当社グループの研究開発活動は、自動車安全部品事業、機能製品事業において、安全、安心、快適な製品、技術を生み出すことを目的としております。大半の研究開発活動は、当社が母体となっておりますが、「パルテム」は工法が主体となるため、子会社(芦森エンジニアリング株式会社)と共同で技術開発を行っております。
研究開発部門では、中長期で将来軸となるコモディティ化し難い商品もしくはシステムの技術開発に取り組んでおります。特に、新規事業の育成につなげるため、先進ユーザー、サプライヤー、大学等との外部機関と連携、協働を強化した新たな価値創造につなげる活動を実施しております。
当連結会計年度におけるセグメント別の研究目的、主要課題、研究成果及び研究開発費は次のとおりであり、研究開発費の総額は
(1)自動車安全部品事業
乗員拘束装置(シートベルト、エアバッグ)については、品質及び市場競争力向上のための継続的改善とカーボンニュートラル社会へ貢献するための小型、軽量なデバイス開発及び自動車事故死傷者の低減に貢献するための様々な事故形態に対応可能なシステム開発を進めております。
内装品については、各種シェード、トノカバー、並びにカーゴネット類の競争力向上及び、商品力向上に主眼を置いた各種製品の開発に取組み、新規市場開拓・顧客拡大に向けた提案型商品の開発を進めております。
当連結会計年度における自動車安全部品事業の研究開発費は
(2)機能製品事業
パルテムHL工法は、更生材料の改良等による施工性向上に注力するとともに、上水道分野における更生管の耐震性能理論深耕並びに市場認知度向上に努めました。パルテムSZ工法は、適用範囲拡大並びに小口径更生管の薄肉化を実現した建設技術審査証明を変更取得しました。パルテム・フローリング工法は、外圧試験データを拡充して構造設計における信頼度を高めるとともに、水密性を中心とした更生管の品質向上に注力しました。また、更生管の品質管理システム構築として、自治体との共同研究にて、「超音波による更生管管内検査手法の開発その2」を継続実施し、管更生の信頼性向上並びに更なる普及に努めています。
防災関連では、通水時の圧力損失が従来品より低い消防用ドルフィンシリーズの綾織ホース及び平織ホースの開発が完了し、本格的に市場投入しました。また、市場要求に対応した町野式不意離脱防止金具を自社開発し、第123期より市場投入してまいります。消防団向け操法大会用ホースは、コロナ禍による地方及び全国大会中止の中、通水性と操作性を改良した商品の開発を進めました。大量送水用大口径ホースでは、ホースと金具の口径拡充を進め、400Aホースとホース敷設から撤収までのシステムの開発に取り組み受注に至りました。防災資機材では、車両積載型のコンパクトな緊急排水システムと呼吸器ボンベ充填用コンプレッサーの開発を進めました。
産業資材関連では、労働力不足、高齢化、女性の進出等労働環境改善に貢献すべく、引き続きトラック物流機器について、省力化・自動化を進めた搬送装置の開発に取り組んでまいります。また、脱炭素化社会に向けた再生可能エネルギー分野での資材供給拡大を目指し共同研究や実証実験の実績を積み重ねて採用につなげてまいります。ゴム資材用広幅織物については、カーメーカーの急速な脱エンジン化の流れを受け、一般産業用途への転換と拡大、付加価値の高い高機能ベルト用織物の開発を推進してまいります。新規分野では、繊維素材の特性を生かし、高所作業での快適性や作業性を改善した資材提供や、快適環境づくりに貢献する製品の開発を進めてまいります。
当連結会計年度における機能製品事業の研究開発費は
(3)その他
技術企画部では、将来の市場を見据えて、当社のコア技術を組み合わせた商品開発を行っています。
①新市場、新商品開発
環境負荷の少ない材料での減災商品開発、介護向けアシストスーツの開発を進めております。また、医療分野では、患者が快適に生活できるシステムの開発に取り組んでいます。
②円筒織物活用製品、システムの開発
革新織機や押出成形の加工技術を用い、軽量・平滑・低挙動ホースの開発と送水システムの構築を行っております。
③生産革新
大気圧プラズマを応用したホース生産技術の開発、環状織機の自動化等を進めています。
当連結会計年度におけるその他の研究開発費は
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