業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の状況の概要

当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は以下のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

経営成績の状況

当事業年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界的な経済活動の停滞により、依然として厳しい状況にあり、段階的に経済活動の再開による持ち直しの動きが見られたものの、先行き不透明な状況で推移いたしました。

 

このような状況下、当社は『変化を先取りし、人々の感動体験を進化させ続ける』を経営ビジョンとして、引き続き新型コロナウイルス感染防止対策を実施しながら、多様なお客様のニーズに寄り添った対応をより深い次元で実現することに取り組んでおります。

 

当社は、物流業務をアウトソーシングされる通販事業者に対して、商品保管・ピッキング・流通加工・梱包・配送・代金回収等を行う「物流代行サービス」と、EC通販サイトの運営における、商品撮影・受注処理・お問い合わせ対応等のカスタマーサポートを行う「運営代行サービス」を、通販事業者や消費者(購入者)のニーズに対応したワンストップのフルフィルメントサービスとして提供する通販物流事業を運営しております。

 

当社の通販物流事業を取り巻くBtoC-EC市場における物販系分野は、経済産業省「令和2年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2020年の市場規模は12兆2,333億円と2019年(10兆515億円)から21.7%増となり、直近5年間の平均伸び率(8.6%)より急拡大しております。加えて、総務省の「家計消費状況調査」によると、ネットショッピング利用世帯割合の推移(二人以上の世帯)は、2020年の第1回目の緊急事態宣言解除後も50%超の水準で推移しており、ネットショッピングの利用増加は一過性の消費行動ではないことが見て取れます。

 

こうしたコロナ禍を契機とした消費行動の変容、キャッシュレス決済の普及・拡大、メーカーが自社商材をECサイト上で消費者に直接販売するD2C(Direct to Consumer)の広がりなどにより、EC市場の拡大スピードはさらに加速することが予想されております。

 

当社では、このような事業環境を持続的成長のための投資フェーズと捉えており、売上高の高い成長を目指してまいります。これを実現するためにはFCの新規開設に加え、高付加価値サービスを提供し続ける必要があり、FCの新規開設や人材育成・採用、営業力の強化等、費用対効果を測りながら継続的に先行投資を実施する方針であります。この方針に基づき、2021年6月に埼玉県草加市に埼玉草加FCを新規開設いたしました。これにより、当社が運営するFC数は、東京都に2施設、千葉県に1施設、埼玉県に3施設、大阪府に1施設の合計7施設、総延床面積は49,600坪となりました。

 

この結果、当事業年度の財政状態及び経営成績は、以下のとおりとなりました。

 

財政状態の状況

 (資産)

当事業年度末における資産合計は、前事業年度末に比べて、222,860千円増加し5,239,482千円となりました。これは主に、流動資産のうち、売掛金が169,843千円増加したこと、固定資産のうち、差入保証金が212,733千円増加した一方、現金及び預金が179,227千円減少したことなどによるものです。

 

(負債)

当事業年度末における負債合計は、前事業年度末に比べて、512,569千円増加し3,472,094千円となりました。これは主に、流動負債のうち、買掛金が136,066千円、未払金が373,420千円増加したことによるものです。

 

(純資産)

当事業年度末における純資産合計は、前事業年度末に比べて、289,708千円減少し1,767,388千円となりました。これは、新株の発行により資本金及び資本準備金が59,872千円増加した一方、当期純損失の計上等により繰越利益剰余金が353,458千円減少したことによるものです。

 

② キャッシュ・フローの状況

当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、2,070,057千円となり、前事業年度末と比べて179,227千円の減少となりました。

当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、使用した資金は27,905千円(前事業年度は830,982千円の獲得)となりました。これは主に、減損損失102,263千円の計上や仕入債務136,066千円、未払金363,702千円の増加等により資金増加があった一方、税引前当期純損失291,161千円の計上や売上債権169,843千円の増加、法人税等132,846千円の支払等による資金減少があったことによるものです。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は352,798千円(前事業年度は265,377千円の使用)となりました。これは主に、差入保証金の支出213,109千円、有形固定資産の取得による支出95,716千円による資金減少があったことによるものです。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、得られた資金は201,440千円(前事業年度は806,540千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入金による収入388,100千円及び新株の発行による収入59,822千円等の資金増加があった一方で、長期借入金の返済による235,363千円の支出等による資金減少があったことによるものです。

 

(2) 生産、受注及び販売の状況

① 生産実績

当社は、生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。

 

② 受注実績

当社の受注実績は、販売実績とほぼ一致しておりますので、受注実績に関しては販売実績の項をご参照ください。

 

 

③ 販売実績

当事業年度における販売実績を示すと、以下のとおりであります。なお、当社の事業セグメントは、通販物流事業の単一セグメントであります。

 

セグメントの名称

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年同期比(%)

通販物流事業(千円)

12,208,682

114.1

 

(注) 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、以下のとおりであります。

 

相手先

前事業年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

販売高(千円)

割合(%)

販売高(千円)

割合(%)

(株)LDH JAPAN

1,537,690

14.4

 

 ※当事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売数に対する割合は、当該割合が100分の10未満のため記載を省略しております。

 

(3) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社が判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

経営成績の分析

(売上高)

当事業年度の売上高は、12,208,682千円となり、前事業年度に比べ1,511,815千円増加(前年度比14.1%増)となりました。

これは、11月から12月にかけての年末商戦期の出荷量が増加したほか、新規顧客の獲得及び稼働が順調に推移したことが主な要因であります。

 

   (売上原価、売上総利益)

当事業年度の売上原価は11,637,503千円となり、前事業年度に比べ1,779,571千円増加(前年度比18.1%増)し、また、売上総利益は571,178千円となり、前事業年度に比べ267,755千円減少(前年度比31.9%減)となりました。

当事業年度においては、イベントグッズ関連の売上が回復せず、新規開設したFCの賃借料増加を吸収できなかったことと、新規顧客の立ち上げ準備に伴う労務費・人材派遣費等が増加したことが主な要因であります。

 

   (販売費及び一般管理費、営業損失)

当事業年度の販売費及び一般管理費は766,967千円となり、前事業年度に比べ166,459千円の増加(前年度比27.7%増)となりました。これは主に、新卒及び幹部人材の採用に伴う人件費が78,252千円及び採用費が22,350千円増加したこと等によるものであります。この結果、営業損失は195,789千円(前年度は営業利益238,426千円)となりました。

 

   (営業外損益、経常損失)

当事業年度において、物品売却益5,093千円の計上を含め営業外収益を12,984千円計上いたしました。一方で営業外費用を7,393千円計上いたしました。この結果、経常損失は190,197千円(前年度は経常利益241,154千円)となりました。

 

   (特別損益、当期純損失)

当事業年度における特別損益は△100,964千円となりました。これは主に、固定資産の減損損失102,263千円の計上によるものであります。また、法人税、住民税及び事業税22,931千円並びに法人税等調整額28,144千円を計上いたしました。この結果、当期純損失は342,238千円(前年度は当期純利益151,557千円)となりました。

 

財政状態の分析

財政状態の分析・検討内容については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容

キャッシュ・フローの状況の分析に関する情報については、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

③ 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当社における資金需要は、主として荷造運賃、賃借料等の運転資金及びFC新設時の設備導入並びに保証金の差入等があります。運転資金の財源については自己資金により賄い、FC新設等の資金につきましては、株式上場時の新株発行による調達資金の活用及び金融機関からの調達を予定しております。なお、資金の流動性については、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は2,070,057千円となっており、また、取引銀行2行と当座貸越契約を締結しているため、十分な流動性を確保しているものと考えております。

 

④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社の財務諸表等は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる様々な要因にもとづき見積り及び判断を行っておりますが、不確実性があるため、将来生じる実際の結果と異なる可能性があります。

財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。

 

⑤ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 目標とする経営指標」に記載のとおり、売上高及び経常利益を重要指標としております。

第23期事業年度は、上記「① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載のとおり、売上高は増加し経常利益は減少しました。今後も原価及び経費の低減を図りつつ、売上高及び経常利益の拡大に努めてまいります。

 

前事業年度

(自 2020年4月1日

2021年3月31日)

当事業年度

(自 2021年4月1日

2022年3月31日)

売上高(千円)

10,696,866

12,208,682

経常利益又は経常損失(△)

(千円)

241,154

△190,197

 

 

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