事業等のリスク

2 【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(令和4年3月30日)現在において、当社グループが判断したものであります。

(1) 米穀事業の特殊性について

① 「農業政策の影響」

当社グループの米穀事業においては、原料調達の大部分を国内産にて行っております。現在、減反による生産調整の廃止、農地集積や担い手の育成、飼料用米等主食米以外への転作、農業競争力強化プログラムの実行による農業への影響など、農業の生産や流通に係る多くの課題を抱えておりますが、今後の米の生産や流通基盤の変化と、通商政策による外国産米の輸入取り扱いについての政府方針変更によって、原料調達価格の変動などが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、契約手法の多様化によって原料調達価格や数量の変動リスクの低減を図るとともに、海外における収益基盤の拡充、新規事業や新商品開発に取り組んでまいります。

 

② 「天候等による影響」

当社グループの米穀事業においては、国内外の天候、災害などの影響を受ける作況動向、各国政府の備蓄に係わる方針及び数量、社会全体の景気に影響される消費動向などにより仕入・販売価格が変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは高温耐性や耐倒伏性といった温暖化等の気候変動に対応した特性を持つ新品種の普及を推進するとともに、原料調達におけるエリアの広域化とルートの複線化によって安定的な原料調達を図ってまいります。

 

 

③ 「特定の得意先への依存度」

当社グループの売上高のうち約32%が得意先5社への米穀販売で占められています。これらの得意先は量販店及びスーパーマーケット、生協、米飯加工、外食の業界等において、それぞれ安定的な収益状況にある大手企業であり、当社グループでは長年にわたり良好なお取引を継続させていただいております。しかしながら、今後も同様の取引を続けられる保証はなく、取引の停止、大幅な縮小となった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、長年に亘る取引において得意先のニーズに対し迅速に対応できる体制を構築し、得意先から高い満足度が得られる商品やサービスの提供を強化し、安定的な取引の継続に努めるとともに、新たな分野における新規開拓にも注力してまいります。

 

④ 「全国農業協同組合連合会(全農)への依存度」

当社グループの仕入高のおよそ45%は全農からの米穀仕入であり、長年にわたり良好な取引関係にありますが、全農の販売方針の変更により、全農からの仕入数量、仕入価格に大きな変動が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社は全農と資本業務提携の関係にあり、水田営農の持続的発展と国産米の需要拡大及び輸出強化、ならびにごはん食を通じた食生活の維持・向上を実現するため、互いの経営資源を有効活用して事業の発展及び企業価値の向上に資する体制を構築し実需者への精米販売に連携して取り組むとともに、消費者ニーズに応える作付推進を協力して行っております。今後も全農との関係を強化していくとともに、様々な形で協力できるよう、機動的な調達が可能な体制構築を進めてまいります。

 

(2) 食品の安全管理について

国内外において、鳥インフルエンザ、CSF(豚熱)口蹄疫、BSE(牛海綿状脳症)、農産品の残留農薬、遺伝子組換食品の使用、食品表示義務違反など食品の安全性に係わる事例が数多く発生しており、消費者の食品の安全性に対する関心が高まっています。当社グループの管理体制でカバーしきれない国内外の食品に関する安全、衛生問題の発生により、商品の調達、販売に支障をきたした場合、大規模な商品回収が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループは日本国内をはじめ世界各国の消費者に安全・安心でおいしいおコメを提供するため国際規格に基づく認証の取得を進め、安全な食品の提供に関するリスクの軽減と管理体制の構築に取り組んでおります。

 

(3) 法的規制等について

当社グループの米穀事業においては、「主要食糧の需給及び価格の安定に関する法律」(改正食糧法)、「農産物検査法」、「農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律」(JAS法)、「米穀等の取引等に係る情報の記録及び産地情報の伝達に関する法律」(米トレーサビリティ法)、「食品衛生法」、「食品表示法」、「健康増進法」、「不当景品類及び不当表示防止法」(景品表示法)、「製造物責任法」(PL法)、「容器包装に係わる分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(容器包装リサイクル法)、「農業競争力強化支援法」、「下請法」などの法規制の適用を受けております。これらの規制を遵守できなかった場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。社会の要請や法規制の変更等により、多くの新しい対応が求められておりますが、社内における各種情報の収集に努めるとともに、各分野の専門家、関係省庁及び業界団体の情報提供等から法改正等の趣旨や内容をいち早く把握し、法規制を遵守するとともに、当社グループとしての最適な対応を取れるよう努めてまいります。

 

(4) システム障害の影響について

当社グループは、原材料等の受発注、工場の運営管理、従業員の勤怠管理等については、必要なシステムを整備し、万全の体制を整えておりますが、万が一、大規模な自然災害、停電や機器の欠陥、コンピューターウイルスやハッキング等といったサイバー攻撃等によりシステム障害が発生した場合には、業務全般に支障をきたすことになり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。このため、基幹システムにおいては、データのバックアップ、ソフトウェアベンダーとの緊密な協力体制の確立など、可能な限り多面的な安全対策をとっております。

 

 

(5) 自然災害等のリスクについて

当社グループの事務所や工場所在地を含む地域で想定を超える大規模な地震や台風等による風水害、感染症の蔓延が発生した場合、設備の損壊や往来・外出の制限等によって事業活動の継続が困難となり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、当社グループの社会的な役割の一つは、お米という人々の生活に深く根付いた食品を安全かつ安定的に供給することであると認識しております。生産体制については、今後予想される大地震に備え可能な限りの対策をマニュアル化し、地震・ウイルス感染症の蔓延に対応したBCP(事業継続計画)を作成するとともに、災害時の対策行動指針を策定し全従業員に配布し、随時訓練を実施しております。新型コロナウイルス感染症への対応として、グループ全役職員の健康管理を強化し、検温や手洗い及び消毒の励行をはじめ、三密を避ける執務環境の整備、在宅勤務や時差出勤等の柔軟な勤務体系の推進、また感染状況に応じて工場を含む事業所間の往来制限、出張や会食等の制限等を行い、最大限の感染防止対策に努めております。

 

(6) 知的財産について

当社グループは、当社グループにおいて開発した技術については、必要に応じて、特許権、実用新案権、商標権等の工業所有権を取得しており、重要な経営資源であると考えております。しかし、他社が類似したものやより優れたものを開発した場合、当社グループの優位性が損なわれることとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。現在、当社グループ独自の技術等で製造する商品の販売が当社グループの業績に占める割合は少ないですが、今後も当社グループの競争力の一つである知的財産を守りつつ積極的な活用を行ってまいります。

 

(7) 海外事業に伴うリスク

当社グループは海外市場での事業拡大を戦略の一つとしておりますが、各国の予期せぬ法規制の変更、急激な為替相場の変動、その他の経済的・政治的な諸情勢の変化による事業活動上の障害が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。当社グループが進出している各国の現地法人との定期ミーティングをはじめ、現地のパートナー企業、関連取引先、在外公館や公的出先機関、各国の監査法人や会計事務所及び弁護士事務所等との情報交換等を通じて情勢変化の事前察知に努め、迅速且つ適切な対応ができるよう努めております。

 

(8) その他

当社グループは、将来の収益力に基づく課税所得及びタックスプランニングに基づき、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、経営環境等の変化により課税所得の見積りの変更が必要になった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性がありますが、繰延税金資産の回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産を計上することに努めております。

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