課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

株式会社建設技術研究所は、1945年に前身である財団法人建設技術研究所が創立されて以来、「誠実」と「技術」を社是として社会資本整備の一翼を担ってきました。

いま日本は災害の多発、人口減少、インフラの老朽化など、さまざまな社会的課題を抱えています。一方海外においては、インフラ整備へ貢献することも期待されています。

私たちCTIグループは、「世界に誇れる技術と英知で、安全で潤いのある豊かな社会づくりに挑戦する」という経営理念に基づき、これまで築いてきた皆さまからの「信頼」をさらに高めながら、当社のブランドフレーズである『未来につづく安全・安心を』のもと、災害への備え、地球環境問題への対応、安全で安心できる社会の構築、そして世界の持続可能な社会の形成に貢献していきます。

 

(2)目標とする経営指標

当社グループは、2022年12月期における業績目標を売上高78,000百万円、営業利益6,400百万円、経常利益6,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,300百万円としております。

 

(3)経営戦略

当社グループは、2025年を目標年次としたCTIグループ中長期ビジョン「CLAVIS 2025」に基づき事業展開を進めてまいりました。一方、事業環境、会社経営環境が近年大きく変化しています。この状況を踏まえ、グループ全体での取り組むべき方向をいっそう明確にすることが必要と考え、新たなCTIグループ中長期ビジョン「SPRONG 2030」を2021年6月に策定しました。

① めざす企業イメージ

国内外のインフラに関わるあらゆる課題を解決に導き、社会の持続的発展に貢献する「グローバルインフラソリューショングループ」として飛躍していくことをめざす。

② 目標とする事業規模

2030年の売上高は100,000百万円(国内72,000百万円、海外28,000百万円)、営業利益は9,000百万円(営業利益率9%)を目標とする。

③ 事業拡大の方向性

CTIグループがこれまで実施してきた河川や道路などのさまざまな分野の企画・調査・計画・設計などのインフラサービスの提供を継続しつつ、今後は以下に示す方向性の事業拡大に注力する。

 1)事業プロセスの拡大

・維持管理・更新、発注者支援、運営、経営までのインフラに関する全事業プロセスを対象としたサービスを展開する。特にインフラの維持管理・更新、発注者支援、運営、経営の事業拡大をめざす。

※サービスとは、河川、道路、情報、環境など、さまざまな分野で提供するインフラサービスを指す。

 2)サービス・分野の拡大

・研究開発成果の実装や新たな技術部門の新設等により、防災・減災、都市・建築、環境マネジメント、発注者支援、PPP事業、情報サービス・システム開発、エネルギー、農業など、さまざまな分野で事業を拡大する。

 3)市場の拡大

・国土交通省などの一次官庁からの受注を着実に伸ばすとともに、特に地方自治体(都道府県、市区町村)、民間市場へ事業を拡大する。

 

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

国内建設コンサルティング事業に関係の高い公共事業関係費は、2022年度は前年並みの6兆575億円が確保されました。2021年度補正予算には「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策」の2年目が計上され、流域治水や土砂災害対策、老朽化対策等が堅調に推移することが予測されます。

海外建設コンサルティング事業においては、株式会社建設技研インターナショナルの営業エリアであるアジア・アフリカでは、経済成長のためのインフラ整備需要は旺盛ですが、新型コロナウイルス感染症拡大による渡航制限などの影響が懸念されます。Waterman Group Plcの拠点である英国の景気は持ち直しつつありますが、新型コロナウイルス感染症拡大による影響には引き続き注視する必要があります。

上記の事業環境を踏まえ、新たに策定した「中期経営計画2024」初年度の「第60期経営計画」では、「生産システム改革を柱として事業構造変革を確実に進めサステナビリティ経営を推進する」をスローガンに掲げ、持続可能な社会の実現に向けて、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進、テレワーク等の新たな働き方による生産システムの改革に取り組み、事業ポートフォリオの変革やガバナンス強化、SDGsやカーボンニュートラル対応など、サステナブルな経営を推進していきます。

役員ならびに社員一同、国民の安心・安全を担う建設コンサルタントの社会的使命を果たすため、最大限の努力を続けてまいる所存です。

 

(5)当社元従業員による不正行為の再発防止策に向けた取り組み

当連結会計年度において、当社元従業員による不正な外注取引が発生しました。重大事案として外部の弁護士を含めた特別調査委員会を設置して、事実関係および原因に関する調査を行いました。

調査の結果、当社元従業員が架空発注を行い、自らが実質的に経営する会社に還流させ、運転資金等に充当していたことが判明しました。特別調査委員会より、外注システム運用上の問題、およびコンプライアンス意識の不徹底等が課題として提言され、グループを挙げて業務システムの改善や業務執行体制の改善、コンプライアンス教育の徹底等の再発防止に取り組んでいます。

今後とも再発防止策を徹底するとともに、信頼回復に努めてまいります。

 

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