文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものです。
当社グループは、「社会性の追求」、「公益性の追求」、「公共性の追求」の3つの経営理念を追求することを基本に、「人々の喜びを創造する」を事業コンセプトとして、年齢・性別に関係なく全ての個人消費者を対象に時代に合った様々な商品とサービスをお値打ちな価格で提供してまいります。これにより、お客様や株主の皆様からの信頼と期待に応えてまいりたいと考えております。
(2) 経営環境
① 企業構造
当社グループは、各事業会社が自主自立で業務運営を行っており、お客様のニーズへの対応と効率的な経営を推進すべく、純粋持株会社である当社がサポートする体制としております。これらの事業をポートフォリオ経営によって、グループ全体で安定的な成長を目指してまいります。
② 市場環境
すべての事業は国内で展開しており、人口動態や高齢化が進むなかで様々な切り口によるシェア拡大と新たな事業の創造により業績の向上を目指しております。
ファッション事業では、カジュアル化等によるビジネススタイルの変化やコロナ禍における新生活様式等が急速に進んでいると認識しており、特にスーツの販売着数は年々減少傾向となっております。
アニヴェセル・ブライダル事業における市場は、婚姻組数が減少傾向にあるなかで、コロナ禍における挙式スタイルの急速な変化による挙式・披露宴の多様化や少人数化が進行していると認識しております。
エンターテイメント事業の複合カフェ及びカラオケの市場は、近年横這いから縮小傾向、フィットネスは健康志向の強まり等により拡大傾向となっております。快活CLUBは、今後新規出店や業態の進化によって市場の拡大を目指しており、24時間型フィットネスジムのFiT24は快活CLUBとの併設店から単独店やファッション事業のAOKIとの併設店も展開してまいります。
不動産賃貸事業は、大手企業や補助的な事業としている企業など多くの企業で行われておりますが、当社グループの多店舗展開でのスクラップ後の有効活用等も含め一定の需要を見込んでおります。
③ 競合他社の状況
各事業において、それぞれ国内展開が中心であり市場の縮小に対応すべく、コアなビジネスの深耕と同時に周辺事業への拡大が進んでおります。
④ 主要商品・サービスの内容
ファッション事業は、スーツを中心としたメンズ・レディース衣料の販売を行っており、機能性商品や環境に配慮した商品の開発が進んでおりますが、新生活様式に対応した商品群の開発や提案を強化しております。
アニヴェセル・ブライダル事業は、邸宅式結婚式場(ゲストハウスウエディング)を展開しており、貸切感のある施設と自由にアレンジできる個性的な演出やサービスが特徴となっております。
エンターテイメント事業の快活CLUBは、時間消費型施設であり無料モーニングの開発など業態の進化が進んでおりますが、従来の複合カフェからビジネスのニーズに対応した「シェアリングスペース」の利用促進を強化しております。また、24時間型フィットネスジム「FiT24」の展開も快活CLUBに併設し相互利用の特典により差別化が図られており、他事業との併設や単独展開も進めてまいります。カラオケのコート・ダジュールは、南フランスのコート・ダジュールをコンセプトとした雰囲気や清潔感で女性やファミリー層にご支持いただいております。
不動産賃貸事業は、多店舗展開している当社グループ店舗の閉店後の物件の賃貸及びビル一棟を賃借し当社グループ内外に賃貸するサービスを行っております。
⑤ 顧客基盤
各事業が個人のお客様であり、それぞれ特徴的な年齢層や性別を持っております。ファッション事業は各年代が概ね均一的に存在しており、エンターテイメント事業は20代から30代が中心で複合カフェは8割程度が男性です。また、顧客名簿は他社に比べて年代の幅が広く、定期的に名簿をメンテナンスすることでクリーンなものとなっており、今後の事業に活用できる強みがあると認識しております。
⑥ 販売網
ファッション事業は、リアル店舗が中心で市場の縮小やお客様の動向に対応すべく市場規模に見合った店舗網の見直しを進めております。
エンターテイメント事業の快活CLUBは、郊外展開から都心展開も視野に入れております。FiT24は様々な出店形態により出店を強化し販売網を拡大しております。
⑦ その他
各事業において、時代の変化や効率化に対応し、キャッシュレスへの対応や入退店の自動化を推し進める一方、グループの強みである接客技術の向上や人財教育にも注力しております。
当社グループは、新規出店を継続しながら資本コストを考慮し、営業利益率12%、自己資本利益率10%、1株当たり当期純利益180円を継続して中期的目標にしております。しかしながら、近年は目標数値から大きく乖離しており、先行き不透明なことから、新たな目標は開示しておりません。なお、2022年3月期は、新型コロナウイルス感染症(以下、「同感染症」といいます。)の影響はやや減少したものの、営業利益率は3.5%、自己資本利益率は2.0%、1株当たり当期純利益は30円21銭となりました。
設備投資は営業キャッシュ・フロー内で実施することを基本に、ファッション事業、アニヴェルセル・ブライダル事業、エンターテイメント事業及び不動産賃貸事業等について、同感染症の拡大状況、その後の動向等を踏まえた対応を行い、グループとしてのシナジーを高めながら質の高い安定成長を図ってまいります。
ファッション事業は、ライフスタイルが大きく変化していることを踏まえ、店舗網の見直し、働き方の変化に対応した商品開発及び働く女性のための商品の拡充、また、オンラインショップの強化等により新たな市場を創造するとともに、業態の進化を推し進め、安定的な成長を目指してまいります。
アニヴェルセル・ブライダル事業は、アニヴェルセルのブランドエクイティの更なる向上、時代の変化に対応した業態の進化及びブライダルから広がる新たな商品・サービスの拡充と開発を進めてまいります。
エンターテイメント事業は、お客様のニーズに対応した新たなコンテンツの導入、また、業態の進化と新たな業態開発を継続的に行い積極的な新規出店により市場の拡大を目指してまいります。
不動産賃貸事業は、グループ外への賃貸の拡大に向けて大型物件にも積極的に対応してまいります。
当社グループは、「人々の喜びを創造する」を事業コンセプトとして、お客様に感動する商品とサービスを提供し続けること、また、グループとしての機動性向上と効率化を推進し、シナジーを最大限に高めることにより、企業価値の向上を目指してまいります。
今後の見通しにつきましては、同感染症の広がりが継続し、海外情勢、為替の影響や原材料価格の上昇等により経済活動の戻りがさらに遅くなった場合は、日本経済への影響は大きなものになると予想されます。また、消費者の働き方の変化に伴う生活様式の変化も継続するものと思われます。このような環境において、当社グループは、これらの変化に対応した新商品やサービスを継続的に提供しお客様のニーズにお応えするとともに、業態の進化に向けた施策を継続して実施してまいります。
ファッション事業では、Life&Work Style(ライフ&ワークスタイル)のAOKIとして、ビジネススーツに加え、ニューノーマル時代の新しいアイテム「パジャマスーツ」「パジャマシューズ」シリーズ及び働く女性に向けた商品群の企画・開発・拡充に注力し、時代や環境とともに変化するファッションニーズに対応した商品を、新規客様・顧客様へ向けご提案し続けてまいります。ECにおいては、EC限定商品や店舗とECとの連携サービスの拡充・深耕、運用インフラ整備により、店舗・ECをシームレスにご利用いただけるよう、お客様の利便性と効率性を総合的に高めてまいります。また、コスト面においては、不採算店舗の活性化と改廃(業態転換・他社誘致含む)により店舗網の見直しを図るとともに、既存店のオペレーション改善による省力化・省人化を継続することで営業効率の向上を図ってまいります。
アニヴェルセル・ブライダル事業は、新生活様式に合わせた新しいウエディングスタイルを開発しご提案してまいりました。今後は、お客様のお声をもとにそれぞれのウエディングスタイルをさらに磨きあげ、よりご満足いただける結婚式・披露宴をご提供してまいります。また、経費面では、広告宣伝費等の販売費を大きく見直し、WEBやSNSを活用した販促強化を継続するとともに、各セクションのオペレーションの見直しやグループ内でのシナジーを活かし、人件費の効率化を図ってまいります。これらのように、収益・費用の両面での取り組みの強化により、健全な経営体質へと変革してまいります。
エンターテイメント事業は、ビジネス用途での需要拡大を目的に様々なコンテンツや新サービスを導入し、お客様層の拡大と利用頻度の向上を図ってまいります。快活CLUBはAOKI WORK SPACE(シェアオフィス事業)との連携等、グループのシナジーを活かしたビジネス用途の需要拡大やセルフフロント導入拡大による効率化を推進してまいります。コート・ダジュールでは店舗運営の効率化やカラオケ以外のご利用促進を行ってまいります。FiT24はグループの業態転換を含め、出店よるシェア拡大と店舗運営の効率化を推進してまいります。新規出店は快活CLUBで4店舗、FiT24で25店舗を予定しております。
以上の諸施策を確実に実施し、業績の向上に全力を挙げて邁進してまいります。
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