課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 経営方針

当社は、近海・国内物流の変化にともなう顧客の要望に迅速に対応し、会社業容の拡大を目指すとともに安定収益を重視することを常に経営の基本方針としてまいりました。
 即ち近海部門、内航部門の相互補完的な経営を続けてきた結果、現在の企業体質が構築されており、安定収益重視の経営を継続するためには各部門それぞれの充実を図ることが肝要と考えております。その上で、新たな事業分野であるオフショア支援船事業にも積極的に取り組んでまいります。
 今後とも、人材の適材適所による組織の合理化及び活性化を図り、顧客のニーズに応えるべくグループ全体を結集して優良なサービスの提供に努めます。

 

(2) 経営環境及び対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症の収束時期が不透明ななか、当社グループを取り巻く経営環境については、外航海運の市況は回復基調にあるものの、内航海運ではコロナ禍の影響は今しばらく残るものと予想され、特に旅客フェリーの旅客・乗用車の利用は、人の動きが制限されることで、低調に推移することが見込まれます。こうした状況下、安全運航を第一に、顧客ニーズと中長期的な市場動向を見極めた効率的な配船によるコスト削減に努め、収支の改善に努めてまいります。
各事業セグメントの今後の課題と取り組みについては次のとおりであります。


「近海部門」

近海部門では、市況が回復基調にあるなか、市況動向と顧客のニーズをしっかりと把握したうえで、市況にあった船隊整備を継続し、商権の維持とコストの削減に努め収支の改善を図ってまいります。

鋼材輸送では、ツインデッカーの往航は従来の輸送に加え、アジア向け車両などの有利貨物の取り込みを継続してまいります。

木材輸送では、バイオマス発電用燃料の輸送について、近海地域に留まらず遠隔地からの輸送案件も含め、長期契約の獲得に向け取り組んでまいります。

バルク輸送では、主要貨物であるロシア炭の輸送について、顧客のニーズに合った船隊を維持・増強しながら、シェアの確保を図るとともに、その他の新規貨物の輸送需要の取り込みも目指してまいります。
 
「内航部門」

内航部門では、RORO 船および旅客フェリーによる定時性の高い輸送サービスを引き続き提供することで、陸上輸送から海上輸送への転換を図るモーダルシフトを促進し、海上輸送需要の掘り起こしに取り組んでまいります。
定期船輸送では、北海道航路、九州航路ともに、紙製品などの大宗貨物が減少するなか、新規貨物の獲得に取り組むとともにコストの更なる削減に取り組んでまいります。

不定期船輸送では、石灰石および石炭の各専用船の安全運航に努め、商権の維持に努めるとともに新規案件の獲得にも取り組んでまいります。

フェリー輸送では、八戸/苫小牧航路においては、新型コロナウイルスの感染防止に適切に対応するため旅客定員の制限等を行い、また個室を大幅に増やした新造船を投入し、乗用車・旅客の集客に努めるとともに、新造船の積載能力を活かした貨物の開拓に取り組み、効率的な航路運営に取り組んでまいります。
 
「OSV部門」

エネルギー資源の乏しい我が国にとって海洋資源開発への期待はますます高まる傾向にありますが、OSV 部門では、こうした状況を捉え、実績のあるCCS(二酸化炭素の回収・海底貯蔵)調査や国の資源探査への支援業務や安定的な洋上基地へのサプライ業務などに取り組むとともに、今後発展が期待される洋上風力事業の支援業務についても積極的な参画を目指してまいります。

 

 

 

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