当社グループは、「人と組織の持続的成長」を支える中長期的な人材育成、事業拡大に資するため、全社共通の探索や事業開発に資する研究を実施しています。
シンクタンク・コンサルティングサービスについては、研究・提言委員会を中心に、研究テーマの選定、進捗のフォロー、成果の全社展開を進めています。新事業開発については、ストック型事業の拡大、シンクタンクDXの実現に向けて、部門横断の審査委員会を設置し、テーマの選定、進捗フォロー、成果の事業化を進めています。
また、ITサービスについては、当社グループの中核企業である三菱総研DCS株式会社が中心となり、研究開発を実施しています。
当連結会計年度における研究開発費は
セグメントごとの主な研究開発活動は、以下のとおりであります。
(1)シンクタンク・コンサルティングサービス
① 未来社会構想研究
ポストコロナで目指すべき社会を「レジリエントで持続可能な社会」と定義し、その究極的な目標を「ウェルビーイングの最大化」と位置づけ、人々のウェルビーイングを高めるために必要な要素の指標化を試みました。
また、脱炭素社会の実現が世界的な潮流となる中で、カーボンニュートラルを起点とした産業構造の転換が必要であり、その実現策を提言するための研究を進めました。
② シンクタンク基盤研究
マクロ経済研究では、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界・日本経済への影響に加えて、ロシアのウクライナ侵攻の長期化による世界経済への影響などを発信しました。
先進技術研究では、バーチャルテクノロジーを取り上げ、中でもメタバースに関する最新技術動向と様々な分野における未来の活用可能性について提言し、大きな関心を呼びました。
③ 価値創造プロセス(VCP)連動研究
当社は、「中期経営計画2023」の基本方針のひとつに「VCP経営」を掲げています。これまで5分野(ヘルスケア、人財、都市・モビリティ、エネルギー、情報通信)を重点領域として取り上げ、政策・経済と科学・技術の知見を融合した研究を行い、官公庁への政策提言、企業やメディア向けの提言を行ってきました。
また、新たに3分野(食農、循環、レジリエンス)の研究・提言チームを設置し、各分野の社会課題の深掘りや社会課題解決策の具体的な検討を進めています。
④ 新事業開発研究
新事業開発研究では、ストック型事業の拡大に向けて、引き続き、FLAPサイクル実現に向けた人材マッチングツールの開発、再生可能エネルギーや蓄電池等の「分散型エネルギーリソース(DER)」の最適運用計画を立案するサービスを提供するツール開発などに取り組み一部サービスで商用化しました。また、当社自身のデジタル変革に向けて、ブリーフィングDX、データ分析DX等のツールを開発し、グループ内で活用・効果検証を実施しています。これらは、企業・官公庁の企画、研究開発、営業・マーケティング部門等においても活用可能性が考えられ、一部商用化しております。
(2)ITサービス
更なる事業成長に向けて3つのテーマに沿った研究開発を進め、既存事業の変革や新事業の創出を支える技術・サービスの提供を目指しています。
① データ利活用
DXが進むことで、情報の多様性・複雑性が増しているデータ管理分野の課題を解決するため、AIやタグ情報などを活用した研究開発を継続しています。
② 次世代開発
開発効率化や既存サービスの汎用化に向けて、ローコード開発ツールやマイクロサービス(*1)の技術検証を行いました。
③ ロボットを活用したサービス開発
大学等との共同研究により、2020年にリリースした介護向けサービス(*2)に続く新たなコミュニケーションロボットサービスの開発も進めています。
(*1)マイクロサービス:複数の独立した小さなコンポーネントやサービスを組み合わせてアプリケーション開発するアーキテクチャ。
(*2)介護向けサービス:2020年10月に高齢者施設向けの対話型コミュニケーションロボットサービス「Link&Robo for ウェルネス」をリリース。
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