課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社は、代表取締役社長 眞邉勝仁が、2011年3月11日に発生した東日本大震災の際に被災地を訪れ、太陽光で稼働する浄水設備を届けたことをきっかけに、2012年に創業いたしました。当社グループは「持続可能なエネルギーを届け、生き生きと暮らせる未来を実現します」というビジョンの下、これを実現するために以下の3つのミッションを掲げて事業を行っております。

①クオリティの高い再生可能エネルギー発電所をつくり、安全に運営します

②金融のノウハウを活かし、再生可能エネルギーをひろげます

③再生可能エネルギーで地域社会を元気にします

 

(2)経営環境

①再生可能エネルギー事業を取り巻く状況

当社グループが位置する再生可能エネルギー事業は、気候変動問題に関する国際的な枠組みである「パリ協定」の締結を契機に脱炭素化に向けた取り組みが世界的な潮流となっており、2021年4月時点において、日本を含む125か国と1地域が、2050年までのカーボンニュートラル実現を表明しています。日本においては、2020年10月の菅前政権発足後初の所信表明において、2050年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロとし、カーボンニュートラルの実現を目指すこと、そのために、省エネルギーを徹底し再生可能エネルギーを最大限導入するとともに、規制改革等の政策を総動員しグリーン投資の更なる普及を進めること等が宣言されました。2021年4月には、菅前首相が政府の地球温暖化対策推進本部の会合において、2030年の温室効果ガスの削減目標を2013年度比で従来の26%減から46%減に大幅に積み増しすると発表しました。

2021年5月には、改正地球温暖化対策推進法が成立し、(1)2050年カーボンニュートラルを法に明記し、(2)地方自治体が再生可能エネルギー導入目標の開示を義務化、(3)地方自治体に促進区域の設定に努めること等が設けられました。また、2021年10月に閣議決定された第6次エネルギー基本計画において、2030年度の再生可能エネルギーの電源構成の占める割合は、従来の第5次エネルギー基本計画の22~24%から36~38%へと1.5倍以上に引き上げられました。

再生可能エネルギー導入に対する政府の支援姿勢は継続しており、今後も再生可能エネルギー市場はより一層拡大していく見通しです。

 

②再生可能エネルギーにおける太陽光発電の市場規模

日本国内における太陽光発電の市場規模は、資源エネルギー庁「2050年カーボンニュートラルの実現に向けた検討」及び「第6次エネルギー基本計画」によると、日本の太陽光発電導入量は、2019年度の55.8GWから2030年度には103.5~117.6GWとなる見込みであり、2019年度の導入量の約2倍の市場に拡大する見込みです。また、これまで太陽光発電所の開発はFIT制度に基づき開発されてまいりましたが、今後はFIP制度(Feed in Premium制度)に基づく開発及びNon-FIT開発が中心になってきます。

 

③FIT制度による再生可能エネルギーの導入拡大とFIP制度・Non-FITへの移行

FIT制度は、日本のエネルギー自給率が低水準であること及び温室効果ガスの削減を主たる目的として、電気事業者による再生可能エネルギー電気の調達に関する特別措置法(以下「再エネ特措法」といいます。)に基づき2012年7月より開始しました。FIT制度は、太陽光発電等再生可能エネルギー電源で発電した電気を国が定める期間、固定価格で送配電事業者が買い取ることを義務付ける制度です。FIT制度は長期的に安定した収益が得られるため、主に太陽光発電所を中心に急速に拡大しました。一方で、FIT制度に基づく再生可能エネルギーによる発電の普及が進むにつれ電力の買取も増加し、国民負担となる再エネ賦課金が大きくなってきました。そこで、2022年4月1日より施行が予定されている「強靭かつ持続可能な電気供給体制の確立を図るための電気事業法等の一部を改正する法律(以下「エネルギー供給強靭化法」と言います。)」では、FIT制度に加え、新たに市場価格にプレミアムを上乗せして交付する制度であるFIP制度が創設されます。FIP制度は、再生可能エネルギーのFIT制度からの自立化、卸電力取引市場への統合、国民負担の抑制を図ることを主たる目的としています。

また、「Non-FIT」による再生可能エネルギーの普及も期待されており、Non-FITの場合は、発電した電力を電力卸市場にて取引することや相対で買取価格・契約期間を決めることができます。当社グループは、FIT制度に依存しない再生可能エネルギー電源の普及・拡大に向け、東京ガス株式会社との間で「非FIT太陽光発電所の電力購入契約」を締結するとともに、発電した電力・環境価値を小売電気事業者である東京ガス株式会社へ販売します。本事業における太陽光発電所の規模は、合計500MWを目指しています。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

①安定と成長の両立を目指したビジネスモデルの更なる強化

当社グループは、当社グループのバランスシートをコントロールしつつ、再生可能エネルギー発電所の自社保有による発電事業の拡大と、上場インフラファンド及び私募ファンドへの再生可能エネルギー発電所売却による売却収入、AM・O&M収入の拡大を目指しています。これを実現するためには、再生可能エネルギー発電所の新規開発とセカンダリーマーケットからの稼働済案件の取得を継続して実行することに加えて、再生可能エネルギー発電所の売却先である上場インフラファンド及び私募ファンドが円滑に資金調達できること及び安定した管理運営が必要とされます。当社グループは、再生可能エネルギー発電所の開発から売電まで一気通貫で手掛けることができる強みを活かし、このビジネスモデルを強化することで当社、上場インフラファンド及び私募ファンドの成長を図ります。

 

②電源の多様化への取り組み

現在、当社グループは日本国内において再生可能エネルギー事業を拡大させております。太陽光分野においては、ソーラーシェアリング発電所開発や集合住宅、商業施設の屋上発電所開発等を進めております。

また、当社グループは、これまで太陽光発電を中心として事業を展開してまいりましたが、風力発電(陸上・洋上)やバイオマス発電といった太陽光発電以外の分野においての取り組みも開始しており、電源多様化の一環として、2021年2月に山形県西置賜郡の赤芝水力発電所(稼働済み)を取得しております。さらに蓄電池の活用等についても検討を進めております。このように電源の多様化への取り組みや再生可能エネルギー事業に関するあらゆるノウハウの蓄積を図ってまいります。

 

③継続的な収入(ストック型収益)の拡大

当社グループでは再生可能エネルギー発電所の開発事業から得る開発報酬、EPC事業から得るEPC報酬及び上場インフラファンド及び私募ファンドへの再生可能エネルギー発電所の売却による売却収入をフロー型収益とし、発電事業から得る売電収入、AM事業及びO&M事業から得るAM報酬及びO&M報酬をストック型収益と考えております。従来、フロー型収益が多くを占めておりましたが、今後、さらに業績を拡大させていく上で収益の安定性をより高めるために、継続的な収入であるストック型収益を一段と拡大させてまいります。

 

④FIP制度・Non-FITへの移行について

2022年4月より施行が予定されている「エネルギー供給強靭化法」では、FIT制度に加え、新たに市場価格に一定のプレミアムを上乗せして交付する制度であるFIP制度が創設されます。

FIP制度は、再生可能エネルギーのFIT制度からの自立化、卸電力取引市場への統合、国民負担の抑制を図ることを主たる目的としています。また、FIP制度に加え「Non-FIT」による再生可能エネルギーの普及も期待されています。今後は、太陽光や風力といった変動電源である再生可能エネルギーのさらなる導入拡大のために、電力需給の適切な管理(電力マネジメント)が不可欠となります。これらの制度の変遷により、約10年後にはFIT収益が激減することが想定され、高FITに依存した経営は困難になることから、当社グループでは、FIT制度に依存しないビジネスモデルを先行して確立することを目的に、2021年2月に東京ガス株式会社等と業務提携を行っております。本業務提携によりFIT制度に頼らない自立した発電所の組成で合計500MWの太陽光発電所の開発を目指しております。

また、再生可能エネルギーを長期的な安定電源として普及・促進するため、2019年12月18日、当社、東急不動産株式会社、ENEOS株式会社、東京ガス株式会社及びオリックス株式会社は5社共同で、一般社団法人再生可能エネルギー長期安定電源推進協会(以下「REASP」といいます。)を発足しました。今後もREASPを通じ、政府・関係省庁・外部機関と積極的な意見交換や政策提言を実施し、更なる再生可能エネルギー市場の進展を目指しております。

 

⑤地域との共存・共生

日本各地に地域拠点を配置し、地元の人材を雇用するだけでなく、地域住民や地方公共団体及び地域の企業等と連携して事業展開することで地域社会の活性化に貢献しています。地域社会との互恵関係を構築することで案件発掘の機会創出につながり、結果として、より一層の地域社会の活性化にもつながると考えております。加えて、書籍の寄贈や地元住民を招いての環境勉強会の開催等、多様な活動も行っております。

近年、発電所の杜撰な管理、発電所内の雑草の放置、製品寿命を終えた太陽光パネルが放置・不法投棄される懸念がもたれています。当社グループはこのような懸念や安全面に配慮しながら事業を運営しております。今後も、地域のニーズを踏まえた施策を推進することで、地域との共存・共生を図り地域社会の活性化に貢献してまいります。

⑥海外展開

当社グループは、国内市場のみならず海外市場への展開により、グローバルな再生可能エネルギー市場のリーディングプレーヤーとなることを目指しており、国内で培った知見や強みを生かし、海外展開を行うべく、市場調査を開始しております。

 

⑦財務体質の強化

当社グループは、再生エネルギー発電所にかかる開発資金を、金融機関からの借入等により調達しています。今後は、営業活動によるキャッシュ・フローの拡大から生み出される余剰資金及び財務活動による増資等により、有利子負債依存度の改善を進め、財務体質の強化に努める方針です。
 

(4)目標とする経営指標

当社グループは、多額の設備投資を必要とする発電事業の割合が高まっており、減価償却費等の割合が大きくなっております。減価償却費等の一過性の償却負担に過度に左右されることなく、株式価値の向上を目指すことが重要と認識していることから、EBITDAを目標とする経営指標としております。
(注)EBITDA=経常利益+支払利息+支払手数料+減価償却費+のれん償却額+その他償却(EBITDAは、会計監査又は四半期レビューを受けておりません)

 

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