当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
また、当社グループは「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しております。詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (会計方針の変更)、(収益認識関係)及び(セグメント情報等)」に記載のとおりであります。
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が弱まり、徐々に持ち直す傾向にありますが、国内外での再拡大には継続して注意が必要です。また、ウクライナ情勢によって生じた地政学的リスクや、これに伴う金融資本市場の不安定な変動など、先行きについては不透明な状況が続いております。
国内建設業界におきましては、民間建設投資において、巣ごもり需要によるEC市場の拡大に加えアフターコロナを見据えた設備投資意欲の向上が見られました。また、国土強靭化計画等を背景とする関連予算の執行により、公共建設投資は一定の底堅さを維持しました。しかし、受注競争の激化や建設資材の価格高騰等の影響もあり、厳しい事業環境が続いており、先行きについては引き続き注視が必要な状況となっております。
このような状況のなか、2019年度から3カ年計画で取組んでまいりました『中期経営計画2021 Move 75 PhaseⅠ』においては、震災復興事業の収束を見越し、事業ポートフォリオ改革を着実に進行してまいりました。その結果、再生可能エネルギー・不動産開発事業を主とする関連事業が成長し、3カ年計画の最終年度である当連結会計年度においては、全体に占める営業利益の割合は73%に達し、親会社株主に帰属する当期純利益の計画達成にも大きく寄与しました。以上から、当社グループの経営成績は以下のとおりとなりました。
当連結会計年度の経営成績については、売上高は126,790百万円(前連結会計年度比7.6%増)、売上総利益は16,997百万円(前連結会計年度比10.7%減)、営業利益は7,957百万円(前連結会計年度比24.7%減)となりました。また、経常利益は8,398百万円(前連結会計年度比20.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は7,389百万円(前連結会計年度比4.2%減)となりました。
セグメントごとの経営成績は次のとおりであります。(セグメントの経営成績については、セグメント間の内部売上高又は振替高を含めて記載しており、セグメント利益は、連結損益計算書の営業利益と調整を行っております。)
(土木事業)
土木事業においては、売上高は55,148百万円(前連結会計年度比0.7%減)であり、セグメント利益は、前年同期に寄与した好採算案件が竣工により減少したことに伴い628百万円(前連結会計年度比83.9%減)となりました。
建築事業においては、売上高は58,984百万円(前連結会計年度比8.5%増)であり、セグメント利益は、前年同期に寄与した好採算案件が竣工により減少したことに伴い1,542百万円(前連結会計年度比69.6%減)となりました。
関連事業においては、売上高は大型販売用不動産の売却により13,855百万円(前連結会計年度比66.9%増)であり、セグメント利益は、大型販売用不動産の売却に伴う収益及び前年に完成した自社事業である松島どんぐり太陽光発電所が寄与したことにより5,823百万円(前連結会計年度比255.7%増)となりました。
地域ごとの業績は次のとおりであります。
日本国内での売上高は119,522百万円であり、営業利益は7,682百万円となりました。
アジアにおける売上高は7,268百万円であり、営業利益は274百万円となりました。
(注)セグメント間取引については、相殺消去しております。
(注)売上実績においては、「外部顧客への売上高」について記載しております。
なお、参考のため、提出会社個別の事業の状況は次のとおりであります。
提出会社の受注高(契約高)及び売上高の状況
(注) 1.前事業年度以前に受注したもので、契約の変更により請負金額の増減がある場合は、当期受注高にその増減額を含んでおります。したがって、当期売上高にも係る増減額が含まれております。また、前事業年度以前に外貨建で受注したもので、当事業年度中の為替相場により請負金額に変更のあるものについても同様に処理しております。
2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当事業年度の期首から適用しており、当事業年度の前期繰越高については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。
3.当期受注高のうち海外工事の割合は前事業年度7.1%、当事業年度4.0%であります。そのうち主なものは次のとおりであります。
当事業年度 請負金額10億円以上の主なもの
② 受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
(注) 百分比は請負金額比であります。
(注) 1.海外工事の国別割合は以下のとおりであります。
2.完成工事のうち主なものは、次のとおりであります。
前事業年度 請負金額10億円以上の主なもの
当事業年度 請負金額10億円以上の主なもの
3.売上高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の売上高及びその割合は、次のとおりであります。
前事業年度
環境省 16,651百万円(16.3%)
当事業年度
該当事項はありません。
④ 繰越高(2022年5月31日現在)
繰越工事のうち請負金額10億円以上の主なもの
資産は、受取手形・完成工事未収入金等15,038百万円、無形固定資産1,050百万円などの増加要因が、有形固定資産4,536百万円、販売用不動産3,490百万円などの減少要因を上回ったことにより、前連結会計年度末比5,958百万円増の154,724百万円となりました。
②負債の部
負債は、支払手形・工事未払金等6,085百万円、未成工事受入金1,800百万円などの増加要因が、長期借入金4,259百万円、短期借入金1,539百万円などの減少要因を上回ったことにより、前連結会計年度末比222百万円増の74,778百万円となりました。
③純資産の部
純資産は、親会社株主に帰属する当期純利益7,389百万円の計上及び配当金2,310百万円の支払いなどの結果、前連結会計年度末比5,735百万円増の79,946百万円となりました。なお、自己資本比率は、前連結会計年度末比1.6ポイント増の51.2%となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、税金等調整前当期純利益10,981百万円の計上、仕入債務の増加6,065百万円などの収入要因が、売上債権の増加14,953百万円、法人税等の支払額3,231百万円などの支出要因を上回り、3,759百万円の収入超過(前連結会計年度は4,572百万円の収入超過)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の売却による収入6,048百万円、投資有価証券の売却及び償還による収入1,549百万円などの収入要因が、有形固定資産の取得による支出1,973百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,514百万円などの支出要因を上回り、4,331百万円の収入超過(前連結会計年度は2,172百万円の支出超過)となりました。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入金の返済による支出5,875百万円などの支出要因が、自己株式の売却による収入244百万円などの収入要因を上回り、8,082百万円の支出超過(前連結会計年度は16,910百万円の収入超過)となりました。
以上の結果、現金及び現金同等物の当連結会計年度末残高は、47,170百万円(前連結会計年度末は46,954百万円)となりました。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、工事の完成に要する外注費等の工事費や人件費等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は設備投資等によるものであります。
これらの資金は、自己資金及び金融機関からの借入及び社債の発行により調達しており、当連結会計年度においては、調達実績はありません。
当社グループは運転資金の効率的な調達を行うため、当連結会計年度末においては、5,400百万円の当座貸越契約及び12,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたっては、経営者により、一定の会計基準の範囲内で見積り及び判断が行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積り等については、継続して評価し、事象の変化等により必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なる場合があります。
当社グループが連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち,重要なものは以下のとおりであります。
なお,新型コロナウイルス感染症の拡大による影響に係る会計上の見積りの前提は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
( 一定の期間にわたり収益を認識する方法による収益認識)
詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。
固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件をもとに減損の兆候の把握、減損損失の認識及び測定を実施しておりますが、市況の変動などにより、これらの前提条件に変更が生じた場合、減損処理が必要となり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
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