事業等のリスク

2【事業等のリスク】

 当社グループにおいて、事業展開に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。なお、リスク要因に該当しないと思われる事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。また、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。以下の記載は、本株式への投資に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意下さい。

 本項中の記載内容については、特に断りがない限り2021年12月31日現在の事項であり、将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)医薬品の開発リスクについて

 当社グループが売上収益を創出し、継続して黒字を達成出来るかどうかは、臨床試験段階にある当社グループの医薬品候補化合物の開発が成功裏に完了し、必要な政府機関の承認を取得し、かつ、上市できるかどうかに左右されます。当社グループは、既存の医薬品候補化合物の開発に相当の人的・財務的資源を投入しておりますが、これらの候補化合物が医薬品として上市されるまでには今後も多額の投資が必要と考えております。しかしながら、当社グループの既存の医薬品候補化合物及び当社グループが今後発見、またはライセンス・イン或いは買収により導入する新規化合物が政府機関の承認を得られる保証はなく、さらには政府機関の政策、規制または承認を取得するために必要な臨床試験データの内容等が当該臨床開発期間中に変更となったり、申請対象国によって異なったりする可能性があります。

 

(2)グローバルな事業展開に伴うリスクについて

 当社グループの収益の大半を占める連結子会社であるBCとBABは、それぞれ中国及び米国に拠点があるため、当社グループの事業活動は、グローバル展開に伴うカントリーリスク、為替リスクまたは政治的リスクの影響を受ける可能性があります。中国及び米国の医薬品産業は政府の厳格な管理監督下での規制を受けており、当社グループの活動は両政府が公布する法律等に従います。これら両国の政策、規制、法律等に変化が生じた場合には、当社グループの経営戦略や事業活動に制約が加えられる可能性があります。また、種々の理由による国際的なサプライ・チェーンの混乱等により、医薬品や医療機器(生体材料)の製造、販売、流通、医療行為に制約が加えられる可能性があります。

 

(3)競合について

 当社グループは市場競争環境の下で事業を行っておりますが、将来の技術発展や製薬業界における継続的な新薬開発により当社グループの既存製品の陳腐化或いは競争力低下を招いた結果、現在或いは将来の競合他社と有効に競争できなくなる可能性があります。当社グループが競合他社に劣後した結果、売上収益の減少、販売価格の低迷及びシェアの低下等が起こり、それらが当社グループの経営成績と利益率に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。従って、当社グループの今後の発展は、既存製品の改良及び新規性がありかつ価格競争力のある製品を開発し、それらが絶えず変化する市場において受け入れられるかどうかに大きく左右されます。

 

(4)法的規制について

 当社グループの医薬品の研究開発活動は、それらを行っている各国の薬事行政により様々な規制を受けております。例えば、当社グループの研究及び製造施設は中国にあり、このことは当社グループの中国における開発、販売並びに承認申請等において利点となっていると考えておりますが、中国の製薬産業は政府の厳格な管理監督下にあり、また、様々な監督官庁による監理監督を受けます。加えて、中国における医薬品の製造、流通、販売、医療行為や医療機器産業も刻々と変化する制度の下で政府の厳格な監理監督を受けており、制度が変化した場合には、当社グループの事業活動に制約が加えられる可能性があります。

 

(5)データ管理について

 当社グループは、常に変化し続けるデータローカライゼーションおよび国境を越えたデータ転送の規制に関して、日本の親会社レベルおよび子会社レベルの両方で、特許およびその他の知的財産のデータが確実に保護されるように注意を払っています。さらに、子会社レベルでは、事業を行うそれぞれの国の関連規則および規制の下で求められる、絶えず変化するローカルデータ管理および情報共有プロトコルに準拠するよう努めています。従って、当社グループは、日本では現在、従業員以外の個人の個人情報を取り扱っていませんが、個人情報保護法(APPI、2020年6月に改正され、2022年4月に発効)の第28条などの重要な規制の変更を注意深く見守り、定期的に手順や業務の更新を図っています。この目的のために、知的財産データおよびその他のリスク管理の目的でMaterial Information Manager(MIM)を任命しました。

 

(6)知的財産権について

 当社グループの製品に関して、特許その他の知的財産権を保護するための措置を取ったにもかかわらず、当該知的財産権に関し異議を申し立てられたり無効とされたりする可能性があります。特許侵害や、企業機密の漏洩、その他の知的財産権の侵害に関して係争することは、結果の良し悪しに限らず非常に費用がかかります。従って、当社グループでは、誠実義務に従って、細心の注意を払いながら特許出願を行います。しかしながら、訴訟を提起され、それらが法的に無効或いは実施不能であるという主張がなされる可能性は予測不可能であります。当社の知的財産権が侵害された場合、当社の個別製品、製品群或いは事業全体に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。

 

(7)製造物責任のリスクについて

 当社グループの製品及びその製造プロセスは、所定の品質基準を満たすことが求められます。当社グループは、製品に関する品質問題発生を予防するため、品質管理マネジメント体制及び標準手順書を確立しております。しかしながら、そのような品質管理体制をもってしても、間違い、不具合、故障といった事象を完全に取り除くことは困難であります。品質上の不具合は、幾つもの要因の結果、検知も是正もされない可能性がありますが、それらの多くは当社の管理不能な要因です(製造設備の故障、品質管理担当者によるヒューマンエラー又は不正行為、第三者の不正行為、原料の品質問題等)。加えて、当社グループにおいて将来製造能力を拡大した場合、当社グループの既存の設備と新設備とで製品の品質を等しく保つことを保証できない可能性があり、当該品質問題解決のために相当の費用が発生する可能性があります。

 

 

(8) 新型コロナウイルスなどの感染症に関するリスクについて

① 創薬の研究開発における影響

 当社グループは、パンデミック発生時に限らず、在宅勤務も極力可能にするための情報インフラを構築し、維持しておりますが、創薬の研究開発の多くは研究所にて行う必要があり、感染症が蔓延して出勤が困難になることにより、研究開発に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 臨床試験における影響

 新型コロナウイルスのようなパンデミックが発生した場合、臨床試験を行う医療機関や医師がパンデミック対応にリソースが優先的に割かれるため、パンデミックに直接関係ない新薬の臨床試験のスケジュールに悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 通常の事業活動に与える影響

 新型コロナウイルスのようなパンデミックが発生した場合、パンデミックを引き起こしている感染症以外の病気のための通院や治療が抑制され、パンデミック以外の病気向けの薬の処方が減ることにより、当社の医薬品の売上収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、生体材料事業においては、生体材料を使用する手術のキャンセルや延期などにより、生体材料の売上収益の目標の達成に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

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