業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績

当社グループの当連結会計年度の経営成績は、

売上高は、192,699百万円(前連結会計年度比123.6

営業利益は、9,098百万円(前連結会計年度比348.4%)

経常利益は、9,859百万円(前連結会計年度比230.0%)

親会社株主に帰属する当期純利益は6,365百万円(前連結会計年度比317.1%)となりました。

 

 なお、当連結会計年度より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。このため、前年同期比較は基準の異なる算定方法に基づいた数値を用いております。
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)及び(セグメント情報等)2.報告セグメントごとの売上高、利益又は損失、資産その他の項目の金額の算定方法」をご参照ください。


 

セグメントごとの経営成績の概況は次のとおりです。

(ⅰ)物流事業

[日本]

航空輸出では自動車関連貨物をはじめ電子部品や化学品、半導体関連貨物等の取扱いが好調に推移し、輸入では、食品、園芸関連等が堅調でした。海上輸出では化学品が堅調に推移し、輸入については食品や家電製品等の取扱いが底堅く推移しました。

 

[アジア]

自動車関連貨物の取扱いはアジア全域で好調に推移しました。タイでは二輪車の欧米向け海上輸出が収益に貢献したほか、プロキュアメント力の強化により海上、航空ともに輸出物量が増加しました。ベトナムでは中国向け電子部品の航空輸出及び米国向け家電製品の海上輸出が順調でした。

 

[中国]

香港では家電製品、電子部品の航空輸出の好調が続きました。海上輸出においては本船の運行遅延等が発生する中、輸送スペースの確保に努め北米向け家電製品をはじめ取扱いが増加しました。上海では航空輸出入貨物の取扱いが堅調に推移しました。

 

[米州]

米国では海上コンテナ不足や港湾混雑による海上輸入貨物の国内代替輸送の継続が大きく収益に貢献しました。自動車関連貨物は航空輸送が輸出入ともに好調に推移し、食品関連では航空輸出の取扱いが増加しました。また、 10 月には米国テネシー州に自動車関連貨物の新倉庫を開設しました。

 

[欧州]

ドイツでは家電製品の倉庫保管・域内配送業務が引き続き堅調でした。ベルギーでは自動車関連貨物の堅調な取扱いに加え、食品及び医薬品関連の航空輸出も好調でした。ポーランドでは倉庫保管、域内配送業務の取扱いが増加しました。オーストリアにおいてはチャーター機を使った中国からのコロナ検査キットの航空輸入が収益に寄与しました。

 

この結果、売上高は前連結会計年度に比べ25.5%増188,961百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度に比べ125.8%増9,372百万円となりました。

 

(ⅱ)旅行事業

国内旅行については若干の取扱い増加が見られたものの、海外業務渡航においては取扱人数の本格的な回復には至りませんでした。経費削減施策については計画通り遂行いたしました。

この結果、売上高は前連結会計年度に比べ39.8%減2,535百万円、セグメント損失(営業損失)は1,053百万円(前連結会計年度 セグメント損失(営業損失)2,315百万円)となりました。

 

(ⅲ)不動産事業

昨年9月の緊急事態宣言の解除後に観光客の増加による駐車場収入が増加しましたが、賃貸物件の家賃収入は減少しました。

この結果、売上高は前連結会計年度に比べ6.2%増1,609百万円、セグメント利益(営業利益)は前連結会計年度に比べ1.5%減765百万円となりました。

 

当社グループは、2022年3月期を最終年度とする第6次中期経営計画(2017年4月~2022年3月)において、定量目標を設定しておりましたが、新型コロナウイルスの影響による世界経済環境の変化が著しく、達成が困難なものと判断し、2020年11月に取り下げをいたしました。

第6次中期経営計画の1年目は順調に進捗しましたが、2年目の下期より米中摩擦の影響で主に自動車関連貨物の荷動きが弱まり、特に航空貨物の減少が目立ち始めました。3年目に入っても世界経済の減速に回復の動きが見られず、第4四半期には新型コロナウイルスの世界的蔓延が表面化し、物流、旅行ともに収益に大きな影響を受けました。

4年目も新型コロナウイルスの影響が継続しましたが、物流事業は7月以降徐々に貨物量の回復が始まり、下期以降は世界的な海上コンテナ不足による航空需要の拡大等もあり、業績が急回復しました。

最終年度である5年目は、海上、航空ともに旺盛な貨物需要に対応したほか、スペース不足や港湾混雑の中、専門性を活かしたサービスの提供等により好調な取扱いが継続しました。旅行事業においては、厳しい経営環境が続く中、経費削減施策の遂行により営業損失額は大幅に改善しました。

各種指標の推移は以下のとおりです。

 


 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ11,924百万円増加144,898百万円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末に比べ8,703百万円増加の62,209百万円となりました。これは主に、海上、航空ともに旺盛な貨物需要が継続したことなどから売上高が増加し、受取手形及び売掛金が5,184百万円増加したこと等によるものです。

固定資産は、前連結会計年度末に比べ3,220百万円増加の82,688百万円となりました。これは主に、第6次中期経営計画における大型設備投資として新倉庫を建設したことにより建物及び構築物が5,373百万円増加したことや、新たに土地を取得したことにより土地が848百万円増加したこと等によるものです。

 

負債は、前連結会計年度末に比べ3,366百万円増加70,491百万円となりました。その主な要因は、次のとおりであります。

流動負債は、前連結会計年度末に比べ4,991百万円増加の38,815百万円となりました。これは主に、売上高が増加したことにより売上原価も増加し、支払手形及び買掛金が2,471百万円増加したこと等によるものです。

固定負債は、前連結会計年度末に比べ1,625百万円減少の31,676百万円となりました。これは主に、社債の返済により社債が1,000百万円減少したこと等によるものです。

 

純資産は、前連結会計年度末に比べ8,558百万円増加74,406百万円となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が5,119百万円増加したことや、その他有価証券評価差額金が591百万円増加したこと等によるものです。この結果、自己資本比率は、前連結会計年度末より1.8ポイント増の49.4%となりました。

(単位:百万円)

 

2021年3月

2022年3月

増減

流動資産

53,506

62,209

8,703

固定資産

79,467

82,688

3,220

資産合計

132,973

144,898

11,924

流動負債

33,824

38,815

4,991

固定負債

33,301

31,676

△1,625

負債合計

67,125

70,491

3,366

純資産合計

65,848

74,406

8,558

 

 

 

(3) キャッシュ・フロー

<キャッシュ・フローの状況>

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は18,168百万円で、前連結会計年度末に比べ1,219百万円の資金の増加となりました。

営業活動によるキャッシュ・フローは9,540百万円の収入となり、前連結会計年度に比べ4,584百万円収入が増加しました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益が増加したこと等によるものです。

投資活動によるキャッシュ・フローは3,586百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ5,351百万円支出が減少しました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出が減少したこと等によるものです。

財務活動によるキャッシュ・フローは5,438百万円の支出となり、前連結会計年度に比べ7,412百万円収入が減少しました。その主な要因は、長期借入れによる収入が減少したこと等によるものです。

                                          (単位:百万円)

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

営業活動によるキャッシュ・フロー

10,801

4,955

9,540

投資活動によるキャッシュ・フロー

△6,117

△8,938

△3,586

財務活動によるキャッシュ・フロー

△4,711

1,973

△5,438

 

 

 

 

キャッシュ・フロー指標の状況

自己資本比率及び時価ベースの自己資本比率、債務償還年数、インタレスト・カバレッジ・レシオは次のとおりであります。

 

2020年3月

2021年3月

2022年3月

自己資本比率(%)

48.9

47.6

49.4

時価ベースの自己資本比率(%)

26.3

21.0

21.9

債務償還年数(年)

2.8

7.2

3.7

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

25.8

11.7

23.2

 

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

債務償還年数:有利子負債/営業キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー/利払い

 

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。

3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。

4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

 

 

    <資金需要について>

当社グループの主な運転資金需要は、貨物輸送運賃や旅客運賃、倉庫や港湾施設等の賃借料、及び人件費経費等であります。主な設備投資資金需要は、新倉庫の建設や施設増強工事、車両及びシステム投資等に関するものであります。また、第6次中期経営計画における設備投資は、海外・国内の物流施設への拡充を中心に順調に推移し、当連結会計年度は総額5,359百万円の設備投資を実施しました。

 

<資金の流動性について>

当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を当社が一元管理しております。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っております。

 

<資金の調達>

現在そして将来の営業活動及び債務の返済等の資金需要に備え十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めております。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フローの他、金融機関等からの借り入れ及び社債発行によって調達しております。

 

(4) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するに当たって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

 

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得

お知らせ

tremolo data Excel アドインサービス Excel から直接リアルタイムに企業の決算情報データを取得