文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大により大都市圏を中心に緊急事態宣言等の発令と期間延長が繰り返される厳しい状況となりました。令和3年9月末の緊急事態宣言解除やワクチン接種等の進捗に伴い景気回復の動きが見られたものの、変異株による感染拡大の懸念等により、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループが属する食品流通業界におきましては、巣ごもり需要によって内食や中食等の家庭内消費は増加したものの、飲食店の営業時間の短縮や休業に加え、コロナ禍の長期化で外出や出勤を控える生活が常態化したこと等で外食の需要が減少しています。
当社グループの主力である米穀事業においても、宅配や量販店向けの家庭用需要は堅調であったものの、外食を中心とした需要の減退等により、業務用向けの精米販売数量は減少しました。また、過年度産米在庫の余剰感と令和3年産米の豊作を要因とする需給の緩みによって米穀の国内販売単価は下落し、卸業者間の玄米販売の数量も減少しました。一方、前年同期と比較してミニマム・アクセス米の販売数量が大幅に増加したことに加え、飼料事業における販売の伸長、鶏卵事業における鶏卵相場の上昇等により、売上高は、107,812百万円(前年同期比0.2%増)となりました。
また、損益面では、既存取引先への営業提案と新規開拓に努め国産米の取引に係る採算を改善したこと、精米工場の効率化を進め製造コストを圧縮したこと等から、 営業利益は526百万円(前年同期は42百万円の営業損失)、経常利益は614百万円(前年同期比649.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は505百万円(前年同期比707.3%増)となりました。
米穀事業におきましては、前年同期と比較してミニマム・アクセス米の販売数量が大幅に増加しました。しかしながら、供給過剰となっていた令和2年産米に続く令和3年産米の豊作による販売単価の下落が続くなか、新型コロナウイルス感染症の影響による巣ごもり需要で家庭用向けの販売は比較的堅調であったものの、飲食店の営業時間短縮や外出自粛等の活動制限が行われたことで業務用向けの需要が大幅に減少したことに加え、卸業者間の玄米販売も低調であったことから売上高は91,799百万円(前年同期比0.6%減)となりました。一方、損益面では、国産米の取引に係る採算の改善に注力したこと、コスト削減を徹底したこと等により、営業利益は874百万円(前年同期比204.5%増)となりました。
ⅱ 飼料事業
飼料事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響でコンテナ物流が混乱し、牧草の輸入が減少したことに伴い、輸入牧草の販売数量が減少しましたが、穀物価格の世界的高騰により国内飼料価格が値上がりするなか、糟糠類の調達・販売を強化したことが奏功し、 売上高は7,449百万円(前年同期比10.7%増)となりました。物流の混乱から需給環境が乱れたことで輸入牧草の利益率は悪化したものの、国産原料の販売強化とコスト削減に努めたことで、営業利益は391百万円(前年同期比5.6%増)となりました。
鶏卵事業におきましては、鶏卵相場が例年になく高い水準で推移するなか、新型コロナウイルス感染症の影響を受け、巣ごもり需要等により量販店向けの家庭用ブランド卵の販売が増加しました。加えて、消費者ニーズにマッチした鶏卵・鶏肉加工品の販売が好調だったことから、 売上高は5,228百万円(前年同期比5.9%増)、営業利益は34百万円(前年同期比65.7%増)となりました。
食品事業におきましては、加工用原料米の販売数量減少に加え、新型コロナウイルス感染症の影響により病院への営業活動が制限されたことでヘルスケア商品の販売数量が減少し、 売上高は3,334百万円(前年同期比7.4%減)となりました。また、和菓子向け米粉販売の採算が悪化したこと等から、営業利益は32百万円(前年同期比41.4%減)となりました。
当連結会計年度末における総資産は29,863百万円となり、前連結会計年度末と比べ73百万円の増加となりました。これは主に受取手形及び売掛金の増加額213百万円、投資有価証券の増加額712百万円等に対し、たな卸資産の減少額663百万円、前渡金の減少額226百万円等があったためであります。
負債につきましては負債合計が19,284百万円となり、前連結会計年度末と比べ993百万円の減少となりました。これは主に短期借入金の増加額1,430百万円、繰延税金負債の増加額147百万円等に対し、支払手形及び買掛金の減少額1,448百万円、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金を含む)の減少額1,395百万円等があったためであります。
純資産につきましては純資産合計が10,579百万円となり、前連結会計年度末と比べ1,066百万円の増加となりました。これは主に利益剰余金の増加額485百万円、その他有価証券評価差額金の増加額342百万円等があったためであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,848百万円となり、前連結会計年度末に比べ1百万円増加(前年同期比0.1%増)しました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
当連結会計年度の営業活動の結果獲得した資金は、774百万円(前年同期比9.8%増)となりました。これは主に仕入債務の減少1,450百万円等に対し、税金等調整前当期純利益613百万円、減価償却費409百万円、たな卸資産の減少720百万円、その他の流動資産の減少468百万円等があったためであります。
当連結会計年度の投資活動の結果使用した資金は、574百万円(前年同期比302.6%増)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出351百万円、関連会社株式等の投資有価証券の取得による支出204百万円等があったためであります。
当連結会計年度の財務活動の結果使用した資金は、309百万円(前年同期比75.9%減)となりました。これは主に短期借入金の増加1,210百万円、長期借入れによる収入2,500百万円等に対し、長期借入金の返済による支出3,898百万円等があったためであります。
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は製造原価によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度の商品仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 金額は仕入価額によっております。
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
該当事項はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1 本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 セグメント間の取引については相殺消去しております。
3 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
4 米穀事業の内容は次のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しております。連結財務諸表の作成にあたっては、会計上の見積りを行う必要があり、特に以下の事項は、経営者の会計上の見積りの判断が財政状態及び経営成績に重要な影響を及ぼすと考えております。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来の収益力に基づく課税所得及びタックスプランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積額が減少した場合には繰延税金資産が減額され、税金費用が計上される可能性があります。
(固定資産の減損)
当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前キャッシュ・フローを見積り、その総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。減損の兆候の認識及び測定にあたっては、慎重に検討を行っておりますが、事業計画や経営環境等の前提条件の変化により、減損処理が必要となる可能性があります。
また、新型コロナウイルス感染症による影響につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(追加情報)」に記載しております。
経営成績の分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載しております。
キャッシュ・フローの分析については、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、商品仕入及び製品製造費用ほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は生産ラインの増設及びその他機械装置の更新等にかかる設備投資等によるものであります。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、金融機関からの長期借入を資金調達の基本としております。
当社グループは、今後も営業活動により得られるキャッシュ・フローを基本に将来必要な運転資金及び設備投資資金を調達していく考えであります。
当社グループは、最重点戦略分野への資本投下に対して会社の経営状態(投資状態)を判断する指標として総資本経常利益率を活用しております。当面、5%以上の目標を設定しております。加えて、売掛金の低減・在庫の削減を通して総資本回転率の向上を進めるとともに、売上高経常利益率1%を目標に置いております。
当連結会計年度の総資本経常利益率は2.1%(前年同期比1.8ポイント増加)、売上高経常利益率は0.6%(前年同期比0.5ポイント増加)となりました。引き続き当該指標の改善に邁進していく所存でございます。
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