクチンの接種が進み、流行沈静化の方向に進む場合は、外食回帰などの影響を受け、または、未だ発現していない要因などにより、影響が長期化する場合は、雇用不安などから節約志向が益々高まるなどの影響が予想されます。いずれの方向に進みましても、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等(3)経営環境及び対処すべき課題等」に挙げました優先的に対処すべき課題を着実に進め、新型コロナウイルス感染症の影響に対処して参ります。

なお、2023年2月期の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号)等を適用するため、営業収益予想は当該会計基準等を適用した後の金額となっており、対前期増減率は記載しておりません。

(文中における将来に関する事項は、提出日現在において当社が判断したものであります。)

その他、経営成績に重要な影響を与える要因については、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

⑤ 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当連結会計年度において、当社グループは、新店に24億73百万円、既存店舗等に36億25百万円の投資を行い、当社グループの設備投資等の総額は60億98百万円(未払金調整前)となりました。

当社は、フリー・キャッシュ・フローを営業活動により獲得したキャッシュ・フローと投資活動によるキャッシュ・フローの合計として定義しており重要な資金の調達源として位置づけております。当連結会計年度にて獲得したフリー・キャッシュ・フローは9億49百万円であり、財務活動により支出した128億73百万円を含めて、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比し117億65百万円減少し、株主還元後のフリー・キャッシュ・フローの累計は298億77百万円となりました。小売業である当社グループは、日々の売上金の入金があり、運転資金とフリー・キャッシュ・フローの区分けが必要な財政状況下にはなく、十分な水準の手元流動性を確保しております。一方で、今後の事業展開に伴う新たなる資金需要に対しての機動的対応策として金融機関からの借入も選択の範囲においております。当社グループと各取引金融機関は現在良好な関係にあり、また、下記キャッシュ・フロー指標のトレンドの数値は、主としてリース会計上のリース債務及びその利息により構成されており、新たなる借入負担に対する余力を備えております。

 

キャッシュ・フロー指標のトレンド

2019年2月期

2020年2月期

2021年2月期

2022年2月期

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

10.9

59.0

13.5

36.6

インタレスト・カバレッジ・ レシオ(倍)

39.8

24.0

90.9

26.0

(注) 各指標は以下の算式を使用しております。

   キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー÷利払い

    営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っているすべての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

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