課題

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社グループは、映像関連事業を中心に各部門とも営業成績の向上に全力を傾注し、また、資産の有効活用と収益基盤の強化に取り組むとともに、経営の合理化・効率化をはかり、もってグループの安定向上に努力してまいる所存であります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループでは、既存の事業においてより高い成長性を確保し、更に新規の事業にも資力を投入していくことが重要であると考えております。これらの実現のために、売上高の増加、適正な利益の確保を目標としてまいります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループの基幹的な事業である映像製作および営業につきましては、劇場映画は関連する業界各社と連携を保ち強力な企画を立案し、当社グループが主導的な立場で製作を遂行し、時流に即した娯楽性豊かなラインナップの営業に努めます。

 競争激化するシネマコンプレックス事業につきましては、当社グループの㈱ティ・ジョイにおいて、2000年末の「T・ジョイ東広島」開業より都内では「新宿バルト9」「T・ジョイPRINCE品川」など他社との提携を含め、2022年3月末現在、全国で22サイトを展開しております。全サイトにおいてデジタル上映システムを導入し、ODSなどオリジナリティ溢れるコンテンツの企画・上映・配信を試み、新たなる興行形態の展開をはかっております。

 テレビ・ビデオ・配信・アニメーションなど各映像作品の製作・営業につきましては、当社グループは業界のトップクラスに位置し、活発な事業展開を行っております。今後も『相棒』『科捜研の女』などのテレビドラマシリーズ、『ワンピース』や『プリキュア』シリーズなどのテレビアニメ、『仮面ライダー』シリーズや『スーパー戦隊』シリーズなどの特撮キャラクター作品といった当社グループの特色を生かした映像作品の製作を継続し、一層の営業拡大に努めてまいります。

 映像の多角的な利用としては、海外への事業展開に注力し、特にテレビ映画、アニメーションとその商品化権の輸出が活発化しております。国内におきましても多メディア・多チャンネル時代を迎えて、映像娯楽専門チャンネルの「東映チャンネル」や「東映特撮ファンクラブ」他各種の映像配信ビジネスなど当社グループの豊富なソフトを利用したさらなる営業活動を推進いたします。

 映像製作現場におきましては技術革新の動向に対応すべく、東京撮影所において撮影からポストプロダクション(編集、整音などの仕上工程)までの一貫したワークフローを担うデジタルセンターを中心に、京都撮影所ともオンラインで連携して取り組んでおります。また、東映アニメーション㈱の新大泉スタジオなどグループ各社との連携も強化し、さらなる展開をはかっております。

 また、映画興行やエンターテインメントの多角的な展開を目的に、シネマコンプレックスを中心にした東京大泉地区の「オズ スタジオ シティ」や、映像製作及び映像アミューズメントのテーマパークである京都地区の「東映太秦映画村」など、撮影所隣接地を利用した再開発事業やリニューアルも堅実に推進してまいります。

 さらにイベント事業、ホテル業、広告代理業やCM制作業、印刷業、建築内装業、テナント事業など多彩な事業展開を行い、経営の安定化をはかってまいります。

 全般的な経営の効率化につきましては、先行き不透明な経済情勢のなか、各種経費の節減により業績の改善に努めておりますが、今後とも気を緩めることなく多面的・総合的に進めていく所存です。

 以上の施策、グループ各社の連携強化、及びIR活動をより積極的に進めることで、ステークホルダーとの長期にわたる信頼関係を確立し、ゆるぎない収益基盤を築くこと、また、コンプライアンス・リスクマネジメント規程順守に基礎を置く内部統制体制を整備することにより、「総合コンテンツ企業」としての当社グループの企業価値ひいては全てのステークホルダー共同の利益の長期安定的な向上に努めていく所存です。

 

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 新型コロナウイルス感染症の世界的大流行の影響による国内外の経済活動の抑制に加え、物価高等のウクライナ危機が世界経済に混乱をもたらす影響が懸念され、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社グループを取り巻く事業環境におきましても、個人消費の多様化や節約志向などにより、厳しい情勢下にあります。

 当社グループにおきましても、新型コロナウイルス感染症の影響は現在も続いておりますが、同感染症の拡大防止、お客様や従業員をはじめとした全ての関係者の安全と健康の確保を最優先に対策を講じ、政府の方針に基づいた対応を実施し、事業継続体制の構築に取り組んでまいります。

 このような状況のなかで当社グループは、『全世界で人々に愛されるエンタテインメントの創造発信』の理念の下、組織体制の強化や人材採用・育成、コーポレート・ガバナンスの充実に取り組みながら、積極的な事業展開を図ってまいります。

 映像営業部門につきましては、当社の柱である劇場用映画を中心とした大型作品・期待作品を確実にヒットさせ、二次利用での万全な有効活用により収益の最大化を目指してまいります。業績に大きく貢献している「仮面ライダー」「スーパー戦隊」シリーズについては、さらなる活性化を図り、あわせて新規IP・キャラクター開発とグローバル展開に取り組んでまいります。また、東西両撮影所のデジタル化推進により自然災害や疫病などの外的要因にも強い継続性のある自立した製作体制を構築し、多様なエンタテインメントの発信拠点としていきます。

 催事営業部門につきましては、人気キャラクターイベントや文化催事を柱としながら、需要が高まっている配信を含めたライブイベント事業や、オンラインを中心とした商品販売事業等、多種多様な事業に注力してまいります。

 不動産事業部門につきましては、賃貸収益の安定確保のため、所有不動産のリニューアル実施や、新規開発案件の発掘に注力してまいります。「東映太秦映画村」におきましては、引き続きグループの力を結集してさらなる集客力の強化を目指してまいります。

 ホテル営業部門につきましては、サービスの向上と効率化に努めるとともに、テレワーク対応等の新たな需要の掘り起こしやSDGsへの対応も意識した施策の展開に取り組み、稼働率の上昇と収益の向上を目指してまいります。

 

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