当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次の通りであります。
売上高は、516億7千5百万円(前年同期比104.2%)と前連結会計年度から20億6千7百万円増加いたしました。
売上総利益は、171億2百万円(前年同期比109.4%)と前連結会計年度から14億6千6百万円増加いたしました。
販売費及び一般管理費は、134億3千5百万円(前年同期比102.5%)と前連結会計年度から3億2千3百万円増加いたしました。
営業利益は、36億6千6百万円(前年同期比145.3%)と前連結会計年度から11億4千3百万円増加いたしました。売上高営業利益率は7.1%となり、前連結会計年度から2.0ポイント増加いたしました。
営業外損益は、5億1千3百万円の利益となり、前連結会計年度から1億1千万円減少いたしました。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ10億3千2百万円増加し、41億7千9百万円となりました。
特別損益は、1千8百万円の損失となり、前連結会計年度から3億円減少いたしました。この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ13億3千3百万円増加し、41億6千1百万円となりました。
当連結会計年度における税金費用は、12億7千7百万円と前連結会計年度に比べ1億4千4百万円増加いたしました。また、当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は1千7百万円(前年同期は8千6百万円の損失)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は28億6千6百万円となり、前連結会計年度に比べ10億8千5百万円増加いたしました。
(インフラ・メンテナンス事業)
受注高は187億6千5百万円(前期比92.5%)となりました。売上高は183億5千9百万円(同98.0%)と若干の減収となりましたが、営業利益は、10億2千6百万円(同101.8%)と増益となりました。
(防災・減災事業)
受注高は122億2千9百万円(前期比87.8%)となりました。売上高は123億6千6百万円(同93.5%)となり、営業利益は5億4千万円(同62.8%)と減収・減益となりました。
(環境事業)
受注高は98億7千万円(前期比102.7%)となりました。売上高は99億3千2百万円(同106.3%)、営業利益は9億8千1百万円(同102.0%)と増収・増益となりました。
(資源・エネルギー事業)
受注高は138億8千5百万円(前期比164.3%)と大きく伸長しました。売上高は110億1千7百万円(同132.7%)と増収、営業利益は11億1千8百万円(前期は3億3千5百万円の営業損失)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ16億1千5百万円増加し、856億6千1百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ22億1千9百万円増加し、647億6千8百万円となりました。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ6億3百万円減少し、208億9千2百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億6千6百万円減少し、158億5千6百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ19億8千2百万円増加し、698億4百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億8千5百万円減少(前期は37億1千9百万円の資金増)し、235億9千9百万円(前期比97.2%)となりました
営業活動によるキャッシュ・フローは、営業活動の結果、得られた資金は23億7百万円(前期比46.9%)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、投資活動の結果、使用した資金は8億8千8百万円(前期は1千5百万円)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、財務活動の結果、使用した資金は25億4百万円(前期比255.6%)となりました。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は販売価格によっており、セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが中期経営計画 OYO Advance 2023 で目標としている経営指標における実績値は次のとおりであります。
当連結会計年度における受注状況をセグメントごとに示すと次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
3 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)及び「収益認識に関する会計基準の適用指針」(企業会計基準適用指針第30号 2021年3月26日)を当連結会計年度の期首から適用したことにより、前連結会計年度末の受注残高と当連結会計年度の期首受注残高は一致いたしません。
4 換算為替レートの相違により、「第5 経理の状況 (1)連結財務諸表等 注記事項(収益認識関係)(3) 当期及び翌期以降の収益の金額を理解するための情報 ②残存する履行義務に配分された取引価格」の金額とは一致いたしません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 セグメント間の取引については相殺消去しております。
2 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化するなか、ワクチン接種の進行や緊急事態宣言等の解除実施に伴い経済活動の回復も期待されました。しかしながら、その後、海外で新たな変異株(オミクロン株)による感染再拡大が発生するとともに、わが国でも第6波の到来が警戒される状況となりました。こうした状況に加え、世界的な半導体不足の継続や原材料価格の高騰、急激な為替の変動などもあり、国内外の経済の先行きは引き続き不透明な状況が続いています。
当社グループを取り巻く市場環境は、国内においては社会インフラの老朽化や「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の実施などにより、公共事業分野を中心に市場機会の継続が期待されています。また、世界的な気候変動に対する関心が高まる中、わが国でも政府のカーボン・ニュートラル方針や第6次エネルギー基本計画の策定などを背景に再生可能エネルギー市場拡大への動きが加速化するとともに、持続可能な社会の構築に向け市場の関心や意識も高まりを見せています。
このような状況の下、当社グループは当連結会計年度よりサステナブル経営の積極推進を基本方針とする中期計画「OYO Advance 2023」をスタートさせ、4つの事業セグメントを通じて「社会価値」「環境価値」「顧客価値」の3つの価値の最大化に取り組んでまいりました。具体的には、脱炭素化社会の構築に向けてデジタルトランスフォーメーション(DX)を核としてイノベーション戦略を推進するとともに、地盤3次元化技術を活用した地中可視化サービスの本格展開やハザードマッピングセンサを活用した新しい防災ソリューションの提供、洋上風力発電関連支援サービス等に注力してきました。
こうした取組みの結果、当社グループの当連結会計年度の業績は、受注高は547億5千万円(前期比104.8%)となりました。売上高は516億7千5百万円(同104.2%)、営業利益は、36億6千6百万円(同145.3%)となりました。これにより、経常利益は41億7千9百万円(同132.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益は28億6千6百万円(同160.9%)と増収増益となりました。
(売上高)
売上高は、516億7千5百万円(前年同期比104.2%)と前連結会計年度から20億6千7百万円増加いたしました。これは、洋上風力関連事業を中心に、当社の売上高が大きく増加したこと、及び昨年度は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けた海外グループ会社の売上高が回復したことによります。
(売上総利益)
売上総利益は、171億2百万円(前年同期比109.4%)と前連結会計年度から14億6千6百万円増加いたしました。これは、上記のとおり売上高が増加したこと、及び当社および当社グループにおいて業務の効率化等により原価率が改善したことによるものです。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は、134億3千5百万円(前年同期比102.5%)と前連結会計年度から3億2千3百万円増加いたしました。営業利益は、人件費の増加などにより、販売費及び一般管理費が増加したものの、上記の売上高の増加、原価率の改善により、36億6千6百万円(前年同期比145.3%)と前連結会計年度から11億4千3百万円増加いたしました。売上高営業利益率は7.1%となり、前連結会計年度から2.0ポイント増加いたしました。
(営業外損益、経常利益)
営業外損益は、5億1千3百万円の利益となり、前連結会計年度から1億1千万円減少いたしました。これは、主に米国の金利の低下や新型コロナウイルス感染症の助成金が減少したことによります。この結果、経常利益は前連結会計年度に比べ10億3千2百万円増加し、41億7千9百万円となりました。
(特別損益、税金等調整前当期純利益)
特別損益は、1千8百万円の損失となり、前連結会計年度から3億円増加いたしました。これは、主に前連結会計年度に米国連結子会社の業績不振により固定資産の減損を実施したことによります。この結果、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度に比べ13億3千3百万円増加し、41億6千1百万円となりました。
(法人税等(法人税等調整額を含む)、非支配株主に帰属する当期純利益、親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における税金費用は、12億7千7百万円と前連結会計年度に比べ1億4千4百万円増加いたしました。また、当連結会計年度の非支配株主に帰属する当期純利益は1千7百万円(前年同期は8千6百万円の損失)となりました。この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は28億6千6百万円となり、前連結会計年度に比べ10億8千5百万円増加いたしました。
当社グループの事業セグメント別の業績に関する分析は、以下のとおりです。
(インフラ・メンテナンス事業)
国内グループ会社での低採算大口入札案件の対応見直しを行ったことや、シンガポール子会社で前年度受注した社会インフラ整備関連業務の反動減等の影響もあり、受注高は187億6千5百万円(前期比92.5%)となりました。売上高は183億5千9百万円(同98.0%)と若干の減収となりましたが、営業利益は、契約の増額変更等やDXや新技術を活用した商品・サービスの展開に注力したことにより10億2千6百万円(同101.8%)と増益となりました。
(防災・減災事業)
地震・津波等の災害予測業務等は堅調に推移したものの、前年度受注した防災関連機器業務の反動があったこともあり、受注高は122億2千9百万円(前期比87.8%)となりました。この結果、売上高は123億6千6百万円(同93.5%)となり、加えてパンデミックに伴う機器部品のコストアップ等もあり、営業利益は5億4千万円(同62.8%)と減収・減益となりました。
(環境事業)
過年度の災害発生を踏まえて森林保全業務が順調に伸長したこと、環境再生支援事業等が引き続き堅調に推移したことにより、受注高は98億7千万円(前期比102.7%)となりました。売上高は、99億3千2百万円(同106.3%)、営業利益は9億8千1百万円(同102.0%)と増収・増益となりました。
(資源・エネルギー事業)
国内における洋上風力発電関連業において受注が順調に拡大したことに加え、同分野での大口受注案件が発生したこと、前年度はコロナ禍による影響を大きく受けていた海外グループ会社の受注が順調に回復したこと等により、受注高は138億8千5百万円(前期比164.3%)と大きく伸長しました。売上高は110億1千7百万円(同132.7%)と増収、営業利益は11億1千8百万円(前期は3億3千5百万円の営業損失)となりました。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ16億1千5百万円増加し、856億6千1百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べ22億1千9百万円増加し、647億6千8百万円となりました。これは主として、当連結会計年度末に洋上風力関連の大型案件で完成業務未収入金が多く計上されていたため、前連結会計年度末と比較し、完成業務未収入金が12億3千1百万円増加(収益認識に関する基準を前期に適用していたと仮定した場合には6億7千万円増加)したことや、有価証券が固定資産からの振り替えで7億2千7百万円増加したこと、新型コロナウイルスの蔓延に伴うサプライチェーンの混乱を見越して原材料及び貯蔵品が5億9千5百万円増加したことによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べ6億3百万円減少し、208億9千2百万円となりました。これは主として、退職給付に係る資産が1億4千7百万円増加した一方で、流動資産への振り替えや株式の売却で投資有価証券が9億3百万円減少したことによります。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ3億6千6百万円減少し、158億5千6百万円となりました。これは主として、受注損失引当金が1億7千9百万円減少したこと、J-ESOPの支給により流動負債及び固定負債の株式給付引当金が合計で1億5千万円減少したことによります。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ19億8千2百万円増加し、698億4百万円となりました。これは主として、自己株式の消却等で資本剰余金が12億1千4百万円減少した一方で、利益剰余金が20億6千7百万円増加したこと、新型コロナウイルス感染症等の影響で為替相場が大きく変動したことにより為替換算調整勘定が14億8千6百万円増加したことによります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ6億8千5百万円減少(前期は37億1千9百万円の資金増)し、235億9千9百万円(前期比97.2%)となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は23億7百万円(前期比46.9%)となりました。これは主として、洋上風力関連の大型案件で売上債権が多く計上されたことから、売上債権の増加5億1千6百万円で資金が減少(前期は16億4千3百万円の資金増)した一方で、税金等調整前当期純利益41億6千1百万円(前期比147.1%)等の資金の増加要因があったことによります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は8億8千8百万円(前期は1千5百万円)となりました。これは主として、土地の売却等で有形及び無形固定資産売却に係る収入2億1千2百万円(前期比55.0%)があった一方で、その他有形及び無形固定資産の取得による支出11億1百万円(前期比123.2%)等の資金の減少要因があったことによります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は25億4百万円(前期比255.6%)となりました。これは主として、自己株式の買付16億4百万円(前期は0百万円)、配当金の支払額8億3千8百万円(前期比99.0%)等の資金の減少要因があったことによります。
当社グループの資本の財源及び資金の流動性につきましては、以下の通りであります。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、外注費及び人件費並びに販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、研究開発、設備投資及びM&A等によるものであります。これらの資金につきましては、原則として自己資金で賄うこととしております。
当連結会計年度のキャッシュ・フローの詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報」をご参照ください。
なお、当社グループのキャッシュ・フロー関連指標の推移は次のとおりであります。
※ 自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注) 1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値によって算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針及び新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りの仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項」の(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)に記載のとおりです。なお、連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、特に重要と考えるものは以下のとおりであります。
「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 重要な会計上の見積り」に記載しております。
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定に当たっては慎重に検討しておりますが、将来キャッシュ・フローの見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる可能性があります。
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
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