研究開発活動

 

5 【研究開発活動】

当社において、研究開発は最も重要な成長戦略の一つであります。保安の確保・向上はもちろんのこと、デジタル技術を活用した業務の効率化や設備関連費用の低減、お客さまの利便性向上、既存サービスの高度化、クリーンな天然ガスの用途拡大や高度利用を目指した研究開発に積極的に取り組んでおります。さらには新規ビジネス創出のための研究開発やカーボンニュートラル実現に資する研究開発の取り組みも進めております。

当社は、コア技術として、石炭・石油から都市ガスを製造していた時代からの触媒・材料技術、LNG気化器・PC(プレストレスト・コンクリート)型LNGタンク・LNG冷熱発電・LNG受入基地等の設計・建設技術、天然ガスコージェネレーション・燃料電池・燃焼技術等のエネルギー利用技術等を保有しており、各々の分野で研究開発を進めております。

有機材料・活性炭等各種材料の開発、情報通信技術等、エネルギー分野にとどまらず、ライフ&ビジネス ソリューション分野への取り組みを進めております。

知的財産分野では、保有特許分析等に基づく戦略的な知的財産戦略を展開しております。また、当社保有技術と外部の保有技術を積極的に融合・活用することにより、開発の加速と効率化、新規技術・商品開発の創出を図る「オープンイノベーション」活動を積極的に推進しております。

当連結会計年度におけるグループ全体の研究開発費は9,500百万円で、各セグメント別の研究目的・主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであります。

(国内エネルギー)

当社は、ガスの製造、供給及び拡販に寄与する研究開発を行っております。

ガス製造分野では、安定操業・安定供給を確保するためのLNG基地製造設備の建設・診断・評価技術、保全業務の効率化等に取り組んでおります。

ガスの輸送・供給分野では、AI技術等を活用した保安レベルの維持・向上や災害発生時の迅速な復旧、工法・検査・修繕技術等ガス導管の建設・保全費用の低減を目指した研究開発を行っております。また、お客さまの利便性向上にもつながる「スマートメーター」の研究開発にも取り組んでおります。

家庭用ガス利用分野では、家庭用燃料電池コージェネレーションシステム「エネファーム」で世界最高の発電効率を実現するとともに、カーボンニュートラル実現に向けて電力系統においてエネファームを供給力・調整力として活用するためのVPP実証等、更なる商品性向上に向けた技術開発に取り組んでおります。また、エネファーム、給湯器、コンロ、警報器等の機器をIoT化することで新たな価値をお客さまにご提供できる先進的な商品開発にも取り組んでおります。さらには、神戸市と連携して3電池(燃料電池、蓄電池、太陽電池)を活用した仮想の街区内での再生可能エネルギーを最大限地産地消することを目指したエネルギーマネジメントの技術検証や、実験集合住宅(NEXT21)では、近未来の集合住宅の在り方を模索するため、効率的なエネルギーシステムや健康・快適な住空間、災害に備える住まい、エネルギー融通、デマンドレスポンス等の居住実験も進めております。

業務用・産業用ガス利用分野では、様々なニーズにお応えするバーナ・工業炉の開発や、ガスコージェネレーションシステム・ガスヒートポンプを用いた空調機等、省エネルギーに貢献する機器のさらなる高効率化やコスト低減、遠隔モニタリングを活用した省エネ支援サービス向けのシステム開発等に取り組んでおります。空調分野のソリューションサービス「D-Airing」、自家消費型太陽光発電サービス「D-Solar」、水処理サービス「D-Aqua」への取り組み、オンサイト型バイオガス化システム「D-Bioメタン」の開発、及びバイオマスボイラシステム「D-Bio Steam」のシステム構築等、脱炭素社会に貢献するための取り組みや商品開発を実施しております。加えて、お客さまのコージェネレーションシステム等を活用して創出するネガワット価値を取引するサービス「D-Response」も提供しております。

また、当社が保有する技術を活用し、水素ステーション等に導入可能な低コストでコンパクトな水素製造装置の商品化開発、バイオガス精製・利用の技術開発、メタネーションによるカーボンニュートラルメタン製造やグリーン水素製造等の研究開発にも取り組んでおります。

大阪ガスリキッド㈱は、産業ガスや水素オンサイト事業の需要拡大に繋がるシステム技術や新商品の開発、冷熱を利用した各種樹脂・食品原料の低温粉砕に関する技術開発を行っております。

当セグメントにおける研究開発費は6,741百万円であります。

 

(ライフ&ビジネス ソリューション)

Jacobi Carbons AB及び水澤化学工業㈱を含む大阪ガスケミカルグループでは、炭素材料・光電子材料・活性炭・保存剤・無機吸着剤等に係る研究開発を、㈱KRIはナノ材料や次世代電池等の先進材料・新エネルギーに係る研究開発を、オージス総研グループではソフトウェア及び情報システムに係る研究開発を行っております。当セグメントにおける研究開発費は2,759百万円であります。

 

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