有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、記載内容のうち将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社が判断したものであります。
高い集客が見込める都心部及び首都圏主要都市を中心に出店しておりますが、新規出店につきましては、立地条件、賃貸条件、採算性等を総合的に勘案し出店候補地を決定しているため、条件に合致する物件が確保できない可能性があります。また、改装・退店基準に基づき業績不振店舗等のブランド変更、退店を実施することがあります。ブランド変更、退店に伴う固定資産の除却損、各種契約の解除による違約金、退店時の原状回復費用等が想定以上に発生する可能性があります。これらが生じた場合には、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
直営での出店の際に店舗物件を賃借し、賃貸借契約の締結に際して家主に差入保証金を差入れております。今後の賃貸人の経営状況等によっては、退店時に差入保証金の全部又は一部が返還されない可能性や、当社グループ側の都合により賃貸借契約を中途解約する場合等には、契約の内容によっては差入保証金の全部又は一部が返還されない可能性があります。
また、賃貸借期間は賃貸人との合意により更新可能ですが、賃貸人側の事情により賃貸借契約を更新できない可能性があります。
さらに、賃貸人側の事情による賃貸借契約の中途解約により、業績が順調な店舗であっても計画外の退店を行わざるを得ない可能性があります。これらが生じた場合には、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
店舗設備及び差入保証金等の出店資金並びにM&A資金の一部を金融機関からの借入により調達しております。当連結会計年度末における当社グループの有利子負債残高は23,000百万円となり、有利子負債依存度は64.4%となっております。現在は、主として固定金利を中心に長期借入金により調達しているため、一定期間においては金利変動の影響を受けないこととなりますが、今後借換えや新たに借入を行う際に、資金調達コストが上昇している場合には、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
有利子負債依存度:有利子負債残高/総資産
(注) 有利子負債は連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としています。
複数の取引金融機関と締結しております借入契約の一部において財務制限条項が付されており、事業活動をする上でこれらを遵守する必要があります。
今後、財務制限条項に抵触することとなった場合には、借入先金融機関からの請求により、当該借入についての期限の利益を喪失する可能性があり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、当連結会計年度における連結業績が一定水準を下回ったこと等により、シンジケートローン及び一部の借入契約における財務制限条項に抵触している状況にありますが、金融機関からは期限の利益喪失の権利行使を行わないことについて承諾を得ております。
原則として各店舗を独立したキャッシュ・フローを生み出す最小単位と捉え、店舗ごとに減損会計を適用し、定期的に減損兆候の判定を行うことで、ブランド変更や退店の判断を健全に行い、経営効率の向上を目指しておりますが、外部環境の急激な変化等により著しく収益性が低下した場合や退店の意思決定をした場合、減損損失を計上し、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
多様な業態を運営しているため、特定食材に依存していることはありませんが、食材の安全性確保に疑問が生じ、食材仕入量の制限を受けたり、天候不順、災害等の外的要因による農作物の不作等で需要関係が逼迫して食材の仕入価格が上昇する等、食材の確保に支障が生じる事態となった場合、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
今後ともグループ事業拡大を加速する有効な手段のひとつとして、M&Aを検討していく方針です。M&A実施に際しては、対象企業の財務・法務・事業等について事前にデュー・デリジェンスを行い、十分にリスクを吟味し正常収益力を分析した上で機関決定いたしますが、買収後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等事前の調査で把握できなかった問題が生じた場合、また事業の展開等が計画どおりに進まない場合、のれんの減損処理を行う必要が生じる等、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、買収により、従来行っていない新規事業が加わる際には、その事業固有のリスク要因が加わります。
今後も継続的な店舗展開を図っていく方針であるため、充分な人材の育成及び採用による人材の確保が出来ない場合には、サービスの低下による集客力の低下が生じ、また、出店計画どおりの出店が困難となり、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループが運営する店舗は、「食品衛生法」「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(容器包装リサイクル法)」「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風俗営業法)」「健康増進法」等の規制を受けております。各店舗では、衛生管理において、マニュアルに基づいた衛生管理や品質管理の徹底だけでなく、社内衛生管理担当者による定期臨店、定期社内講習に加えて、外部の専門機関による定期的な各種衛生検査を実施しております。また、上記各法において提出を要する届出等については遅滞なく提出をしております。しかしながら、食中毒等の問題が発生した場合、またこれらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用が発生することにより、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。アミューズメント事業では、インターネットが利用できる複合カフェを運営しており、当該店舗では、「インターネット端末利用営業の規制に関する条例(東京都条例第64号)」等の規制を受けております。ホテル・不動産事業では、「旅館業法」「民泊宿泊業法」等、様々な規制を受けております。
当社グループが展開する事業において、法令等の新規制定や法的規制の強化等が行われた場合、事業の制約を受けたり、それらに対応するための新たな費用が発生すること等により、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
多数の店舗ブランドを保有しているため、商標権侵害等による係争・訴訟のリスクが相対的に高いものと認識しております。そのため、商標出願時における調査が十分でなく、使用した商標が第三者のものと類似する等、第三者の商標権を侵害していると認定され、その結果、商標使用差止、損害賠償等を請求される可能性は否定できず、仮にこれらの請求が認められた場合には、当該第三者から商標の使用差止、使用料及び損害賠償請求等の支払請求をなされる可能性があるほか、店舗名の変更及びそれに伴う費用が生じる可能性があり、かかる場合には、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
なお、2022年2月28日現在、店舗ブランドに関する問題が生じた事実はありません。
お客様満足度向上のために多数の顧客情報を保有しており、「個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)」に定める「個人情報取扱事業者」に該当し、個人情報の取扱いに関して一定の義務を負っております。そのため、社内規程を作成し、システム上や運用上においてこれらの情報の漏洩がないよう、データベースサーバーへのアクセス権限者の制限やアクセス履歴管理を厳重にしております。
しかしながら、人為的なミスや何らかの不正な方法等により顧客情報が漏洩する可能性もあります。その場合には、信用低下による売上の減少、当該個人からの損害賠償請求等が招来し、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、新型コロナウイルスなどの感染症の発生や南海トラフ巨大地震や首都圏直下地震などの大規模な地震をはじめとする災害などを想定し、必要とされる安全対策や事業継続・早期復旧のための対策を、事業継続計画(BCP)を策定して進めております。しかし、当社グループの拠点が国内外に存在していることから、災害や感染症などが発生した場合のリスク全てを回避することは困難であり、また、昨今の気候変動などに伴う災害の大規模化を考えると、想定していない規模での発生も考えられ、その場合は、事業活動の縮小など、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
従業員やビジネスパートナーなど当社グループの事業運営に係る者により不正行為が行われた場合、直接的または間接的に当社グループの社会的評価が低下し、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループは、自然障害やハードウェア・ソフトウエアの不具合、人為的ミス、通信回線の障害、コンピューターウイルスなどのシステム障害が発生した場合、または適切に対処できなかった場合には、経営成績及び財政状態に影響を与える可能性があります。
当社グループがホテル・不動産事業として行っているもののうち「貸コンテナ」事業について、近年、同業他社を含めた設置台数が急速に増加しています。これに伴い、一部の業者において、居住環境等の問題による近隣住民とのトラブル、あるいはコンテナを建築物として認定した建築基準法に基づく撤去命令が出される事例もあると報道されています。当社グループが設置しているコンテナについて、2022年4月末時点では、近隣住民とのトラブル、あるいは撤去命令等の行政処分が行われた事実はありませんが、今後、行政指導等が強化された場合には、当社グループのストレージ事業の事業活動に影響を与える可能性があります。
(16) 新株予約権(行使価額修正条項付及び行使許可条項付)について
2020年10月26日開催の取締役会にて、当社は、モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社を割当先とした、第三者割当による新株予約権(行使価額修正条項付及び行使許可条項付)の発行を行うことで決議いたしました。
そのため、新株予約権(行使価額修正条項付及び行使許可条項付)が権利行使された場合、当社株式が新たに発行され、既存の株主が有する株式の価値及び議決権割合が希薄化する可能性があります。
(17) 継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループにおきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の影響による緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置等を受け、酒類の提供の制限や一部店舗では臨時休業や営業時間短縮の措置を継続して実施しておりましたが、2021年9月末日で緊急事態宣言が解除され、各自治体の方針に基づき十分な新型コロナウイルス感染症予防対策を実施した上で、当社直営店舗及び受託店舗も通常営業を再開しておりましたが、新たな変異ウイルスの再拡大により、2022年1月21日付で首都圏を中心にまん延防止等重点措置が適用されるなど、依然として厳しい経営環境が続いております。
一方で、当連結会計年度においても営業損失7,332百万円を計上しているものの、助成金収入7,170百万円の計上などにより経常損失97百万円、親会社株主に帰属する当期純損失354百万円を計上し、また、資本政策の実施により第6回新株予約権の行使による資金調達が874百万円、A種優先株式を発行し5,000百万円の資金調達を実施したことで、純資産額は5,240百万円となり債務超過は解消いたしました。
債務超過の解消により継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況は一部改善しており、また、当連結会計年度の資金残高の状況及び今後の資金繰りを検討した結果、当面の事業活動の継続性に懸念はございません。加えて、当社グループは、当該重要事象等を解消するため、2021年4月14日公表の「債務超過解消に向けた取り組みについて」にて記載させていただきましたグループ会社の見直し、グループ企業を含めたコストの圧縮、不採算店舗の退店、手許流動性の確保、新株予約権の行使による株式の発行や第三者割当による優先株式の発行等により財務状況を改善させるなどの対策を講じていることや主要取引銀行の継続的支援等から、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
(18) 連結業績予想などの将来予測情報に関する説明
当社は2019年末に発生した新型コロナウイルス感染症の感染拡大の長期化の影響で、人々の行動及び生活様式が大きく変化したことにより、外食事業の需要が激減し、さらに新型コロナウイルス感染症拡大の影響による緊急事態宣言の発出やまん延防止等重点措置等を受け、酒類の提供の制限や一部店舗では再び臨時休業や営業時間の短縮を余儀なくされました。また、ソーシャルディスタンス等の感染拡大防止による客数の減少に加えて、消費者の会食自粛の継続や在宅勤務の継続等の消費者の行動変化に伴う売上機会損失が発生し、業績に甚大な影響を受けております。
当連結会計年度は、ワクチン接種が広がり沈静化が期待されたものの、新たな変異ウイルスの再拡大により感染者数の増加・減少が繰り返され、これに伴いまん延防止等重点措置等が適用され外出自粛要請や飲食業を中心とした営業時間短縮により、国内需要の回復の兆しはいまだ見えない不透明な状況にあります。
当社グループにおいては、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、飲食・アミューズメント事業を中心に甚大な影響を受けております。翌連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、ワクチンの接種が開始されているものの、感染防止対策としての外出規制など、経済活動の一部制限が続く可能性もあり、本格的な回復に向けては時間を要すると考え、飲食・アミューズメント事業におきましては、依然として予断を許さない状況が続くと思われます。これらの状況を踏まえ、飲食・アミューズメント事業においては、新しい生活様式に対応するため、デリバリーを一部店舗で継続することや、ランチ業態を別業態で運営する二毛作業態の開発などにより、お客様の来店動機に合わせた業態開発を重点的に行います。ホテル・不動産事業においては、テレワークの推進による神奈川県の湘南、鎌倉エリアの不動産需要及び貸コンテナ需要の拡大並びに観光地のホテル需要拡大による売上高の回復が比較的早いことや神奈川県からの要請を受け、新型コロナウイルス感染症の軽症者の受け入れ施設として、「PARK IN HOTEL ATSUGI」を提供(一棟有償借上げ)することで、逼迫する地域医療の軽減に努める等から、各事業それぞれのお客様のニーズに迅速に対応することで、業績の回復を行ってまいります。また、食の安全性、健康増進法に対する消費者意識の高まり、少子高齢化やライフスタイルの変化など外部環境の厳しさが増すと目される中、上記の課題について積極的に取り組み、複数の成長軸をもって継続的な成長と企業価値の向上を目指してまいります。このような取り組みを継続することで、翌連結会計年度の連結業績につきましては、売上高32,628百万円(前年同期比68.6%増)、営業利益は524百万円、経常利益は903百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は522百万円を予想しております。
これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が発生しておりますが、当連結会計年度の資金残高の状況及び今後の資金繰りを検討した結果、当面の事業活動の継続性に懸念はございません。加えて、当社グループは、当該重要事象等を解消するため、グループ会社の見直し、グループ企業を含めたコストの圧縮、不採算店舗の退店、手許流動性の確保、第三者割当の方法により、新株予約権の行使や優先株式の発行により財務状況を改善させるなどの資本政策の実施などの対策を講じていることや主要取引銀行の継続的支援等から、継続企業の前提に関する重要な不確実性は認められないと判断しております。
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