業績

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大による影響が長期化する中、ワクチン接種の進展などにより経済活動は段階的に持ち直しの兆しが見られたものの、新たな変異株であるオミクロン株の感染拡大や原材料価格の高騰、為替の急変動等により、先行きは予断を許さない状況が続いております。

海外経済におきましては、先進国を中心としたワクチン普及に伴う行動制限緩和等により経済活動は回復傾向が見られましたが、原材料価格の高騰や供給制約の長期化によるインフレに加え、ロシアによるウクライナへの軍事侵攻による地政学的リスク等により、先行きは不透明感を増しております。

外食産業におきましては、同感染症の拡大防止に向けた営業時間短縮や酒類提供自粛の要請への対応により、事業活動は制約されることとなりました。足元では、円安等による原材料仕入価格の高騰や人員確保のための人件費の上昇も懸念され、非常に厳しい経営環境が続いております。

このような状況の中、当社グループは「新しい生活様式」に対応すべく、お客様、取引先、従業員の安全を第一に考え、従来よりも一段上げた安心安全対策についての新たなガイドラインを設けて店舗での営業を行っております。

営業施策としましては、行動制限の緩和等により個人消費に回復の兆しがみられた状況の中、既存ブランドでの新規出店や新たな業態での出店、また、既存店舗への設備投資等について積極的な取り組みを再開いたしました。また、在宅勤務の継続等によるテイクアウトやデリバリーの需要に応えるべく、新たな業態やメニューの開発にも引き続き取り組んでおります。一方、同感染症の予断を許さない状況はまだ続いているため、損失を最小限に留めるべく、営業継続に支障がない経費の削減を行い収益力の改善を継続しております。

また、前連結会計年度に売却した賃貸用不動産に替わる安定した収益基盤として、文京区千駄木等に賃貸用不動産を新たに取得いたしました。

新規出店につきましては、国内において「カプリチョーザ」を墨田区のオリナス錦糸町に1店舗、「カプリチョーザ」の派生業態である「1978年渋谷で生まれたスパゲティ」を世田谷区の下北沢に1店舗、「エッグスンシングス」を横浜市西区のクイーンズスクエア横浜に1店舗、「ロメスパバルボア」を豊島区のサンシャインシティに1店舗、「ちんや」を台東区の浅草に1店舗出店いたしました。

フランチャイズ展開につきましては、国内において「カプリチョーザ」を4店舗出店いたしました。

以上の結果により、財政状態、経営成績及びセグメントごとの経営成績は次のとおりであります。

①財政状態

a.資産

当連結会計年度末における流動資産は8,279百万円となり、前連結会計年度末より1,226百万円減少いたしました。これは、現金及び預金が1,244百万円減少したこと等によるものであります。固定資産は8,697百万円となり、前連結会計年度末より3,878百万円増加いたしました。これは、有形固定資産が3,973百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、資産合計は16,977百万円となり、前連結会計年度末より2,651百万円増加いたしました。

b.負債

当連結会計年度末における流動負債は4,206百万円となり、前連結会計年度末より929百万円増加いたしました。これは、1年内返済予定の長期借入金が359百万円増加したこと、未払法人税等が190百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は7,521百万円となり、前連結会計年度末より925百万円増加いたしました。これは、長期借入金が850百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は11,728百万円となり、前連結会計年度末より1,854百万円増加いたしました。

c.純資産

当連結会計年度末における純資産合計は5,249百万円となり、前連結会計年度末より796百万円増加いたしました。これは、利益剰余金が675百万円増加したこと等によるものであります。また、減資により資本金535百万円をその他資本剰余金に振替えております。

②経営成績

当連結会計年度における売上高は19,182百万円(前期比21.3%増)、営業損失は836百万円(前期は営業損失1,423百万円)、経常損失は658百万円(前期は経常損失1,477百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は725百万円(前期比56.9%減)となりました。

 

 

③セグメントごとの経営成績

a.日本

国内では、売上高は14,557百万円(前期比13.8%増)、営業損失は218百万円(前期は営業損失318百万円)となりました。

b.北米

北米では、売上高は3,926百万円(前期比69.2%増)、営業損失は183百万円(前期は営業損失613百万円)となりました。

c.ミクロネシア

ミクロネシアでは、売上高は731百万円(前期比11.4%増)、営業損失は0百万円(前期は営業損失29百万円)となりました。

d.欧州

欧州では、営業損失は16百万円(前期は営業損失17百万円)となりました。

e.アジア

アジアでは、売上高は26百万円(前期比60.2%減)、営業損失は29百万円(前期は営業損失35百万円)となりました。

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、6,174百万円となり、前連結会計年度末より1,244百万円減少いたしました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動により増加した資金は1,344百万円(前期は1,386百万円の減少)となりました。これは税金等調整前当期純利益1,465百万円、減価償却費537百万円等により増加した一方で、債務免除益615百万円等により減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により減少した資金は4,301百万円(前期は6,270百万円の増加)となりました。これは有形固定資産の取得による支出4,284百万円等により減少したことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により増加した資金は1,593百万円(前期は650百万円の減少)となりました。これは長期借入れによる収入2,805百万円等があった一方で、長期借入金の返済による支出1,086百万円等があったことによるものであります。

(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移

 

2020年3月期

2021年3月期

2022年3月期

自己資本比率(%)

14.8

25.2

24.6

時価ベースの自己資本比率(%)

69.3

71.7

65.3

キャッシュ・フロー対有利子負債比率(%)

679.6

547.9

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

19.3

27.8

自己資本比率:自己資本/総資産

時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産

キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー

インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い

(注)1.いずれも連結ベースの財務数値により計算しております。

2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。

3.キャッシュ・フローは、営業キャッシュ・フローを利用しております。

4.有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち利子を支払っている全ての負債を対象としております。

5.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。

6.2021年3月期の「キャッシュ・フロー対有利子負債比率」「インタレスト・カバレッジ・レシオ」は、営業キャッシュ・フローがマイナスのため表示しておりません。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

①生産実績

当社グループは、生産を行っていないため、該当事項はありません。

②受注実績

当社グループは、店舗においてお客様から商品の注文をいただき、その場で調理して直接お客様に提供しておりますので、受注実績について記載すべき事項はありません。

③販売実績

セグメント別の販売実績を示すと、以下のとおりであります。

報告セグメントの名称

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年

同期比

(%)

売上高(千円)

構成比(%)

売上高(千円)

構成比(%)

日本

12,787,557

80.8

14,513,491

75.7

13.5

北米

2,305,557

14.6

3,911,777

20.4

69.7

ミクロネシア

656,416

4.2

731,112

3.8

11.4

アジア

65,899

0.4

26,222

0.1

△60.2

合計

15,815,429

100.0

19,182,604

100.0

21.3

(注)1.海外子会社においては、前連結会計年度(自2020年1月1日 至2020年12月31日)、当連結会計年度(自2021年1月1日 至2021年12月31日)としております。

2.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

事業部別の販売実績を示すと、以下のとおりであります。

事業部

前連結会計年度

(自 2020年4月1日

至 2021年3月31日)

当連結会計年度

(自 2021年4月1日

至 2022年3月31日)

前年

同期比

(%)

売上高(千円)

構成比(%)

売上高(千円)

構成比(%)

ウルフギャング・ステーキハウス事業部

4,490,265

28.4

5,821,222

30.3

29.6

カプリチョーザ事業部

3,411,550

21.6

4,003,147

20.9

17.3

ティム・ホー・ワン事業部

1,421,612

9.0

1,981,658

10.3

39.4

エッグスンシングス事業部

1,053,879

6.7

1,132,888

5.9

7.5

GEN事業部

444,061

2.8

821,519

4.3

85.0

その他事業部

4,994,059

31.5

5,422,168

28.3

8.6

合計

15,815,429

100.0

19,182,604

100.0

21.3

(注)海外子会社においては、前連結会計年度(自2020年1月1日 至2020年12月31日)、当連結会計年度(自2021年1月1日 至2021年12月31日)としております。

 

④店舗数推移

 

報告セグメントの名称

前連結会計年度

(2021年3月31日)

当連結会計年度

(2022年3月31日)

直営

フラン
チャイズ

合計

直営

フラン
チャイズ

合計

日本

72

66

138

77

63

140

北米

10

10

10

10

ミクロネシア

4

4

4

4

アジア

2

9

11

2

9

11

合計

88

75

163

93

72

165

(注)海外子会社が運営または管理する店舗については、前連結会計年度は2020年12月31日現在、当連結会計年度は2021年12月31日現在の内容であります。

(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は、前連結会計年度から継続して、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響を大きく受けた結果となりました。

経営成績につきましては、売上高は同感染症の拡大防止に向けた店舗の休業や営業時間短縮の影響を受けたものの、経済活動の持ち直しの兆しが見られた時期もあったことから、19,182百万円(前期比21.3%増)となりました。

販売管理費はシフトコントロールによる人件費の削減、営業継続に支障がない経費の削減を行い収益力の改善に努めてまいりました。その結果、営業損失は836百万円(前期は営業損失1,423百万円)、経常損失は658百万円(前期は経常損失1,477百万円)となりました。

特別利益には、雇用調整助成金、時短営業協力金等の「助成金収入」や「債務免除益」等を計上しております。特別損失には、「臨時休業による損失」(店舗の臨時休業中の人件費、賃借料及び減価償却費)や店舗の「店舗閉鎖損失」「減損損失」等を計上しております。以上の結果により、親会社株主に帰属する当期純利益は725百万円(前期比56.9%減)となりました。

当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、フランチャイザー、原材料価格、海外事業等があります。

市場動向につきましては、他業界と比較すると参入障壁が低く、熾烈な競争が今後も展開されると予想されることから、当社グループを取り巻く経営環境は依然として厳しい状況で推移するものと認識しております。こうした中、当社グループは国内及び海外で多種多様なブランドを幅広く展開している強みを活かし、成長性と収益性を高めてまいります。

フランチャイザーにつきましては、自社で開発した業態以外のブランドをフランチャイズとして展開する場合、フランチャイザーと契約を締結しております。安定的な事業運営を進めるため、今後も友好的な関係を築いてまいります。

原材料価格につきましては、外的な要因により仕入価格が上昇するリスクがありますが、取引先との関係を強化し、従来以上に密接な情報交換を行い、さらなるコスト削減努力を行ってまいります。

海外事業につきましては、展開する国における様々な経済的及び地政学的リスクを伴いますが、海外の子会社と徹底した情報共有を行うなど、あらゆるリスクの低減に向けて取り組んでまいります。

当社グループの経営成績に影響を与える他の要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、運転資金及び投資資金につきましては、まず営業キャッシュ・フローで獲得した資金を投入し、不足分は有利子負債を調達しております。

長期借入金の調達につきましては、事業計画に基づく資金需要、金利動向等の調達環境及び既存借入金の償還時期等を考慮の上、適宜判断して行っております。

なお、自己資本比率は24.6%ですが、資本性ローンを調整した自己資本比率は28.8%となっております。

当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況については「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

③重要な会計方針の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」「第5 経理の状況 2 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。

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