業績

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度より会計方針を変更しております。詳細は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(会計方針の変更)」をご参照ください。前年同期及び前期末との比較については、遡及適用後の数値で比較分析を行っております。

(経営成績等の状況の概要)

(1) 経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の度重なる感染拡大を受け、多くの自治体に、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が断続的に実施されました。そして、8月下旬以降感染状況が急速に改善したことを受け、2021年9月末で緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が全ての対象地域で解除されたことから、個人消費に改善傾向が見られました。しかしながら、感染再拡大に対する懸念が根強いことから、勢いを欠いた経済活動を余儀なくされました。

海外においては、主に先進諸国で、政府による追加経済支援策や新型コロナウイルス感染状況の改善を受けた行動制限の緩和による社会経済活動の正常化など、景気回復基調の継続への期待感から、ニューヨーク市場における株価指数の史上最高値更新を始め、世界的な株価指数の高騰が見られました。その一方で、変異ウイルスによる感染再拡大や供給網の混乱、原油価格高騰などを背景としたインフレ進行などに加えて、中東や東南アジアにおいて政情不安が高まりを見せるなど、様々な下振れリスクを抱えながら推移いたしました。

一方、景気の先行きにつきましては、感染の世界的大流行に対処した行動変容による生産性の向上や新型コロナワクチン接種の進展に伴う感染状況の改善が期待されております。しかしながら、一部先進国でブースター接種が開始される一方、国民の大半が未接種者の国が存在するなど、ワクチン供給の偏りが一層深刻化しており、パンデミックの終息になお長期間を要するとともに各国内、各国間双方において経済格差の更なる拡大が懸念されるところであります。その他、更なるインフレ高進、米国長期金利上昇、米中間緊張関係長期化など様々なリスクに晒されており、予断を許さない状況が予想されます。

介護業界におきましては、高齢化率が年々上昇し、介護サービスの需要が益々高まりつつありますが、介護従事者については、有効求人倍率が高い数値で推移しており、人財の確保が経営上の最重要課題となっております。その対応策の一つとして、2019年10月には消費増税による負担増の緩和のため、基本報酬が増額改定されるとともに、介護職員特定処遇改善加算が制定されました。また、2021年4月に介護報酬が改定され、基本報酬の増額や新型コロナウイルス対応のための時限的報酬増額など事業者に有利な改定がなされる一方、介護事業者に新たな取り組みが課されるなど負担増となる内容も含まれております。

このような状況の下、当社グループは、ご利用者に品質の高いサービスを提供するため、介護職員の処遇改善及び研修体制の充実に努めるとともに、独自に創設した「誰伸び人事制度」の更なる進化に加え、社内求職者紹介制度の積極的な活用、更には、あらゆる世代の従業員が生きがいを持って働き続けられるための定年制度撤廃や全パートタイマーの有期から無期雇用契約への変更等、従業員が働きやすい環境を整備することによって雇用の安定 に努めております。

また、上述の介護職員特定処遇改善加算については、事業所のリーダー層及びリーダー候補層の処遇改善を重視した還元策を導入・実施し、これら中核層の従業員の満足度向上にも努めております。2021年度の介護報酬改定については、内容の精査に努め、コストと報酬のバランスを見極めた上で、加算報酬の算定に向けた取り組みを進めております。

緊急事態宣言下において、多くの業界で営業自粛が求められる中、介護業界に関してはご利用者やご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、政府、自治体から事業継続要請がなされました。

当社グループにおきましては、福祉サービスがご利用者の生活に必要不可欠なサービスであると改めて強く認識するとともに、特に介護の現場においては高齢のご利用者と直に触れ合うことを前提に、新しい生活様式の趣旨を勘案し、感染リスク、感染拡大リスクを可能な限り抑制するため感染症対策を徹底しつつ、ご利用者に寄り添った介護を継続できるよう最善を尽くしてまいりました。

なお、当連結会計年度において、介護サービス事業者への感染症対策に関する交付金が支給されました。当該交付金を活用し購入した備品等1億47百万円を販売費及び一般管理費に計上し、営業利益に影響を与えておりますが、支給された交付金を営業外収益に計上していることから、経常利益に影響はございません。

 

これらの結果、当連結会計年度の売上高は363億61百万円(前年同期比7.0%増)、営業利益15億6百万円(同12.5%増)、経常利益16億77百万円(同51.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は9億37百万円(同33.0%増)となりました。

セグメント別の業績は次のとおりであります。なお、セグメント別の各金額は、セグメント間取引等相殺消去前の金額によっております。

①在宅系介護事業

当事業におきましては、当連結会計年度において、大阪府に3拠点、東京都に3拠点、愛知県に2拠点、兵庫県に2拠点、京都府に1拠点、千葉県に1拠点、福岡県に1拠点の計13拠点を出店いたしました。出店に際しては緻密なマーケティングと十分な人財育成をベースに推し進め、早期黒字化を図るとともに、介護職の処遇改善に努めてまいりました。その結果、当連結会計年度の売上高は123億39百万円(前年同期比7.7%増)、セグメント利益は19億65百万円(同33.8%増)となりました。

②施設系介護事業

当事業におきましては、当連結会計年度において、大阪府に2施設、兵庫県に1施設、広島県に1施設の計4施設をオープンいたしました。また、緊急事態宣言、まん延防止等重点措置等の影響により、営業活動への制約や入居時期の先送りが見られるとともに、感染対策経費が増大したものの、的を絞った営業活動により当事業の業績は改善傾向にあります。その結果、当連結会計年度の売上高は187億41百万円(前年同期比2.8%増)、セグメント利益は9億53百万円(同12.9%増)となりました。今後も引き続き入居者獲得に注力し、収益改善に取組んでまいります。

③その他

その他の事業におきましては、ご利用者の安心・安全・利便・生きがいを提供するため、介護人財の教育事業にて4拠点、障がい者(児)通所支援サービスにて3拠点、ダイニング事業にて5拠点、医療サポート事業にて1拠点、保育事業にて3拠点、新規事業である学童事業にて1拠点の計17拠点を出店するなど積極的な営業展開を図り、売上伸長に注力いたしました。また、当連結会計年度において、東京都及び大阪府において開設いたしました認可保育所に対して自治体から支給が決定された補助金を営業外収益に計上しております。その結果、当連結会計年度の売上高は79億89百万円(前年同期比18.2%増)、セグメント利益は7億96百万円(同58.8%増)となりました。

 

地域別在宅系介護事業所数の推移

区分

2020年10月期末

2021年10月期末

増減

大阪府

訪問介護

71

73

2

居宅介護支援

30

30

デイサービス

6

6

その他

3

3

兵庫県

訪問介護

21

24

3

居宅介護支援

4

4

その他

1

1

京都府

訪問介護

7

8

1

居宅介護支援

1

1

デイサービス

1

1

その他

7

7

東京都

訪問介護

47

50

3

居宅介護支援

26

27

1

デイサービス

5

5

その他

1

△1

神奈川県

訪問介護

4

4

千葉県

訪問介護

1

1

居宅介護支援

1

1

埼玉県

訪問介護

1

1

居宅介護支援

1

1

愛知県

訪問介護

7

8

1

居宅介護支援

2

3

1

デイサービス

3

3

その他

3

3

福岡県

訪問介護

6

7

1

居宅介護支援

1

1

デイサービス

4

4

その他

1

1

広島県

訪問介護

2

2

宮城県

訪問介護

4

4

居宅介護支援

1

1

合 計

 

271

285

14

 

 

 

地域別施設系介護事業所数の推移

区分

2020年10月期末

2021年10月期末

増減

大阪府

有料老人ホーム

11

12

1

グループホーム

18

19

1

兵庫県

有料老人ホーム

6

7

1

グループホーム

12

12

京都府

有料老人ホーム

2

2

グループホーム

12

12

東京都

有料老人ホーム

11

11

グループホーム

14

14

千葉県

有料老人ホーム

3

3

グループホーム

2

2

神奈川県

有料老人ホーム

3

3

グループホーム

3

3

埼玉県

有料老人ホーム

3

3

愛知県

有料老人ホーム

3

3

グループホーム

6

6

福岡県

グループホーム

4

4

広島県

有料老人ホーム

1

1

グループホーム

2

3

1

宮城県

グループホーム

1

1

合 計

117

121

4

 

 

 

その他の事業所数の推移

区分

2020年10月期末

2021年10月期末

増減

大阪府

訪問看護

4

5

1

障がい児通所支援

12

14

2

認可保育所

3

5

2

介護人財の教育

8

8

ダイニング

14

17

3

その他

8

9

1

兵庫県

訪問看護

2

2

障がい児通所支援

2

2

介護人財の教育

2

3

1

ダイニング

6

7

1

その他

2

2

京都府

訪問看護

2

2

介護人財の教育

1

2

1

ダイニング

1

1

その他

1

1

奈良県

介護人財の教育

1

1

滋賀県

介護人財の教育

1

1

東京都

訪問看護

1

1

障がい児通所支援

2

3

1

認可保育所

3

4

1

介護人財の教育

5

8

3

ダイニング

14

16

2

その他

7

7

千葉県

介護人財の教育

1

1

ダイニング

3

3

神奈川県

介護人財の教育

1

1

ダイニング

3

3

埼玉県

介護人財の教育

1

1

ダイニング

3

3

愛知県

介護人財の教育

4

4

ダイニング

3

3

岐阜県

介護人財の教育

1

1

福岡県

訪問看護

1

1

介護人財の教育

1

1

広島県

ダイニング

1

1

合 計

 

125

144

19

 

 

 

(2) 財政状態の状況

① 資産

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ14億4百万円増加し、376億円となりました。

② 負債

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2億95百万円減少し、308億26百万円となりました。

③ 純資産

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ16億99百万円増加し、67億74百万円となりました。

 

(3) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1億1百万円減少し、28億23百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況と要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により得られた資金は、26億11百万円(前年同期は28億75百万円の収入)となりました。これは主として、税金等調整前当期純利益14億68百万円、減価償却費13億82百万円、賞与引当金の増加額2億46百万円による資金の増加、及び利息の支払額6億59百万円、法人税等の支払額4億63百万円、売上債権の増加額2億59百万円による資金の減少によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により使用した資金は、13億80百万円(前年同期は11億6百万円の支出)となりました。これは主として、有形固定資産の取得による支出10億31百万円、無形固定資産の取得による支出1億64百万円、差入保証金の差入による支出61百万円による資金の減少によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により使用した資金は、13億34百万円(前年同期は77百万円の支出)となりました。これは主として、長期借入れによる収入15億円による資金の増加、及び長期借入金の返済による支出16億27百万円、リース債務の返済による支出9億82百万円、配当金の支払額2億23百万円による資金の減少によるものであります。

 

(4) 生産、受注及び販売の実績

① 仕入実績

当連結会計年度における仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

仕入高(千円)

前年同期比(%)

在宅系介護事業

78,697

92.2

施設系介護事業

138,379

87.8

その他

1,282,935

107.4

合計

1,500,012

104.4

 

(注) 1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2 「その他」の仕入の主な内容は、福祉用具、食材及び介護用品、並びに教材の仕入等に係るものであります。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

② 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

販売高(千円)

前年同期比(%)

在宅系介護事業

12,339,264

107.7

施設系介護事業

18,741,823

102.8

その他

5,279,914

122.7

合計

36,361,002

107.0

 

(注)1 セグメント間取引については、相殺消去しております。

2 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2019年11月1日

至 2020年10月31日)

当連結会計年度

(自 2020年11月1日

至 2021年10月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

大阪府国民健康保険
団体連合会

7,669,820

22.6

8,170,278

22.5

東京都国民健康保険
団体連合会

4,667,081

13.7

4,868,528

13.4

 

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③ 生産、受注の状況

該当事項はありません。

 

(経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容)

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。

当社グループは、連結財務諸表作成にあたって、適切な会計方針を選択し、減損会計における将来キャッシュ・フローの見積りを始めとする、固有の見積りや判断が必要な事象については過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるためこれらの見積りと異なる場合があります。詳細につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」をご参照ください。

なお、当社グループが採用した会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)5 会計方針に関する事項」をご参照ください。

また、新型コロナウイルス感染症の国内における感染状況については、感染状況の改善を受け、2021年9月末を以って緊急事態宣言、まん延防止等重点措置が全ての適用地域で解除されるなど、感染は収束に向かっておりますが、欧州で感染が急拡大するなど、世界的には感染が拡大傾向にあることに加えて、新たな変異ウイルスが出現するなど、依然として収束時期は不透明であります。こうした状況を踏まえ、感染症の影響は少なくとも次期(2022年10月期)いっぱいはあるものと想定しております。このような環境下ではありますが、当社グループが主力とする介護事業は、ご利用者やそのご家族が健やかな生活を送る上で必要不可欠なサービスであることから、翌連結会計年度以降においても、事業環境が著しく悪化する可能性は極めて低いと仮定し、当該仮定を会計上の見積りに反映しております。

 

 

(2) 財政状態

当連結会計年度末における資産は、前連結会計年度末に比べ14億4百万円増加し、376億円となりました。

(流動資産)

当連結会計年度末における流動資産は、前連結会計年度末に比べ1億74百万円増加し、98億2百万円となりました。これは主として、売掛金の増加2億59百万円、及び現金及び預金の減少1億1百万円によるものであります。

(固定資産)

当連結会計年度末における固定資産は、前連結会計年度末に比べ12億29百万円増加し、277億98百万円となりました。これは主として、投資有価証券の増加15億33百万円、建物(純額)の増加6億63百万円、及びリース資産(純額)の減少12億41百万円によるものであります。

 

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ2億95百万円減少し、308億26百万円となりました。

(流動負債)

当連結会計年度末における流動負債は、前連結会計年度末に比べ4億56百万円増加し、92億27百万円となりました。これは主として、賞与引当金の増加2億46百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加1億99百万円、未払金の増加1億59百万円、及び預り金の減少1億97百万円によるものであります。

(固定負債)

当連結会計年度末における固定負債は、前連結会計年度末に比べ7億52百万円減少し、215億98百万円となりました。これは主として、リース債務の減少10億13百万円、長期借入金の減少3億26百万円、及び繰延税金負債の増加5億15百万円によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ16億99百万円増加し、67億74百万円となりました。これは主として、親会社株主に帰属する当期純利益を9億37百万円計上する一方、配当金を2億24百万円支払ったことによる利益剰余金の増加7億12百万円、及びその他有価証券評価差額金の増加9億71百万円等によるものであります。

 

(3) 経営成績

①売上高

当連結会計年度は、全セグメントに共通する売上増加要因として、2021年4月の介護報酬のプラス改定がありました。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、主に訪問介護事業所を積極的に開設したことに加え、加算報酬の取得を進めたことにより売上高が拡大いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、開設数は多くなかったものの、既存施設の入居促進に集中したことが奏功し売上高が拡大いたしました。また、その他のセグメントにおいては、介護人財の教育事業が好調であったことに加えて、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規出店を進めたことから売上高が拡大いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度に比べて23億76百万円増加し、363億61百万円となりました。

②売上原価

当連結会計年度は、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、当事業の従業員数増加により人件費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいても、新規施設開設に伴う従業員数増加による人件費を始めとする固定費増加により、売上原価が増加いたしました。また、その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る人件費を始めとする固定費の増加により、売上原価が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の売上原価は、前連結会計年度に比べて13億15百万円増加し、276億26百万円となりました。その結果、売上総利益は前連結会計年度に比べて10億61百万円増加し、87億34百万円となりました。

 

③販売費及び一般管理費

当連結会計年度は、各セグメント共通の販売費及び一般管理費増加要因として、国及び自治体から介護サービス事業者に対して支給された交付金を活用し購入した備品等1億47百万円を販売費及び一般管理費に計上したことから、各セグメントに配賦される共通経費が前連結会計年度以上に増大したことが挙げられます。なお、これにより、営業利益にも影響を与えておりますが、支給された交付金を営業外収益に計上していることから、経常利益への影響はございません。各セグメント固有の増減要因については、在宅系介護事業セグメントにおいて、訪問介護事業所の積極的開設に伴う、初期投資及び固定費の増加により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。施設系介護事業セグメントにおいては、主にエリアマネージャーの増員及び新規開設に伴う管理費増加を受けて、販売費及び一般管理費が増加いたしました。その他のセグメントにおいては、保育事業、障がい児通所支援事業、訪問看護事業等で新規に出店したことから、これら事業所に係る家賃を始めとした固定費増加に加えて、新規事業及び海外事業において、先行投資に係るコストの発生により、販売費及び一般管理費が増加いたしました。また、管理部門において、人財獲得に向けて様々な施策に取り組んだことに加えて、課税仕入れの増大に伴い控除対象外消費税が増加したことから、販売費及び一般管理費が増加いたしました。これらの結果、当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べて8億93百万円増加し、72億27百万円となりました。その結果、営業利益は前連結会計年度に比べて1億67百万円増加し、15億6百万円となりました。

④営業外損益

当連結会計年度の営業外収益は、前連結会計年度に比べて3億98百万円増加し、8億85百万円となり、また、当連結会計年度の営業外費用は、前連結会計年度に比べて3百万円減少し、7億14百万円となりました。営業外収益増加の主因は、主に、その他のセグメントにおいて、保育施設の開設が2拠点から3拠点に増加したことに伴い整備補助金が増加したことに加えて、国及び各自治体から支給された新型コロナウイルス関連補助金を各セグメントに計上したことによって、補助金収入が3億78百万円増加したことであります。その結果、経常利益は前連結会計年度に比べて5億69百万円増加し、16億77百万円となりました。

⑤特別損益

当連結会計年度は特別利益が発生せず、前連結会計年度に比べて35百万円減少いたしました。また、当連結会計年度の特別損失は、前連結会計年度に比べて1億6百万円増加し、2億9百万円となりました。特別損失増加の主因は、減損損失が1億7百万円増加したことであります。その結果、親会社株主に帰属する当期純利益は前連結会計年度に比べて2億32百万円増加し、9億37百万円となりました。

 

(4) 経営方針・経営戦略等又は経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上及び株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけております。

当社グループは、介護事業の市場拡大基調が継続するとの予測に基づき、売上高及び市場占有率拡大を優先することが経営指標の持続的向上に寄与するとの判断から、積極的に事業所の開設を進めてまいりました。このような方針の下、当連結会計年度の売上高伸長率は7.0%となりました。また、売上高経常利益率は、前連結会計年度比1.4ポイント改善し4.6%、ROE(自己資本利益率)は、前連結会計年度比0.8ポイント改善し15.8%となりました。今後も引き続き、在宅系介護事業セグメントでは稼働時間の増加、施設系介護事業セグメントでは空床率及び入院率の低減を図ることによって、これらの指標を向上させるべく努めてまいります。

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性に関する情報

当連結会計年度に係るキャッシュ・フローにつきましては、「経営成績等の状況の概要 (3) キャッシュ・フローの状況」に記載の通りであります。

当社グループの資金需要のうち主なものは、新規開設に係る設備資金(主に、介護施設備品、保育所建設工事等の初期投資)と人件費であります。人件費については自己資金、新規開設に係る設備資金については金融機関からの借入金により賄い、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 

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