文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
企業価値
・私たちは、お客さまのニーズに応えます。
・私たちは、お客さま、お取引先、株主、従業員、地域社会など、あらゆるステークホルダーとの信頼関係を大切にします。
・私たちは、社業の発展を通じて社会に貢献します。
企業理念
・誠意と感謝の気持ちを持つ企業であり続けます。
・より高いクオリティを追求する企業であり続けます。
・新しい価値を創造する企業であり続けます。
経営理念
「コメビジネスを軸に世界中の消費者にコメとコメ関連食品の素晴らしさを発信し、健康で楽しいライフスタイルの実現をサポートします。」
当社グループは、「誠意と感謝」、「クオリティの追求」、「価値創造」の企業理念のもと、お客さまに価値ある商品をタイムリーにお届けすることを通じて「豊かなライフスタイル」を提供していくとともに、「コメをコアとした食と暮らしの提案」を積極的に行う、創造力と活気にあふれた企業を目指します。
そのために、お客さまのニーズを起点としたマーケティング戦略を実践し、お客さまに喜ばれる新しいサービスや商品の開発に果敢にチャレンジしていくことでこれらを実現してまいります。
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、最重点戦略分野への資本投下に対して会社の経営状態(投資状態)を判断する指標として総資本経常利益率を活用しております。当面、5%以上の目標を設定しております。加えて、売掛金の低減・在庫の削減を通して総資本回転率の向上を進めるとともに、売上高経常利益率1%を目標に置いております。
(3) 中長期的な会社の経営戦略及び対処すべき課題
当社グループの主力事業である米穀事業を取り巻く環境は、国内においては、少子高齢化による人口の減少、食の多様化、糖質制限の流行、新型コロナウイルス感染症による外食の減少等によって米の消費の減少が継続する一方、令和2年産米に続き令和3年産米が豊作となったことで、主食用米の需給の緩和が継続しております。巣ごもり需要によって家庭用向けの販売は堅調であり、令和3年9月に緊急事態宣言及びまん延防止等重点措置が解除されたことで外食向けを中心に業務用の需要も緩やかに回復しつつありますが、感染力の強い変異株の蔓延が消費減を引き起こす懸念があるなか、急速に変化する消費者のニーズに対応した商品の提案と、徹底したコストダウン等による競争力の強化が求められる厳しい経営環境となっています。
このような状況のなか、当社は今後の事業展開にあたり「米穀事業の構造改革」と「新規事業推進の本格化」を柱とした以下の施策を実行してまいります。
米穀事業においては、供給過剰による販売単価の下落と卸業者間の販売競争の激化が収益を圧迫することが予想されることに加え、物流・エネルギーコストや製造及び販売にかかる人件費等が上昇傾向にあることから、各工程において更なる効率化とコスト削減を進めることが喫緊の課題となっております。自社精米工場における生産体制の再構築による効率化を最優先事項とし、営業部門と連携したアイテムの集約や工場内業務の効率化を進め、今後の環境変化に対応できるよう、人手に依存しない省人化・自動化設備の導入を強力に進めてまいります。また、各地の協力精米工場との資本提携を推進し、品質管理体制をより強化しながら、家庭用向け商品の産地精米化を進めてまいります。加えて、特定米穀を取り扱う東日本農産株式会社への出資を通し、お米を出来る限り有効活用するとともに、取り扱う加工原料向け米穀のラインナップを広げ、様々な条件に応じられる優位な調達と販売に繋げてまいります。また、生産者に近づく体制作りを堅持し、全国各地における多収穫米の契約栽培の推進や実需者への共同提案に積極的に取り組み、生産者・実需者・当社の三者にメリットのある長期安定的な関係を構築してまいります。
新規事業の推進につきましては、国内外の異業種企業との提携や大学との産学連携に注力し、スピーディーで効率的な商品開発を目指してまいります。また、環境理念である『お米をはじめとした自然の恵みを取扱う企業として、私たちの事業が豊かな自然環境の上に成り立っていることを認識し、自然に感謝するとともに、企業活動が環境に与える影響を考え、事業と環境の持続的な調和を目指す』ことに基づき、精米加工をはじめとする全ての企業活動に係る資源及びエネルギー節減と、廃棄物及び食品ロスの低減、環境への負荷が少ない包装資材や設備、そして再生可能エネルギーの使用等を進め、SDGsの取り組みに努めてまいります。また、自然循環型農業を推進する京都与謝野町との提携による協働や、従来の包装資材よりもプラスチックの使用量を減らしたエコ包装を採用した商品の拡充等、新規事業と新商品開発にあたっては、持続可能な発展に繋がることを意識して取り組んでまいります。
海外においては、各国における新型コロナウイルス感染症の拡大状況や経済の回復状況を注視しつつ、ベトナム、中国、タイの現地法人を今まで以上に積極活用し、日本産米の輸出に力を入れていくほか、ベトナムで栽培したジャポニカ米や香り米をはじめとする外国産米の取り扱いラインナップを強化し、各国における販売と輸出入事業の強化に取り組んでまいります。
飼料事業においては、長期化する世界的なコンテナ物流の混乱と海上運賃高騰の影響を受けていることから、国内外において仕入先開拓を進めるとともに、販売エリアの広域化と物流網の効率化を進め、持続的な成長を目指してまいります。また、糠等の米穀の精米工程で発生する副産物の様々な用途での有効活用を推進してまいります。
鶏卵事業においては、既存先への拡販に加え、提案型営業をさらに推進し、新規開拓と規模拡大に努めてまいります。また、食品加工メーカーとの協力体制を構築し、消費者や取引先のニーズに応える付加価値の高い加工品の開発をより一層強化してまいります。
食品事業においては、自社のテストキッチンの活用や関係企業・大学との協業を通じて、産学連携体制で米粉や副産物を活用した新商品の開発に注力してまいります。また、米粉のグルテンフリー食材や小麦粉代替品としての魅力を改めて訴求し拡販に努めるとともに、ヘルスケア商品やコメ加工食品のラインナップを拡充し、収益基盤を強化してまいります。
以上の施策の推進において、東京証券取引所が掲げるコーポレートガバナンス・コードを踏まえ、企業統治の強化、経営全般の効率化を図りながら、木徳神糧グループのグローバルな経営資源を最大限に活用し、企業のサスティナビリティを重視する成長に全力で取り組んでまいります。
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