文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「はじめに消費者ありき」の創業精神のもと、「食」の分野でお客様にご満足いただくために、良質でお値打ち感があり、つくりたてで安心感のある商品を開発し、提供しております。今後も常にお客様の立場に立って顧客満足の向上を図りながら、積極的に店舗展開を行うことにより地域社会への貢献に努め、長期的かつ安定的に企業価値の向上を目指してまいります。
なお、具体的には下記テーマに基づき、常に改善・向上を図ってまいります。
〔顧客満足の向上〕
「はじめに消費者ありき」という創業精神に基づき、お客様へ真のサービスを提供し続けることこそ、顧客満足の向上、ひいては業績の向上につながると確信しております。そのため、お客様のニーズを常に的確に捉え、以下のとおりサービスの向上に活かしてまいります。
① お客様にとって、より利便性が高まる店舗展開
② お客様にとって、より付加価値の高い商品の開発及び提供
③ お客様にとって、より魅力的な販売促進活動の展開
④ お客様にとって、より快適にご利用いただける店舗の提案
〔機能的な組織の構築〕
依然として厳しい環境下にある外食産業においては、その時々における経営課題に迅速かつ効果的に対処する必要があります。そのため、以下のことが実現できる機能的な組織の構築を目指してまいります。
① 質の高い人材の確保及び育成
② 人材が持つ能力の最大限発揮
③ 機動的な店舗展開
④ 最適かつスピーディーな意思決定
〔強靭な収益構造の確立〕
企業価値を高め、ひいては株主価値を高めていくためには、収益構造をより強靭なものとする必要がありま
す。そのため、以下の課題に取り組んでまいります。
① ロス削減やシフト管理強化による店舗利益の確保
② 店舗の改装・移転による店舗収益性の向上
③ 安全かつ高品質の商材を供給するための仕入ルート開発及び購買力のさらなる強化
④ 店舗網の拡大に対応するための効率的な物流管理
(2)目標とする経営指標
当社グループは、確実な企業価値の向上を図るため、次の指標を目標として、中長期的な経営を行ってまいります。
出 店 数 毎期100店舗以上
既存店売上高前年比 毎期100%以上
連結ROE(自己資本当期純利益率) 毎期15%以上
(3)中長期的な会社の経営戦略
国内の市場環境につきましては、少子高齢化の進行による規模縮小に加え、リモート化の浸透やデジタル化の加速等で生活様式や消費行動が大きく変化したことによって企業に大きな変革が求められるなど、企業間競争が一層激化するものと予想されます。これに加え、新型コロナウイルス感染症の感染が再拡大するなど先行きが不透明な状況にあるだけでなく、原材料やエネルギー価格の高騰、人件費の上昇、地政学的リスクの高まりも経済活動に大きな影響を及ぼす可能性があり、引き続き厳しい事業環境が続くと予想されます。
このような環境下にあって、当社グループは「ほっともっと」「やよい軒」「MKレストラン」「海外」の4つの事業に経営資源を集中し、店舗収益性の向上や出店の拡大に取り組んでまいります。
店舗収益性の向上に関しましては、継続して店舗のQSCの向上、商品力の強化、及び効果的な販促活動に注力してまいります。出店の拡大に関しましては、国内で更なる店舗網の拡大を進め、経営基盤の充実を図ってまいります。海外での展開につきましても、新たな市場の獲得を目指して積極的に取り組んでまいります。
以上のことを基本的な戦略と位置づけ、各事業への取り組みを次のとおり進めてまいります。
①ほっともっと事業
2022年2月末現在、国内では47都道府県において2,488店舗を展開しております。今後も継続して新規出店を推進し、3,000店舗体制を目指してまいります。今後の事業展開につきましては、ユニットFC制度を活用し、新規オーナーの獲得と既存オーナーの多店舗化を積極的に進め、引き続き直営店の加盟店への移管を積極的に進めてまいります。また、スマートフォンを利用した会員サービス「My Hotto Motto」から得られたデータの広告販促や商品開発への活用に加え、デリバリーサービス導入店舗の拡大、ネット注文やキャッシュレス決済の推進等、非接触型へのオペレーションの改善を進め、お客様のさらなる利便性の向上を図ってまいります。
②やよい軒事業
2022年2月末現在、国内では39都道府県において371店舗を展開しております。今後も未進出のエリアも含め継続して新規出店を推進し、500店舗体制を目指してまいります。今後の事業展開につきましては、ユニットFC制度を活用し、新規オーナーの獲得に努め、直営店の加盟店への移管を進めてまいります。
また、デリバリーサービス導入店舗の拡大に加え、テイクアウトメニューの拡大や全店舗で「ごはんおかわりロボ」を導入し「おかわり処」を再開するなど、お客様が安全に食事をしていただける環境づくりを推進しております。さらに、新型券売機の導入によるキャッシュレス決済の推進や、リニューアルした公式アプリからのQRクーポンの配信等、お客様のさらなる利便性の向上を図ってまいります。
③MKレストラン事業
これまで九州エリアを中心に出店し、2022年2月末現在、25店舗を展開しております。今後も、期間限定の鍋スープや特選具材、飲茶メニューの提供に加え、ファミリー層をターゲットとした販促施策の定期的な実施でお客様の来店促進を図りつつ、出店を推進し、50店舗体制を目指してまいります。
④海外事業
2022年2月末現在、海外9カ国におきまして253店舗を展開しております。ほっともっとにつきましては、中国・韓国において8店舗出店しております。韓国につきましては、フランチャイズ展開を進めており、その他の国につきましても、引き続き将来のフランチャイズ展開に向けたノウハウの蓄積に努めてまいります。
やよい軒につきましては、タイ・シンガポール・オーストラリア・台湾・アメリカ・フィリピン・マレーシア・中国において245店舗を展開しており、引き続き積極的に新規出店を推進してまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループを取り巻く環境、中長期的な会社の経営戦略を踏まえ、以下の課題に対処してまいります。
[食の安全・安心の確保]
消費者の食の安全・安心へのニーズはますます高まっております。当社グループは、食の事業に携わる企業として、食の安全性を確保し、お客様に安心してご利用いただけることを、何より優先しなければならない重要事項であると認識しております。このため今後とも品質管理の徹底を図ると共に、新たに食の安全・安心に懸念を抱かせる事象が発生した場合には、適宜当社グループの品質基準を見直す等、食の安全性の確保に努めてまいります。
[原材料の安定調達・安定供給体制の確保]
世界的な食材の調達競争が厳しさを増す中で、良質の原材料を安定的に調達し、安価で店舗に供給する体制の確保は、当社グループにとって重要な課題であります。このため、各取引先との協力・連携を強化すると共に、グループ内に蓄積した海外市場からの輸入ノウハウを活用する等、購買力の強化に努めてまいります。また、2018年10月に新設したCENTOSなどの当社グループ工場を活用し、基幹商材の内製化を進めることにより、さらなる安定供給と生産性向上を図ってまいります。併せて、店舗展開エリアの拡大に伴う物流システム・物流網整備につきましても、適宜見直し効率化に取り組んでまいります。
[商品力及び販売力の充実]
厳しい企業間競争の中で、マーケットに応じた売上向上のために商品力及び販売力の強化が必要となります。このため、幅広い顧客ニーズを捉えた新商品の開発や定番商品の付加価値向上により、商品力の強化に努めてまいります。また、話題性のあるキャンペーンを実施して広告効果を高めると共に、店舗マニュアルの徹底等を通してQSCの向上を図る等、販売力の強化に努めてまいります。併せて、海外事業におきましては、食材の現地化による店舗原価低減に努めてまいります。
[より良い物件の確保]
新規出店を進める上で、お客様にとって、より利便性が高い物件を確保することは重要な課題であります。このため、物件情報の収集力強化及び商圏調査や売上予測等の精度向上を図り、収益力の高い店舗の増加に努めてまいります。
[人材の確保・教育]
当社グループが、長期的に成長を続けるために、人材の確保・育成が重要な課題であります。このため当社グループの将来を担う人材を積極的に採用すると共に、教育・研修等を充実して育成を図ってまいります。
[環境保護や社会貢献活動への取り組み]
当社は今後も常にお客様の立場に立って顧客満足の向上を図りながら、環境負荷の低減、地域社会への貢献に努め、持続可能な社会の実現と長期的かつ安定的な企業価値の向上を目指してまいります。
当社はサステナビリティの社内浸透、コーポレートガバナンス・コードへの適切な対応、サステナビリティ課題の経営への統合を目的として、サステナビリティ委員会を立ち上げました。
また、当社グループでは、事業活動を通して、店舗での無洗米の使用を継続すると共に、効率的な流通システムの構築、店舗面積の更なるコンパクト化やLED照明、太陽光発電システムの導入、弁当容器の軽量化やアイテム数の集約によるプラスチック使用量の削減等、環境保護に努めてまいります。
併せて、スポーツ支援や米文化継承を通じた社会貢献活動にも積極的に取り組んでまいります。
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