以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社は、グループ役職員一同の力を結集して企業価値を高めていくため、当社グループの全ての事業活動の中心となる「使命・存在意義(パーパス)」及び使命・存在意義を追求する中であるべき当社グループの姿として「将来のあるべき姿(ビジョン)」を策定しております。
当社グループが使命・存在意義(パーパス)を中心とした事業活動に取り組む上での基本的な取組み姿勢(経営方針)として掲げている「健全なる積極進取」に基づき、経営の透明・公正かつ迅速・果断な意思決定により、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図ってまいります。
・「使命・存在意義(パーパス)」
地域の豊かな未来を共創する
・「将来のあるべき姿(ビジョン)」
地域に選ばれ、地域の信頼に応える、地域価値向上企業グループ
(2)中長期的な経営戦略及び目標とする経営指標
① 「YMFG中期経営計画2022」の概要
当社グループは、2022年度から2024年度までの3年間を計画期間とする「YMFG中期経営計画2022-地域の豊かな未来を共創する-」を策定し、地域とYMFGのサステナビリティ向上に向けて、「チームYMFG」として、地域・お客さま本位の事業活動に邁進する3年間と位置付けております。
当社グループの使命・存在意義(パーパス)を経営の基軸として、以下5つの重点項目を実践することで、「地域の持続可能性向上」、「YMFGの持続可能なビジネスモデル構築」を進め、当社グループの将来のあるべき姿(ビジョン)の実現を目指し、ステークホルダーの皆さまのご期待に応えてまいります。
≪5つの重点項目≫
イ.地域共創サステナビリティ経営の推進
ロ.グループ人財の活躍推進
ハ.「地域・お客さまへの提供価値最大化」に向けた探求
ニ.「事業領域拡大・収益力強化」に向けた挑戦
ホ.ガバナンス・内部統制強化
② 目標経営指標
経営指標 |
2022年度 |
2024(最終)年度 |
経常利益 |
250億円 |
475億円 |
親会社株主に帰属する当期純利益 |
170億円 |
330億円 |
ROE |
2.7% |
5.0%程度 |
修正OHR(投信解約益控除後) |
65% |
60%程度 |
総自己資本比率 |
12%程度 |
|
株主還元方針 |
配当性向40%程度を目標とし、市場動向・業績見通し等を 勘案した柔軟かつ機動的な自己株式の取得を実施する |
③ 各ステークホルダーに対する主な取り組み内容
イ.地域・お客さまに対する取り組み
≪グループ内非金融企業とのシナジーの徹底的な追求による伴走支援強化≫
・当社グループのリソース(山口キャピタル、ワイエムコンサルティング、にしせと地域共創債権回収)の積極活用と外部連携の強化により、ファンド/DES/DDS等による地域企業の抜本再生、再成長支援や事業承継、事業革新支援を行い、グループ内非金融企業とのシナジーを徹底的に追求することで、地域経済の持続可能性を向上させてまいります。
≪先行地域共創ビジネスの更なる成長と新規事業創出による地域経済の活性化≫
・YMFG ZONE プラニングは、官民連携(PPP/PFI)の分野において、SIB(ソーシャル・インパクト・ボンド)を新たな切り口として、公共施設や公共インフラ等の民間活力導入による官民連携事業の推進を一層強化し、官民共同での持続可能な地域づくりを目指します。また、YMFG ZONE プラニングが中央省庁への政策提言・事業受託により、国と連動した実証事業を地域で展開いたします。
・YMキャリアについては、金融業界における人材紹介支援のフロントランナーとして、他地域金融機関に向けての人材紹介事業支援コンサルティングを推進してまいります。
・地域商社やまぐちにおいては、同業種連携によるスケール、異業種連携によるシナジー効果の発揮に向け、地域企業とのアライアンスを構築のうえ、地域企業に対し、直接投資を含めあらゆる面からサポートを可能とする地域の総合商社化を目指してまいります。
ロ.株主・投資家の皆さまに対する取り組み
≪株主還元方針の強化≫
・配当性向40%程度を目標とし、市場動向・業績見通し等を勘案した柔軟かつ機動的な自己株式の取得を実施してまいります。
・上記株主還元方針に基づき、2022年度は総還元性向100%を予定しております。
≪リスク管理態勢の強化≫
・取締役会の下にリスク委員会の設置を検討し、第三者の客観的な意見をリスク管理に反映させてまいります。
・資本の有効的な活用を目指すべく、資本効率の改善のため、政策保有株式については、保有に関し厳格な検証システムを構築し、縮減に向けた行動を加速させてまいります。
ハ.当社グループ従業員に対する取り組み
≪人財の活躍・成長による「地域・お客さまへの価値提供最大化」と「新たな価値創造」≫
・社員一人ひとりの成長機会を創出するため、計画期間中の各年度において、人財育成への投資額を2021年度比2倍といたします。
・社員一人ひとりが正しく報われる仕組みとして、社員の会社への信頼に対する貢献意欲の向上につなげるとともに、株主の皆さまと同一の目線に立った業務運営を促進する株価連動型報酬の導入を検討してまいります。
・地域企業への人財還流を通じて、新たな挑戦・活躍を望む当社社員と事業創造のヒントや知見の不足に悩む企業との新たな関係を構築する「地域人財プラットフォーム」を拡大し、地域共創を体現する人財を育てるとともに、地域経済を活性化してまいります。
④ YMFG中期経営計画2019において目標とした連結経営指標及び2022年3月期の実績は、以下のとおりであります。
|
2022年3月期(計画) |
2022年3月期(実績) |
ROE |
5%以上 |
- |
配当性向 |
30%以上 |
- |
総自己資本比率 |
12%以上 |
12.65% |
・2022年3月期(実績)のROE及び配当性向については、親会社株主に帰属する当期純損失のため記載しておりません。
(3)経営環境及び対処すべき課題
今後の金融経済環境を展望しますと、ウクライナ情勢等の不透明感がみられる中で、原材料価格の高騰や金融資本市場の変動、供給面での制約等による下振れリスク、世界各国で感染が広がる新たな変異株の影響など、依然として先行きは不透明な状況が続くものとみられております。
地元経済は、人口減少や少子高齢化、事業の後継者不足等の深刻な悩みを抱えており、いかに地域の企業、産業の活性化を図り、雇用の確保と地域経済の持続性を高めていくかが課題となっており、地域金融機関が地方創生、地域経済活性化の実現に向け果たすべき役割・ご期待は大きくなっていると認識しております。
こうした環境下、2022年度よりスタートした中期経営計画「YMFG中期経営計画2022」の実践において、「事業ポートフォリオ経営」及び「戦略的資本活用」を持続的な成長に向けたドライバーとすることで、持続性のある収益構造への転換を図り、着実な目標経営指標の達成を目指してまいります。その上で、中期経営計画の最終年度となる2024年度親会社株主に帰属する当期純利益においての過去最高益を起点とし、さらに成長する金融グループへの足場作りといたします。
また、当社グループは、2021年11月30日付「改善策の策定に関するお知らせ」にて公表いたしましたとおり、当社グループが健全な業務運営を行っていくための経営基盤となるガバナンス、内部統制、企業風土、地方創生の4つの視点から当社グループにおける現状の課題の洗い出しを行い、その上で課題に応じた改善策を策定しております。今後この改善策を確実に実施・運用することで、企業グループとして安定的で実効性の高いコーポレート・ガバナンス体制を構築し、これまで以上にグループ一丸となって、地域社会・経済の活性化と当社グループの成長の実現や信頼の回復に向けて邁進してまいります。
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