当社グループは、①開発、②EPC(設計/調達/建設)、③資金調達・案件売却、④アセットマネジメント(以下、AMといいます。)、⑤オペレーション&メンテナンス(以下、O&Mといいます。)⑥発電・電力小売の再生可能エネルギーに関する事業全般を一気通貫で提供しております。
当社グループは、再生可能エネルギー発電所を開発し、当社(当社が匿名組合出資を行う合同会社等を含みます。)が保有し発電事業による売電収入を得るとともに、当社がメインスポンサー、東急不動産株式会社が共同スポンサーを務める上場インフラファンドである日本再生可能エネルギーインフラ投資法人(以下「上場インフラファンド」といいます。)や当社が投資家を募り組成する私募ファンド(以下「私募ファンド」といいます。)に売却することで、AM業務及びO&M業務を受託するビジネスモデルを構築しています。
当社グループは2021年12月31日現在において、再生可能エネルギー事業の単一セグメントとなっており、連結子会社20社・持分法適用関連会社2社を中心に構成されております。
①開発
当社グループは当社の地域拠点を活用することで、地域に根差した情報収集力を発揮して開発案件の情報を収集しています。具体的には地権者、地方公共団体、金融機関や機関投資家等から再生可能エネルギー発電所候補地に関する情報を得たのち、土地の広さや形状、日射量等様々なデータを確認し、再生可能エネルギー発電所としての適性や電力会社への効率的な接続の可能性等を検証しています。
事業性の検討段階では様々なデータに基づき、具体的な収益予想、開発コストの最適化、投資シミュレーション等、候補地に再生可能エネルギー発電所を建設した場合の事業性の分析を行っています。さらに実地調査を行い、開発を妨げる様々なリスクを検証し、事業性に適うと判断したプロジェクトについては、基本計画を立て、関係各省庁、地方公共団体や電力会社等と具体的な協議を行い、必要な許認可の申請を行うとともに、地域と円滑なコミュニケーションを取れるような体制を構築しています。当社は、地方公共団体等が保有する山林等遊休地の利活用による地域振興と雇用拡大、再生可能エネルギーの普及・啓発等を目的とした立地協定を複数の地方公共団体と締結しています。また、地域拠点を設置し、発電所の安定的な運営、維持・管理を行っております。当社の案件開発/取得の実績は、2021年12月31日現在、設備容量合計773.9MW(売却済みの発電所を含みます。)となっています。
②EPC(設計/調達/建設)
当社は、特定建設業の許可を取得しており、EPCの実績及びノウハウを豊富に有しています。EPC事業とは、再生可能エネルギー発電設備の設計(Engineering)、再生可能エネルギー発電設備の工事部材調達(Procurement)及び再生可能エネルギー発電設備の建設(Construction)を行う事業をいいます。当社は、発電設備の設計、部材の調達、協力企業の選定・調整、建設期間中の進捗・品質管理を独自で行うための体制を整えています。当社のEPC事業の実績は、2021年12月31日現在、設備容量合計45.4MWとなっております。
③資金調達・案件売却
当社は、当社グループが開発した発電所又は取得した発電所の一部を、上場インフラファンドや私募ファンドに売却することで売却収益を得ています。また、当社は第二種金融商品取引業及び投資助言・代理業の登録を受けており、再生可能エネルギー発電所の開発のフェーズ毎のリスクや資金調達マーケットの状況に応じて、自己資金や借入れのみならず、投資家を募り私募ファンドの組成等を含む多様な手法による資金調達・案件売却を行っております。
再生可能エネルギー発電事業を行うための資金調達として、従来型のプロジェクトファイナンス(ノンリコースローン)や、メザニンファイナンスに加えて、再生可能エネルギープロジェクトボンドを発行し、資本市場から開発資金を調達しています。当社は2017年から合計10件、862億円のプロジェクトボンドを発行しております。また2019年以降は、株式会社格付投資情報センターよりグリーンボンド格付の中で5段階中最上位の評価であるGA1を取得し、資本市場に対してグリーン投資機会を提供しております。また、2017年度から2021年度における当社のプロジェクトボンドの発行シェア(金額ベース)は34%で第1位となっています(出典:日本証券業協会「証券化市場の動向調査」より当社集計)。
④AM
当社は、再生可能エネルギー発電所の保有形態として、自社で直接保有する他、SPCにて保有する場合があります。その場合、当社は、SPCが保有する再生可能エネルギー発電所の管理運営、収支管理、レポート作成、その他事務手続等のAM業務を行っています。更にSPCのAM業務に加え、当社が組成した私募ファンド及び上場インフラファンドのAM業務も受託しております。当社のAM業務の受託発電所件数は、2021年12月31日現在、設備容量合計は721.0MWとなっております。
⑤O&M
全国の地域拠点を活用し、再生可能エネルギー発電所の運転開始後の管理運営等のO&M業務を行っています。当社グループでは、基本的には再生可能エネルギー発電所を開発した地域に地域拠点を設置し、地元出身の社員が常駐することにより、再生可能エネルギー発電所のO&M業務を実施しております。
O&M業務は、運転状況の確認や巡視、稼働実績の報告、草刈り、法令等で定められた申請・報告等を実施しており、また事故等発生時の緊急対応・関係者への連絡等を実施しております。これらの業務に関しては、地域と円滑なコミュニケーションをとれる体制を構築することにより、適切に業務を行っております。全国の地域拠点と開発業務やEPC業務における知見を活用し、コスト削減とクオリティ向上に努めることで、当社グループ以外からO&M業務を受託している実績もあります。
当社におけるO&M業務の受託発電所件数は、2021年12月31日現在、設備容量合計は986.5MWとなっております。うち、当社グループ以外からの設備容量合計は391.1MWとなっております。
⑥発電・電力小売
当社が所有又は上場インフラファンドから賃借している再生可能エネルギー発電所が発電した電力は、主に固定価格買取制度(以下「FIT制度」といいます。)に基づき、一般送配電事業者等へ売電しています。FIT制度は、太陽光発電等再生可能エネルギー電源で発電した電気を国が定める期間、固定価格で一般送配電事業者等が買い取ることを義務付ける制度です。このため、FIT制度に基づく再生可能エネルギー発電事業は長期的に安定した収益が見込まれます。2021年12月31日時点で、稼働済みの発電所のネット設備容量(注)は154.8MWです。(但し、上場インフラファンドから賃借している太陽光発電所55物件を除きます。)
(注)ネット設備容量は、設備容量に当社グループの持分割合を乗じたものです。
また、上記のほか、子会社である株式会社みらい電力において、小売電気事業として、再生可能エネルギー等の電力を買取り、需要家に販売する事業を行っております。
<事業系統図>
当社グループに所属する各社の役割は、以下のとおりです。
①当社(リニューアブル・ジャパン株式会社)
当社が設立あるいは他社から譲受したSPC(注)に帰属する再生可能エネルギー発電所の開発・運営の実行主体であり、事業用土地の仕入・造成、発電所の設計・調達・建設、運営、資金調達のアレンジメント等を行っております。
②アールジェイ・インベストメント株式会社
金融商品取引法上の金融商品取引業者として、投資運用業務を主たる事業としています。上場インフラファンドの投資運用業務を受託しております。
③株式会社みらい電力
小売電気事業者として、民間の発電事業者等から調達した電力及び一般社団法人日本卸電力取引所(JEPX)との間で行う市場取引等により調達した電力を、高圧・特別高圧の需要家(学校・工場・ビル・商業施設)や、低圧の需要家(主に商店や小規模工場)へ電力を供給しております。
④日本再生可能エネルギーオペレーター匿名組合事業
アールジェイ・インベストメント株式会社が投資運用業務を受託している上場インフラファンドが保有する再生可能エネルギー発電所を賃借し、発電事業を行うことを主たる事業としています。
⑤その他関係会社(事業用SPC)
当社は関係会社として、再生可能エネルギー発電所の開発案件毎にSPC(注)を設立している場合があり、当該SPCは事業者として金融機関からの資金調達やEPC事業者との工事契約締結等を行い、再生可能エネルギー発電所を建設、運営することを主たる事業としています。
(注) SPC(Special Purpose Company)とは、特別目的会社のことをいい、企業が不動産など特定の資産を当該企業の信用リスクから切り離し、その特定の資産やプロジェクトのためだけに作られる会社です。当社の場合、再生可能エネルギー発電所を開発又は取得する場合にSPCを設立する場合があります。SPCが保有する資産やプロジェクトから生じるキャッシュ・フローを前提に、金融機関からの借入れに限らず、プロジェクトボンドを発行するなど、多様な資金調達が可能となる等のメリットがあります。
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