文中における予想、計画、目標等の将来に関する記述は、当社グループが当連結会計年度末現在入手している情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいており、実際の経営成績等は様々な要因により大きく異なる可能性があります。
(1) 経営方針
当社グループは、電設資材及び産業機器等の卸販売並びに空調部材等の製造販売を通じて「省エネルギー、省資源など地球環境に配慮し、豊かで快適な社会づくりに貢献する」ことを経営の基本理念としております。
信頼される企業であり続けるため、コンプライアンス経営を第一義として、成長と変革によって企業価値の最大化を図り、すべてのステーク・ホルダー(株主、投資家、従業員、取引先、地域社会等の利害関係者)にご満足いただける企業を目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
当社グループは、中期経営計画の策定に当たって、経営環境の変化や計画の進捗状況に応じ、毎年度、向こう3カ年の数値目標を更新するローリング方式を採用しております。
2022~2024年度中期経営計画における最終年度(2025年3月期)の数値目標は、次のとおりであります。
・連結売上高 3,270億円
・連結営業利益 196億円
(3) 経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経営環境は、新型コロナウイルス感染症の収束が見通せないことに加え、原材料価格の動向や半導体不足等による供給面での制約、地政学リスクの高まりに関して先行き不透明な状況が続くものの、首都圏の再開発や2025年開催予定の大阪・関西万博に向けた建設需要の高まりが期待されます。
このような認識のもと、当社グループは中長期的な成長を目指し、①自社製品(PB商品を含む)の開発・拡充、②省エネ・省力化ソリューションの推進、③首都圏市場におけるシェア拡大、④グローバル展開の加速、⑤事業領域の拡大、⑥ESG経営の推進といった重点施策を着実に実行していくことによって企業価値の最大化を追求してまいります。
「①自社製品(PB商品を含む)の開発・拡充」に関しましては、コア製品である「因幡電工」ブランドとして業界に広く認知されている被覆銅管や空調配管化粧カバーの安全性、耐久性、施工性などの改良を重ね、高機能化や多機能化を図り、新たな需要を掘り起こしてまいります。また子会社パトライトは表示灯や回転灯の分野において国内外で高いシェアを持っており、新製品の開発等を通じて更なるシェア拡大を目指してまいります。
「②省エネ・省力化ソリューションの推進」に関しましては、LED照明をはじめとした環境配慮型商品の拡販に加え、省力化に向けた協働ロボットの導入やシステム構築などの支援に注力してまいります。
「③首都圏市場におけるシェア拡大」に関しましては、当社は西日本での売上比率が高く、首都圏は市場規模の観点から成長の余地があること、首都圏の再開発需要の継続が期待されることから、積極的な人材投入によって首都圏市場の需要の取り込みを目指してまいります。
「④グローバル展開の加速」に関しましては、経済産業省のグローバルニッチトップ100選に選出された子会社パトライトにおける製品開発力や販売網に加え、子会社SOEによる空調部材の海外製造などを活用し、グループ一丸となって積極的な海外展開を推進してまいります。
「⑤事業領域の拡大」に関しましては、既存事業と隣接する情報通信設備や管工機材など、シナジーが見込まれる新たな分野に向けた営業推進や製品開発を通じて、顧客課題の解決に努めてまいります。
「⑥ESG経営の推進」に関しましては、実効性を高めるべく取締役会の諮問機関としてサステナビリティ委員会を設置するとともに、サステナビリティ基本方針を以下のとおり策定しました。変化の激しい時代においても社会の発展と歩みをともにするため、サステナビリティの視座からこれからの社会課題をとらえ、「技術商社」として本質的なソリューションを提供し、あらゆる世代が豊かで快適に暮らせる明るい未来づくりに貢献してまいります。また、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)の枠組みに基づく情報開示をはじめとする、サステナビリティ関連の開示情報の一層の充実に努めてまいります。
<サステナビリティ基本方針>
1.ビジネスを通じてマテリアリティに基づいた価値創造を行う
当社のビジネスの柱は、三つのマテリアリティ(当社の重要課題)「多様な商材とユーザーとの橋渡し」「安全な社会資本の整備への貢献」「人と技術と環境の調和」に基づく価値創造です。
お取引先様や社会が抱える課題に対し、単なる商材供給ではなく、課題の背景と長期的な環境変化を踏まえたソリューション提供により、お取引先様や社会の持続可能な発展に貢献します。常に最善の提案ができるよう、当社の開発・メーカー機能の知財戦略や、お取引先様との協業を果断に進めてまいります。
2.従業員のエンゲージメントを高め、当社の持続可能性を高める
従業員なくして企業の存続はあり得ません。従業員全員が企業人として同じ理想を仰ぐ風土を重んじつつも、一人ひとりの個性を尊重するとともに、労働環境や処遇の弛まぬ改善を行います。また、従業員の成長が会社の成長ととらえ、長期的な視野に立ち、人財戦略へ積極的に投資をすることで、将来に向かっての種まきを行います。
3.将来世代からの宿題である地球環境問題に真摯に向き合う
気候変動をはじめとする地球環境問題は、人類共通の課題であり、将来世代からの宿題でもあります。情報が氾濫する環境問題を取り巻く現下の状況において、近視眼的な施策に走らぬよう自らを戒め、将来世代の視点を取り込んだ意思決定による環境経営を推進してまいります。
4.サプライチェーン全体の人権尊重を推進し、ビジネスの持続可能性を高める
お取引先様と公正・適正な取引を行うなかで、当社が関わるすべてのビジネスにおいて人権の尊重を最優先します。自社のみならずサプライチェーン全体の人権尊重の底上げに取り組むことで、持続可能なビジネスモデルを構築します。
5.地域に根ざし、信頼される企業になる
当社がビジネスを展開する国や地域の歴史、伝統、文化に敬意を表し、地域の皆様と交流を図りながら信頼される企業を目指します。
6.誠実な情報開示を行う
すべてのステークホルダーの皆様との有意な対話を行うため、適切で正確な情報開示を行います。
7.一人ひとりが自ら行動を起こせる組織になる
取締役及び管理職が率先垂範し啓蒙することで、サステナビリティに対する従業員の理解を醸成し、従業員一人ひとりが当基本方針の主旨を自らの行動に起こせる組織を目指します。
お知らせ