課題

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針及び中長期的な会社の経営戦略

当社グループは、福祉、医療、教育、文化の4分野を通じて社会貢献することを経営理念としております。これらの実現に向け、行動指針として「現場第一主義」を掲げ、顧客から最も支持され、信頼される企業となることを目指しております。また、福祉理念と市場原理の融合を図り、継続的に企業価値を高めることにより、株主をはじめとしたステークホルダー(利害関係者)の信頼と期待に応えるべく努めてまいります。

今後の経営環境につきましては、介護市場全体の伸びは継続的に推移するものの、異業種からの新規参入を受けた競争激化や労働力人口減少に伴う介護の担い手不足など、多くの課題を突き付けられており、厳しい経営環境が継続するものと考えられます。また、中国武漢に端を発する新型コロナウイルス感染症の業績への影響は、当連結会計年度におきましては軽微でありましたが、欧州を始めとする感染状況深刻化や新たな変異ウイルスの出現など、感染防止に努めてのサービス提供の長期化が見込まれることから、感染防止に伴うコスト増やサービス提供時の負担増といった負の影響に晒されるものと考えられます。

かかる状況下ではありますが、当社グループは、「人を大事にし、人を育てる」の人事政策に徹し、「最大ではなく最高の福祉サービス」、「人間の尊厳を尊重し、利用者本位の真心と優しさのこもったサービス」を継続して提供することにより、日本のヘルスケア産業のリーダー企業を目指してまいります。

また、コンプライアンスを遵守した経営に徹し、介護分野における顧客の多様なニーズに応えるため、在宅系の訪問介護事業を始め、有料老人ホーム、グループホーム等の施設系介護事業の積極的な展開、軽度介護者の受け入れや介護周辺業務の充実等、介護事業全体でのシェアの拡大への取り組みを進めてまいります。また、認可保育所、障がい児通所支援事業所、及び福祉用具サービス事業所についても積極的に開設、新規事業開発にも果敢に挑戦することに加え、中華人民共和国及びベトナム社会主義共和国に設立した在外子会社において、当社グループの経営理念や介護サービスの特徴について浸透を図り、本格的に海外展開を進めることによって、総合福祉企業としての地位確立に向けた取り組みを加速してまいります。

さらに、経営環境の変化にも柔軟に対応した経営革新やコストダウン、業務の効率化にも努力を傾注、とりわけ、シームレスな基幹業務システムの内製化を進めることにより、中長期的な事業展開の実現可能性を高め、継続的な企業価値の拡大を図ってまいります。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループでは、長期的・継続的な企業価値の向上及び株主資本の効率的活用が重要であると認識しており、売上高伸長率、売上高経常利益率並びにROE(自己資本利益率)を主要な経営指標として位置づけ、売上高伸長率については新規出店数に沿った着実な成長を、売上高経常利益率及びROEについては前年数値を継続的に上回ることをそれぞれ目標としております。これら目標の達成に邁進することにより、企業規模拡大と利益率向上を果たし、企業価値の最大化を実現してまいります。

 

 

(3)会社の対処すべき課題

当社グループの主要事業であります介護事業市場における変化や競争激化に対応するため、以下のテーマを重要課題として取り組んでまいります。

①人財の確保と育成

要介護認定者数の継続的な高い伸びや当社の営業拠点の拡大から、介護サービス提供者(介護福祉士・ホームヘルパー・ケアマネジャー・看護師等)が恒常的に不足しており、また、法改正によるサービス提供責任者の要件変更や当該サービスのクオリティー(質)に対する要求度も高まってきているところから、社内求職者紹介制度の活用などにより、引き続き優秀な人財を確保するとともに、適切な人財配置と教育研修による人財の育成及び雇用条件の向上により、社員及び顧客に安心・安全を提供できる環境をつくってまいります。これに併せて、2017年11月に技能実習法が施行され、外国人技能実習生の受け入れ人数拡大や制度の拡充が図られるなど、事業者にとってより有用な制度設計がなされたことから、当社グループにおいても当該制度を活用するとともに、外国人留学生についても積極的に受け入れを進めるなど、人財確保手段を多様化することでより安定的に人財が確保できるよう努めてまいります。

②社内管理体制の強化

社内管理体制におきましては、内部統制システムの更なる強化を推し進め、業務効率の向上を図るとともに、安心・安全な情報セキュリティー体制、迅速な経営判断と情報開示体制に基づく強固なコンプライアンス体制の構築に取り組んでまいります。

③新規事業

当社グループといたしましては、介護保険制度の変動リスクを軽減するとともに、ご利用者の安心・安全・利便・生きがいの向上に役立つ介護福祉周辺の新規事業開発やM&A案件等の取り組みを積極的に進め、体質強化を図ってまいります。

④財務体質の改善

当社グループは介護事業の市場拡大基調が継続するとの予測の下、積極的に事業の拡大を図っております。当社グループでは、開設時の初期投資軽減のため、主に長期リース契約にて物件を確保してまいりましたことから、有利子負債比率が高い水準にあります。その一方で、介護市場の拡大基調は鮮明であり、このような環境においては必要な投資を着実に実行していくことこそが、当社グループの長期にわたる事業拡大と利益成長の礎となるものと認識しております。以上を踏まえ、今後も積極的に新規投資を実施いたしますが、投資資金調達については案件に応じ最適化を図ることにより、有利子負債をコントロールすることで、当社グループの財務体質の改善を図ってまいります。

 

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